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『寺生まれのTさん』 全50話【1話 – 20話】

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寺生まれのTさん 全50話 寺生まれのTさん
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寺生まれのTさんとは?

2chのコピペなどで度々登場するする架空の人物で、『破ぁ!』という声とともに様々な悪霊を退治しています。
強烈なインパクトのキャラクターのため既存のコピペから色々と派生して色んな話が生まれたりしているようです。

初出は、オカ板やVIPという説があるようです。

Tさんは、どんな場所でも颯爽と登場し、心霊現象を解決していくヒーローのような存在で、Tさんの武勇伝は本人からではなく、助けられた人からの証言として語られています。
寺に生まれた者の宿命として無償でお祓いをして廻っているらしいTさんの武勇伝をお楽しみください。

 

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原典

俺は原付に乗って買い物に出かけた
普段どうり国道を走っていると
真っ赤なワンピースを着た綺麗な女性が眼に映った
お、綺麗な人だな、そう思った瞬間
俺は対向車線から来たトラックに撥ねられた
柔道を習っていた俺はとっさの瞬間受身をとる事ができたため
両足を骨折する重傷ですんだ。

それから半年たったある日友人のKが同じくトラックに撥ねられた
直ぐに病院に駆けつけたが、Kに意識は無くその後死亡した
その場で救助に当たった人の話によるとKは
「赤いワンピースを見てついよそ見しちまった・・・」
と呟いていたという
俺は驚いた。

アレは死神なんじゃないか?
俺がそう思っている頃またあそこで事故が合った
話を聞いてみるとひき逃げらしかった
この辺りは見通しがいいにも拘らずそういう事故が多いらしい
俺はあの赤いワンピースの女が死神だと確信した

数日後俺はバイトの先輩Tさんの車に乗ってその道を走っていた
Tさんは実家が寺で非常に霊感が強いらしく、俺は死神の話をしてみた。
「ふーん」っと素っ気なく聞いていたTさん
だが少し走ってからTさんが突然
「あの女か!」と叫んだ。

見ると確かにあの赤いワンピースを着た女が道を歩いている!!
「そうです!あの女です!!」
俺が叫ぶと「そうじゃない!あっち事だ!!」と正面を指すT先輩

見ると顔の抉れた女が対向車線を走るトラックの方向を狂わそうと、
車体飛び移っている所だった!
「ハンドル頼んだぜ・・・」
Tさんはそう呟くと車の窓から上半身を外に出し、狙いを定め
「破ぁーーーーー!!」と叫んだ
するとTさんの両手から青白い光弾が飛びだし、女の霊を吹き飛ばした
「これで安心だな・・・」そう呟いて片手でタバコに火をつけるTさん。
寺生まれってスゲェ・・・その時初めてそう思った。

 

 

寺生まれのTさん』 全50話

 

【1話 – 20話】

 

【21話 – 40話】

 

【41話 – 50話】

 

1. 夜釣り

俺は夜釣りに出かけた
ある日、遊びの予定がキャンセルになった俺は秘密の釣り場で夜釣りを楽しむ事にした
街から少し離れた所にある橋で、静かでよくつれる俺の穴場
その日も良く釣れ、しばらくした頃、全身に寒気が。
何か恐いな・・・そう思いつつも入れ食い状態のその場を離れる気にもならず夜釣りを楽しんだ
「あなたも釣りですか?」後ろから声をかけられた、振り返るとそこにはサラリーマン風の中年男性が
「えぇ、ここよく釣れるんです」「えぇそうらしいですね」
「あなたも釣りですか?」「・・・まぁそうですね」話していくうちに段々と俺は違和感を感じた
男性はどう見てもスーツ姿、とても釣りを楽しむ格好じゃない、こんな所でなにを・・・

「あなた、つらないんですか・・・」男性の声・・・いやおかしい、明らかに上から聞こえてきた
「つりましょうよ、あなたも・・・」俺は恐怖に震えながらも上を見上げた・・・
そこには、今話をしていた男性の首吊り死体が!!男が言っていたのは「釣り」ではなく「吊り」だったのだ!!
気が付くと俺の目の前には無数の人影が「吊ろう・・・一緒に吊ろう・・・」と俺に囁いている

「そこまでだ」聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いTさんだ
影によって今にも吊り上げられそうな俺の前に来ると、自前の釣竿を振り回し
「破ぁ!!」と叫ぶ、すると釣竿の糸が眩く光り、振り回した糸が剣のように次々と影を引き裂いてゆく!
ある程度影を振り払うと、Tさんの呪文によって周りには光が走り、アッー!と言う間に影は全滅した。

「Tさんも夜釣りですか?」そう尋ねるとTさんは俺を指差し「まあな、随分と小物を釣り上げちまったがな・・・」
帰り道で聞いた話によるとあそこは自殺の名所で首吊りが首吊りを呼ぶ恐怖の橋らしい。
「すっかり日も上がっちまったな、どれ、街で女の子でも釣りに行くか」
そう言って車に飛び乗り爽やかに笑ってみせるTさんを見て
寺生まれはスゴイ、俺はいろんな意味で思った。

 

 

 

2. 悪夢

俺は久々に嫌な夢を見た
ノコギリを持った男が俺の部屋に立っている・・・
俺は恐怖のあまり動くことが出来ず、ただその男を眺めている。
すると男は突然ノコギリで家の柱を切り出した!
思わず「やめろ!!」と叫ぶ俺

するとゆっくりこちらを振り返る男
その顔は、見るも無残に潰されて顔中に釘が打ち付けてある
「お前もこうなりたいのか?お前もこうなりたいのか?
してやろうか?してやろうか?」

ゆっくり俺に近づく男・・・俺は金縛りにあったように動けず、そして・・・
男のノコギリが俺の顔に・・・

そこで目が覚めた

嫌な夢だ、後味が悪い・・・俺は水を飲もうと立ち上がった
俺の目に飛び込んできたのは、無残にも傷つけられた家の柱!
俺は恐怖で腰を抜かしてしまった、あの男は現実に!!
そして次はホントに俺の顔が刻まれてしまうのではないかと

その日のバイトで、俺は寺生まれで霊感の強いTさんにその夢を相談してみた
しかし、Tさんは「しょせん夢だろ?」と冷たい対応
なんとしても引き下がれないので必死に何とかしてください!と頼み込むと
「それじゃあ俺の作ったお守りやるからそれを枕元に置いて寝ろ、
そうすりゃ大丈夫だ」とお守りを渡してくれた

次の日、不安ながらも朝の早かった俺は床に付いた、そこでまた夢を見た
「つづき、つづき、つづき!つづき!つづき!つづき!」
またあの男だ!!俺は夢の中でTさんのお守りを探した
しかしどこにも見当たらない・・・
「これ?これ?これ?」なんとお守りを男が持っている!もうおしまいだ!!

だが次の瞬間、お守りが眩い光に包まれ、どこからとも無くTさんの声が
「破ぁ!!」
お守りは光と共に飛び散り、男の半身を吹き飛ばした。

「あああああああああ」
半身でのたうつ男を尻目に俺は夢から目覚めた
枕元にあったはずのお守りはどこをどんなに探しても見つからなかった・・・

その話をTさんに話すと
「半身を吹き飛ばした?
やれやれ、威力は親父の作った奴の半分か・・・」と呟くTさん
寺生まれはスゴイ、俺は感動を覚えずにはいられなかった。

 

 

 

3. 初めての彼女

俺にもやっと彼女が出来た
彼女は色白で背も低く病弱で、学校でもよく虐められていたそうだ
俺はそんな彼女の事を守ってあげたいと思い、告白し、付き合うことになった
付き合いだしてから1ヶ月後、彼女が初めて家に止まりに来た。
だが童貞で奥手な俺は彼女にキスすることすら出来ず、
酒を飲むとそのままソファーで眠ってしまった

夜中に妙な音がしたので目が覚めた
誰かがブツブツ何か言ってる・・・
俺は彼女が電話しているのかと隣の部屋を覗き込んだ

するとそこには恐ろしい顔をした彼女が
「おうち、おうち、あたらしいおうち」と呟きながら
自分の髪の毛を壁とタンスの隙間や戸棚の下に押し込んでいる姿だった。
俺はあまりの恐怖に言葉を出すことも出来ずそのまま朝を迎えた。

何事も無かったかの様に眠る彼女・・・俺はどうしていいのか分からず
寺生まれで霊感の強い先輩のTさんに電話をし、ワケを話した
黙って俺の話を聞いたTさんは「よし、待ってろ、すぐ行く」と言ってくれた

俺は彼女に気付かれないようにこっそりTさんを上げると、
彼女を見たTさんは「これは・・・」と呟き
「俺の後ろに下がってろ、絶対に前に来るな・・・」と言い彼女の前に立った
Tさんは何か呪文のようなものを唱え「破ぁ!!」と叫んだ

すると部屋中に仕組まれていたであろう髪の毛がいっせいに燃え上がり
彼女の髪の毛までもが燃え上がった!!

「姿を見せな・・・」
Tさんがそういうと長かった彼女の髪の毛がバサリと抜け落ち、女の生首になった!
「こんな女の子に取り付いて、自分の結界を広げて他のかい、この小悪党め!!」
生首をガシリと掴むTさん
次の瞬間生首は断末魔をあげながら燃え上がり、灰になって消えた。
しゃがみ込んだTさんは無残に抜け降ちた彼女の髪の毛に触れると
「お前たち、元の場所に帰りな・・・」と優しく呟き
フワフワと浮かび上がった髪の毛は彼女の頭に生え移り、元どうりになった。

「二人に『カミ』のご加護がありますように」
Tさんは笑いながらそう言って帰っていった。
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った。

 

 

 

4. 海水浴

俺はバイト仲間5人と海へ行くことにした
しかし、海岸は物凄い人で、とても遊ぶことが出来ず、
俺達は目的をドライブに半ば無理やり変更し
海辺の道路をひたすら走っていた。

すると友人のYが「あれ?この辺り人全然いないよ」と言った
見てみると確かにこの辺りだけ人がポカンとおらず、5人で遊ぶなら丁度いい広さがある
浜に降り、ビーチバレーをしたり砂のお城を作ったりと楽しい時間を過ごした
するとYが「私元水泳部なんだー
あのブイまで泳ぎきったらかき氷おごってね!」と言い出した

俺が返事をするより早く海に飛び込むY
なるほど水泳部だけあってか綺麗な泳ぎでブイまでたどり着くY
沖で大きく手を振るY
俺達も浅瀬から手を降って返すが、どうも様子がおかしい

「あれ!?溺れてるんじゃない!?」誰かが叫んだ
確かに今にも沈みそうだ!俺達は急いで救助に向かった
しかし、水泳部のYと違い泳ぎの遅い俺達は中々たどり着くことが出来ず
代わりにYは今にも沈みそうに・・・

「おかしい・・・」
そう思った俺は水中に潜った、するとそこにはYの身体にしがみ付き、
引き込もうとする黒い影が無数に蠢いていた!!

