『借り子』|洒落怖名作まとめ【長編】

『借り子』|洒落怖名作まとめ【長編】 長編

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借り子

 

小1の11月~小2の五月上旬までに体験した話を投下させて下さい。
上記はめちゃくちゃ中途半端な時期ですが、一時的に転校しました。

発端は私の心霊写真。
小学校入学の記念に、写真館で一人おすましして撮影。
その写真が心霊写真として出来上がってしまった。
(当時は特に酷くて八~九割が心霊写真で、私の写真だけ別のアルバムに入れて仏間の奥に厳重保管されるレベル)
写真は十人?(匹?)の半透明な何かに囲まれ、私も半透明だった。
遠縁の本家がその噂を聞きつけて、是非その写真を送って欲しいと土下座訪問して来た。
両親は快く写真を渡してしまった。
その本家と言うのが、遠縁の親戚に「就学(小学校に入学する年齢)前後の女の子はいないか?」と聞きまわっていたらしい。
両親も「養子縁組の話かな?」とかんぐったそうだが、何せ私は不思議ちゃん。
心霊写真を本家が持ち帰れば、きっともう何も言って来ないだろうと思ったらしい。

お盆8/15が過ぎて、涼しくなってきたなーと近所の空き地で虫取りをしていると母親が駆け足でやって来た。
「MEちゃーん!本家の人が突然いらっしゃってね、MEちゃんに会いたいって」
私は来客用の高級菓子が食べられると思って、虫取りを中断。まっすぐ、家に飛んで帰った。
スーツを着たお兄さんがずっと父親に土下座したまま「御願いします」と何度も言っている。
とても異様だった。

「困りますよ!」と父親は札束をその人の鞄につめこんだ。
「お金、土地、一生涯の保障、何でもいたします」とお兄さんは泣きながら懇願。
「ME、本家が御前を欲しがってる。絶対、養子になんか出さないからな!」と父親があんなに怒るのをはじめて見た。
「お盆で本家筋が全員集まって、『MEちゃんなら、【借り子】ではなく【借り様】がつとまる』と喜んでおったんです!どうか!」
「御願いします!MEちゃんを少しの間、本家に招きたいんです!」
「だから、その借り子だか借り様だか知らんがな。そんなのどうするんだ!小さい子にイタズラする気なんじゃないか!?このロリコン共!!」
そこへ父方の祖父母も駆けつけて来た。
「やめんさい、(父親の名前)!」
「分家の分家の分家みたいな我が家から【借り様】が出るのは、それはそれは目出度い事なんだよ!」
おばあちゃんがパシッと父を叩いた。

本家の跡取り息子夫婦はかなり若い時に結婚して、ずっと子どもが出来きなかった。
それで、その土地の風習「借り子」をする事になった。
「借り子=期間限定で親戚の子をレンタルする」
親戚の子を引き取って実子のようにかわいがって育てると、自然と子どもが出来る。
出来たら、宴を開いて盛大に借り子を送り出して、元の家に戻す。
それにいくつかの制約・条件・リスクを課したのが「借り様」。
・借り様は女の子だけおk
・借り様を泣かせると流産する
・借り様が死ぬと血筋が絶える(絶家になる)
・借り様=外から招く神様?

本家は不妊治療と並行して、三人借り子をしたが「邪魔された」らしい。
(本家の血筋が弱まれば、その地域で得する人達がいた)
それで、(悪運の強そうな?)女の子を探していた。
「でもねー、かなりの遠縁ですよね?他の分家筋の方々に申し訳が立ちません」とおばあちゃんがやんわり断ろうとした。
「ですから、分家筋の方も根回しはしました。今回の事でかなりの人達が動いています」
「でもねー、私達じじばばも両親も本家へついていけないのでしょう?心配だわねー」
「御守りいたします」とお兄さんが顔を上げた。
「俺は知ってるぞ!前の借り子三人全員、血反吐にまみれて死んだんだ!何が『お守りします』だ!」
「孫はやらん!だから、あんた等には関わりたくなかったんだ」
おじいちゃんは本家とは絶縁とまではいかないものの、交流を拒んでいたらしい。
「この大馬鹿息子!」と父、おじいちゃんに張り倒される。
必死の説得を受けて、私は本家のあるI市へ移る事になった。

神無月の10月が過ぎ、11月1日。
まる一日かけて、世話役の「カイさん」と地元から遠く離れた本家のあるI市に到着。
本家の大きな門をくぐる前、車から降りてお辞儀をして中へ進んだ。

