本当にやった復讐【自業自得 編】短編5話【1】
合格祈願のお参り
俺は大学受験の時、近所の神社に毎朝合格祈願のお参りしてたら、そこの神主にさい銭ドロと間違えられたらしく、ある日の朝、待ち構えていた刑事に職務質問されたことがある。
そのままパトカーで所轄に連行され、半日以上も自宅に帰してもらえなったよ。
そこで別の神社に、
「俺をさい銭ドロと間違えた神社に天罰が下りますように」
って毎日お願いをしてたら、ある日雷が落ちて社殿が焼け落ち、廃墟と化してしまった。
大学に入学後、ニュースで今度は再建中に放火されていたのを知って思わず笑った。
守銭奴の寄生虫
私は看護師で24歳。
この度結婚して仲間内だけでお祝いしてもらったんだけど、
その時夫がいる前で女性に
「夫が突然仕事辞めても愛せるよね?」
と言われた。
私は質問の意図がわからず、
「愛せるわけないじゃん」
と咄嗟に答えてしまった。
するとその女性がいきなり
「守銭奴の寄生虫」
呼ばわり。
「どんなときでも支え合うのが夫婦でしょ!?専業主婦狙ってるくせに」
と言われたので、
「一方的に収入無くして支えてもらうことが支え合いになるの?
そもそもそんな重要なこと話しもせず
急に仕事辞めてくるような人と結婚した覚えは無いよ」
と答えた。
すると今度は夫に
「もし失業したら捨てられるよ、最低な女を掴んだね」
と絡みだしたが、夫は冷ややかに
「俺だって話し合い無しに突然辞表だされて帰ってきたら愛せる自信無いよ。
不義理なことする相手を無条件に愛せるわけがない」
と返した。
そしたら女性がクダを巻き始めたので他のメンバーによって外に連れ出されていった。
その話が女性の彼氏に伝わったらしく、
「結婚目前で振られた!」
と苦情が入った。
着拒して、根回しして、即座にCO(絶交)。
幸い夫の大学の知人で、職場も違うから助かった。
この人が何したかったのか全くわかんないよ。
一生幸せになれない
ある日、外出先の道端で、「もしかしたら○○じゃない?」と、旧姓で呼びかけられた。
見ると、気持ちの悪い顔の太った女がニヤニヤ笑っていた。
全く見覚えがなく呆然としていたら、
「あたし、A子だよ。覚えてない?」
と言われた。
A子は高校の時の同級生で、当時はスタイル抜群の美少女だった。
これがあのA子?と唖然としてたら、
「懐かしいな、どこかでお茶していかない?」
と言われた。
A子とはあまり親しくなかったけど、まぁいいかと思って、近くにあったドトールに入った。
最初はとりとめもない思い出話をしていたが、やがてA子は真顔になって
「あんた、K子と仲良かったよね。あの人の連絡先知らない?」
と聞いてきた。
K子も元同級生で、学生時代、A子はK子のことを執拗に馬鹿にして虐めていた。
巧妙なイジメだったので学校で問題になることはなく、
なぜか先生たちの間ではA子は人気者扱い、
虐められてるK子の方に問題があるような扱いだった。
A子は今、イジメを後悔して、K子に謝りたいのだという。
でも、卒業後K子はすぐ引っ越してしまい、同窓会名簿でも転居先不明になってる。
元同級生に聞いて回ったが、だれも行方を知らないと言う。
「○○(私)にも聞きたいと思ってたんだよ~。でもあんたの電話番号も分らなくてさ。
今日会えたのは天の助け。ね、K子のこと知ってるでしょ、教えて」
と懇願された。
ちなみに、私も結構虐められていたけど、私への謝罪は一切なかったw
私が、
「あの頃のことを謝りたいという心掛けは立派だけど、なんでそんなに焦ってるの?」
と聞くと、A子はなんだかぐちゃぐちゃ言い出した。
よくわからなかったけど、まとめるとこんな話だった。
卒業間近のころ、K子が変なお札みたいなの持ってきて
「A子が一生幸せになれない呪いをかけてやった」
って言った。
A子は当然馬鹿にして、取り巻きたちと笑ったんだけど、K子は大マジで
「私は命をかけて呪った。A子の運は吸い取られて、これから何もうまくいかない」
と言っていたらしい。
そんなことはすっかり忘れていたが、
A子はここ数年いろいろなことがうまくいかず、病気にもなってしまった。
今は本当に行き詰っているとのこと。
先日、霊能者に視てもらったら「呪われている」と言われ、K子のことを思い出した。
K子に謝って呪いを解いてもらいたいと思い、
同級生に聞いてみたが、だれも連絡先を知らない。
それどころか、K子が死んだという噂もあって、怖くなっている…
私は、
「ごめん、K子の連絡先は、私も知らないんだ…」
と答えるしかなかった。
でも、ちょっと思い出して付け加えた。
「そういえばK子の家って、どこかの有名な神社の神官の家系だったはず。
あの子霊感も強かったし、本物の呪いを掛けることは、できたんじゃないかな。
まして、もしK子が死んでて、言葉通り命がけで呪ってたとしたら… ちょっとヤバいかもね」
A子は青ざめて、どうしよう、どうしようと言いながら帰って行った。
ちなみに私は、K子の連絡先を知っている。
その夜、さっそくK子に電話して、このことを教えてあげた。
「あー そういえば高校の時、そんなこと言ったわぁ!
