『ずっと目の敵にされてる』など全5話 – スカッとする話 短編 – 傑作選【因果応報・復讐・武勇伝】

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

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スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

ずっと目の敵にされてる

同期入社したAがなぜか俺をずっと目の敵にしている。
理由は本当に不明。個人的なトラブルは一切ないのに一方的にライバル視されている。

卒大レベルはほんのちょっとだけ俺が上だがそれ以外のスペックは全てAが上。
顔・コミュ力・営業力・弁舌すべてAが上なのでなぜ張り合われなくちゃならんのかさっぱりイミフ。

Aにあることないこと言いふらされ、Aのまわりでは俺は極悪人になってるらしく
「あれ、評判ほど悪い人じゃないね」なんて言われることもしょっちゅう。
彼女いない歴=年齢なのにヤリチンのような噂を流され、女子社員に避けられたこともある。

しかしコミュ力で劣るのはわかりきってるので
わかる人にだけわかってもらえればいいさと仕事に打ちこんでいた。

ある日俺に栄転の話が舞い込んだ。真面目な仕事ぶりが評価されたらしい。
だがそれをAが聞きつけた。Aは自分の直属の上司を使って、さらに上に
「俺氏はこんなに無能でこんなに素行の悪いやつで~」と御注進した。
素行の悪いやつではやっていけないポストだったので、俺はその話からはずされた。

代わりに選ばれたのは当然のようにA。
でもその話、確かに栄転は栄転だけど、某治安の激悪な国に最低5年飛ばされる仕事なんだよ…。
戻ってきたら出世ルート間違いなしなんだけど。

俺は独身だし係累もあんまいないから最悪死んでもいいかと思ってたが
やっぱり行きたくない命が惜しいとは思ってた。でも断る勇気もなかった。
Aに話をポシャってもらって感謝してたくらい。
Aは俺と違い、上司の縁戚の娘と婚約したばかり。
婚約者を連れていけるような国じゃないし、今28だか29才らしいから5年待ってくれるかどうか。
根性よくないのは承知で、Aの動向が楽しみでニヤニヤしている。

 

 

甥っ子に男らしい仕草を教えておいた

うちの娘(13歳)が私由来の歴オタまっしぐらなのを
義妹(夫の妹)に「女の子らしくなーい」と笑われたので
甥っ子(義妹の息子、5歳)に男らしい仕草を教えておいた

といっても、外面だけは立派な義妹の夫の真似をするよう教えただけ
くしゃみをしたら「ぶえっくしょいバーロイ!」
立つときは「えー、どっこらしょ」

外面だけは立派な義妹の夫は、人前ではこういうのはやらないが
そこは5歳の甥っ子なので、家の中での父親の様子を人前でもやらかし
辺りかまわずオナラとゲップをするようになり、
義妹の知らぬ間にクチャラーまで発症した

繰り返すが、義妹の夫は外面だけは立派なのでそっち由来とは思われず
義妹の躾が悪いからと方々から責められているらしい
自分の夫の本性を知る義妹は、息子の所業が私の指導とは気づいておらず
私に愚痴をこぼすようになったが
「ま、歴オタなら周りに迷惑かかりませんしねー」と突っぱねておいた

 

なんでなんで?

ある人気作品が最近映像化され、職場で昼休みに同僚とその話題で盛りあがった。
その作品は少女漫画にカテゴライズされるんだけど、わりと男性読者も多いらしく
話題に入ってくる男性社員が数人いた。

すると、いつも私とB子(20代女)にケチをつけてくるA(20代男性)が
「あの作品は俺も見たけど程度が低い。理屈も何もあったもんじゃない。非科学的。
いかにもバカな女が喜びそうな低俗さだ、女が書いて女が読む作品はこれだから」と
ペラペラやりはじめた。

いつものことなので私とB子はスルーした。
しかし話題に参加していたC(20代男性)が怒ってBに言い返した。
「みんなが面白いと思って話してるのに、なんでいちいち貶しに来るんだ。
大体非科学的も何も、あれはギャグ漫画だろうが」
とけっこうな本気の反論だった。

Cを怒らせるつもりで言ったわけではなかったAは驚いてシドロモドロになっていた。
Aは咄嗟にうまく言い訳できず
「Cに言ったんじゃない。そこの2人に言った」と私をB子を指差した。

輪の中にいたD(30代男性)がすごくビックリした顔で
「え?なんでそんなことを(私)さんとB子さんに言う必要あんの?」と言い
その声の大きさやタイミングが絶妙で、課がしーんとなった。

B子がさらっと「Aさんはいつもそういうことを私たちに言いに来る人なんです」と言った。
Dさん「なんで?」
B子「なんででしょうねえ」
Dさん「なんでなんで?」

うまく説明できないんだけど、その「なんでなんで?」がおかしくて、みんなブッと笑ってしまった。
Dは絶妙な間と口調で物を言う人で、それだけで周囲に笑いを起こしてしまう。
その特性がいかんなく発揮された感じで、その時もワーっと笑いが起こった。

ブツブツ言いながら去るAに、Cと社員数人が「あいつあんな奴なんだな」と驚いていた。
Dはその後私とB子のところへ来て、袋入りのお菓子をポンと置いて
ニカっと笑って去っていった。

それで初めて「あ、Dさんて天然じゃないんだ」と気づいた鈍い私。
Dはトボけた人なんだけどすごく人気がある。てっきり天然ぶりが愛されてるのかと思ってた。
B子にそれを言うと「だからDさんはモテるんだよ」と言われた。
モテてることも知らなかった…。

