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『サイレントリベンジ』などSさんシリーズ 全四話|洒落怖名作まとめ

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『サイレントリベンジ』などSさんシリーズ 全四話|洒落怖名作まとめ シリーズ物
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Sさんシリーズ 全四話

 

 

サイレントリベンジ

何年か前友人たちとアパートで飲み会をした。
その時酔った勢いで心霊スポットに行くことになった。
知ってる人も多いだろう大阪の有名なあのスポットだ。
たまたまいたSも誘っていくことになったが私はあまり気が進まない。
Sは人付き合いが悪いというより性格が悪いため友人らしい友人はおらず、わりと整った顔をしているのにいつもいやな感じのうすら笑いを浮かべ、こちらから声をかけない限り話すこともなくまれに話すことがあっても(不謹慎だと分かっていてつい笑ってしまうような)皮肉ばかり吐く仲がいいとはとても言えないヤツだったからだ。

飲み会にもただ酒を飲みに来ただけといった感じで誰も誘ってないのにやってきて、まわりが怪談で盛り上がっていてもただにやにや笑いながら黙々と(割り勘なのに)酒を飲むだけ。そんなヤツをわざわざ誘ったのは、Sはちまたでは半信半疑ながら霊感があると有名だったからだ。誘ったけどSは行かないと言った。

それでもそこをなんとか…と頼むと
「そんなに行きたければ4人で行けばいいじゃないか。
それとももっと人数が多くないと怖くて行けないのか?」
すると短気でいつもSにくってかかるYが
「うるせぇよ!こんなに誘ってもこないおまえこそ怖いんだろうがっ!
もう行こう。こんなやつもう誘うな。」
「君の方がうるさいじゃないか。そもそも小学生じゃあるまいし口げんかでうるさいなんていい大人が言えるもんじゃない。
君はほんとに大学生ですか?しもの毛が生えそろっているかも疑問だな。」
顔を真っ赤にしてものも言えないYを引きずり私たちだけで行くことになった。

その周辺まで車で行ってしばらくうろうろしながらだべっていたけれど(内容は主にSの悪口)
結局何も起きないのでアパートに帰ろうと車に乗ったとき、バックミラーに車の後ろにみっしりとならぶ青白いかおで焦点の合わない目をした人の群れが写った。

必死でエンジンをかけようとしたがいくら鍵をひねっても何も言わない。
そんな気配を察したHが後ろを向いて悲鳴を上げたので車内の全員がそれに気づいた。
彼らはあっという間に車を取り囲みペタペタ、ガンガンと音を立てていましたが
しばらくしていなくなりました。そのときすぐにエンジンがかかったので飛ぶようにアパートに帰った。
すでにSはおらず全て飲み尽くされたビールやチューハイの空き缶が転がっているだけだったが
そんなことを気にする余裕もなくただ全員が無言で帰宅した。
何週間かしてYが行方不明になった。最後の目撃情報によると例の場所にぼけっと立っていたらしい。
何となくいなくなった理由は分かる。みんなSのすすめで「よくきく」お寺にお払いに行ったのに彼だけがこなかったのだ。

SにきくとにやにやしながらYにだけはお払いをすすめなかったといった。
「前々からうっとおしかったし格好の機会だと思って何も言わなかったんだ。おまえら全員背中に4、5人背負ってたからほっとけば必ずつれていくとおもって」

Sは故意にYにお払いをすすめず彼を行方不明にさせたのだ。
そんな彼女は今とある役所に勤めている。今でも訪ねるとあのにやにや笑いで迎えてくれる。

 

 

エピソード2

Sのエピソード2
今からだいぶ前、高校一年でSとはすでに面識があり知人以上友人未満だった頃
夜寝ているとやたら不機嫌な母親に起こされた。何でもさっき電話があり
私に変われと言っているらしい。電話に出てみるとSでなにやら笑いを含んだ声で
もうすぐあるイベントがあるからテレビを付けて起きていろという。

すでにSがただの女子ではないと知っていたので言うとおりにすることにした。
女性の声でこんな夜中に電話があったというので家族に冷やかされるのを
かわしながらテレビを付けた。
30分ほどして眠気に勝てずテレビを付けたままうとうとしていると



と家が揺れた。後に言う阪神大震災である。

後にSの父母にあう機会があり確認したところ、何でもいきなり両親をたたき起こして食器棚から皿を下ろし始めたそうです。
Sの奇行に慣れた両親も驚いていると今度はいくつかの家に電話をかけ始め、そしてテーブルの下にSがこもりしばらくして地震が起きたので今度こそ腰が抜けるほど驚いた、