あのお札? 「ムー」の特集見て書いたんだよ~。
今で言うところの、厨二病ってやつ? うわ恥ずかし~」
と悶絶していた。
子育てと仕事に忙しいK子は、A子のことなどすっかり忘れていた。
呪い
中学の時の話。
やたらと私に絡んでくる、仮名で、A、B、C、D。(本名晒してもいいが一応仮名に)。
制服のリボンの結び方が生意気で気に食わないとか
(自分等は、学校指定されていないリボンをしていた。
奴らはオシャレだと思っていたらしいが、今思っても決してオシャレではない)、
持ちモノにもケチを付けられたりした。
私は当時は真面目な性格で気が弱くて、掃除をサボったり出来なかったが、
奴らはよく掃除をサボって先生に怒られたりしていた。
それでいて、「イイ子ぶってんじゃねー」とか言ってきた。
風邪で学校休んだりすると、「なにサボッてんだよ」とか。
ある日、奴らが私を囲んで、
「お前つまらねーから面白い話しろ」、「笑わせろ」とか言ってきた。
私が、「そんな話知らない」と言うと、蹴りをガンガン入れて来て、
「なら、怖い話しろよ。チビるくらい怖い話しろ」、「怖くなかったらもっと蹴るぞ」
とか言って来た。
まぁ、私もバカだった訳で、蹴られたくなくて、
「話したくない、言いたくない」
みたいな、「知ってるけど話したくない」的な感じで言ったら、
「話せよ」「話せよ」とか言ってくる。
だから、
「聞いたりすると体調悪くしたり怪我をしたりする。
死ぬかも知れない。だからもう話すのは嫌だ」
と言ったんです。
すると奴らは面白がって、「話せ」と言うので、仕方なさそうに、
『戦時中、日本ではアメリカに対して呪いかけようとして、
かなりの数の囚人や負傷した兵隊を殺していた』
とか、そんな感じの話をした。
「怖くねーよ」とまたガスガス蹴られた。
「本当に危ない。具合悪くなっても怪我しても、私は知らない。
御祓いが出来るのはおばあちゃんの友達の人だけ。
私は御祓いしてもらったから大丈夫だけど」
と言ったらまた蹴られた。
で、奴らが蹴り飽きて帰る頃に事は起きた。
Aが、学校の階段から足を滑らせて落っこちて、骨折したらしい。(私は先に帰っていた。)
翌日、Bは高熱を出して学校を休んだ。
CとDが、「昨日の話、本当なの?」と言ってきたので、「うん」と言った。
その日、C、Dも、何かコケたりカッターで手を切ったりしていた。
夜に、Bが「ごめんねごめんね。だから私達も御祓いして」と電話をかけてきた。
だから、
「その人は御祓いが仕事じゃないから、個人的にこういう事はしない。
私はおばあちゃんの孫だから特別にして貰えた」
と、断った
また次に日、C、Dが、「本当にごめんね。もうイジメないから許して。御祓いして」
と言ってきたので、Bに言った事と同じ事を言った。
Bが登校して来てからは、Bも一緒になって、「御祓いして」と言ってきた。
Aからも何度か電話がかかってきたが、断った。
奴らも私じゃなくて私の親に頼めば良かったのに、
それをしなかったのは、バカで頭がまわらなかったからなのか、
イジメがバレるのが嫌だったからなのかは謎。
Aも登校出来るようになったら、全員仲良く私に土下座。Aは変なおじぎ。
(人生で初めてされた土下座がこれ。)。
「御祓いして~」と。
断りましたが。ずーっと。卒業まで。
他の同級生達は、奴らが私をイジメていたのを知っていたから、
謝っても許して貰えなくて仕方ないとか、
自分等も『呪い』をかけられたらたまったものじゃないと思ったのか、
私や奴らには関わらなかった。
私が奴らに話した話は、嘘。作り話。
体調不良になったり怪我をしたりするというのも嘘。死なない。
全ては偶然。本当に『たまたま』。
なのに、奴らは私の話を聞いたせいで怪我をしたり熱を出したり、
些細な怪我まで私の話のせいにして、何とか御祓いをして貰おうと媚びてきた。
最近、本当に偶然、Bに会った。「話、いい?」と言われ、Bの奢りでスタバに入った。
「今、パート先で職場イジメにあってる
(教えてもらっていない仕事をやらされたり、わざと聞こえるように陰口を言われたり)。
自分の子供も学校でイジメられているみたい。どうしよう?」
みたいな話をされた。離婚もしているらしい。
「中学の頃は本当にごめんなさい」と。
まだ、あの話を引きずっているらしい。
「タイヘンナンダネー、ガンバッテー」と言ってサヨウナラしました。
度重なる体罰
15年ほど前中学生だった当時に自分を含めて
何人かが体育教師の一人から度重なる体罰を受けていた。
今、問題になっている暴力教師程ではないかも知れないが
些細な理由でやられていたから大変嫌な思いをした。
内容としては胸倉を掴まれて殴る蹴るというもの。
屈強な体格をそいつはしていたので中学生の自分は口で抗議する以外はやられるがままだった。
きっと、良い憂さ晴らしだったんだろう。
そんな時、自分は本屋で呪いの本に書いてあった(念力)という方法があるのを知った。
内容はただひたすら対象者の背中に不幸になれと恨みを念じるだけだ、卒業するまでは学校でそいつを見るたびに念じたが残念ながら在学中には何も起こらなかった。
しかし卒業して1年位経った頃にその教師が亡くなった事を同級生から聞いた。
只の偶然だとも思ったが詳細を聞いてみると、自分達が卒業後に
末期がんを告知され自暴自棄からアル中になり
教職も解雇され奥さんも愛想を尽かし愛娘と一緒に出て行き、寂しい最期を迎えた
と聞いた。
只の偶然かとは思うが事あるごとに因縁を付けられ殴られてきた身としては
何かあの念力が作用したのではないかと思っている。
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