恋愛の泣ける話【6】『すべては、大切な人のために』など 短編5話 – 実話 体験談まとめ

恋愛の泣ける話【6】『すべては、大切な人のために』など 短編5話 - 実話 体験談まとめ 恋愛の泣ける話

 

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恋愛の泣ける話【6】 短編5話

 

すべては、大切な人のために

 

俺の余命はあと半年くらい。彼女には悪いが、相手に死なれて終わった恋愛を
経験させてしまうことだろう。死ぬのは仕方がない、運命だったのだろうから。
でも、彼女を残して逝ってしまうのが気がかり。一緒に飯食いに行くと必ず食べ物を
口からぽろりと落してしまう、遊びに行く約束の時間を勘違いして5時間前から待ち合わせ
場所で待ってる(携帯電話という文明の利器がるのだから利用しよう!)。「良い写真が撮れた
と思うよ!」と言って、カバーを開くとフィルムが入っていない。そんなおっちょこちょいな彼女を
残して死ぬのは本当に心配だ。でも、俺が注意しなくてもしっかり生きてくれよ。いつまでも子供
じゃないんだからな。この前、弁当作ってくれてありがとうな。タコウィンナー、典型的だけど
美味かった!きんぴらゴボウのゴボウは、細く切ったヤツが好きだって事、覚えててくれて
嬉しかった。七味入れすぎだったけどな。生きて食べる最後の弁当だろうから、ゆっくり3時間かけて食った。
もし良かったら、俺の棺桶におにぎりでいいからいれてくれな。

あの世があるのなら、あの世からお前を一生見守ってやる。できれば、一生お前と一緒に暮らし
たかったけど無理みたいだ。俺は肉に死して魂に生きる。たまにお前の枕元に出てびっくりさせてやるからな。

 

まさか自分と似たような境遇の人がいるなんて・・・
まぁ、自分の場合は169さんのように期限は付いてないが。
自分にはいつ爆発するかわからない爆弾を抱えているわけで
それが原因で彼女とも別れた。
医者から「いつ発症するかわからないが、発症してしまったら・・・」と言われ、
その夜に些細なことをきっかけに彼女と喧嘩し、そして別れた。
死して別れるよりも、くだらないことで喧嘩して別れたほうが
俺の事を忘れてもらえるだろうし、そうすることで彼女も新しい幸せ掴めるだろうと。
彼女の家から帰る途中、何度も泣きそうになった。
人はいつか死ぬものだから、そのまま付き合ってもよかったかもしれない。
でも、自分のそれは自分の子供にもうつる可能性がある物なので、
自分から離れる手段を選んだ。
ごめんな。
あんな変な別れ方して。
でも俺は、これが最善の方法だと思ってるよ。
早く俺のことは忘れろ。そして、早く幸せになってくれ。

 

プレゼントの箱

 

俺は煙草は嫌いだ。
でも、俺の部屋には一個のジッポがある。
ハートをあしらったシルバーのデザインは俺の部屋にはちぐはくだけど
俺はこのジッポを捨てる事は無いだろう。

1年前。いわゆる合コンというヤツで俺と彼女は出会った。
あまり合コンの雰囲気に馴染めなかった俺は静かに飲んでいたんだが、
彼女も同じようで結局二人で2次会も3次会もずっと隣に座り話していた。
その後、メールや電話で連絡を取り合い、いつの日か、お互い意識しなくても
恋人と呼べるような関係になっていった。

彼女は煙草を吸う。いつも同じマルボロのメンソールだ。
俺は正直煙草が嫌いだったが、ゲーセンに入り浸っていた事もあり
煙や匂いに耐えられなくは無かったし、彼女と何度も会うようになって
慣れていったのもあるだろう。いつも俺にふざけて吸わせようとするのだけは止めて欲しかったけど。
彼女が時折俺にふざけて吹きかける紫煙のスーッとした匂いが少し好きだった。

俺も彼女も学生でそう裕福ではなかったが、いつも池袋のデパートに行って
高そうな商品をウィンドウショッピングするのが二人のデートのお決まりコースだった。
彼女が見るのはいつも同じ。時計とジッポ。服にはあまり興味が無いらしい。

もう何度も訪れたジッポ売り場、彼女は決まってハートをあしらった銀色のジッポが一番いいと
言っていた。わざとぶりっ子して俺にねだる仕草もいつも忘れなかった。
でもジッポは3万円もする代物だった。とても買える値段ではないし、
彼女も「これじゃあ買えないよね」とため息をつくばかりだった。

 

彼女の誕生日の1ヶ月前になり、俺はプレゼントを考え始めた。
あまり煙草が好きではない手前、煙草用品を渡すのはイヤだと彼女に言い
結局時計を渡す事に決めた。
通常のバイトに加え、内緒で短期の夜間バイトも入れて必死にお金を稼いだ。

結局俺は時計とジッポの両方を買った。煙草が好きでないのに、ジッポを渡すのは
少しシャクだったけど彼女が一番喜ぶのはきっとこのジッポだろうと思ったから。
代わりに時計は少し安物になってしまったけど、時計をすぐ無くすヤツだからいいよな。
買ったのは誕生日の1週間前。ジッポと時計の入った箱を見る度幸せな気持ちになれた。

でも、彼女は21歳になることなくこの世を去った。
誕生日の3日前に交通事故で即死だった。
葬式、彼女の死に顔、あんまりはっきりと思い出せることは無い。
ただ呆然としていたんだろう。涙が出なかったことだけはよく覚えている。

