恋愛の泣ける話【7】 短編5話
手編みのマフラー
仕事の都合で出張を言い渡され、遠距離恋愛になった。
忙しさと、なんとなく面倒になってきたのもあって俺は次第に彼女に連絡を取らなくなった。
メールの頻度も1週間に1~2回になり、そろそろ潮時かなぁ…なんて思ってたある日、
俺の元に宅急便が届いた。
差出人は彼女で、箱の中には栄養ドリンクと不恰好な手編みのマフラー。
一緒に添えてあったカードには、
「仕事忙しいみたいだけど無理は禁物。風邪引かないでね。
マフラー、初めて編んだからちょっとカッコワルイかも。
いらなかったら捨てていいよ」
って書いてあった。
いまどき手編みなんて流行らねぇよなぁ、なんて思いつつ、
マフラー首に巻いた途端に何故か涙がでてきて止まらなくなってしまった。
手先が不器用で、シャツのボタンも綺麗につけられない奴が
四苦八苦しながら必死こいて俺のために編んだんだよな、
って思ったらすごい泣けた。
あれからもう6年経つけど、今でもマフラーは大事にとってある。
新しいの編んでくれたからもう使うことはないけど。
彼女はもうすぐ俺の子の母親。
あの時のマフラーがなかったら、今一緒になってなかったのかもしれないんだなぁ…
そう思ったらまたちょっと泣けた。
泣いていい時もある
俺の元彼女の話。
半年前気がつかなっかたよ自己虫になってたことに
彼女はいつもなにも言わないで見守ってくれてた。
ほんとまじ喧嘩になってもつうか喧嘩にならなかった。
シカトしてるといつもあいつ謝ってきてくれた。
居心地良く俺を立ててくれてた。
好きだと思っていて、居心地よ過ぎてなんも見えてなかった。
彼女言うんだよね
最後に「お前が幸せになればいい!頑張れよ」って
大事にしてなかった。
離れて気が付いたんだけどさ、いなくなって気が付いたんだけどよ
あいつさ、寂しくても泣かないんだよな。
自分のことで泣いたとこ見たことなかったけど
泣いてたんだって酔っ払って女友達に
寂しいんだけどーーー
○○に重たく思われたくないんだーーーって
知らなかったよ。気がつかなかったまじ
ごめんな今こんな思いするなんて思わなかった。
俺どうしたらいいんだろなわかんねえや。
□ □ □
昨日、ようやく決心をして彼女に連絡入れました。
強引にメールして「今から行くから」と。
まじ緊張した。いつも待ってる場所へ行った。
あいつにこにこ普通の顔して「よ!ひさしぶり!」って言うから
思わず、「僕と結婚して下さい。」って言った。
返事は「あたしがあんたの嫁になったら大変だよ。
めっちゃ幸せになるんだからガハハ」だとさ。
つか、いてくれる事だけで幸せな気分になると思われ。
待っててくれたんだなって思うと、ずいぶん傷つけてきたなと
思って、男にして泣きそうになった。
以上だ
付き合ってあげてるわけじゃない
交通事故に遭って左半身に少し麻痺が残り、
日常生活困るほどではないけど、歩くとおかしいのがばれる。
付き合い始めの頃、それを気にして一歩下がるように歩いてた私に気付いて
手をつないで一緒に並んで歩いてくれた。
家に帰ってから訳を聞かれて「○君に恥ずかしい思いをさせたくなかったから」
って言ったら「どうしてそんな考え方をするんだ」と怒られたので
「大好きだった○君と付き合えてるだけで幸せだから。
私と付き合うことで○君に少しでも嫌な思いをさせたくないから」
と言ったら泣きながら私の両手を持って目の中を覗き込むようにして諭してくれた。
「俺はお前と付き合ってあげてるわけじゃない。
俺がお前を好きで一緒にいたい、付き合いたいと思ったから付き合ってるんだ。
お前の体のことなんか、ずっと前から知ってたけど、
一緒に歩いて恥ずかしいなんて一回だって思った事はないよ。
お前がそんな風に考えてるのが俺は悲しい。
俺に気を使わないで。自分の事を恥じないで。
もっと自信をもって胸を張ってほしい。
ずっと並んで歩こうよ。お前は俺の自慢の彼女なんだから」
私のことをここまで思ってくれる人には絶対会えないと思う。
すごく嬉しくて、涙が止まらなかった。
今は、どこに行くときも並んで歩いています。
妻よ、本当にありがとう
4年前、結婚してまだ1年足らず、最愛の女性が最愛の宝を残して、この世から旅立ちました。
心臓が弱いため周りから出産を猛反対されても、頑ななまでに子供を産むと言い張った妻。
自分にはもう時間がない、未来がない。だから、未来のある希望を残したいと願っていた妻。
医者が心配した通り、妻は体が持ちこたえられませんでした。
けれど、その事は妻が一番よく知っていました。
我が子の産声を聞くこともなく、妻は旅立ちました。
しかし、最後まで、おなかの子供を守り続けました。
医者も奇跡だと言っていました。
・・・・・・・・・・
妻よ、おまえの残した娘は、おまえにそっくりだ。
あれだけ出産に反対していた私の母親やお前のご両親も、この娘を一目見ておまえの気持ちを分かってくれた。
そして、今は私の母親や叔父、叔母、おまえのご両親たちの愛情をいっぱい受けて、すくすく育っている。
おまえの娘は本当に不思議な子だ。本当にたくさんの人から愛情を受けている。
そして、我が妹からは厳しくしつけられているよ。
妹は不器用だからそんな形でしか愛情表現できないけど、娘は妹と一番仲が良いみたいだ。
娘は夜寝るときに私におまえの話をよくせがんでくる。
おまえの優しさや強さを話して聞かせると、本当にうれしそうに安心して眠りにつくよ。
おまえが命をかけて、命を引き替えにしてまでこの世に残してくれた最愛の娘。
今度は私が命をかけて守ってみせる。妻よ、多少不安だろうが苦笑しながら見守ってくれ。どんな事をしてでもこの子を守ってみせるから。
時々おまえの娘は驚くような事をしてくれる。
私が疲れた顔をしていると、まるでおまえがしてくれていた様に私の頭をなでてくれる。
ありがとうと笑いかけると、とーしゃん大好きと言いながら私に抱きついてくる。本当におまえそっくりだ。
妻よ、この娘を生んでくれて本当にありがとう。
この子がいなかったら私はどうなっていたか分からなかっただろう。
妻よ、今でも心から愛している。おまえに出会えて本当に良かった。
連休にはおまえが大好きだった牧場に娘を連れて行くよ。
おまえが好きだった牛乳やアイスクリームを気に入ってくれるだろうか。
平気なふり
この春から遠距離になることになった私たち。
遠距離は寂しいよね、という話をしても「大丈夫だよー」と平気そうな彼だったのに、
別れ際になって突然「元気でね」と言いながら泣いていました。
後から聞いた話だと、男友達にはすごく寂しいと何度も話していたみたいで、
私に心配させないように平気なふりをしていたみたいです。
初めて見た涙に、私も涙が止まらなくなりました。
自分がどれだけ愛されてるかが改めてわかって、すごく嬉しかったです。
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