このままじゃ俺達も・・・
そう思った瞬間、大波の向こうから一人のサーファーが!!
寺生まれで霊感の強いTさんだった!
Tさんは板を華麗に操りYを抱き上げるとそのまま波に乗って陸地へ
「破ぁ!!」
振り返らずにTさんが叫んだ
するとTさんの板が起こした無数の泡がボコボコと集まり浮き輪状に、
俺達もそれにつかまって陸までたどり着くことが出来た

「ありがとうございますTさん、でも何でここへ?」
そう聞いた俺にTさんは
「なぁに、この辺りは毎年水難事故が起こってるっていわく付きの海岸でな、
こんな事もあろうかとな・・・」
そういいながらYの胸に手をあて呪文を唱えるTさん、
するとYの口から汚れた水が吐き出されYは意識を取り戻した。

「きっと死者が死者を呼ぶ潮の流れなんだろうぜ、ここは・・・」
海岸線を見つめて呟くTさん
顔を赤くしながら
「あ、あんたなんかに助けてもらうくらいなら死ねばよかったわ!」
と大げさに言い放つYを見て
寺生まれはスゴイ、俺はまたもやそう思った。

 

 

 

5. あるはずの部屋

友人が引っ越しをした。
引っ越し先は築10年の一戸建てで、そこそこの広さもある良い家だった。
だが、家賃が異常なまでに安い。周囲の物件の半分程度しかないのだ。
俺たちは、「そんなに安いのっておかしい」「絶対いわく付きだぜ」「夜幽霊に気をつけろ」等と、友人をちゃかしていた。
やがてそいつは、「そんな事は絶対に無い。来てみればどんなに良い家かわかる」と言い始めた。
そこで、数人でそいつの家に遊びに行くことになった。

その家に入ると、やはりどこかイヤな気配がした。
そいつはしきりに、「どうだ、何もないだろ。おまえらは僻んでいるだけなんだ」等と言っていた。
一階を回った後、階段を上り二階を見て回った。
そこで、昔不動産関係の仕事をしていた家のことに詳しい男が首を傾げた。
「どうかしたか?」と聞くと、
「一階と二階の広さが違う。二階にはもう一部屋あるはずだ」と言う。
言われてみると確かにおかしかった。
二階の廊下の先に、もう一部屋あるはずだった。

問題の廊下にみんなで行って、突き当たりの壁をよく見てみると、壁紙が周りのものより新しい事に気がついた。
そこで、壁紙を引き剥がしてみると、男の予想通りに扉があった。
何があるのかとドキドキしながら戸を開けようとしたが、鍵がかかっていて開かない。
俺たちは、友人の許可を得て扉を破ることにした。

数度の体当たりの後、扉は開かれた。
部屋の中には何もなかった。
ただ部屋の壁すべてに、青いクレヨンでびっしりとこう書かれていた。

『おとうさんおかあさんごめんなさいここからだしてください
おとうさんおかあさんごめんなさいここからだしてください
ここからだしてここからだしてここからだしてここからだして
ここからだしてここからだしてここからだしてここからだして
ここからだしてここからだしてここからだしてここからだして
ここからだしてここからだしてTさんだしてくれてさんきゅう』

寺生まれってスゴイ、改めてそう思った。

 

 

 

6. シャム猫

個人デザイン事務所にアルバイトしていた時の話。
3LDKマンションが事務所で、シャム猫が1匹飼われていた。
元々は社長の愛人が飼ってた猫だったが、愛人と別れる際、
「この猫を私と思って一生面倒を見なさい」と押しつけられたらしい。
働き始めて半年ぐらい経った頃、事務所で社長と二人で残っていた。
夜食のピザが来る間、社長は自分の部屋でエアブラシ作業、俺は各種資料をコピーしていた。
シャムがコピー機の上に乗ってきた。
「ほら、邪魔だよ」と俺が言った瞬間、ボタンを操作していた俺の手に激痛!
シャムが突然、噛みついてきた!
甘噛みではない、本気で肉を食い千切るような噛み方!
っつーか、肉が一部裂けた! ピュゥッて血が吹き出てるし!?
「うあっ!」と声を上げた瞬間、またも激痛!
腕に牙を立てながら、思いっきり爪を立てている!
俺は思い切り腕を振り上げてシャムを投げた。
しかし、シャムは身を翻して再び立って襲う構えを見せる。
「シャアアアあああああああああああーーーーーーーー!」シャムの鳴き声が
徐々に変化してきた。まるで、人間の泣き声だ!
こんな大きな声なのに隣の社長は全く気付いていない。
よく見るとシャムの影が大きくなり、人の形になってきていた。
そして、下顎が外れそうなくらいに口をあけ、何かに狙いをさだめた様だ。
おそらくは俺の首筋・・・逃げなきゃ!しかし体が動かない!!

