【名作 長編】『迷い家 – 地図アプリに案内された場所』|本当にあった怖い話・オカルト・都市伝説

【名作 長編】『迷い家 - 地図アプリに案内された場所』|本当にあった怖い話・オカルト・都市伝説 厳選

 

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迷い家 – 地図アプリに案内された場所

引用元: ・俺がツーリング中に体験した話なんだけど……

 

お前らにとっちゃ大したことじゃないかもしれないが
思い出すと不気味で怖くなる
誰か聞いてくれるか?

今から半年前の話だ
俺は普段からビッグスクータ-に乗ってて、その日は久しぶりの長距離ツーリングだった。
俺は広島に住んでいて、たまに行くのは県内とか山口の方
でもその日は思いっきり遠くに行きたくなった
それで目的地を鳥取砂丘に定めたんだ

今思えばバカな話なんだが、鳥取砂丘に行っても夕方には帰れると思ってたんだ
それで広島を朝の5時に発った

 

朝5時に発って、三朝温泉と鳥取砂丘を回ろうって自分で計画立てた

距離感も分からないのにバカなツーリングだったと思ってる
朝5時に走って三朝の河原風呂に着いたのが14時。
死ぬかと思った。道中土砂降りで、雨に打たれたりで散々だった
それで三朝温泉を発って鳥取砂丘に着いたのが16時半
そこで砂丘を30分見てから帰るために走り出したんだ

 

陽が落ち始めて鳥取から広島へ帰ろうとしたんだが、もう陽が暮れてて真っ暗な中を山越えして帰らなきゃいけなくなった
ツーリング用のアプリの案内通りに走ってたら大丈夫だと思ってた
けどそれは甘い考えだった…
異様な経験をしたのはその後だった

本当は三朝から島根へ入って広島へ帰るはずだったんだが、
途中で道を間違えて鳥取と岡山の県境に入ったんだ

 

通信状態は良好だったしアプリの言う通りにすれば帰られると思ってたんだが、
暗い山の中を走っていたら、途中でアプリが誤作動を始めたんだ
アプリとGPSの関係上、おかしなルートを案内されることはしょっちゅうだが、
だとしてもおかしかった
いきなり「まもなく右折です」って誤作動はよくあることなんだが、
その日は「1km先(2km先とか)、直進です」って案内が頻発したんだ
「まもなく」とか「300m先」だったら誤作動だなって思うんだが
km単位だったからその通りに動いてた

 

(真っ直ぐ走ってるのに直進ってなんだよ……)って思ったけど、とりあえず山の中を真っ直ぐ走ってた
今思えば、これが怪奇現象の一つ目だった

二つ目は山をだいぶ進んだ先のことで、
アプリが急に「まもなく、右斜め後方です(そんな感じだった)」って言ったんだ

右斜め後方ってなんだよって思ったけど、
確認したら確かに道はあった

それでその進行方向を進んだんだけど、その道途中で山の中に続いててガードレールがなかった
道を進もうかと思ったけど、なんというか怖くなって引き返した

3つ目というか、これは単に迷ってただけだと思うんだが、

右斜め後方ですって案内してくれた道を引き返して、もう片方の道を選んで進んだ
Y字路だったと思う
それでもう片方の道を進み始めたらアプリが何も言わなくなったんだ…
気になって電波状況を確認したけど、電波はLTEで状況は良かった
普段だったらなにかしら言ってくれるんだが、急になにも言わなくなった

「まあ道は合ってるから、なにも言わないんだろうな……」ってその時は考えてたんだ
使ったことのある人なら分かると思うけど、例えば道なりの道をずっと走ってると
アプリは何も言わなくなるから
それで、その道を30分くらいずっと走ってた

 

でも、どうも状況がおかしかった
真っ直ぐ走ってたはずなのに、過ぎていく光景が見た事あるものばっかりだったんだ
山の中をグルグル回ってたんだと思いたい

だけどアプリは何も言ってくれないし、途中でバイクを止めて地図を確認したんだが、
途中で矢印が止まってたんだよ

だから俺がどこを走っているのか、その時に分からなくなった
山の中で迷子になったって確信した瞬間だった

 

とにかく不安だった
本体を再起動して、アプリを家に再設定した
「ルート案内を開始します」っていつもの音声が流れたから、その時は安心した

さっき走ってたところと違うルートを案内してくれたから
少しホッとしてその道を選んだ

 

それでそのルートを走った時に出くわした現象なんだが、
今考えてもこれが一番不気味なんだ

山の中って基本的に一本道で急な曲がり道が多いだろ?

案内された道が真っ暗で濡れていたから、スリップが怖くて遅めに走っていたんだ
そしたら、後ろからパッシングされたんだ

ミラーを覗いたら、ピカピカと2つのライトが映ってたんだよ
あまりにうるさくパッシングしてたから
(あっ、あまりに遅く走ってたから、抜かしてくれって合図してんだろうな……)って思って、バイクを止めたんだ

 

俺も後ろに車が溜まってるのは嫌だから、先を行ってもらおうと思ってバイクを止めたんだが、
どれだけ待ってもさっきパッシングしてた車が来ないんだ

俺が走っていた道は山道で、間違いなく一本道だったから脇に逸れる事は出来ないはずなのに、そのパッシングしてた車は来なかった……

なんだか怖くなったから、すぐに走り出したよ
今思い返しても、これが一番不気味なんだ……

(きっと、向こうも止まってたんだよな……)って考えることにしてるよ

 

もう道は真っ暗だし不気味な事が続いて、俺はもう心が一杯一杯だった
不安で一杯になると、人間ってずっと真っ直ぐ走っていたいって思うようになるんだな……
アプリが「まもなく左です」とか「まもなく右です」って誤案内するたびに、怒りや怖さが溜まっていった
心境はもう、「何も言わないでくれ」だったよ
案内がなきゃ帰れないのにな

そんな時に5つ目の現象が起きた
アプリが急に「1km(すまん、2kmだったかも)先、左折です。その先、目的地です」って案内したんだ……

 

どういう事だか分からなかったけど、明確な場所を案内してたから、とりあえず言う通りに走ってみたんだ
それで道なりに走っていたら、アプリが「目的地に着きました」って言ったんだ
辺りを見ると、ペンション?みたいなお店が一軒か二軒あった

 

家に帰りたいのにおかしなところを案内された
もう一度本体を再起動して広島に帰ろうとしたら、今まで俺を案内してくれてたアプリがクラッシュ?していたんだ
アプリのダウンロード中って、ホーム画面でダウンロードしてるアプリを見ると、網目状になってるだろ
あの状態になってて、いくら押しても無反応だった
それでグーグルマップを開いたんだが、LTEは入ってるのに訳のわからない所で矢印が止まってたんだ
グーグルやサファリで調べても反応がなかった

 

紙の地図を持ってなかったから、現在地が特定できなくなった
仕方ないから人に道を聞こうと思って、ペンションの人に道を聞くことにしたんだ
けど、ドアを開けて中の様子を見たら、辺り一面電気は点いているのに人っ子一人いなかった
「誰か居ませんか!」って何度も声出したけど無反応だった

外に出て本体を再起動させたけど、相変わらずアプリは使えないし他の機能もダメだった
ペンションは誰もいなかったし、どこかで何か割れた音が聞こえた気がするし、もうその時は恐怖がマックスだった
藁にもすがる思いで、友人に電話を架けた
電話は通じて友人が出てくれた
山の中で迷子になったって言ったら、初めはずっと笑ってたけど現状を説明したら真剣に話を聞いてくれた
「とりあえず落ち着け」って何度も言ってくれたのを覚えてる

 

「俺が道を調べて帰りのルートを教えるから、何か目標になるものはないか?」って言われて、辺りを探ってみたけど2つのペンション以外、何もなかった
もしかしたらペンションじゃなかったかもしれない
「屋根とか辺りに名前無いか?」って言われて必死に探したけど、どこにもそれらしい名前はなかった
「ありえねえだろ!もっと探せよ!青い看板とか住所書いたもの無いのか?」って怒られたけど、本当に何もなかったんだ

電話中にパニックになりそうだったけど、
友人が「来た道覚えてるか?そこまで行くのに一本道だったんだよな?なら、今来た道を逆走しろ!時間かかってもいいから、目印になるとこ見つけてもう一度架けろ!」ってアドバイスしてくれた
友人の声が全てだったから、俺は今まで来た道を逆走することにした

