動物の感動する話【猫編】『黒猫のクロ』など全5話【1】 – 実話体験談

動物の感動する話【猫編】『黒猫のクロ』など全5話【1】 - 実話体験談 動物・ペットの話

 

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動物の感動する話 – 猫編 -【1】

 

 

大好きなゆめ

「まだまだどうなるかわからないけど、ゆめも頑張ってるよ!」
私が高校生の冬でした。

家で飼ってる猫が赤ちゃんを産みました。

しかも電気毛布た私の布団で。

5匹いたのですが、次々と飼い主が決まり、とうとう1匹だけになりました。

その猫を「ゆめ」と言う名前にしました。

毎日一緒で、私が怖がりなのを知ってか知らずか、お風呂に入ればマットの上で私がお風呂を上がるのをじーっと待っていてくれるこでした

私が帰ると、玄関でちょこんと座って待っていてくれるんです。

悲しいことがあると、なぐさめてくれるかのようにずっと隣にいてくれました。
ゆめは私のたからものなんです。
私が20歳をすぎると、初めて彼氏ができました。

彼氏もゆめを可愛がってくれて。

すごく嬉しかったのを覚えています。
付き合って2年たち、同棲するようになりました。

ゆめの事が心配で、妹や母にようすを聞いていたのですが、
「毎日夕方になると玄関で待ってるよ。帰ってこないよって教えてもずーっとまってるよ。」
次の日家に帰るとゆめは待っていてくれました。

玄関でちょこんとお座りして。
同棲から1年、結婚しこどもができました。

11月30日予定日でした。

出産予定日1か月前、実家に帰りました。

こどもを産んだらゆめと一緒に遊びたいなぁなんて考えては1人にやけてました。
ところが、予定日10日前頃からゆめが元気がなくなりました。

いつもいっている病院に連れていったら
「この薬を飲んでいれば大丈夫です。」
といわれ飲ませていましたが、2日たっても3日たっても元気になるどころか、だんだん衰弱するのが
わかりました。

別の病院に連れていくとレントゲンをとりました。

先生がレントゲンを指して
「なぜか体の中に膿が大量にあります。」
といわれ即入院。

私が帰るとき、今までなかなかったゆめが
「なんでおいてくの?」
「私もいく」
と言うように精いっぱいなくのです。

これが私の聞いた最後の声になるとは思いませんでした。

帰り道不安で不安で、泣きながら車を運転しました。

その日の夜中、なんと陣痛が来てしまいました。

母に病院につれていってもらいましたが、なかなか出てきてくれませんでした。

ようやく夕方無事、女の子が産まれました。
入院中もゆめが心配で母にゆめの具合を聞いてました。

そしたら、26日の朝、夢をみたんです。

元気なゆめ。

一緒に遊んでるゆめ。

あとにも先にも、ゆめの夢はこれ1回きりでした。

あ!きっとゆめは大丈夫なんだ!と思い、その日お見舞いに来た母にいつもと同じに聞いたら少し返事を濁しました。
「まだまだどうなるかわからないけどゆめも頑張ってるよ!」
と。
そして退院しました。

何日か過ぎたある日、母が、
「言わなきゃいけないことがあるんだよ。」
と言いました。

実家に帰ると、ゆめが冷たくなっていました。

本当は寝てるんじゃないのって思うくらい寝てるようにしか見えません。

でも抱っこしても、固くて冷たいのです。
母に聞くと、26日の朝に病院から電話が来たそうです。

最後の最後、私はゆめを知らない場所で、一人ぼっちであっちにいかせてしまった。

後悔しか残りませんでした。

母にも辛い嘘をつかせ続けてしまいました。

これを書いている今でも涙が止まりません。

あの時どうすればゆめは今でも生きていてくれたのか。

その事が頭から離れません。
あれから2年。

娘は2歳になりました。

いま、私に似て猫がだいすきです。

ゆめへ
私はゆめにあえて
スゴくすごく幸せだったよ。
ゆめは幸せだったかな?
最近娘が、ねこいる!っていうんだよ。
偶然かもしれないけど、わたしはゆめだったらいいなって思うんだよ。

もし会えるなら、夢でもおばけでもいいから会いたいよ。

最後1人にぼっちにして

ごめんね。

いつも待たせてごめんね。

向こうでも待たせちゃうね。

ごめん。

私のところに来てくれて、本当にありがとう。
だいすきだよ。

 