「そこまでだ」聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いTさんだ
Tさんは俺とシャムの間に立つと、あるものを振り回した・・・”ねこじゃらし”だ!
シャムがねこじゃらしに飛び掛った瞬間、Tさんが「破ぁ!!」と叫んだ。
するとねこじゃらしが光り、シャムの影を引き裂いてゆく!
ついにシャムの影はもとの猫の影となった、その瞬間シャムの首輪がパァンと弾けた。
「この首輪に念を込めてたんだな」シャムは人?が変わった様に大人しくなっていた。
「なんでTさんがここにいるんですか?」
「テリヤキコンビとあつあつグラタンピザですね」
寺生まれはスゴイ、俺はピザを頬張りながら思った。

 

 

 

7. 赤いワンピースの女

俺は原付に乗って買い物に出かけた
普段どうり国道を走っていると
真っ赤なワンピースを着た綺麗な女性が眼に映った
お、綺麗な人だな、そう思った瞬間
俺は対向車線から来たトラックに撥ねられた
柔道を習っていた俺はとっさの瞬間受身をとる事ができたため
両足を骨折する重傷ですんだ。

それから半年たったある日友人のKが同じくトラックに撥ねられた
直ぐに病院に駆けつけたが、Kに意識は無くその後死亡した
その場で救助に当たった人の話によるとKは

「赤いワンピースを見てついよそ見しちまった・・・」
と呟いていたという

俺は驚いた。

アレは死神なんじゃないか?
俺がそう思っている頃またあそこで事故が合った
話を聞いてみるとひき逃げらしかった
この辺りは見通しがいいにも拘らずそういう事故が多いらしい
俺はあの赤いワンピースの女が死神だと確信した

数日後俺はバイトの先輩Tさんの車に乗ってその道を走っていた
Tさんは実家が寺で非常に霊感が強いらしく、俺は死神の話をしてみた。

「ふーん」っと素っ気なく聞いていたTさん

だが少し走ってからTさんが突然

「あの女か!」と叫んだ。

見ると確かにあの赤いワンピースを着た女が道を歩いている!!

「そうです!あの女です!!」

俺が叫ぶと「そうじゃない!あっち事だ!!」
と正面を指すT先輩

見ると顔の抉れた女が対向車線を走るトラックの方向を狂わそうと、
車体飛び移っている所だった!

「ハンドル頼んだぜ・・・」

Tさんはそう呟くと車の窓から上半身を外に出し、狙いを定め

「破ぁーーーーー!!」と叫んだ

するとTさんの両手から青白い光弾が飛びだし、女の霊を吹き飛ばした

「これで安心だな・・・」

そう呟いて片手でタバコに火をつけるTさん。
寺生まれってスゲェ・・・その時初めてそう思った。

 

 

 

8. 初めての彼女

俺にもやっと彼女が出来た
彼女は色白で背も低く病弱で、学校でもよく虐められていたそうだ
俺はそんな彼女の事を守ってあげたいと思い、告白し、付き合うことになった
付き合いだしてから1ヶ月後、彼女が初めて家に止まりに来た。
だが童貞で奥手な俺は彼女にキスすることすら出来ず、
酒を飲むとそのままソファーで眠ってしまった

夜中に妙な音がしたので目が覚めた
誰かがブツブツ何か言ってる・・・
俺は彼女が電話しているのかと隣の部屋を覗き込んだ

するとそこには恐ろしい顔をした彼女が
「おうち、おうち、あたらしいおうち」と呟きながら

自分の髪の毛を壁とタンスの隙間や戸棚の下に押し込んでいる姿だった。
俺はあまりの恐怖に言葉を出すことも出来ずそのまま朝を迎えた。

何事も無かったかの様に眠る彼女・・・俺はどうしていいのか分からず
寺生まれで霊感の強い先輩のTさんに電話をし、ワケを話した
黙って俺の話を聞いたTさんは

「よし、待ってろ、すぐ行く」
と言ってくれた

俺は彼女に気付かれないようにこっそりTさんを上げると、

彼女を見たTさんは「これは・・・」と呟き
「俺の後ろに下がってろ、絶対に前に来るな・・・」
と言い彼女の前に立った

Tさんは何か呪文のようなものを唱え「破ぁ!!」と叫んだ

すると部屋中に仕組まれていたであろう髪の毛がいっせいに燃え上がり
彼女の髪の毛までもが燃え上がった!!

「姿を見せな・・・」

Tさんがそういうと長かった彼女の髪の毛がバサリと抜け落ち、
女の生首になった!

「こんな女の子に取り付いて、
自分の結界を広げて他のかい、この小悪党め!!」

生首をガシリと掴むTさん
次の瞬間生首は断末魔をあげながら燃え上がり、灰になって消えた。
しゃがみ込んだTさんは無残に抜け降ちた彼女の髪の毛に触れると

「お前たち、元の場所に帰りな・・・」と優しく呟き

フワフワと浮かび上がった髪の毛は彼女の頭に生え移り、元どうりになった。

「二人に『カミ』のご加護がありますように」

Tさんは笑いながらそう言って帰っていった。
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った。

 

 

 

