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『人の死が見える』など 全5話|洒落にならない怖い話【短編・オカルト】

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『人の死が見える』など 全5話|洒落にならない怖い話【短編・オカルト】 厳選
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短編 洒落にならない怖い話 全5話

 

人の死が見える

これは霊が見えた、とか祟られた、みたいなそういう感じじゃないから
期待外れに思う人はスルーでね。

俺の一家はちょっとした宗教みたいなのに入っていて、
毎週土曜日になると電車で一時間の都内の会館みたいなのに必ず行ってたんだ。
みんなシックな色の服を着て、会館に入ると同じような服を着た人がいっぱい。
でも何故かよそよそしくてあんまり喋ろうとしないんだ。

でね、やることといったら毎回代表の先生みたいなひとの話を聞いて、
皆で神棚にむかって般若神経と六根清浄を唱える。
そのせいか、五歳の時には両方ともそらで言えてた不気味な子供だった(笑)
その会の最後に子供には甘露の飴が貰えるんだけど、
それ一粒の為に往復二時間は正直つらかったな。

で、8歳の時に俺の弟と一緒にその先生に霊覗をしてもらったことがあったらしくて。
弟は、激しく暴れ回る男の姿が見えると。自分でも御しれないモノがあるから気を付けるようにって。
実際、弟は一度キレると物凄く暴れ回るし、めちゃくちゃ頑固で、
そのくせ家の外では無難な振る舞いするし。
今では大学も中退してかれこれ四年くらい引きこもりみたいな感じ。

俺はというと、人の感情に呑み込まれやすいから気を付けろ、
生きてる者も死んでるものも俺を頼ってくる、と。

ただ、俺自身にそんな大きな力が無い(笑)から霊は見えないし、悪さもしない、影響は少ないらしい。
まあ、その通りというか、学生の頃は表だけみたいな友達も妙に多くて、
忘れた頃に借金の保証人になってくれとか電話を何度か貰ったりもしたけど。

でももう一つ言われていた事があって、二回り目(干支が二順、つまり24歳)になる頃には、
人の死に際が覗けるようになるって言われた。
それは最近まで俺には伏せられていたんだけど、昨日おばあちゃんから電話したついでの話で出てきたの。
話というのはその事で、実は去年から俺のまわりで不思議な事が起きてるんだよ。

 

突然、夜中寝ているとどこからともなく太鼓を叩く音が聞こえてくる。
東京に一人で出てきて五年、同じ場所に住んでるからお祭りとかあるわけないって分かってるんだけど。
低い音でドンドン、って聞こえだすと、明け方までずっと続くんだ。

で、翌日か二日後辺りになって町内掲示板みたいなのを見てみると、
〇〇さんが亡くなりましたみたいな貼り紙が貼ってあるんだ。
もしくは、白黒の幕が張ってある家を見つけるか。

で、そのことを昨日おばあちゃんに話したら
「あぁ、一緒にいた子が帰っていったんだねぇ」って言うんだ。

俺は何のことか判らなくて聞いてみたら
「〇〇(俺の名前ね)には、妹がいたんだよ」
「え?俺には弟だけじゃん。」
「そう、でも四歳の時に〇〇のお父さんが他の人と浮気をしてね、子供ができちゃったの。

でもその女性と話し合ってその子は堕ろす事になって…」
その後の話はというと、堕ろした子はそのまま例の先生に供養してもらったらしく、
何事もなく(何事もあるけど)そのまま事が収まった。

けど数年後の例の霊覗のときに、俺の後ろにその子の魂が見えたらしいんだ。
先生曰く「とても強い霊力(いい意味で)を持った子だけど
〇〇(俺)の感情に惹かれて一緒にいるみたい
二十歳になったらこの子は〇〇から出ていくと言っているから安心していいよ、お父さんも恨んでない。
もう成長して4歳になってるから、十六年後(つまり俺24歳)になったときにその影響で
〇〇にそっちの世界が少し感じれるようになるかも」て事らしい。

親父はその時わんわん泣いてたらしいし、けっこうその場は騒然としていたらしい。
俺はというと、突然眠り始めてしまったらしく、その場のことを覚えてない。

去年24になってからの夜中の事は、少なからずそのことが原因だったのかもしれない。
ただ、その子が俺と一緒にいたのは先生曰く「生まれてくるはずだった世界を見てみたい」ことらしい。

