団地の音楽教室であった事
主婦さんが今まで出会った知人の中で、忘れられない御婦人がいると。
その方は自称霊感が強いという方で、主婦さんがいた音楽教室の生徒さんだった。
大人の音楽教室が流行している中、60歳くらいの生徒さんは別にめずらしくない。
が、その人は、「あの人は悪霊を連れて歩いてるから、あの人の後のレッスンは嫌だ」とか
言う方で、事務の方でも色々困っていたらしい。
ある時、ちょうど主婦さんが空き時間だったときにその方がいらしていたので話をしていると
「もうすぐ、大地震が来て東京は大変なことになる」と言い出した。
「あなたもさっさと東京を離れたほうがいいわよ。」と言われたので、「何でそう思うんですか?」
と聞いたら、夢だかお告げだかで、大都市が崩壊するのを見た、と言うそう。
ちょうど大地震が来るだのなんだののブームだったのもあったので、「そうですかあ」と聞き流して
いたそうですが、結局その老婦人は「東京にはいられないわ」と神戸に引っ越したそう。
公団だったその団地の住まいは借りたまま、娘さんのところに身をよせたそうで。
その半年後に、阪神淡路大震災が起こった。
当然、音楽教室の人たちで話題になった。「東京が怖い」と言って離れたのに、その先で大地震に
遭ってしまったことに、皆驚いていたが、先生のうちの一人が言った。
「私が聞いたときは、高速道路が倒れているのを見たって仰ってたんですよね・・・」と。
確かに、神戸も大都市である。「見た」ものを東京と勘違いしたのか?それは解らないが、
ある意味、その予言は当たっていたのに本人が避けられなかったのはお気の毒としか言いようが無い。
が、本人は元気で東京に戻ってきて、相変わらず予言を続けているそうです。
次の予言は聞いた?と聞いたら「いや、もう怖いから誰も聞かないようにしてると思う」との事でした。
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ちなみに、その団地そのものを主婦さんはとても怖がっていた。
自殺者の多い団地で、自殺避け(というのだろうか)に屋上に高いフェンスと鍵が
ついているような場所。
実際、主婦さんも1年でそこの教室はお断りしたそうだが、とにかく空気の重さが異様だったと。
怖いからエレベーターは一度も使ったことがないと言っていたが、階段も昼間でも薄暗くて
嫌な雰囲気だったそう。
住民層もアレだったそうで、音楽教室は今でもあるものの、先生の入れ替わりは激しいらしい。
「まあでも、あの時代にできた公団ってどこもなんかそういう噂があったりしたけど、あそこは
特別怖かったなー」と。
自殺の直後に居合わせたこともあったそうで。
「警察が現場検証してた。もうそれ以後、そこ通るのが怖いのよー」と。
何を見たわけでは無いが、そこの団地の教室は、教室内にトイレも無く、公共のトイレ、しかも
一階まで降りて使わなければいけないのもあって、夜なんかはびくびくしながら行ったそう。
「いい年した先生が、みんな誰かトイレ行くの待って、二人とかで行くのよー」と主婦さんは笑っていたが、
「でも男の先生は気の毒だった。男子トイレで首つりがあったらしいからねえ・・・でも、男の先生って、
一人だったのよね・・・しかも凄い怖がり。彼が一番可哀想だったわ」と。
その男の先生は、三ヶ月でやめたそうで。何でも、ある日突然来なくなったらしい。
「ま、音楽関係者はそういう人(突然連絡も無くやめたりする先生)もいるけど、彼の場合は
前日一緒だった先生が、事情を問い詰めない方がいいと言ってたよ」とか。
その団地もトイレもまだある。(暇に任せて見てきた) 当時話に聞いていたとおりだったが、それ以上の
DQN団地となっている風だった。
主婦さんには「あなたほんっとに暇人ねー」と呆れられた。
だが主婦さんも自分も不思議なのは、件の予言御婦人さんが霊感強いのに、よくあんなところに住んでいるなあ
という事。いまだにいるそうで、不思議である。
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その御婦人に釣られて神戸に引っ越した人なんかもいて、怒ってる人も実際いたそう。
そういう予言を本気にした人もいるところを見ると、今までも何かそういうことがあったのかも?とは主婦さんは思ったそうだけどもう追求はする気はないと言っていた。
音楽教室でも一人の先生が「あのばぁさんの予言がちゃんとしてれば、単身赴任中の父が死ぬことは無かったかも」と怒っていたそうで、「むやみな予言は良くないなあ」と思ったそうだ。
その御婦人は最近、神様のお告げを受けるようになったそうなのですが、ただの電波の偶然なのか、
ホンモノなのかは解らない、との事。(これ事態、主婦さんが人づてに聞いたこと)
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実際すごい困ったチャンな御婦人で、やたらめったら「あの人には悪霊が憑いてる」とか「この部屋に何かの霊がいる」とかで有名だった。
主婦さんは前にも書いたとおり、「あんなに見えてたらあそこに住むのは無理」と思っていたそうですが、たまに大当たりな事も言うので余計に???だったらしい。
主婦さんは、二度ほどセーラー服を着た女の子(地元の中学の制服らしい)が血まみれで立っているのを見て、二度目には「早く行かないと、ずっとここにいることになっちゃうよ」と珍しく言ってあげたらしい。基本無視なのに珍しく仏心を出した一瞬だったそうだ。
その子は受験ノイローゼで飛び降りした子らしいとの事は、他の先生から聞いてたそうで。
で、そしたら憑いてきたとかそんなオチはなく、また翌日からいなくなったというわけでもなく。
「やっぱり坊さんにでもならんと無理だわ・・・」と痛感したらしい。
主婦さんに姿を見せるのをやめただけで、相変わらず彼女は出まくっているようですと。
もう十年以上前なので、今はどうなっているのだろう。
生き方に迷って自殺したら、あの世に逝くのも迷いまくるのかな、それじゃあんまりだよね、と主婦さんは、自殺者の霊に対してはけっこう気の毒がっている所もある。
けど下手な同情はやばいことになるので結局無視するそうですが。
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