9. 廃墟

俺が小学生の頃の話。

俺が住んでいた町に廃墟があった。
2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。
ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、
地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。
ある日俺は、友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。
まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。
そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。
友人と近づいて確認してみると、扉の前に
「わたしは このさきの へやに いるよ」と書いてあった。
俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。
歩いて行くと分かれ道に突き当たって 、壁に
「わたしは ひだり に いるよ」と書いてあった。
少し怖くなったけれど、俺と友人はそのまま左に進むことにした。
すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に
「あたまは ひだり からだは みぎ」と書いてあった。
友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。
でも俺はその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。
部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に
「わたしの からだは このしたにいるよ」
と書いてあった。下を見ると
「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」
俺は急いで、その部屋から出ようとした!
「破ぁ!!!」後ろから聞こえた怒号と断末魔!
振り返るとそこには寺生まれで霊感の強いTさんが!
「未練がましい女はもてないぜ、来世は幸せになれよ」
と言うと女の生首は一瞬悲しそうな顔をして消えていった
寺生まれってスゴイ、俺ははじめてそう思った

 

 

 

10. 足長男

当時俺はバイト先までは車で通ってた。
家までの道にトンネルがあるんだけど、
いつものように深夜3時位にそのトンネルを通りがかった。
するとトンネルのはじっこを男が歩いてる。

歩行者用の道なんて無いから思いきり車道だし、時間も時間。
ちょっと気になって見てた。
進行方向は同じだったから、始めはその人の後ろ姿を見たわけね。
だんだん近付くにつれて、異様な事に気付いた。

時期は冬だし外は寒い。
なのにその人は半そで、短パン。
別にランニングしてるようでもなかった。
一番気になったのが、その人、足が長いんだ。
いやもうモデルとかそんなレベルじゃない。明らかにおかしい長さ。
鬼太郎にでてくる妖怪で、手長、足長、てわかるかな?
あれの足長のほうに似てたって。

(うわー、気味悪いなあ…)

まあ深夜にそんな人見たら誰だって嫌だよな。
俺はあまり見ないようにしてアクセルを踏み込んだ。
んで、通りすぎた後にチラっとバックミラー見たわけ。
ここからはお約束。

も の す ご い 勢 い で 走 っ て 追 い か け て き て た 。
目は今にも飛び出すんじゃないかって位ひん剥いて、
狂ったように腕を振ってる。
まあバックミラーでカオが見えるくらいだから、すぐそこまで迫ってたんだろな。
俺は気が動転して、めちゃめちゃなスピードで飛ばして逃げた。
しばらく走るとどうやら振り切ったっぽい。
家も近くなってきて、だんだん落ち着いてきた。
疲れてたし見間違いだろうと。

次の角を曲がると家・・・だったんだが
その角を曲がった瞬間信じられないものを見た。

門の前にあの男がいる!

俺は車だし自分家に帰るには当然最短ルートを通ってる。
俺より先に家に着くなんてありえない。第一なんで俺の家知ってるんだよ!

怖くなった俺は朝まででコンビニに居ようと思った。
でもUターンするには道も狭いし、逆に気付かれると思い
家を通り過ぎてコンビニに行こうとした。
それがいけなかった・・・

ちょうど男の前(実際には足しか見えなかったが)
を通り過ぎようとした時だった。

「みつけた」と言う声がした。
実際には「ミヅゲダ」が近いと思う。
フロントガラスには男のカオがあった。
深夜で街灯の明かりだけなのに男のカオはハッキリ見えた。
一部分を除いて・・・それは・・・目。

両の眼だけは、まるでコールタールを塗った様に真っ黒だった。
男はニヤリと笑い、再びこういった

「ミヅゲダ」・・・。

男のカオはフロントガラスをすり抜けて俺に近づいてくる。

「そこまでだ」
聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いTさんだ

Tさんは俺の車の助手席に乗り込むと、男のカオに両手を突き出し
「破ぁ!!」と叫んだ
するとTさんの両手から青白い光弾が飛びだし、男を包み込んだ。
男はみるみるやせ細り、やがて消えていった。

「なんでここに?」
「コンビニ行くのにアシが必要でな、さあ行くぞ・・・」

そう呟いて片手でタバコに火をつけるTさん。
寺生まれってスゲェ・・・その時改めてそう思った。

 

 

 

11. 飼い犬

俺は彼女から深刻な相談をされた。

最近、自宅の老いた犬が
誰もいない玄関に向かってけたたましく吠えるというのだ

俺が彼女の家に挨拶に行った時も、
俺を見ても全く吠えなかった人なつっこいあの犬が
突然ものすごい剣幕で吠えるのだという、しかも時間を問わず。

不安がる彼女が霊を引き寄せやすい体質だったことを思い出し、俺は
寺生まれで霊感の強いTさんに相談する事をすすめた

ファミレスで3人で食事をしながら事の話をするとTさんは

「大丈夫、その犬は
帰ってきた先祖に挨拶してるんだよ、この時期だし」とのこと

すっかり安心した彼女を送り返すと、Tさんから連絡が・・・

「彼女の言っていた事だが、確認したい事がある
あの子の家の前まで案内してくれ」

深夜2時、彼女の家の前に行くと
確かに駐車場に繋がれた犬が吠えている。

「やはりな・・・」

そう呟いてTさんは彼女の家の向かいにある電柱に手を添えた
するとそこからスッと青白い光が走り
幾つもの亡者が彼女の家を通り抜けようとしているのが見える
しかし犬の抵抗に遭い、上手く通り抜けられない模様

「大した犬だ・・・ずっと家を守っていたのかい」

そういいながら犬の頭を撫でるTさん

「破っ」

Tさんの声と共に道は家を避け天に伸び、
虹のように遠くの空に伸びていった・・・

「何故彼女に嘘をついたんですか?」の問いに
「他人の女とはいえ、
可愛い子を無駄に恐がらせるのは男の仕事じゃないぜ・・・」

寺生まれはスゴイ、俺は久しぶりにそう思った。

 