それから歓迎の儀式だったが、歓迎と言うよりは葬式みたいにしめやか。
子どももたくさん来ていたのに、誰も喋らない。儀式を行う本家当主以外誰も喋らなかった。
当主も特殊な祝詞みたいなものをあげていた。
次の日からは常に監視役やら世話役やらに囲まれていた。
朝起きると、井戸水を頭からかけられる。
間食なし、三食は肉・魚・卵厳禁(殺生を避けた?)。
お腹がすいたからといって、台所に近づいただけでも怒られる(火は穢れるから)。
夕方から当主や跡取り息子よりも先に一番風呂。
登下校は完全送迎。
息抜きといえば、学校で勉強する事と自分を必要としてくれる例の息子夫婦に甘えるくらいだった。

そんな楽しい学校でも、ちょっとした歪みが出てきていた。
転校初日から、私は名無しで生活していて学校でもME(本名)を名乗れなかった。
特に、旧家出身の担任ジロウ先生は事情を知っていて、私を「オミカリ様」と呼んでいた。
「借り子」と呼びかける児童には、きつくお灸をすえたので、上級生からも注目を浴びるようになってしまった。
なおかつ、登下校の送迎と授業中も教室の後ろや廊下で待機している世話役の「カイさん」が目立つ。
そのため、転入先のクラスメイトは私をいじめるようになった。
いじめはエスカレートして、教室に入った途端投げつけられた花瓶が当たって顔を切ってしまった。
ジロウ先生は大激怒して、「オミカリ様になんて事をするんだ!」と怒鳴って、
いじめていた子達全員に平手を打った。

私がちょっとケガをしただけで、カイさんは謹慎。
代わりに、エイジさんが世話役を代行した。
エイジさんが代行を務めはじめて数日後に事態はもっと悪化。
放課後、エイジさんは教室から出て行ってしまった。
どうしたのだろうと思っていると、「あたし、知ってるよ!借り子の殺し方!」
急にクラスメイトのナナコちゃんが私の腕をぐいっとつかんだ。
有無を言わさず、他の女子も私をつかんで、女子便所へ連れて行く。
一番奥の個室の洋式トイレにふたをして私を座らせた。
ナナコちゃん含む九人の女子がギューギュー詰めになって入ってくる。
カチャッと個室の鍵がかかる音がした。
私は三つ編みの髪をむちゃくちゃにほどかれた。

かーりこ、かりこ
つつかれめーに、#&$%ばなー、
サイコロ(?)ふってー、したぬいてー、
=#%<$ちょっきん、あしじょっきん、
なかわたつむいで、いとひいてー、・・・・・・

延々と不気味で意味不明な歌を歌いながら、一人ずつ私の髪を一束握って
ジョキン、ジョキンとハサミで切っていく。

ザンバラ頭でどうにか学校を飛び出した私はもう怖くて怖くて、I市からとにかく出たい、逃げよう、家に帰ろうと必死で走った。
ただ、土地勘の無いI市から遠い地元(車でも帰れるかどうか)へ、どうやっても逃げることは出来きなかった。
夜の九時過ぎ頃、警察に保護された。
家出人の捜索は出ていない。
この辺りの子ではない様子。
名無しで(本名を名乗らない)生活していたので、警察でも名乗らなかった。バレたら、また本家行きだと怖かったし。
「あー・・・もしかして、M家(本家の事)のオミカリ様でねーか?」
「あー・・・また、ずいぶん酷い事されましたなー」
「大丈夫です。今、M家に連絡しますからー」
カイさんがやって来た。
「エイジさんは?」
「いなくなった。ごめんな、怖かっただろう」
「エイジさんの届出、出していかれますか?」と警察にカイさんは聞かれていた。
「いや、明日にでも。とりあえず、今日は失礼します」
本家へ着くと、当主に呼ばれた。
「悪かったね。本当に……今、皆で話し合っているから」
「君は七才だから、あと七日で死ぬかもしれない」
「君が来る前に、三人の借り子が死んでいる。相手は本気だ」

借り子やオミカリ様も「借り代」と総称があるらしい。
地方・地域によっても名称はころころかわる。
「借り代」は4才~9才が選ばれる。
もともとは、子どもが出来るようにと始まった風習。
しかし、良い「借り代」の中にはその家を栄えさせる座敷童子や氏神?のような素質を持った子も居る。
それがオミカリ様らしい。
また、家を栄えさせる力があるから、借り子に何度失敗してもオミカリ様を迎えれば子どもが出来る。
オミカリ様を出した家には迎えた家から優遇され、お金や土地といった財産も分けてもらえた。
それをねたんだり、「自分の家の子もオミカリ様の素質がある」と嘘をつく人達も出て来た。
だから、その家が滅びるように・自分の子がオミカリ様になるように・借り子になるように、と
今いる借り子を殺す呪法がある。
そう、言われても小一には全然解からない。