黒猫のクロ

中学生の頃に猫を飼った。
家族みんなが(特に母が)黒猫が好きで、満場一致で知り合いから黒子猫を貰った。

名前はクロ。
何の捻りもないとか言うな。

最初は心許無い足取りで家をうろついてたクロも、数か月もしない内にドタドタと階段を走り回るようになって我が家は賑やかになった。
雀を捕まえようと家の壁に張り付いて降りられなくなったりするバカだったけど、落ち込んだりすると寄り添って寝てくれるいい奴。

俺も高校生になりクロもすっかり大人になったなって実感した頃に、お袋が検査入院した。
その日はお袋からこっぴどく叱られ、帰り辛いなとか思ってた日だった。
帰って来たお袋は笑ってた。
でも、クロはお袋の側を片時も離れない。
問い質したら、やっぱり病気だった。
癌だった。
お袋は入退院、転院を繰り返してた。
そしたらあっという間に癌は転移した。
クロも片時もお袋から離れようとしなかったっけか。

心のどっかで大丈夫だと思い込んでたら、今度はクロが癌になりやがった。
鼻筋に腫れ上がった傷が出来て餌食うのも歩くのも辛そうなのに、たまに自宅療養が許されたお袋が帰ってくると寄り添って離れない。
でさ、同じ日に仲良く末期告知とか有り得ないだろ。

しかもクロは動物病院から逃げ出すしホント勘弁してくれと。
それから二ヵ月が過ぎた。
クロにべったりだったお袋は急激に衰弱していった。
なのにも拘らず入院を嫌ってウチでギリギリまで療養するとか言ってるし。
足首だって俺の手首くらいになってた。
で、お袋の自宅療養が認められた最後の日。

「居る。」

ってお袋がイミフな一言。
何が?
玄関を指差したから行ってみたら、鼻筋に傷がある薄汚れた黒猫が一匹。
オイオイ、マジかよ。
動物病院から10kmは離れてるんだぞ、犬じゃあるまいし何で帰って来れたんだよ?
都合良過ぎじゃないか?
で、クロは俺をスルーしてお袋の元に。
ホントは動物とかダメなんだろうけどさ、引きはがせなかったよ。
だってお袋泣いて喜んでるし、俺も泣いてて力出なかったし。
結局、お袋は亡くなった。
大晦日のことだったから葬儀は年明け三が日以降ってことでそれまで遺体は自宅で安置、保冷剤で冷やして。

でさ、年明けの糞寒い中なのにクロの奴、離れないんだよ。
キンキンに冷えたお袋が寝かされた布団で一緒に寝てんの。
俺が

「もういいから!」

って泣きながら何度布団から引きはがしてもダメ、意地でも離れようとしないのな。
なんだよ、俺より息子らしいことしてんじゃねぇよ、ちくしょう。
葬儀も無事に終わって百ヶ日の法要でお袋の実家に行ったその日に、自宅に居た姉貴の膝の上でクロは逝った。
姉貴もお袋にべったりだったし亡くなったショックは誰より強かった。
だからクロは姉貴に寄り添ってたんだと思う。

帰って来たらまるで、自分の役目は終わったとか言わんばかり満足そうに寝てんのな。

「揺すったら起きるんじゃねぇの?」

と思って触ったら身体は冷えきってた。
なんだよ、どうすんだよ、この三か月分の餌。
少なくともお前が生きてけるって言われた分買って来たんだぞ。
たまには俺の布団に来いよ、寝相良くするからさ。
頼むから目ぇ覚ませよ。

でも、その満足そうに寝てる姿を見たら、もう俺は心配無いなって思ったんだろうね。
少し寂しかったけど、これ以上辛い思いさせちゃダメだよな。

末っ子だった俺の可愛い弟は今でも家の庭で寝てるよ。
今度はお前がゆっくりと寝てていいように、俺、頑張るからさ。

おやすみ、クロ。

 

 

護衛してくれる猫

父が突然亡くなった。
うちの猫のみぃは、父の行く先行く先についてく猫だった。

「いつも俺の後をついてくるんだ。俺の護衛なんだ。」

と生前父は少し自慢げに言ってた。

父の亡骸が、病院から自宅に帰ってきた。
手を組み布団に寝ている父。

すると、みぃが私達の前を通り、父の布団の中に入った。
冷たくなった父の横に寄り添って寝ていた。
その光景を見てものすごく涙がでた。
猫にも分かるのかな。
お別れだってこと。

そして父が棺おけに入った夜。
家族だけの最後の夜。
みぃは棺おけの上に乗り、一生懸命父の顔の見える扉をガリガリと開けようとしていた。
砂を掘るように一生懸命あけようとしていた。
本当に一晩中みぃは必死だった。
その様子を見て私達は泣いた。