 

 

12. 白い顔

子どもの頃、僕は2階建ての借家にすんでいた。
母親も仕事をしていたので、学校から帰っても自分一人のことが多かった。
ある日、夕方遅く学校から帰ってくると、家の中が暗い。

「おかあさ~ん」と呼ぶと、
2階からか小さな声で「はあ~い」と応える声がする。
もういっかい呼ぶとまた「はあ~い」。

自分を呼んでいるような気がして、2階へあがる。
階段をあがったところでまた母を呼ぶと、奥の部屋から
「はあ~い」と声がする。

奇妙な胸騒ぎと、いっこくも母に会いたいのとで、
奥の部屋へゆっくりと近づいていく。

そのとき、下で玄関を開ける音がする。
母親があわただしく買い物袋をさげて帰ってきた。

「しゅんすけ、帰ってる~?」
明るい声で僕を呼んでいる。

僕はすっかり元気を取り戻して、階段を駆け下りていく。

そのとき、ふと奥の部屋に目をやる。
奥の部屋のドアがキキキとわずかに動いた。
僕は一瞬、ドアのすきまに奇妙なものを見た。

こっちを見ている白い人間の顔だった。

「動くな!!!」

颯爽と謎の人物が白い人間と私の間に躍り出た。
その人は何やらお経・・・もしくは呪文のようなものを唱え、

最後に「破ぁ!!」と叫んだ。

すると白い人間はドアもろとも粉々になって消滅した。
僕は恐怖におののきながらもその砕けた様子が硝子細工のように感じられ、
子供心ながらにどきどきしたのであった。

「危なかったな・・・まさかこんな家に隠れていたとはな」

その人は自分のことをTと名乗り、
寺育ちのせいで嫌々ながらもこのようなお払いじみたことをしているのだいう。

寺生まれってスゴイ、そう思った

 

 

 

13. おまえ何する気だよ!

数年前に、本栖湖畔で朝釣りのために
キャンプをしていたときのこと。
夜中のたき火中に、

「たすけてえええだれかあ」
と女性の声が湖の方で聞こえてきて、

そちらに目をやると女性が溺れていた。
びっくりしたと同時に、助けなきゃと思い立ち上がったら連れが

「おまえ何する気だよ!」って引き留めるから

「助けなきゃ」と言い返したら、

「おまえ、ちょっと冷静になってよく見て見ろ!

ここから離れていて真っ暗なのに何で顔がはっきり見えているんだよ!」

するとむこうからすごい速度のアヒルボートが!!
寺生まれで霊感の強いTさんだった!
Tさんは溺れてる女の影に向かって
「破ぁ!!」と叫んだ、
すると女の影は断末魔の悲鳴を上げながら
粉みじんになって吹き飛んだ!

「このあたりは水難事故が多いらしいからな、仲間が欲しかったんだろう」

Tさんははにかみながら「気をつけろよ」とだけ残して帰っていった
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った

 

 

 

14. テープレコーダー

ある男がひとりで登山に出かけたまま行方不明になった。
捜索隊が結成され山狩りが行われたが見つかったのは
男の物と思われる荷物だけだった

そのなかには、テープレコーダーがあった。
テープには大声で助けを求める、男の声が録音されていた。
男はどうやら何かけがをして、動けなくなったらしかった。
テープことはマスコミにも公表されたが、遺族も警察関係者も
公表をひかえていた部分があった。
そのテープには助けを求めるメッセージとは違うものも録音されていた。

何かに非常におびえた男の声だった。
どうやら夜に何かがおこっているようだった。
男は必死にテープにむかって口述している。

一日目

「夜になると人の声がする・・・
呼ぶ声がする・・・
こんな夜中に誰もいないところに・・・
だれもいないのに・・・」

二日目

「たすけて・・・
声がする。
夜になるとあいつがやってくる・・・
暗闇から呼んでいる・・・
昨日より近くなっている・・・
おそろしいよ・・・
おねがい、たすけて・・・
とてもこわい、とても・・・
だれかたすけて・・・」

三日目

「近くまで来ている・・・
たすけて・・・
人が・・・ヒッ・・・
?
?こわい・・
近くまで来ている・・・
おねがい、たすけて・・・
おねがい、おねがい
よぶ・だれも・・・
ひ・あいつ・・ちか・・・・こわいよ・・たす
すぐそばまで・・たすけ・
こえが・・・
おねがい、・・た・・・・て」

こうしてテープはそこで切れている。

それ以後、男はテープに何も録音していない。
警察はこのテープをくわしく分析した。
テープはずっとその男の声だけで、
他の怪しい物音は入っていなかった。

しかし、三日目のテープが最後に切れるところで、
これまでとは違う音が録音されていた。
そのことに関して、分析家も理解不能だった。
それは、遭難した男の声とは違う、別の人間の声だった。

レコーダーのすぐそばで発せられている。
耳元でささやかれたかのように、はっきりと。

「破ァッ!! 」

ちょうど山に山菜を取りにきていたTさんの声だった。
そのすぐ後遭難した男性を背負いTさんは山から降りてきた
「低級霊が集まってきてたが山の神と直々に話をつけてきた。
人間がよりつきさえしなけりゃもう襲ってはこないぜ。
ま、お蔭でとった山菜は全部お供え物になっちまったがな」