一例を当主は教えてくれた。
この一例は昔の話らしい。
神社の御神木の枝を芯に選ぶ。
呪い殺したい借り子が使っている布団から抜いたワタで芯をおおう。
借り子から切った髪を束ねて、その芯の入ったワタに巻きつけグルグル状にする。
これで、呪具完成。
呪具を包む箱?みたいなのは釘といった金属を使わないで作る。
箱を使える状態にするには箱を作るだけではなく、箱に効果を持たせるための生贄みたいなのが必要。

また、箱の中に呪具をおさめなければならない。
そのための土台や基礎になる生贄も別に必要。
昔(あるいは古代の人?)の骨を食べさせた女を酷いやり方で孕ませて、出来た胎児を無理やり取り出す。
落としたい地獄の刑罰と同じ刑罰にあわせて殺すこともあった。
箱に入れるために、どうにかして小さくした遺体を札で包むようにはりつけて、数珠や縄、紐、髪、縛れるものがあれば縛れるだけ縛る。

完成した箱に呪具をおさめて、借り子の年の数と同じ日数だけ神棚や祭壇に祭る。
借り子が死んだら、呪箱は特別な場所に安置するらしいので、誰にも解からない。
その話を聞いている途中から、もう吐き気が止まらなかった。
大人の話は難しかったが、私はもう呪われて死ぬんだと直感した。

髪を切られた日の深夜から、それからはもう戦争のようだった。
本家筋やその息のかかった男衆が血眼になって(私が証言した)九人の家を含む地域一体を鬼の如く練り歩き。
また、本家と繋がりあるド偉い旧家からも助っ人が来て、I市に乗り込んで来た。
警察も夜間や昼間に職質や検問をして不審な車両の積荷をチェックした。

二日目。
吐き気以外は何も症状が無い中、地元の医師Wが訪問診療をしてくれた。
「ストレスかねー。熱もないし、お腹も痛くないかー」
ふと医師が帰り際布団の下に、何かを滑り込ませた。
「何かなー?」と思って、布団の下をめくると、真っ黒い札が出て来た。
「あの薮医者がー!!!」と聞きつけた男衆がWを車から引きずり出して来た。
「すみませんでしたー!許してくださいー!」医師Wが土下座している。
医者Wは昔、違法な手術(堕胎?解剖?何かは聞けなかった)をして、生贄になりそうなものを呪いを行う人へ提供していたらしい。
もうよぼよぼで手術はしていないと言って、Wは帰された。
手元には真っ黒い札が残った。
Wの話では、何やら墨で字が書かれていたらしいが真っ黒ではなかったそうだ。
あんなよぼよぼのおじいさんまで、共謀して子どもを殺そうとする。
そんなに、借り子が悪いのかなーと考えこんでしまった。

□ □ □

おじいさんは本心では積極的反対。実際には、消極的反対だったと思います。
特に、我が家と親戚一同、本家に分家は絶対服従とまではいきませんが、「絶対追従」みたいなところがありましたので。

三日目。
私はかなり変な事をぶつぶつ言うようになっていたらしい。(全然、覚えていない)
また、亡くなった三人の借り子と違い寝たきりでもなく、何故かブラブラ徘徊する。
(今まで、「借り代」が呪われてもこんな事は無かった)
らんらん鼻歌を歌いながら寝間着を着て裸足でスキップ。
人に出くわすと、「うちんかみきったーあだーが(私の髪を切ったのは誰だ)」と必ずにやにやして聞くそうだ。
そして、九人の子の家の前にさしかかると「きったーがな、きったーがな、かーしや、かーしや(切ったな、切ったな。かえせ?かえせ?)」と喚いてケタケタ笑う。
これには、男衆も「触らぬ神に祟りに無し」状態で、一応ケガをしないように見張りはつけるが放置していた。
そして、最後に「まっとるやー、おあそび、まっとるやー(待ってる、遊ぶの、待ってる)」と言い放って、スキップしながら去って行く。
これは偉いもんに手を出した、と私の髪を切った九人中六人は四日目までに名乗り出て来て、本家に頭を下げに来た。