父がお骨になった日。
もう一生父の顔を見れなくなったあの日。
突然みぃはいなくなった。
みぃは父についていったのだろう。

「いつも俺の後をついてくるんだぞ。俺の護衛なんだ。」

そういっていた父の言葉を思いだした。
本当にそうだった。
本当は私達もついていきたいくらいだった。
その変わりみぃがついていってくれたんだ。

父の49日、ふらっと野良猫が庭に迷い込んできた。
いなくなったみぃは女の子だったけど、今度は男の子の猫だった。
ずっとうちの前で泣いていた。
その猫をどうしてもほっておけなかった。
今もうちにいる。

そういう繋がり。
大切にしていきたい。
みぃも父も、その姿なくとも、何か別の形でそばにいてくれると信じている。

 

 

茶トラ猫の幽霊

姉が家出同然で出ていってしまって家の雰囲気が暗かったので、私は家ではできるだけ明るく振舞っていましたが、本当は、家族に仕事や恋愛の悩みを相談したりしたかったんです。

でも、そういう雰囲気じゃなかったので、夜眠るときや、誰もいないときに、その猫によく相談しながら泣いていました。

相談といっても、猫だから黙って私を見ているだけだったんですけどね。

その猫は、私のお布団の中が好きで、毎日夜になると、ニョロニョロと入ってきては、背中と腰の中間くらいのところにずっしりと寄りかかって眠っていました。
その子が病気でなくなって、裏庭に埋めるときに、手紙を書いて一緒に埋めました。
「いろいろお話を聞いてくれてありがとう。オバケでもいいから時々会いにきてね」
みたいな内容を書きました。

つい2、3日前のこと。
相変わらずの人間関係からのストレスで貧血状態になり、横になっっていました。

うとうとしていると、猫がニョロニョロとお布団の中に入ってくる気配。
今は別の猫を飼っているので、そいつだ思って気にしてなかったら、ちょうど背中と腰の中間の辺りに、寄りかかったのです。
ほんのりあたたかくて、ずしっと重い感じ。。。ん?この重みは…!!
「…心配して来てくれたの?!」ってお布団の中をのぞくと、すーっと重みが消えて、誰もいませんでした。
全然怖くなくて、むしろ死んじゃっても心配かけてる自分が情けなくて、しくしく泣いてしまいました。
泣きながら眠ってしまったら、夢にはご飯を食べてる茶トラ猫がでてきました。

目が覚めてから、お線香をあげて、猫のエサをお供えしました。

 

 

大切な子を失う

子供が外に遊びに行こうと玄関を開けたとたん、みはからっていたのか猫は外に飛び出していってしまいました。

そして探して見つけ出した時にはあの子はかわりはてた姿になってしまった。
私はバスタオルにあの子をくるみその場で泣き崩れてしまった。

自転車で通りすぎる人、横を走る車、みんなが止まり

「どうしたの?大丈夫?」

と声をかけてきてくれた。
でも、その声にも答えず私は声をあげてあの子を抱きかかえて泣いた。
まだ体があたたかったことが、悔しかった。
毎朝、あの子はきまった時間にパパを起こし、えさをねだるのが日課であった。
パパの眠い目をこすりながらも、おねだりするあの子にえさをあげてから朝の一服をする。
あの子が死んだ次の日の朝、パパはいつもの時間に起きてきた。
そして、ソファーに座りたばこに火をつけた。今日は足にまとわりついてくるあの子がいない。
パパの背中がさみしそうで、また涙がこみあげた。
あの子はいつも長男と一緒に二階に上がり長男のベットで一緒に寝ていた。
あの子が死んだ時、呆然としていた長男が、ベットで夜泣いていた。
私は声をかけてあげることができなかった。
親として悲しんでる子供をなぐさめてあげなければいけなかった。
でもその長男の姿を見た私は、その場でうずくまって声を殺して泣き崩れてしまった。
食事の用意をしていても、掃除をしていても、涙が勝手にあふれてくる。
泣いている私に息子は、

「次はどこ掃除する?手伝うよ。」

とやさしく声をかけてくれた。

「ママが隊長で、僕は副隊長になって掃除しようっ!」

泣きっぱなしでぶさいくになっている私は、

「隊長ばっかで部下がいないじゃん。」

とぐしゃぐしゃの顔で笑った。
あの子が死んでから初めて笑った。
くよくよしていたらいけないことを息子が教えてくれたようでなさけなかった。

今日で、もう泣くのは終わりにしよう。
あの子とのいっぱいの思い出を胸にしまい、今日からいつものママにもどるからね♪

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