部屋に帰って、プレゼントの箱を見た瞬間に涙が溢れて止まらなくなった。
ふと見上げると、彼女が俺の部屋に来た時に忘れていったマルボロのメンソールが
目に入った。震える手で箱を開けジッポを取り出して、たどたどしい手つきで火をつけてみた。

初めて吸う煙草はやっぱりまずかった。アイツに言われた通り、肺まで煙を吸ってみたけど
むせて咳が止まらない。それでも泣きながら、咳き込みながら、最初で最後の煙草をギリギリまで吸った。

ふとマルボロのメンソールを買ってしまう事がある。
そういう時は決まってジッポの隣に置いておくんだ。
完全に吹っ切れたとは言わないけど、それでも少しづつ前に進めてる気がする。
これからも煙草を好きになることは無いだろうけどね。

忘れないからね

 

6年前、当時の彼女の身体の変化に気がつかないで
仕事に打ち込んでいた私。
結果的に彼女よりも仕事を優先して、別れの時にその場にいなかった私。
お見舞いに行くとやせこけた手で私の手を握って
「私のことは早く…忘れてね…そして…私の分も…幸せにね…」
なにをバカなことを言っているんだといつも言っていたっけ。

その瞬間にその場にいなかった自分にどうしようも無く後悔をして
それでも何故か涙が出なくて、でも凄く悲しくて
こんな悲しい別れがあるんだったらもう二度と人なんか好きにならないと思った当時。

そんな私も2年前に結婚をしました。
人を信じる事を忘れた私を強引に引き戻してくれた人と
2人で彼女の墓参りをして、報告をして彼女の好きだった花を供えて
「忘れないからね…だから…私たちを祝ってな」
と結婚式の招待状を置いた。
その時なぜか涙が止まらなくて、はじめて泣いてもいいんだと思った日。
確かに悲しい思い出だし、後悔だけが残っている体験だけど
僕はずっとこの思いを忘れないと思う。
それが残った僕の出来る事だから。
君と会えたことは僕にとってとても良かったことだと思う…
だから僕はそれを忘れずに生きていこうと思う。

 

9年の月日

もう別れて9年になる元カノへ気持ちを書き下ろしました。

「○美元気ですか?、と言うのも可笑しいですが
早いもので君が居なくなってから9年の月日が経ちました。
あれからの僕の環境は色々と変わりました、仕事の事、両親の事、
そして君が居なくなった事と、それでも一つ一つ解決してきたつもりですが
大泣きしながら実家に帰る君をあの時引き止めておけばなんて
自分を責め続けている僕がいるんだ。
それから僕はあれからずーと日本に居るんだよ、アメリカへの転勤は無くなったんだよ
あの時もっと早く決まっていれば君に結婚の延期を告げる事も無く、
怒って実家のある神戸に帰す事も無く、君をあの惨劇の犠牲者にする事も無かった。
僕は君の死を会社のせいにもした時があったんだ、
本当にごめんな。。。君と話し合う時間が無かったんだよ
本当にごめんなさい。。。
君の居る所から僕が見えてますか?
あの時の僕より少しは変わったでしょ?
まぁ確かに今年で38歳になります。
謝り序と言っては変だけど今年中には新しい家族を創るつもりです。
怒らないよね?決して君を忘れた訳では無いんだよ。
相手にも君の事を話して理解を得ている、
今迄通りに夏には君の大好きだったすいかとプリンを持って
墓参させてもらえます。
それじゃまた暑い夏の神戸で遭おうね」

今日は彼岸の明けなんでこんな物を書いてみました

 

感謝します

 

付き合って半年経った時、彼からプロポーズをされた。

私は20歳の時、卵巣腫瘍で卵巣を摘出。その後も、子宮内膜症を2度患った。
子供の望めない体なのは隠しようも無い事実。
それを知っていながら彼は私に結婚を申し込んでくれた。
凄く嬉しかったのに、私は彼の申し出を断った。
子供が出来ないという罪悪感に私は勝てなかった。
彼は
「俺が子供の事を気にしないと言っても君は気にするんだろうね。
だから無理強いをするつもりはない。結婚を断られたからって別れない。
答えは保留って事にしておくから。君が結婚したいと思うまで俺は待つ。」
と言ってくれた。
それから2年半の月日が流れた。
別れの危機は何度もあった。喧嘩だってたくさんした。
それでも彼はプロポーズをしてくれたあの時と変わらず、私を大切にしてくれる。
自分達でも驚くくらいラブラブぶりが変わらない。
周りからは「よく飽きないね?」なんていわれる始末。
プロポーズを断った事で心変わりしてしまうんじゃないかと言う
不安をふっ飛ばしてくれる勢いで彼は私を愛してくれた。

付き合って3年。
私は心に決めた。そして彼に告げた。
「私は子供が産めない体です。あなたのお母さんに孫を
抱く喜びを与えて上げられない。けれど、私はあなたが好きなんです。
あなたと共に生きていきたい。あなたが居てくれればどんな事も耐えられる。
頑張れると思う。だから・・・・私と結婚してください。」

そして、今年の6月・・・結婚します。
ずっと待っていてくれた彼に感謝します。
彼に出会わせてくれた神様に感謝します。
そして、このお話を聞いてくれた皆さんに感謝します。
皆さんにも素敵な出会いと幸せな未来が来ますように。。。

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