五日目まで「くーて、くーて、しまい。あー、まちおーし、まちおーし(食べて、食べて、終わり。あー、待ち遠しい?)」と
九人の家に何やら喚きにやって行った私が六日目の朝、突然寝たきりになった。
これには大人たちも首を傾げた。呪いを吹き飛ばしていた様子だったのに、いきなりまた苦しみだした。
「このまま死んでしまうのか?」と当主も焦りだした。
すると、本家のバア様(先代当主の奥さん)がふと、「よーやったわ。後悔するえ」とつぶやいた。
「一族の男、集められるだけ集めろ」とバア様は立ち上がった。
バア様が全てを陣頭指揮を執って、呪いに対抗すべくあらゆる事をした。

七日目の夜。
男衆が部屋の四隅、壁、障子を囲むように布団を敷いて寝る準備を始めた。
「お着替えしましょうね」
本家の女の人達に呼ばれた子達と一室に閉じ込められる。
私はもう意識はもうろうとしていたが、五人の男の子(10~12才)と同じように目隠しをされた。
次に、女の子ものの浴衣を着せられた。
浴衣の右袖には水晶の欠片を忍ばせ、胸前に懐紙を挟んだ。
そして、口紅をぬってもらって、その懐紙でふき取り、汚れた懐紙を折って結んで、左袖に忍ばせた。
そうして、男衆の部屋の中心に敷かれた敷布団六枚の真ん中に運ばれた。
男衆が内側から札を張り、残った本家の人達が外側から札を張る。
作業が終わると、男衆はそのまま布団で寝て、本家の人達は隣りの仏間の部屋で寝た。

夜明け前の一番空が真っ暗になる時間帯。
空気も冷え、雪は降ってないと思うが霜は下りてる寒さ。
いきなり、何かの気配に鳥肌が立った。

女の人が泣く声と赤ん坊が喚く声が合わさったような「あ゛ー」「ぎゃー」「あ゛ぎゃー」という叫び声が部屋の周りでぐるぐる聞こえる。
バア様が言う「エシ(エズ?)」と呼ばれるものが来たのが皆解かった。
「借り代」は神様や精霊、仏の類と完璧な人間(=成人した大人?)の狭間にいるとされるらしい。
そのため、人間の力ではなく「エシ」に頼んで殺してもらうのだそうだ。
「エシ」に殺してもらうことは病死や事故、事件で死ぬよりも奇怪な死に方をするから、すぐに解かる。
(私が選ばれる前に、息子夫婦の借り子三人は怪死している)
べちゃ、ぺちゃ。
何か濡れ音がする中、血生臭いだけでない獣臭?腐臭以上の異臭が漂い始めた。
多分、人や人の子、獣、神様、悪霊が全部いっしょくたんになった巨大な化け物が這うように動いている。
男衆の中でも、うめき声を漏らす人がいた。
すると、「エシ」は動きを止めてケタケタ不気味に明るく笑い出す。
そんな時。
ブチ、ブチ、ブチと変な音がした。
「キャハハハハ」と小さな子どもの笑い声と共にパタパタ部屋の周りや天井の上、床下を走ったり飛んだりはねたりする音が聞こえる。
「エシ」は今まで殺して来た借り子を死んだ後も逃さず、己の糧にして使役する。
最初は三人。
ブチ、ブチ。その音が聞こえる度に、笑い声も足音もどんどん増えていく。元借り子がエシから分裂したようだ。
そして、元借り子がぺたりと私に触れる。
きっと、五人の男の子達も触れているだろう。
嗚咽を必死にこらえる声が隣りの男の子からも聞こえた。
探しているが、どうも私を見つけられないらしい。
しかし、男の子達はあまりの怖さに耐え切れず、男衆の方へ逃げてしまった。
残された私にどんどん元借り子達が集まってくる。

ぺたり。ぺたり。元借り子の一人の手がと私の額に触れようとした。
その時、「パシン」と元借り子の手をはたくような音がした。
私はすーっと眠りについてしまった。

その瞬間、ざわーっと風が吹いたそうだ。
ざわーざわーざわー。
どこからか風が吹き込んでくる。
チリーン。チリーン。チリーン。
鈴の音が三度。
その直後、

ダン。・・・ダン。・・・ダン!ダンダンダンンダン!
歌舞伎の舞台で、足を「ダン」と床に打つようなラップ音が間隔をあけずに響き出した。

「あ゛%#%$ぎゃ&%&だ#!!!」と絶叫の後、異臭がしなくなったらしい。
皆、「エシ」が去ったと安堵したそうだ。

八日目の朝。
男衆が続々起き出し、自分達の布団に潜り込んで寝ている男の子達五人を起こした。
「あの子、どうした?」
しかし、男の子達は目隠しをやっと取ってもらえたばかり。
私は本家の結界で守られた部屋から消えていた。

