『蛇神様』|洒落怖名作まとめ【中編・長編】

『蛇神様』|洒落怖名作まとめ【怖い話 - 中編・長編】 中編

 

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蛇神様

 

中途半端に感覚が鋭くなってた数年前、関西から東京に移住してた時、妹と
一緒に上京したんだが、妹のバイト先の話しを聞いてた時、急にすんごい
強烈なものが視えた。
女性なんだけど、上半身が緑の鱗にびっしり埋め尽くされた蛇の様な姿で、
顔は完全蛇なんだよ。しかも歌舞伎の隈取の様なメイク?がされている。
さらさらふわふわの生地の衣装を身に纏っている感じで。びっくりした。
東京に引っ越して、もうあらゆる心霊現象に見舞われ続けていたために、
気のせいで放置するのが怖くて、友達に電話で相談をした。
友達は「悪い感じはしない。むしろ助けに来てくれたんじゃない?」と。
その就寝時、やはり金縛り。妹も寝ているのに、なぜか部屋の中から
コンビニ袋をがさがさ弄り回すような音が耳に入ってくる。しかも、何かが
自分の首に巻きつき始めているのを感じた。

 

ガサガサと言う音と、ゆっくり首に何かが巻きついてぐるぐる回ってるんだ。
苦しくないし、無視して寝てしまおうかと思いながら目を開けたんだけど、
何にも見えない。また目を閉じて寝ようかどうかを考えた時、
そのままにしていたら危険な予感がして、金縛りを解こうと頑張った。けど
解けない。怖さややばさが感じられなかったのに、金縛りから逃げられない。
本当に危険なものかも・・・と焦り始めた時、友達の電話での話しを思い出したんだ。
「金縛りを解くのに、力を貸してください」と視えた蛇の女性のイメージに
お願いした瞬間、足元に何かが現れた。見えなかったんだけど、足元から
寝ていた枕の上方向に、その現れた何かの気配が飛び掛ったのを感じた。

瞬間に金縛りが解けた。
けど、現象は終わりじゃなかった。
何かが飛び掛ったらしき場所、つまりは寝ている頭の上辺りから

がつっ!!がりがりがりっ!!
がしゅ!がつ!がつ!がつ!がつ!
しゃーっ!!
がりがり!!

と、野生の王国を髣髴としてしまう音がと気配・・・・。
金縛りは解けていて体は自由に動くんだけど・・・リアルなヴァイオレンスの
気配に恐怖を感じて顔を上げることがどうしても出来なかった。

「た、助けてもらってるのに・・・こわがってごめんなさい~」と
心の中で思っているうちに眠ってしまった。

朝目を醒ましたら、夜あった事が嘘の様に普通の朝だった。
一日を普段どおりに過ごして、夜に友達に電話をした。
あった事を話すと、友達は、私の危険を察知して待機してくれてたんだろうと
言っていた。「多分、神様関連の方じゃないかな?よかったね」と言われて
私はそこで混乱した。神様に連なる方が、私なんか助けに来るの?
私みたいに心霊現象で苦しんでる人は沢山居ると思うけど、何で私のところなの?何で私なの?と・・・。

すると友達の口調と声音が変わった。
「愛することに理由はいるのか?愛することに理由は要らない」
その言葉を聞いて、泣いてしまった。
今も、当時を思い出したら、涙が出る。

後日、蛇の女性の気配を探したら、とても美人な女性の姿だった。
神様に連なるというよりも神様なんじゃ・・・という印象を抱いた。
御付の女性を二人ともなった姿を見せてくれた。

これを書いていて、感謝の念を忘れてはいけないと、今深く考える。

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