『カラコロシ』|洒落怖名作まとめ【短編・中編】

『カラコロシ』|洒落怖名作まとめ【短編・中編】 中編

 

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カラコロシ

 

中学の時の地元での話。
うちの地元の神社では変な神が祀られていた。神の名前はメジャーじゃない、聞いたことのないもの。
『カラコロシ』。何でも地元にだけヒッソリと伝わってきた伝説のため、外部の人間は知らないし知る由もないらしい。

このカラコロシ、伝説と悪い噂があるのだがこれがまた面倒くさい。伝説は鎌倉時代にまで遡る。
当時、村にとても忌み嫌われてる若者がいた。若者は嘘とも本当ともとれない自慢話を毎日毎日うるさいくらいしていたからだ。

自慢話をうるさく感じていた村人たち。ついに怒りは爆発し、村の男全員で若者の家を襲撃。
若者は家から引きずり出されたのち、殴られ、刺され、性器を千切られて死亡した。
うるさいのがいなくなったとはしゃぐ村人たち。しかし、若者が死んでから不吉なことが連続して続いた。

村の子供達が次々と謎の奇病で死んでいった。顔に性病で性器にできるようなブツブツが発症し、それから息を絶つ。
これは確実に若者の呪いと察した村人たちは神主に相談。神主は若者の怨みを晴らし、成仏させるために神様に祈った。

その神様がカラコロシだ。カラコロシはとても強力だった。祈った日から1~2週間後、全ての村の子供の夢に出てきた。
そしてその後、カラコロシが夢に出てきた子供からどんどん心に安心感が湧いてきて若者の怨霊を心配する者がいなくなった。
こうして、村の騒動は終わったかに思われたがカラコロシにも問題があったそう。

 

カラコロシは一説によると幼い頃、自分が原因で弟が死んだとかなんとか。
その影響か子供が大好き。特に小さい女の子と兄がいる男の子に目を付けるらしい。
若者の怨霊の次は、そのカラコロシによる子供の誘拐未遂が相次いだ。
未遂というのは行方不明になった子供が必ず1日経てば帰ってきてしかもみな楽しかったと口を揃えて言っていたから。

子供が帰って来てるなら問題は無いしそれにカラコロシは村の救ってくれた恩神だし多少は……
そんな考えで村人は放っておいたがこれが間違いだった。
ついに行方不明者が出たのだ。兄持ちの男の子2人、女の子3人。

村はこの事態に酷く怯え、5人を必死で捜索。しかし、5人が見つかることは無かった。
不思議にもその5人以降被害は出なくなったため親御さんの思いも虚しく捜索を断念。
そして数十年後、村の者が出張がてら別の村へ遠出したところその村で5人を発見。
しかし、5人は村の頃の記憶が無く、精神疾患者という扱いになっていた…..。
これが一連の事件の流れ。

 

こういう言い伝えがあるんだよ。何で今更このスレにこんな話を書き込んだかというと理由は1つ。
先日、また犠牲者が出た。それも俺の友人の弟だ。
警察にも通報したけど見つかる気配が無い。今の時代にカラコロシの手がかかってるとは言えないだろうけどさ。

何か言い伝えの誘拐事件とどうも重なって仕方が無いんだよ。
この文章は友人に許可を取って今書き込んでる。だからこれを見てる人にお願いしたい。
こちらの詳しい場所は教えることができない。だけど、もし友人の弟らしき人間がいたらこのスレに一言くれたら有難い。

友人の弟の名前はシノイユウタロウ。シノイユウタロウって奴が急に現れたとかそういう情報があることを祈る。

 

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「カラコロさま」なら近所で祀られてるわ。

俺の地元だと葬儀で出棺する時に故人の茶碗とかの食器を割る風習があるんだけど、
昔、どうしても割れない茶碗があったらしい。

故人は政争に負けて失脚して都落ちしてきた公家で、死ぬまで恨み節満載だったから、これは食器にも相当な怨念が籠ってるだろうって事で、地元でも有名な社僧に供養してもらった。

それでも、いざ割ろうとすると割れない。地面に叩きつけても傷ひとつつかない。
それどころか、葬儀の翌日に件の社葬が階段で転んで死んでしまった。

祟りの噂はあっという間に広がって「こりゃ祟りだ」ってんで祠を作って祀ることになった。
食器は故人が生前に「韓渡りの碗だ」って大事にしてたから「韓転がし様」
それが略されてカラコロさまって呼ばれてる

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