そこへ神社の社務所からM家(私がお世話になっていた本家)に電話が入った。
どうやら、神社でにたにた笑っていたらしい。
発見した神主はすぐさまM家に連絡、事情を説明した。
神主が発見した当初、私は手招きをしたそうだ。
「かーしや、かーしや(返せ、返せ)」と言って、神主を神社の裏手へ導いた。
すると、盛り土から異様な臭いがする。
掘り返してみると、真っ黒の箱が出てきて「エシ」を呼ぶための呪箱がいくつも発見された。
私は本家に戻され、二・三日ずっといびきをかいて眠り込んだ。
結界のために張っていた外側の札も内側の札も、私の布団の下に潜り込んでいた札同様、真っ黒になっていた。
結局。
九人中最後まで白を切りとおした三人の女の子は学校へ通えなくなってしまった。
一人は身体の一部の壊死がわかって、身体を部分的に切り落とさなければならない。
一人は肺がしぼみ、内臓がねじれるだけねじれて、おかしな事になった。
もう一人は奇病で、歯が全て抜け落ちて、ありとあらゆるヘルニア(横隔膜や腹膜?)や潰瘍が見つかった。
カイさんは小さい頃からこういうのを目にしていて、「あの三人、もう子ども産めない身体になったなー」と言っていた。
彼女達だけでは「エシ」を作れないから、子どもだけではなく大人にも何らかの被害は出ていたそうだなーと不安だった。
しかし、カイさんが完全否定した。
「多分、箱を作った奴等も切り札はあったと思う。だから、髪を切っただけの子どもが大人の代わりにああなった」
「それにしても、最後に出て来たのは御前を守っている神様や守護霊だったのかな」
「エシをえいえい踏み潰すようなラップ音、すごかったなー。エシもびっくりしただろう」
その後、跡取り息子の奥さんが無事懐妊。
私はその奥さんが無事安定期が過ぎるまでの五月上旬(ゴールデン・ウィーク)までI市に居た。
ゴールデン・ウィーク後、無事地元に帰り、元の小学校のケイコ先生クラスに戻った。

これで終わりです。

~父の反対について~
父はカイさんが訪ねて来るまで全く「借り子」の風習を知らなかったそうです。
だから、遠縁の本家とも年賀状のお付き合いも無いくらいで服従心無し、他人も同然のようでした。
ましてや、平凡な一般家庭から裕福な家に養子や里子に出すような話が湧き出るなんて、おかしい。
それに、電話や手紙ではなく本家から使者(カイさん)が来たから事件性をまず考えたとようです。
だから、父は猛反対。

~おじいちゃんのバカ発言について~
私の心霊写真は結構な枚数があって、厳重に隠してありました。
おじいちゃんは親戚に不吉な事があると全て私のせいにされかねないと心配していました。
それなのに、「養子候補には、ふさわしくない程不吉な子」と思わせたかった父親に対して「バカ」と言ったんだと思います。

~同意について~
両親とおじいちゃんは反対でした。
おばあちゃんは「借り子」の良い風習を知っていて(「エシ」は知らなかった)、大賛成でした。
親元を離れるのがかわいそうだし、おじいちゃんに背くわけにもいかないので、私に強くすすめられなかったそうです。
最後はカイさんの説得で、家族全員が納得し、「借り子」に同意しました。

□ □ □

「フィルムごと紛失しました」「別の店員がミスしました」等どこの写真屋もはぐらかすので、生後数ヶ月までの写真が無いんです。
近くのおじいちゃんの知り合いの写真館に毎回現像をお願いするようになってからはそういう事はありません。
他人に危害を加えるらしいので、「他のアルバムと一緒に保管しない」などアドバイスをもらっています。
>>567
エイジさんはリンチされていました。
借り子殺しの一派の大人達が頼んだ危ない人に呼び出されて、別の所へ連れて行かれて
私の借り様期間が終わってからも、別の地域の病院に入院して治療に専念していたそうです。

私は一言も無しに転校しなくてはならなっかたので、いっ君とみこちゃんには帰ってから話そうと思ったんですが。
いっ君は帰ってからも何も言ってきませんでした;
みこちゃんには「I市のM家でしょ?」とずばり言われました。
みこちゃんの親戚もM家(私の遠縁の本家)に縁あるL家の血筋だそうで、
L家とその親戚には私の事も全てだだ漏れだったそうです。(田舎怖いw)

かなり話をかいつまんで、なおかつところどころ伏せているので、話に矛盾が出てきてしまっているかもしれません。

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