泣ける話 短編5話
滑稽
戦争のニュース見て悲しいってなんだ?
戦争体験ある世代ならそうかもしれないけど
画面の向うの人の死なんてリアルに悲しいの?
それとも世界の行く末に悲嘆してんの? すげー想像力だ素晴らしい
想像力に乏しい俺レベルだとネットの悪口の方悲しいけどな
歴史や事件を知って、考えるのは誰にもできるんだよ
そっから行動に移してるなら偉いもんだが、お前何かやってんの?
ネットでしか見たことない世界に思いを馳せるのは社会人になったら卒業しないとな
厨二病をこじらせるとやっかいらしいぞ
俺が言いたいのは親孝行ひとつ、家族を幸せにできてるかもわからないような
一個人が戦争だの平和だのデカイ風呂敷拡げてんなよ、ってことだ
そもそもネットで個人を罵るレベルの低さが悲しいって話なんだし
地元愛に溢れる俺の方がお前よりリアルに生きてるよ
「半径10mにいる人を幸せにできない人間が
自分に無関係な人の死に涙するなんて滑稽だ」
と、どっかの昔の偉いサンが言ってたぞ
あなたの中の最良のものを
「あなたの中の最良のものを by マザー・テレサ」
人は不合理、非論理、利己的です。
気にすることなく、人を愛しなさい。
あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。
気にすることなく、善を行いなさい。
目的を達しようとするとき、邪魔立てする人に出会うでしょう。
気にすることなく、やり遂げなさい。
善い行ないをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう。
気にすることなく、し続けなさい。
あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう。
気にすることなく正直で、誠実であり続けなさい。
あなたが作り上げたものが、壊されるでしょう。
気にすることなく、作り続けなさい。
助けた相手から、恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。
気にすることなく、助け続けなさい。
あなたの中の最良のものを、世に与えなさい。けり返されるかもしれません。
でも、気にすることなく、最良のものを与え続けなさい。
カーチャンに善い行いをされても次の日には忘れてました。カーチャンがおれのために作り上げたものを壊してしまいました。
カーチャンに助けて貰っても恩知らずの仕打ちをしてました。カーチャンがくれた最良のものを蹴り返していました。
それでもカーチャンは気にすることなく、最良のものを与えつづけてくれました。ありがとう。カーチャン。
悪かったね、ありがとう
おじいちゃんは老いから手足が不自由でトイレも1人では厳しい。
だから、いつもはおばあちゃんが下の世話をしてた。
おばあちゃん以外が下の世話をするの嫌がったからだ。
ある日、家に私とおじいちゃん2人になった。
おばあちゃんが倒れてしまい母と兄は病院、父は会社から直行したからだ。
おじいちゃんと留守番してると申し訳なさそうに
「喪喪ちゃん、悪いんだがトイレに…」って言った。
私は本当に馬鹿だなって思った。
一人じゃ行けないの知ってたくせに気が付いてあげられないなんて
孫、それも女には言いづらかっただろうなって。
トイレに行くとパンパースが小と大で汚れてた。
たくさん我慢させてしまった。
私はおじいちゃんの気を反らそうと学校であった笑い話を精一杯明るく話した。
お風呂場で体を洗ってパンパースつけてホッとした。
同時におばあちゃんは毎日これをしてるんだと思うと何とも言えない気持ちになった。
そして「悪かったね、ありがとう」って五千円をくれようとした。
おじいちゃんは本当に馬鹿だなって思った。
私が赤ちゃんの時、両親は共働きでした。
おしめを変えて育ててくれたのは貴方じゃないですか。
幼稚園だって塾の送り迎えだってしてくれたのは貴方じゃないですか。
あれは無償の愛でしょ?
私はおじいちゃんが大好きだよ?だからお金なんかいらないんだよって言った。
2人してちょっと泣いた。
その日からは介護の人を頼んだり、家族にも頼ってくれたりでおばあちゃんの負担も減った。
小さい会社の社長
会社のそばが小学生の通学路なんだが、子供たちが一人をいじめながら帰っていた。
「ハーゲハーゲ」
ハゲって言われた男の子は帽子を深くかぶってくやしそうにしていた。
俺がここで出て行って色々言うのも無粋だしなー、と思っていると社長が出て行って
「ハゲって俺のことか?うん?今ハゲって言ったな?」
と、ニヤニヤしながら子供たちに絡んでいる。
「違うよう、おじさんじゃないよ」
「いや、ハゲって言ったな。言ったよな」
「ごめんなさい」
「俺はハゲてても社長なんだぞ?」
「マジで社長!?」
子供たちは急にしおらしくなって歩いていった。
いじめられてた子が涙をためたまま社長を見てニヤっと笑った。
小さい会社だけど、社長マジで尊敬してます。
本物の職人
前に花火職人の爺さんが、世界各地で花火を打ち上げた時のエピソードを書いていた本を読んだことがある。
多分何十年も昔の話だと思うけど。
ヨーロッパのある国(ドイツだったか…?)では花火の打ち上げが大盛況に終わってホテルに帰ったそうだ。
しかし、すすだらけで火薬の臭いもひどい東洋人の薄汚れた男が現れたもんで、
他の宿泊客がみんな顔をしかめてたんだけど、ホテルの人がこの人がさっきの花火を
打ち上げた人だと説明したら、見事に一変、あれは素晴らしかったと真っ黒だったにも
拘らず取り囲まれて握手責めにあったそうだ。
アメリカでは花火がよく見える橋でみんな車を止めてしまうので大渋滞。同じ日に、
野球の試合もあったそうだけど、選手も客も花火に目を奪われてしまって試合に
ならなくて、とうとう試合を中断、選手も観客も敵味方関係なく花火を見て歓声を
あげていたそうだ。
アフリカに行った時は、さぞかし大騒ぎするだろうと思っていたけど、予想に反して
会場のスタジアムは静まり返ったまま。筆者はガッカリしたそうだが、後に風の噂で、
始めて見たあんまり花火がすごすぎて観客がみんな腰が抜かすほど度肝を
抜かれていたのだということが判明。ほっとしたとか。
きっとそれから年月をかけて日本の花火は世界に知れ渡って、メジャーになっていったんだろうな。
ディズニーは日常を忘れさせる、ディズニーならではの幻想的な夜のイベントをと、
世界中に素材を探し回ったあげく、日本の花火に行き着いたそうな。今でも
城のバックに派手に花火が打ちあがってるもんなあ…
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