恋愛の泣ける話『好きになってごめんなさい 』- 実話 体験談まとめ

恋愛の泣ける話『好きになってごめんなさい 』- 実話 体験談まとめ 恋愛の泣ける話

 

スポンサーリンク

好きになってごめんなさい

 

「あたしなんかが好きになってごめんなさい。」

あの女の子はそう言って僕の前から去っていった。
もう4年も前になるのか・・・。

僕はまだ高校生だった。

クラスの席替えで2学期の間隣の席だったYちゃん。
いつも目立たない様に、人の影に隠れている様な印象の女の子だった。
その証拠にYちゃんの家を知るクラスメートは居なかった。
僕を除いては。

僕は偶然塾の帰り道にYちゃんが家に入るところを見かけてしまった。
Yちゃんが入ろうとしていた家は、僕らが「お化け屋敷」と呼んでいたアパートだった。
今にも崩れそうな外壁や、国籍不明の人間が住んでいたりと、かなり悪い噂が多いアパートだった。
Yちゃんがアパートの階段を上っていくのを見た僕は驚きで立ち止まってしまった。
そしてその僕の姿にYちゃんも気がついた。そして慌てて階段を上りきると、ドアの中に消えていった。

次の日、僕はそっとYちゃんに訪ねてみた。やはりそこはYちゃんの家だった。
「恥ずかしいから、誰にも言わないでね。お願い。」
そう消え入りそうに小さな声で囁いたYちゃんの目は、真剣そのものだった。
その真剣なまなざしに圧倒され、僕は誰にも言わないでいた。

それから少しずつYちゃんと色々な話をする様になった。
Yちゃんはお母さんと弟の3人暮らしだった。お母さんは体が弱く、それでもパートを転々としながら生活費を稼いでいた。
そしてYちゃんはそのお母さんを助けるために、学校に内緒でアルバイトをしていた。女の子なのに工事の警備や駐車場の警備のアルバイトをしていた。
「ヘルメットやタオルで顔が隠せるから、都合が良いの。」
そう言いながら笑うYちゃんに僕はドキドキしていた。

3学期が始まった頃、Yちゃんは時々学校を休む様になった。
心配になった僕は、そっとYちゃんに由を聞いてみたけれど、バイトで疲れたからとしか言わなかった。
でも、僕はいやな胸騒ぎがした。

雪が降りそうな寒い夜。塾帰りの僕をYちゃんが呼び止めた。
いつもと違う雰囲気のYちゃんは、小さな声で「これ、迷惑じゃなかったら読んでくれるかな?」と言いながら、茶色い封筒を差し出した。
僕がその場で封を切ろうとするとYちゃんは慌てて「家に持って帰って読んでくれるかな?ごめんね。」そう言うと、走って行ってしまった。
家に帰ってその手紙を読んだ。
読みながら、僕は泣いた。嗚咽するほど泣いた。読み終わった僕は家を飛び出しYちゃんのアパートに行った。
アパートには誰もいなかった。開けっ放しにされていたドアの前で、僕はまた泣いた。

手紙には、お母さんのこと、弟のことが書かれていた。
お母さんが入院しているけど、その治療費が払えない事。
弟も身体に障害がある事。
家賃も払えなくなって、逃げるしかない事。

そして手紙にはこう書いてあった。
「あたしは学校が一番楽しみだったの。K君(僕の事)がいてくれたから。
あたしの恥ずかしい家や家庭を知っても、だれにも言わないと約束してくれたK君。
その後も、それまでと変わらない態度でたくさんお話ししてくれたK君。
時にはあたしの事を心配してくれたK君。
K君にやさしさや暖かさをいっぱいもらったよ。
どんなにしんどい時でも、K君とお話できたら、すごく元気になれた。
今まで本当にありがとうね。どんなにお礼を言っても追いつかないよ。
でもね、ごめんなさい。
あたしK君に謝らないといけないの。

『あたしなんかが好きになってごめんなさい。』

もう逢えないね。さようなら。K君、元気でね。」

僕はその手紙を握りしめて泣いた。

僕はYちゃんに伝えていない。
僕の気持ちを伝えていない。

Yちゃん、僕も君のことが好きだったんだよ。
いつもがんばっている君のことが、誰よりも大好きだったんだよ。

それからYちゃんの行方は分からない。
せめてYちゃんが幸せになっている事を祈ることしかできない。

来年僕は社会人になる。
そして僕はYちゃんをまだ探している。

>>
感動したよ。ありがとうな。

君には決心がある。君ならできる。きっとYちゃんに出会える。
そう信じておいらはまたこの板に感動を求め彷徨うよ。
人事だと思われるようなレスだけど、おいらは君を応援するよ。そして
君とYちゃんがまた再び出会えることを祈るよ。

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました