寂しがり屋
3年前くらいに自分で体験した話です
当時住んでたマンションの契約が3月末に切れるのを契機に家賃払うのならば
買ったほうがいいかな~と思い、物件回りしてた。
中古・新築含めて10件程度見てやっと気にいった物件を見つけたが
出来あがるのが9月末。半年どうするか。。。
高い買い物だし、気にいった物件なんてなかなか見つからないから
勿体ないが住んでいたとこを更新して半年で引っ越すつもりだったのね。
そんな話をマンション買う不動産屋さんに話したら相談に乗れるかも、と。
そこは新築専門だったが新しいのを買うということは中古も出るわけで
付き合いのある中古メインの不動産屋さんに頼んで半年間住む格安物件を
探してくれることになった。
ほどなく不動産屋さんから連絡あり。
1DKで駅から徒歩18分、年内に取り壊しが決まっていて退去も
進んでいるマンションで良ければ敷金・礼金無し、家賃1万円で如何でしょう?
即決でそこに決めた、そのときに住んでいるマンションの家賃が11万だったから
月に10万浮くのはマンション購入前にすごい助かった。
3月末にはそこに引っ越し。1階に横並びに7戸あって4F建て。
エレベータは無く両脇2か所に階段がある、そこの3Fの真ん中の部屋。
壊す建物だから外観はお世辞にも綺麗じゃないし、
中身もクリーニングとかしてないからくたびれた感じはするが
家賃1万円で半年限定であれば十分とそのときは思ってました。
住み始めて思ったのが退去が始まっているんだから当たり前だけど住民が少ない。
夜遅くに帰ると電気付いてる家がポツリポツリ。日を追うごとに引越していくから
その明りが減っていく。昼はともかく夜は寂しい。
4月の中旬、呑んで夜中の1時過ぎに帰ったときの事。
階段を上って3Fの小さな踊り場に着くと人がいる。。。ただでさえ人がいないのに
夜中だったから正直びびってた。で、そこにいたのは若い女性。
向こうも「きゃっ!」とビックリ。驚かせた事を謝り、住民である事を告げると向こうも
同じ階に住んでいる人だった。一緒に通路を歩きながら最近引っ越した事などを
話しているとすぐにうちの部屋の前に。
「私、この奥なんで。おやすみなさい。」と挨拶してその日はお別れ。
若くはないが結構、綺麗な人だったから彼女のいなかった自分はちょい
テンションあがった。
週に2~3日は呑みに行って午前様だったがよくその女性と会った。
最初は会釈だけだったが向こうからよく話かけてきてくれたのとこちらもお酒入ってたから
軽く立ち話ていどは普通に出来るくらいの仲になっていた。が、うちの玄関前で
「おやすみなさい」と別れてそれ以上にはならず。そんな状態で夏を迎えたときの事。
そのころに購入するマンションの入居者が集まっての説明会みたいなものが開かれた。
そこで不動産屋さんとも会って紹介頂いた件の御礼をしたのね。そしたらその不動産屋さんが
「それは良かったですよ~○○さん1人で1フロア貸切ですから静かでいいでしょ??」
「ん??いえいえ同じ階に住んでいる人いますよ??」
「あれっ?△さん(紹介してくれた不動産屋さんね)は誰も住んでないって言ってたんですが
勘違いですかねぇ~」
普通ならそうですね~勘違いでしょうね で、自分も済ますんですが凄い引っかかったんです、
腹の奥がざわざわもやもやした感じがして。
それで不動産屋さんに頼んで電話してもらって確認したんですね。
そしたら「やっぱり誰も住んでないそうですよ?」
電話を代わってもらいました。
「住んでるという女性と同じ階で会います、1度や2度じゃないし話もしている。不法に住んでいる人でしょうか?」
「。。。」
「変則的な借り方をしてますが客は客ですよね?何かあるなら教えてもらえませんか?」
「。。。電話じゃアレなんで今日はこの後にマンション戻られますか??」
「はい、この説明会終わったら戻るようにします」
「じゃあそのときにお話させてもらいます」
帰り道で色々考えました。不法入居者、幽霊、ストーカー 何者だ??
そこで気がついたんです。自分の部屋は真ん中、自分の部屋より奥の部屋を借りているなら
自分とは違う、反対側の階段を使う方が近いんです、1回や2回なら分からないでもないが
わざわざ遠い方の階段使う必要ないでしょう。。。
夕方、不動産屋さんがウチに来ました。
「160センチくらいのスラっとした感じ、髪は肩くらいの長さで30ちょい過ぎの人ですよね?」
「はい。。。そんな感じの人でした。で、その人は誰なんですか?」
「かれこれ5年以上前にこの部屋の2つ隣に住んでいたカップルが男性の浮気が原因で女性の
方が飛び降りて亡くなったんです。結婚も考えていたようでショックだったみたいですよ」
「それ以降、前にこの階に住んでた人や向かいのマンションの人たちが夜中にこの階に女の人が
立っているのをよく見たそうです。最近は話を聞かなくなったんですが人が少なくなって寂しくて
出てきたのかも知れませんね」
「あまり気持ちの良い話ではないでしょうし、まだ部屋は余ってますから2Fの部屋のカギをお持ち
しました。今日からそちらに住んで下さいよ、荷物運ぶの手伝いますから」
という不動産屋さんの申し出を感謝しつつ、部屋はそのまま住む事にした。
そんなに怖くもないし、あと2カ月もすれば引っ越しするんだから、とそのときは思ったんだが。。。
外に出るときなど思い出したときには手を合わせたり、コンビニ行ったときに
小さなお菓子買ってお供え代わりに廊下に置いてたりしていた。
そんなある日、夜中にドアをガンッ!!と一回大きく叩く音が。
飛び起きて玄関に行くと女の人の声でやっと聞き取れるくらいの大きさで
何かブツブツつぶやいている。
ドアからとにかく離れて声が聞こえないように毛布をかぶった。
そのまま寝れずに朝。明るくなってからドアを開けるがそこには誰もいなかった。
これは正直怖い、そんなとこの帰りたくはない。着替えを持って2日間をカプセルホテルで過ごし、
これからどうするか考えた。ホテル暮らしや友人ところの泊まり歩いての2カ月は厳しい。
そんなときに霊感が強い呑み友達がいた事を思い出した。
ソイツは霊感のせいか写真に映るとやたら心霊写真になるため霊感が強い事を嫌がっており
今回も一度は断られたが高級焼肉奢る約束でうちに来てもらうことにした。
「あ~かなり嫌な空気漂わせてるね~この建物w」
「どうにか出来ないもんか?解決してくれたらさらに1回、御馳走するからよ」
「そりゃ無理。アタシは見えたり感じるだけでそこまで本職じゃないし」
「そこをどうにかして欲しいんだよ!!」
「アンタがその女に情けをかけたからでしょ。むやみに手を合わせたりお供えなんてするから
甘えてくるんだよ、自業自得だ。早くここから出た方がいい。」
「新居にまで付いてきたりしないか??」
「地縛霊だから大丈夫じゃない??それにそこまでアンタはモテる男じゃないしww」
仕方ないので最低限の荷物だけ持って実家に帰りました。通勤片道2時間は
辛かったが幽霊の訪問よりはマシだ。その後、新居が完成したときに引っ越しのために
1度帰りましたが何も無く、今日にいたるまで霊的なものは何も起きてません。
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