『口の中まで泥にまみれ』- 震災の時の感動する話・泣ける話まとめ

『口の中まで泥にまみれ』震災の時の感動する話・泣ける話 【まとめ】 感動

 

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口の中まで泥にまみれ

 

 

今日は入籍一周年。
有休とったけど何していいかわからない。
行きたがってたディズニーのペアチケットを供えてみた。
流されたペット達にも少し豪華なおやつを。
楽しい思い出に浸ろうにも写真も記念のものも全部ない…。
なんで俺だけ残ってんの?

 

私は今38歳、妻は10歳年下、享年27歳でした。
二人とも色々あって結婚を捨てていたのに出会って運命を感じ合い、すぐに交際→プロポーズ→両家に挨拶→入籍でした。

 

子供を強く望みながらもペットに囲まれ、愛情溢れる生活をしていたと思います。
最近地震が増えてフラッシュバックしまくり、薬を飲んでも悪夢にうなされます。周りにも大切な人を失った人がいて、「遺体を見つけられただけでも…」と言われたりします。
でも私が見た妻は口の中まで泥にまみれ、ささくれ立った木々が体中に刺さり、結婚指輪だけで判断した状態でした。

 

一緒にいた時間は短くとも、一刻も早く夫婦になり添い遂げたいと思える存在でした。
恋人期間も短くろくにデートもできなかったけど、早く子供ほしいから節約したい、式も新婚旅行もなくていい、でもちゃんとデートっぽい思い出がほしいと言い、唯一おねだりしてきたのがディズニー(日帰り)でした。

 

なんで家族思いでよくできた妻がこんな目にあうの?
歳いった甲斐性無しの俺でよかったのに。
状況が状況だからキチンとした葬式もやってやれなかったし何一つ心の慰めがない…
病院行ったらまた薬増えた。時期的に自殺願望がピークになる可能性があるとかで閉鎖病棟の入院もすすめられた。
でも一生この思いを背負っていくつもり。

もうすぐ一年。
同じく愛妻を失った知り合いは衰弱死(?)した。
俺は元が体重三桁近かったからか食べなくても死なないもんだな…今は50㌔台。
早く嫁やみんなに会いたい…
なんでこんなことに…

 

嫁もこっちへ来いとは言わないだろうな。
でも守るものや生きていく目標がなく、悲しみは薄れるどころか日を追うごとに現実味を帯びる。
「しわくちゃになっても手を繋いでいたい」
とプロポーズして
「あなたはさみしがり屋だから先に逝って良いよ。看取ってやる」
と返事をもらったはずなのにな。

 

「あなたがヨボヨボの80歳になっても私はピチピチの70歳よw」
とか言ってたのに。
歳の差が変わることも有り得るんだな…。

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