いやでもあれはモテるわと思った。険悪になりかけた空気も笑いでおさまったし
Aが私たちにいやがらせを言うことも他の社員に自然と伝わったし、
全部計算だとしたらDさんカッコイイと思いました。

 

 

俺ら夫婦の悪口が仲間内のSNSで大流行

復讐はこれからなんだけども。

×年前、若くして癌になり闘病生活に入った。
その後回復して結婚。嫁の希望もあって俺が家事をする役、嫁が稼ぐ役になった。
俺と嫁は同じ大学だが、嫁の方がつぶしがきく学部で就職も有利
だからそう意外な展開でもなかった。もちろん癌は想定外だったが。

式や披露宴はせず、親戚と友人だけのお披露目パーティをやった。
放射線治療その他で俺の見栄えも大変良くなかったしな
タキシード着るどころじゃなかった。
「専業主夫いいなー」「よっ!ヒモ!」なんて言う奴もいたがおおむね無事に終わった。

その約2年後、なぜか俺ら夫婦の悪口が仲間内のSNSで大流行。
「×にぞこない」「女に養われてる霊のヤツ(例の、と書く代わりにわざと霊のと書く)」
「×癌クソ野郎」とまーひどい言われようだった。
その期間にほとんどの友人?を切った。

さらに数年して、俺はさいわい再発せず現在に至る。
嫁との間に子供もできて、俺は産める体じゃないしパイも出ないから色々アレだが
ヒイヒイ言いながらも育児し、嫁にドレスも着せてやれた
と言っても写真館で貸衣装で写真撮っただけですがね。
俺は在宅でできる仕事をゆるゆるこなしながら、娘のヨダレを拭く日々

ある日ちょっと用事があってお世話になった教授のとこに顔を出した。
そしたら俺が縁を切った元友がまだ在籍していたみたいで、出くわしてしまった。

SNSをもう見てなかったから知らなかったんだが
仲間内では俺がもう死んでることになっていて、皆を呪ってる伝説が生まれていたらしい。
仲間の9割が就職できずオーバードクターしてるのは俺の呪いと言われてたそうだ。

知らんわ。
俺が生きているという話がバーッと回ったらしく「呪いをといてくれ」とメールが来たが
知らんわ。
何より嫁さんが激怒してる。

闘病中の俺の耳には入れてなかったが「専業主婦にするなら、あんないつ×ぬかわからんゾンビより俺にしなよ」
というアホも過去に複数いたようで、我慢の限界でブチギレ金剛らしい。

弁護士雇ったし、これ以上接触してくるアホには問答無用で制裁のもよう。
「幸せになるのが復讐」と思ってたが
嫁さんの決意を聞いてスカっとしたあたり、俺も心の底では実はやり返したかったみたいだ。

 

 

いじめっこ体質

本当に些細なことしかしてない仕返し。
姉がとても横暴ないじめっこ体質。妹の私ももれなくいじめの対象。
小さいころはさんざん煮え湯を飲まされた。
中学生になったある日の喧嘩で殴り勝ってからは、私に対しては何もしなくなった。
何もなかったかのように、仲のいい姉妹のような素振りをしようとするので
文句を言うこともなく、茶番に付き合ってあげた。
姉の恋愛や進路の相談や愚痴を聞くこともあった。
その度に、より将来的に悪くなっていくような方ばかりを擁護した。

努力して進学校へ行くか、低偏差値の高校へ行くか悩んでいた時は
「低偏差値の高校で内申稼いで推薦で大学行く手もあるみたいよ」
(姉の性格上、周りに流されて遊ぶと見切った上で言った)

ヤンキーの絞り粕みたいな輩と付き合っていた時は大変だった。
良いところなんて見つからないような男だったけど、頑張ってこじつけて良いところ探し。
親に嘘付いてお泊り旅行の時も、一所懸命アリバイ作りを手伝った。

就職活動の時も、学校紹介の手堅いところか、姉のバイト先で正社員登用狙うか
学校紹介の職種の悪い所(と言っても制服ダサいとか辺鄙なところにあるとかくらい)を大げさに吹聴した。
姉が勤め続けることを選んだバイト先は、数年後、社員登用の話が出る前に潰れた。

今、正社員未経験のままアラフォーになった姉は婚活中。
頑張っていいお相手が見つかるといいね。
相談があるならいつでも乗るよ。

されたことは、小さいことなら
お年玉を袋ごと破られたとか、お誕生日プレゼントのリカちゃん人形を即日坊主にされたとか。

大きいことなら
修学旅行前日の夜に、制服と手持ちの下着全部風呂の残り湯に付けられたことかな。
自分が修学旅行に行けなかった(原因:盲腸)のに私が行くのはムカついたからだって。
発見が朝だったから乾かすのなんて間に合うわけもなく、
制服は近所の子に余ってるの借りて、下着は母親が近所の洋品店叩き起こして購入。
集合時間には遅刻したけど、出発時間には間に合った。
(もちろん姉は怒られたが、親はとても甘いので罰はお小遣い何か月か没収だけ)
とか
お好み焼き屋で突き飛ばされて、熱々の鉄板に突っ込まされたこととか。
これは確か、私が何かで褒められたのがムカついたとかそんな理由だったかな。
今でも腕にやけど跡が残ってます。
(もちろん、おふざけが過ぎると危険なことを説教されたのち、形だけ謝って無罪放免)

私は平凡に進学して結婚して子供産んで専業主婦。
自分で稼いでいるわけではないので、自由になるお金はありませんが
相談に乗る時間だけはありますので、姉の人生の岐路を見守っていく所存です。

 

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