といっていました。

 

すさまじいこっくりさん

いったい何人の人が私を覚えているのでしょう?
わたしはニヤニヤ笑う霊感者Sの話をここに書かいた者です。お久しぶりです。
このたびめでたくSと結婚することになりました。
許可を得たのでSのエピソードを書こうと思います。
(本人の強い希望によりやや毒気を抜いて描写していることを事前に断っておきます。)よろしいでしょうか。

 

彼女とは実は高校時代からの腐れ縁で、
クラスではヘリウムガスよりも浮きまくっていたSはなぜか私にしつこく絡み友人に
「あんな奴と付き合うのやめなよ」と言われる私を見てにやにやするような奴で陰口をたたいているといつの間にかすぐ側で聞いている、そんな不気味な奴でした。

ある日仲のよかった女子にこっくりさんのメンバーに誘われました。道やらコックりさんについて詳しいやり方ののった本を読んだ子が試したがっているとの事です。

一晩きよめたお酒やメンバーのつばを混ぜた墨で表を描くなど、よく知らない私にも本格的だという印象がありました。
こっくりさんは男二人女三人で行い、全員の指の下でほとんど隠れた10円玉がいかにもちゃちでした。Sは当然誘われていませんがいつものようににやにや笑いながら後ろで見ていました。

 

あとはオカ板の人々の予想通りです。突然日が翳ったように教室が暗くなり、10円玉が熱くなるほどの速さですべりだして、いやだ、○×(人名)しね、じごく、もうはなれない、などの言葉を綴りだし、女子の一人は急に白目を剥いて奇妙な遠吠えのような声を上げたあと
半ば消化された昼食をそっくり吐き戻して失神しました。

(それでも指は十円玉から離れませんでした。全て終わった後は全員の指に水ぶくれができていて、
何人かは筋も違えていたはずです。)
そんな中で一番恐かったのは私たちがスマイリーとあだ名するほどいつも笑っていたSが狐目を大きく見開いて、唖然とした顔をしていたことです。

もう完全にパニックで私も知る限りの神に助けを求めました。
今だから白状しますが事前にトイレに言ってなかったら多分あとで
かなり惨めなことになったはずです。

しかしそのときはそれどころではなくもう全員がパニックに陥りもはや肺の空気も使い果たしてひゅうひゅうと馬鹿みたいにかすれ声を上げているとSがかけよってきてお神酒をぐいぃっと飲み干して
「もうお供え物はないっ。お前に供えるものはないから帰れっ!」と叫びました。

10円玉ががりがりと動き、「まだにくがある。」とつづりました。するとSは全員の腕や方に噛みつき
「この肉も全部あたしの物だっ。」
と叫び返しました。それでも十円玉はいやだいやだかえらないかえらないと綴り続けるのをみて
Sは紙を破り捨てた後墨につばを吐きかけその墨で机の上に大きくYESと書き付けた。

そしてこっくりさんに「もう帰るんでしょ?」とたずねた。
抗おうにも机に上にはYESの一語のみ。十円玉は未練がましくふるふると震えた後動きを止め、指も離れました。

Sは真っ赤な顔で「おそろしいほどの馬鹿だなぁ君たちは。君たちの脳は実はおからなんじゃないのか?
つばというのは結構強い力を持っているんだからこんな遊びで使っちゃ駄目なんだよ。
遊び半分でこんなことをしたら今度こそとりかえしつかなくなるよ」
と言ったあと急性アルコール中毒で倒れました。

 

オチとしてはその後先生が駆けつけ
(気づかなかったけどかなり声や音が響いていてさっきから来ていたらしいが、なぜかドアがいままで開かなかったらしい)
酒気帯びで昏倒しているSと昼食を吐いて気絶していた女生徒からここで酒盛りをしていたと判断され、開かなかったドアも証拠隠滅の時間稼ぎのために中から誰かが抑えていた、ということになった。

そしてみんな仲良く五日間の謹慎処分を受けました。
Sはみんなを救って二日酔いになったにもかかわらず皆からはさらに敬遠されるようになりました。

 

 

偽者

こっくり事件以降皆Sのことを避けており、
恥ずかしながら私もあまり関わらないようにしていたのですが
Sの方からこれまで以上に絡んできてさらに僕の友達を減らしてくれました。
そんなSいわく私はあまり霊を見る事はないが呼び寄せてしまうことが多々あるという
無意識の自傷行為のような体質だそうで、こっくり事件のときもどうやら私が騒ぎのかなり大きな要因だったそうです。

 

確かに私は昔から体調を崩しやすくよく原因不明の高熱を出していましたが、
そんな裏話聞きたくありませんでした。
しかもこれは自覚するとより呼んでしまう類のものだそうで今後さらに顕著になると
Sはいいました。じゃあ何でそんな話するんだよ、と半泣きで詰問するとにやにや笑いながら
「君の困り顔が面白いから。」といってのけました。このとき彼女に殺意を覚えていないと言うと嘘になります。

実際この後は今まで以上に体調不良が増え、今でも年に七、八回は体を壊します。
(それも時期などに関係なくたいてい家を離れた旅行先などで)

そんな私は恐がりなくせに好奇心は人一倍あるという
映画では主役のはれるような性格だったので、
残り少なくなった友人の一人から幽霊の出る廃屋に行こうと話しがかかったとき、
付き合いを悪くしてこれ以上友人を減らしたくないというのと
あんなことがあったのだからもう恐いものなんてないというやけくそのような開き直りでOKをだしました。
後で力いっぱい後悔しましたが。

 

こうやって書き込みながら思い出しているとSは私からどんどん友人を減らすのが目的だったんじゃないかというな気がしてきた。

 

その廃屋は元はスーパーで新しい団地に人が移動して場所が不便になったとかで私の記憶にある限りずっと廃屋でした。
どういうわけかいつまでたっても取り壊すどころか片づけすらしておらずショウケースや棚などが
そのまま残っておりその雰囲気から昔ここで昔人が死んだだのトイレから声が聞こえるだのそういう他愛のないうわさが多く、
面白半分に私も含め三人で出かけました。
既にこっくり事件から半年近くたっておりあの時のことは既にリアリティを失って久しかったのです。

学校が終わってから着たので廃スーパーのところに着いたのはもう夏の日が沈む寸前で、
こういう肝試しの好きなN沢は非常にハイになっていました。
自転車を止めて中に入ろうとすると突然廃スーパーから人影が出てきました。

Sでした。

「やあ待ちくたびれたよ。K崎君いくらのどが乾いたからって途中二度も寄り道しちゃ駄目だよ。
待つ方のみにもならなくちゃ」

確かに道中K崎は熱いからと二度自販機からジュースを買ってはいましたが何故先にここにいたSが知っているのか。
この手のSの予言者じみた言動は皆聞きながして深くは考えませんでした。
よくあたって恐いから。

当然普段からSを嫌っているK崎は
「うるせぇっ!だれも待ち合わせなんぞしてねぇだろうがっ!T(私)、お前か?こいつにここに来ること教えたのは!」
当然私も何も知りません。

結局私たちは怒りのあまり顔を真っ赤にしたK崎をひきずって中に入ることにしました。
Sは中に入ろうとせず笑いながら私たちを見送りました。

 

中は夕暮れ時とはいえ妙に薄暗く、
埃っぽい空気にむっとした熱気がこもっていました。

適当に中をぶらつきつつ私はk崎の声を聞き流していました。
「だからあの女と関わるな。お前のためを思って言ってんだぞ。ああいうタイプは思わせぶりな子として人の気を引こうとしてるだけなんだからな。実際あいつ中に入ってこねぇじゃねえか。口ばっか達者だけどあいつ恐いんだよきっと。」
それはないだろうともはや夢よりもぼんやりとした記憶を救い出しながら思った。

あいつは何か恐いものあるんだろうか?
「なあ・・・おいN沢っ。おいっ!・・あいつ・・」
振り返るといつのまにかN沢がいなくなった。

心配はしていない。ここは所詮元スーパー何だから迷うはずがないし、それよりもこちらを脅かそうとして先回りしたというのがN沢の性格上妥当だろうと思いました。

しかし首を戻すとさっきそこにいたはずのK崎もいなくなっていました。
地面は砂利が撒いてあり、何の気配もなく隠れるということは不可能です。
背骨のラインに沿って融けかけた氷がゆっくり滑り落ちたような気分でした。

とっさにパニックに陥らぬようあえてゆっくり出口に向かって歩きながら強烈にこっくりさんのこととSの言っていたことがよみがえりました。
出口の明かりに走り出そうとしたとたんに肩をつかまれました。

 

内臓が液化した。恐る恐る振り向くと必死で笑いをこらえるN沢でした。
「くくくっうひゃひゃひゃひゃ。ひっかかったなT。なにびびってんだよ。」
入り口の方にもK崎が現れました。やっぱりにやにや笑っています。