土まみれになりながらもさわやかに笑うTさんを見て寺生まれってスゴイ、改めて思った。

 

 

 

15. 赤色

タクシーの運転手が、人気のない道である女性を乗せた。
彼女は夜にも関わらずサングラスをしていたため、
運転手は不思議に思いつつも気にしないふりをし車を走らせた。
しばらくして彼女は或る小屋の前で降ろしてくれと言い、何故?とは
思いつつもその場に女性を降ろした。

彼女はタクシーから降りるとその小屋の中に入り、扉を閉めた。
一体こんな山奥で何をする気なのだと、運転手は不思議に思い、
扉の鍵穴から小屋の内部を覗こうとした。

しかし、鍵穴から見えたのは、ただ一面の赤色だった。
最初は詰まってるのかとも思った運転手だが、何か気味が悪くなり
そそくさと小屋の前から立ち去った。

帰る途中、運転手は一軒のラーメン屋を見つけ、丁度腹も減っていた
運転手はその店に入り、一杯のラーメンを注文した。
ラーメンが出来るまでの間、
ふっと先ほどの女性の事を思い出し運転手は、店長に尋ねた。

「そうですか…お客さんも見たんですか…。」

運転手は驚いた。
その瞬間、いきなり扉がガラガラと開いた。
俺&店長「!!!!!!!!!!!!!!!!」
Tさん「塩ラーメン頼む」

 

 

 

16. 少女の呪い

これは、私が小学生の頃の話です。
学校からの帰り道、真っ黒な髪を腰までのばした女の子が、
公衆電話の前に立っていました。

その子が振り向いて話かけて来た時に、
その目が白く濁っていた事から、私は彼女が盲目である事を知ったのです。

その子は透き通った声で言いました
「美加ちゃん、お葬式の最中に悪いんだけど、
私の代わりに電話をかけてくれる?」

わたしは(何か誤解されてるな)と思い乍らも、
そこは突っ込まずに、それよりも彼女が何故まよう事なく私の名前を言い当てたのか、
知りたいと思いました。

「どこかで、会ったかしら?」
すると彼女はクスクスと可笑しそうに笑い、

本を読むように饒舌に語り始めたのです。

「クラスが違うから、知らなくても無理はないけど、
アナタの同級生よ。貴方は一組で私は六組。廊下の端
と端ですものね。でも私は、ずっと前からアナタを知っていた…。
目の悪い人間ほど、声には敏感なものよ。
アナタはとても綺麗な声で、クラスの人望も厚くて、
よく皆の話題になってた・・・。
だってアナタは優等生の見本のような人ですものね。
きっと私の頼みを聞いてくれると思ったの。
エゴイスティックな他の人たちとは大違い……」

なにかが狂ってるような気がしました。
それでも私は、その少女のいう通りに、
ダイヤルを回し(当時はまだダイヤル式の公衆電話でした)、
少女のいう通りに、受話器を渡したのです。

女の子は、電話の向こうの誰かと声を潜めて話しては、
時々こちらを見て、にっこりと笑いました。
その電話が終り、少女が去った直後でした。
私が、途方も無くおそろしいものに取り憑かれていた事に気付いたのは。

理由を詳しく説明する事はできません。
私のつまらない文章の意味を理解した者だけが、
とりかれる。
それが、この少女の呪いの
「破ぁ!!」ールなのですから。

 

 

 

17. 押入れの中

一人暮らしをしている大学生の男がいた。
男が住んでいるのはごく普通のアパートだが、
たまにおかしなことが起こった。

大学から帰ってくるとカーテンの形やゴミ箱の位置などが
微妙に変わっている気がするのだ。

最近は誰かにつけられてる様な気もしてきた、
流石に気味が悪くなってきた男は大学の友人に相談した。

男が「もしかして…ストーカーかな?
警察に言うのが一番良いと思うけど…
警察は実際に被害が無いと動いてくれないって聞くしなぁ…
どうしよ……。」
と困っていると、

友人は「…じゃあ大学に行ってる間ビデオカメラで部屋を撮影しておいて、
もしストーカーが部屋に侵入してるのが撮れたら
そのテープもって警察に行けば良いじゃん、
不法侵入してるわけだからさすがに警察も動いてくれるだろ。」

と具体的な解決策を提示してくれた、
やはり持つべきは友!これは良い案だ!
と思った男は早速次の日の朝、
部屋にビデオカメラを設置して録画状態のまま大学へ行った。

大学から帰ってきた男は焦った、
久々に部屋に違和感がある、
「これは期待出来る、マジにストーカー写ってるかも…」
と思いながらビデオの録画を止め、再生した。

しばらくは何も写らなかった。
しかし夕方になると、知らない女が包丁を持って部屋に入ってきたのだ。

「…!!!!!!」ビビった男はすぐに友人に電話をかけた、
「ヤッベー!写ってる写ってるストーカー写ってる!!!!」
と若干興奮気味に伝え、それからは録画を見ながら友人に内容を実況した。

