恋愛の泣ける話【5】『もう2度と彼を死なせない』など 短編5話 – 実話 体験談まとめ

『もう2度と彼を死なせない』 恋愛の泣ける話

 

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恋愛の泣ける話【5】 短編5話

 

彼女への誓い

もう2年も前の話になる。

その頃俺は医学生だった。彼女もいた。

世の中にこれ以上いい女はいないと思うくらいの女だった。

しかし、彼女は若いのにもかかわらず、突如として静脈血栓塞栓症でこの世を去った。
その時の自分はたぶん相当精神不安定に陥っていたと思う。

葬式のとき、彼女の母親が俺にこう告げた。

「あの子、亡くなる直前に、あなた宛てにこんな言葉を言ったわ・・・」

『○○君は易しいね。私が死んだら相当落ち込むかもしれないけど、落ち込んじゃだめだよ。ずっと一緒なんだから。私のような人をたくさん救ってね』と。

そしてそのまま眠るように亡くなったらしい。

その彼女の言葉を聞いた俺は、涙が溢れ出してきた。
今までにない量だった。

彼女の最後の言葉に俺のことで、つまり俺のことが一番大切にしてくれたなんて思うとよけいに溢れてきた。

俺はその時、亡き彼女に誓った。
お前の命は絶対に無駄にしない!と。

そして今現在、俺は心臓外科医をやっている。
もうあんな悲しい結末は経験したくないからでもあり、彼女に誓ったからでもある。

時々彼女は、俺の夢の中に出てきてとびっきりの笑顔をみせてくれる。

その最高の笑顔は、俺の活躍を祝福してくれる。
そして俺を立派な医師になるための道に導いてくれるのだ。

 

もう2度と彼を死なせない

好きな人を突然の事故で亡くした。
まだ亡くなってから2ヶ月。
お葬式で彼の友達が読んだ手紙の内容が忘れられません。
「○○、人は2度死ぬって知ってる?
一度目は○○が向かった死で、二度目はみんなが○○のことを忘れてしまった時。
だから俺、もう絶対に二度と○○を死なせないからね。俺が死ぬまでずっと。
だから俺が死んだら、天国で会おうね。」
彼の事を生き甲斐にしてきた私は、何度も死のうと思いました。
けれど今、少し落ち着き、もう2度と彼のを死なせまいと、毎日頑張って生きてるつもりです。

 

未送信のメール

私が彼と最初に出会ったのは会社の懇談会でした。

ふとしたことから一緒に遊ぶようになり、付き合いはじめました。

私はもともと打たれ弱い性格だったので、彼にグチってしまうことが多かったのです。

でも、彼はそんな私に嫌な顔一つせずに、優しい言葉をかけてくれたり、

励ましてくれていました。

彼はグチ一つこぼさず、明るい人だったので、

「悩みがないなんていいねー。」

なんて言ってしまったりすることもありました。

彼との別れは突然訪れました。

彼が交通事故で亡くなったのです。

彼のお葬式に行っても、まったく実感が湧きませんでした。

お葬式の後、彼の両親から彼の携帯を渡されました。

携帯をいじっていると、送信されていない私宛のメールがたくさんあるのに気付きました。

そのメールには仕事のグチや悩みごとなどがたくさん書いてありました。

その瞬間、私は彼の辛さに気付かなかった自分のくやしさや、無神経な言葉を言った自分への後悔、常に私を気遣っていてくれた彼への感謝で涙が止まりませんでした。

あの日からもう1年以上になりますが、その携帯は大切にとってあります。

 

天国まで届いてほしいな

彼女が亡くなってもうすぐ2か月になります。
なぜあの日電話でもう眠いって言ってた彼女家に呼んだんだろう。
片道1時間もかかるのにあいつうれしそうな声で「うん、行く。ちょっと待ってて」って。
会うの久しぶりだったから俺もあいつもすげー楽しみって電話で話してはしゃいでた。
なのに何時間待っても来なくて・・電話もつながんなくて。あいつん家電話しても誰もでなかった。
次の日になってからだった、事故ったって聞いたの。彼女の車反対車線に飛び出してトラックと正面衝突したって。
本当に信じられなかった。信じたくなかった。
死んだって聞いた時は泣き崩れるって言うか人前だったけど抑えることできなくて声上げて泣きました。
辛かったよね、痛かったよね。お前痛いことほんと嫌いだったもんね。
ゲームで負けた俺にでこピンするするくせに自分絶対させんかったもんな。
色んなことして遊んだね。馬鹿やってはしゃいで。おもろくもない俺のギャグいつも笑ってくれた。
我慢できないところもわがままなところも気にしてた小さな胸も何もかも、お前の全てを愛してた。
会いたいよ。さよならもありがとうもまだ言ってないよ。他にも言いたいこといっぱいあるんよ。会いたい・・
もう2か月経つのに頭から全然離れない。そう、今月8日で俺ら付き合って3年だよ。
一人でケーキ2個買ってきて食べた。3年記念おめでとう。そばにいる気がしたよ。これからもずっと好きですって誓った。
この気持ち一生変わらない。ただお前と愛し合えたことで、俺の人生変わった。幸せだった。

この気持ち天国まで届いてほしいな、いつか笑顔で会えるように

 

願い事が一つ叶うなら

俺には可愛い彼女がいた

性格は素直でスタイルも良かったが周囲からは

「えwあの女と付き合ってるのwwwお幸せにw」と
よく馬鹿にされた

彼女は頭が非常に弱かった

高校を中退し、通信制の学校を4年かけてやっと卒業

まともな職にもつけず派遣会社で毎日を繋ぐどうしようもない女

おまけに中学時代から周りの男に騙されては性欲処理に使われていた

友人の紹介で彼女と付き合い始めたのだが、これは、彼女が妊娠しても俺に責任を押し付けられるという算段があっての事だったらしい

付き合って1年は仲良く過ごしたがやはり彼女といるのが恥ずかしくなっていった

周りの目を気にしていたのは言うまでも無い

彼女は俺に甘えたり、俺の気を引こうとしていたがそれも逆にウザく感じるようになった

大学で良い結果が出せないことでイライラしていた俺は彼女に冷たくするようになった

ある日胃腸炎で寝込んだ俺の家に彼女が来る事になった

嫌な予感はしていたが全く予感は的中した

皿は割る、洗剤はこぼす、まだ乾いてない洗濯物をベッドに放り込む、お粥は煮えすぎて不味い

極めつけは、俺が大事にしていたエンタープライズ(戦艦)のプラモをぶっ壊したことだ

棚を掃除しようとして落っことしてしまったらしい

俺は完全にキレた

「もう、何やってんだよ!!死ね!帰れ!」
と叫び彼女を突き飛ばした

彼女は泣きながら
「ごめんね」とつぶやいて玄関に消えていった

それから一週間後、彼女は交通事故に遭った

連絡を受けて病室に入ると、
医者が「ご家族の方ですか?」
と言ってきた

俺は首を横に振った
「お友達?良かった、家族の方と連絡が取れなくて困ってたんです」

そう言って医者は彼女の酸素マスクを取って一言残して部屋を出て行った

「手を尽くしましたが今夜が最後です」

どれだけ時間が経っただろうか、深夜になり彼女が目を覚ました

崩れてゼリー状になった目から血が混じった涙がこぼれた

「ゆう君(←俺)・・・」

彼女は俺の手を握った
もう、握るというほどの力も無かったが

「・・ゆう君のこと考えてたら・・・私、信号見てなくて・・・」

彼女の息が荒くなった
「・・・・ゆう君の家、また行っていい?仲直り・・」

「いつでも来いよ・・元気になったら」

彼女はニコっと笑った

「・・・ゆう君・・」

「料理も掃除も教えてやる。
でもその前に怪我治せ・・・おい!」

彼女は死んでいた

その後のことは良く覚えていない

医者と看護士が慌しく入ってきて死亡判断?
のような事をやっているのを眺めていた

そして気がついたら彼女は棺桶に入っていた

のろのろと病院に来た家族の人たちは冷めた表情だった

葬式も告別式も身全てが事務的だった
悲しんでる人はいなかった
「ああめんどくさい」と
愚痴るやつもいたと思う

後日、
家族の人に頼まれて彼女の家を整理しに行った

古ぼけたアパートで部屋も狭かった

相当質素な生活をしていただろう
机に日記帳があったので開けてみると
下手な字で俺との出来事が書き込まれていた

日付は交通事故の前日で止まっていた
涙が止まらなかった

「ゆう君の大せつなエンターぷラいずをぷラモデルやさんでつくった
みせの人にてつだってもらったけどじょうずにできたかな
あしたはこれをもってゆう君のいえにゆこう
おかゆもそうじもれんしゅうしたから
ゆう君は、よろこんでほしいな」

今、彼女の墓は吉祥寺にある

もし願い事が一つ叶うなら、
この愚かな俺に、

もう一度彼女を会わせて欲しい

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