 

俺は自分の身に起こってる事象は不思議と怖くはない。
ただ、その子が俺についている理由をもう少し早く知っていれば、
色んな美しいものを見せてあげられたかも。

今年初めに友達と旅行で行った厳島神社や、好きな人と行った神戸の綺麗な夜景なんかも…
もしかしたら、あの太鼓の音もその子がくれた命のサインの印かもしれない気がして。
最後にこのスレを見てる人、俺についていた子みたいな思いを、絶対させないであげてください。
命ってやっぱり大切だから。

 

暗い部屋

大学2年の冬、住んでたアパートの契約が切れるところだったので心機一転、
引越しをしようと部屋探しをしていた。
不動産屋に行って希望を伝えると駅から近くてわりと綺麗なマンションを紹介された。
家賃も住んでいたアパートより安かったのですぐに部屋を見せてもらうことにした。

8階建てのパッと見綺麗なマンションで、エレベーターもついている。
そこの5階の角部屋、506号室だった。
玄関を開けてもらい不動産屋のあとについて室内に入ると、異常に暗い。とにかく暗い。

日当たりが良くないとはいえ、真昼間なのに日没間際のような暗さだった。
とくに玄関からリビングまでの間のユニットバスや台所があるスペースが真っ暗。
リビングに入ると天井が薄暗く、なぜか神棚を置くような小さなスペースがあったのだが、
そこが異様なまでにドス暗くて気持ち悪かった。

だが住居としては申し分ない設備と環境。霊感なんてないので
少々気味悪くてもいいかと契約してしまった。

無事引越しが終わって新居での初日。相変わらず暗いが電気をつければさほど気にならない。
引越しを手伝ってくれた友達と鍋をつついていたら「なんかこの部屋おかしくねーか?」と言い出した。
わけを聞くと

・電車が近くを通っているのに異常なまでに静か
・隣人などの生活音が全く聞こえない
・部屋が暗い。特に天井の四隅が暗い
・タバコを吸った後のようにどんよりした空気(誰も吸わないのに)

確かにその通りだったが静かなことはいいことだし、暗いのも気にしすぎだと思っていた。
空気も窓を開ければいいし。

 

何事もなく数日後、バイト帰りに寄り道をして帰宅したのが深夜になった。
エレベーターで5階まで行こうとしたら「修理中」の張り紙。しかたなく階段を上がることに。
5階に着いて自分の部屋に向かい玄関のドアを開ける。

なにかの違和感を感じ、すぐさま玄関の電気をつけようとスイッチを押すが、つかない。
何度カチカチ押しても真っ暗なまま。
ここで嫌な感じが増していて怖くなっていたが、
どうしようもないので靴を脱いでリビングまで行くことにした。

真っ暗なので壁に手をついてそろそろ歩く。
台所のシンクに手をついた瞬間、全身が凍りついた。
部屋の真ん中に誰かいる。体は細く背が高い。
窓から射す僅かな光でぼんやりとしたシルエットになっていて
顔や服装などの細かいパーツが見えない。

部屋の中に誰かがいるという異常事態にパニックになるも体は全く動かない。
すると部屋の中の人はゆっくりとこちらへと向かってきた。
ゆっくりと足を引きずるような感じで向かってくる恐怖で、
気づいた時にはドアを開けて廊下を走って逃げていた。
エレベーターのボタンを押しても反応がなく、修理中だったことも忘れていた。

階段を駆け下りて一階まで降りると、丁度、エレベーターが一回に降りてきた。
エレベーターの扉が開く。

見てはいけない!と思い、
無我夢中でマンションの入り口まで走り、
そのまま近くのコンビニまでノンストップだった。

それから数日は友達の部屋を転々とし、
一ヵ月後には部屋を引き払い別のボロアパートへ引っ越した。

よく聞くような話で申しわけないんだけど、実際に体験したことでした。
それから何度か部屋を借りてきましたが、暗い部屋だけは住まないと決めています。

 

テントの中

私は野生動物の写真を撮って自然誌に寄稿するという仕事をしていました。
夜間に山中の獣道でテントを張り動物が通るのを待って撮影する。
また、赤外線センサーを用いて自動シャッターで撮影するなどです。
仕事柄、人気のない山中に一人でこもるのが怖いと思ったことはありませんでした。
あの時までは。