「ゴミ箱漁ってるよぉ…」
「今度は服の匂い嗅いでる…キメェ!!」

今までコイツは何回も来ていたのかと思うと、
男は背筋が凍る思いだった。

「これで警察も動いてくれるなぁ」
と少しホッとしてると、画面の中の女は押入れに入った。

「うっわ…押し入れの中入ったよ、
しかもなかなか出てこない……」

などと友人と喋っていると、また誰かが部屋に入ってきた。

男は言葉を詰まらせた。
部屋に入って来たのは自分だった。
そしてビデオの中の自分はカメラに近付き録画を止める、
そこでビデオは終わっていた。

押し入れにまだ女がいる。

破ぁぁ!!!俺は押入れに向かい念を込めた。
しばらく押入れではどたばたもがいていた様だったがすぐに静になった。
わざわざビデオに取らなきゃ見つけられないなんて俺もまだまだ未熟だな……
うちのオヤジは凄い、改めてそう思った。

 

 

 

18. 指輪

群馬県の田舎の方である一家が心中したそうです。
それから数ヵ月後、その家が壊されることになりました。
その時、東京の大学の「オカルト研究会」みたいなサークルに所属する学生が
壊される前にその家を見物しに行こう、ということになりました。

男2人女2人の4人で。行ってみるとその家は壊されかけでした。
いろいろなモノが散乱しています。
ビデオを撮りながら「お邪魔しまーす」。

「ここが台所ですね」

「トイレ借りていいですか」

ふざけてる内に片方の女の子が怖くなってしまったので帰る事にしました。

「お邪魔しました~」

ここでビデオも撮るのをやめ、車に乗り込みました。
帰りの車の中でもう一人の女の子が

「この指輪拾ってきちゃった。記念に部室に置いとこーよ!」
後日。

男のアパートでビデオを見ることにしました。
「お邪魔しまーす」「いらっしゃい」

聞こえないはずの声が聞こええ4人は互いを見つめあいました。

「ここが台所ですね」「はい」

「トイレ借りていいですか」「どうぞ」

「お邪魔しました~」

「待て」

沈黙してしまった4人。
その時、全員の携帯が一斉に鳴り出しました。
一瞬パニックになりましたが落ち着きを取り戻し全員電話に出てみました。
男2人の携帯はいずれも無言電話。
怖がりの女の子も無言電話。

指輪を拾った子の携帯からは
「指輪返して・・・・・」

T『破ァ!!!!』
「ぐっ・・・指・・・輪・・・」

T『その指輪は人間が持っているべきものじゃない。俺に出来るのはここまでだ』
こうして彼らの、指輪を捨てる旅が始まったのです。

 

 

 

19. 山小屋

ある雪山で猛吹雪の中、4人が遭難した。
このままでは確実に死ぬ・・・そう皆が考えていた先、
山小屋が見付かる。
息も絶え絶えに小屋になだれ込む4人。

しかし、その山小屋には暖房施設がなく、あるのは非常用の食糧のみ。
寝れば確実に凍え死ぬ。ひとまず朝になれば・・・
そこでリーダーがゲームを提案する。

「4人全員が小屋の四隅に座り、
5分毎に東回りに歩いて、人を起こして回ろう。
起こされた人は起こした人と交替して次の角に向かう」

翌朝、救助隊が山小屋を発見。疲弊した4人に笑顔が浮かぶ。

救助隊「よく全員ご無事で」

リーダー「いや、駄目かと思いましたが~~~のようなゲームをしまして…」
少し間を置いて救助隊が答える

救助隊「そのゲーム、できっこないですよ」

「ふ破ぁーあ」
大きなアクビをしながら寺生まれのTさんが小屋の外から戻ってきた。

「よ、昨日はどうもな」

どうやら小屋にいたもう一人は寺生まれのTさんだったらしい

「なんだよ、気づいてなかったのかよ……」
ろくに挨拶もせず溶け込めるTさんは凄い。改めてそう思った。

 

 

 

20. 死んでる

オレの友達(アパート暮らし)隣がお年寄りの一人暮らしだったらしいんだ
なんか遊びに行く度によく娘さんらしき人が隣に出入りしてるの見かけるから
様子でも見に来てるんだな位に思ってたんだ

そんなある日そこに住んでる友達が突然バイトを
もう一つ掛け持ちでやるって言いだした

なんで?

と尋ねたら少しでも早く引っ越したいとのこと
なんか明らかに様子がおかしいので事情を聞いてみると

ある日友達が出掛けようと玄関出たら、
隣の部屋の娘さんがドア開けたまま立ち尽くしてる

なんだ?

と思いながらその前を素通りしたんだと

そうしたら後ろから
『すいません、ちょっと待ってください』
と呼び止められた

なんか気味悪いけど呼ばれたから振り返る

『はい?なんですか?』

娘は友達を招き入れるようにして

『これ、見てください…』

友達は言われるまま娘が指差す部屋の中覗いたんだと。

そしたら…
カーテンが閉めきられた薄暗い部屋の中でテレビは砂嵐のまま、
なにか棒状のものが見える
よく眼を凝らしてみると、おじいさんが逆さまで足を上に真っすぐ突き立てて
ベットから落ちている

『死んでるんです…』

突然後ろから娘さんが言い放った

「破ァーーーーッ!!!」
そんなとき通りかかりのTさんが青白い光弾を放った

今では事後処理も無事に完了し、
おじいさんもあの世で元気ピンピンですwwwwwwwww

寺生まれってスゴイ、改めてそう思った

 

寺生まれのTさん』 全50話

 

【1話 – 20話】

 

【21話 – 40話】

 

【41話 – 50話】

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