 

それで友人のアドバイス通り、俺は道を逆走した
そしたら、あのペンションの辺りまで行くのに2時間近くかかったはずなのに、
逆走したら20分か30分(一時間はかかってなかったはず)で、今度は全く覚えのない道に出た
でも今までと違ったのは、行き先を教えてくれる青い看板「↑新見市街」って表記が見えた
そこから友人に架けて「よし!そこまで来たら、主要な道路があるから、なるべく車の多い道を通って帰ってこい」ってアドバイスしてくれた
もうその後は、主要な道路を走って帰ることができて、高速に乗って無事広島へ帰ってこれた

後日友人に会って礼を言った

もしかしたら、単なる迷子だったかもしれないけど、なんていうかものすごく不気味な1日だったんだ

あとでPC使って調べてみたけど、あそこがどこだったのかも分からない
それはまあ目印になる場所がないってのもそうだけど、あの不気味な道路やペンションは言いえぬ恐怖があった

 

個人的に山道で遭遇した車が気になってるんだ
なんでいなくなったのか気になってる

当日は恐怖じゃなくて疑問に感じてたからかもしれんが

 

三朝から新見市街に向けて走っているから、たぶん真庭の辺りの出来事だったと思ってる
季節は秋で夜18時から21時だったはず
この事件以降もツーリングは続けてるが、夜は極力走らないことにしてる
アプリありきで道を走るのも止めた。未だに青い看板を発見すると心が落ち着く。逆に見つからないと、またどこかへ連れて行かれるんじゃないかと不安になる
この件で俺がお前らに聞きたかったのは3つ

・どうして道案内アプリが異様なルートを案内し続けたのか?
・しつこいかもしれんが、山の一本道で俺の後ろを走ってた車はなんだったのか
・俺が行き着いたあそこは、一体どこだったのか

ただの迷子だったかもしれないが、俺はこの不気味な1日を思い出すとすごく不安になる

 

>>
マヨイガじゃね?
一生に一度しか行けないんだぞ。もったいない

 

【迷い家】
遠野物語で有名な話なんだが、山をさまよい歩いてると急に開けた場所に出て家が建ってる。家畜がいたり周りが花畑だったりする

中に入るも人はおらず、代わりになぜか温かい食事が置いてあったりする。そして家の中の物を一つだけ持って帰っていい事になってる。するとそいつは金持ちになったりするわけだ
でも持って帰ったらいけない場合もあるから注意(普通の人の家だったという意味ではない)

こんな感じで、一生に一度しか行けないと言われている家

遠野物語ではマヨイガに行ったが何も持って帰らなかった欲のない女性(ただ単にマヨイガを知らなかっただけだが)のために、その女性が川で洗濯中に川から赤と黒の綺麗なお椀が流れてくる。それを拾って米のはかりに使ってたら米がなくならないようになり、家が栄えた

実は昔俺も川底に同じようなお椀が沈んでるのを見たことがある。家族全員見た。ところが今その話をしても誰も覚えていなかった
迷い家(まよいが)
迷い家(まよいが、マヨイガ、マヨヒガ)とは、東北、関東地方に伝わる奇談で、柳田國男が『遠野物語』で紹介したことにより広く知られるところとなった。「まよいが」とは遠野での呼称である。

典型的な概略としては、山奥深くに迷い込んだ者が偶然立派な門を持った屋敷にたどり着く。屋敷の庭には紅白の花が咲き乱れ、沢山のニワトリ、牛馬がおり、座敷には綺麗な食器が多数並べ出されており、火鉢の火はついたままで、囲炉裏には沸いたばかりのお湯がかけてある。しかし、人は誰ひとりおらず、呼びかけても応える者はない。迷い人は暫し休息を取った後、什器をいくつか携えて屋敷を後にした。そしてようやく山を抜けることが出来たが、再びかの迷い家を訪ねようとしても決してたどり着くことは出来なかった。持ち帰った什器で米を計ると、いつまでたっても尽きることはなく、迷い人の家は里に戻ってから大層繁栄し、一躍大金持ちとなったという。

wiki-迷い家-

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