なんだやらせだったのか。

液化した内臓がまた固体にもどるのを感じながら私もよわよわしく笑い返しました。
N沢がまだ笑いながらk崎のほうに回って肩を組みました。
「うぷっぷぷぷじつはちょっと漏らしたんじゃねえの?」
言い返そうとしてふと妙な点に気づきました。

K崎がまったくしゃべっていない。
表情の在庫がこれだけしか残っていないとでも言うようにただ笑っているだけだということ。
この二人はいわば私が間にいるから一緒にいるだけで普段は肩を組んだり共謀したりするほど
仲がいいわけではないこと。
なにより

二人はこの暑さの中汗をかいた様子がまったくないこと。

 

こわばった私を見て二人が近づいてきました。
過剰なまでに顔をよせて「Tどうした?もしかしてまだ恐いのか?俺たちが俺たちじゃないような気がして?」
妙にかわいた埃くさい息が顔に吹き付けました。

それを聞いたK崎がにやりと笑い、私は何故彼がしゃべらなかったのか分かりました。
彼の歯は隣同士と癒着して一枚のとろけたプラスチック板のようになっていました。
とっさに二人を突き飛ばしてスーパーの奥に走り出しました。
後ろから私の友達によく似た二人が怒号を上げるのが聞こえましたが振り返る余裕もなく全力で走りました。

突然Sが棚の影から飛び出し、
「T、こっちだ!」と手をつかんで引き込みました。

 

そこはどういうわけかコの字型に棚が並んだ窪みのようになっていました。
二人でできるだけ荒い息を抑えながら潜んでいるうちに
また妙なことが浮かびました。

Sはいつも私をTクンと呼ぶのに今彼女は私を呼び捨てにしていた。
とっさのことでのでなんでもないことなのかもしれないが
妙にそこが気になった。気取られぬようそっとSを盗み見ていると
「Tどうした?私の顔に何かついているのか?」
と顔をぬぐいました。

とっさにものすごい勢いで窪みから走り出しました。
あれは絶対にSではない。
Sなら必ずとげのついた皮肉をあとにつづけるはずだし、
何よりあれは笑っていなかった。

窪みから出ようとしたとたん隠れていた二人に
両側からタックルされて転びました。
もはや二人の顔は二人をよく知らない人間が描いた水彩画のようになり
しかも崩れているようでした。

悲鳴を上げながら必死で身をよじっても二人は手を離しません。
さらに奥からはSに似た奴もやってきます。
もはやパニックのあまり体も動かなくなり、あううあううとうめくだけになっていると
急に上から砂のようなものがふりそそぎました。

 

その粉は私の目に入って激痛を味あわせた後
しがみついていた二人に熱湯のような効果を表したようで、私から二人を遠ざけました。気配で三人目もひるんだのが分かります。

目をぬぐって立ち上がるとSが手に粉の入ったビンを持って、にやにやしながら私を見下ろしていました。

「顔もぬぐった方がいいね。涙とよだれでとても見れたもんじゃない」
と言ってやけにごわごわした布を手渡してくれたので、顔をぬぐった後ふとその布を見ると雑巾でした。

「そら、早く出るよこんなとこ。何も面白いものはないんだから」
と言って手にした小ビンからさらに粉を撒き散らしましたが
既にあの三人はいなくなっていました。

 

外に出てSは小ビンの中身を出入り口に全部撒き散らし
空になったビンを無造作に放り捨てました。

ラベルからするとどうやら家庭用卓上食塩だったようです。
「前も言ったはずだけどね。君はああいうのをずいぶんと寄せ付けてしまうんだから不用意にこんなところに着ちゃいけないって。せっかく忠告したのに・・・まったく君は耳が悪いのか頭が悪いのかいったいどっちなんだい?」

幸い二人の友人はスーパーの裏で気絶していただけのようで
後で聞いてみたところ何があったのかも覚えていないようでした。
「変な女に目移りしないでくれよ」

と言って彼女は気絶した二人とまだ腰の抜けた私を放ってさっそうと
帰ってしまいました。
後に何故助けに来たのか聞いてみたところ
「前も言ったけどね、君のその顔が面白いからさ。」

と言ったので感謝の念は一気にうせました。
そして私は着実に友人をなくしていきました。

 

長文のうえくだらないと思う人もいるかもしれませんが、これは私の記憶する中で最も恐い記憶です。
今でこそ冗談交じりに書くことができても当時はしばらくのあいだ血が出るまでつ爪を噛みつづけ、今でも夢で見ると汗びっしょりで飛び起きます。
Sいわく寝ながら絶叫することもあったらしいです。

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