奥多摩秩父山地を沢沿いに登ったときのことです。
地図を見て想定していた付近には午後の1時頃に着きました。
河原に一人用のテントを貼って5時過ぎまで仮眠をするのがいつものルーティンです。
絶対に人のいるはずのない山奥ですので都会のただ中よりは安全なはず・・・そう思っていました。
クマよけのラジカセを木の枝にかけ、眠りにつきました。

 

起きた時にはもう外はかなり暗くなっていました。
ランタンをテント内に吊し、機材を準備してヘッドランプを装着し撮影に出かけます。
期待と緊張の瞬間です。テントを出て、おかしなことに気づきました。
沢の上流に向かって10mほど離れたところにやはりテントが見えます。
青い色のようです。ここは釣り場ではないし、本当に人外の地です。
私の他に登山者がいるとはとても考えられませんでした。

テント内の明かりは透けて見えません。だれかが眠っているのでしょうか?
それにしても、私がテントを張ったときにはなかったのは間違いありません。
私の仮眠の間に音もなく誰かがやってきた、ということなのでしょうか。・・・
とりあえず撮影の下見に出かけることにしました。

その時、青いテント内に明かりがつきました。
するとテントの色が急にまだらに変化しました。
テントの内側からそこかしこにどす黒い色がしみ出しています。
青い地でよくわからないのですが、その時に古い血の色を連想しました。

 

礼儀としてテントの人に一声かけるべきなのだろうか、そう思いましたが
後からきた向こうがなんのあいさつもないのにそれも変かな、と考えました。
実はそれはいいわけで、何よりそのテントが不吉な感じがして怖かったのです。・・・
大変だけど場所を変えよう、と思いました。
そこでテントを撤収し、なるべくそのテントのほうを見ないようにしながらさらに1kmほど沢を登りました。
これで今夜の撮影はできなくなってしまいました。

上流の河原でテントを張り直したら時刻は9時近くになってしまいました。
簡易食を食べて眠りにつきました。

まだ肌寒い五月のはずですが、びっしりと寝袋内に汗をかいて夜中に目を覚ましました。
午前2時頃です。
テント内の空気がこもっていたのでジッパーを開けて外の空気を入れようとして、愕然としました。
私のテントのすぐ目の前にさっきの青いテントがあったのです。

「えっ、嘘!」・・・するとテント内に明かりがつきました。
そしてまだらになったテント内から二つのてのひらが黒く浮かびあがりました。
テント内の人が私のほうに向かって手を突っ張っているのです。

 

私は一瞬気が遠くなりかけましたが、急いで反対側から外に出て横に回り込み、
持っていた懐中電灯でそのテントを照らしました。
そのテントの中のものはあちこち手探りをしていましたが、ジッパーを開けて外に出ようとしています。

私は後ろも見ずに沢に入り膝までぬらして駆け下りました。
途中真っ暗な中で何度も転びながら駆けて駆けて駆け下りました。
途中で懐中電灯も放り出してしまいました。息が切れて走れなく
なったところで、うずくまって震えながら朝を待ちました。

次の日ふもとから人を呼んで昨夜の場所に行ってみると、二つのテントがならんであり、
一つは私のもの、一つは青いテントでしたが昨日見たよりもずっと朽ち果てていました。
テントの中には10年以上経過したと思われる男性の人骨がありました。
私はそれ以来動物の撮影はやめ、山へも行っていません。以上本当の話です。

 

音楽室の怪

中学校の頃の音楽室での話。
音楽室の後方の壁に食器棚のような棚があって、普段はカーテンがかかっているんだが、
中を覗くと、すごい古い誰かの手書きの楽譜とか、完全に色が変色した古い教科書、
日付を見ると昭和34年とかの資料といった、どうやら授業ではもう使わないけど、
捨てるに捨てらんない系らしきもの? が色々入っていた。

右下が引き出しになっていて、中にはやはり古いカスタネットや笛のようなもの、
あとボロッボロに錆びて完全にこげ茶色になっているトライアングルが入っていた。

この音楽室には噂があり、6時を過ぎてからこの音楽室でこの茶色のトライアングルを3回鳴らすと、
壁に貼ってある作曲家の肖像画の目線が一斉に凝視してくるというものだった。

ある日、友人のAが女子達とこの話で盛り上がり、
すっかりテンション上がったAが、これを試して、どうなったかあとで報告してやると言い出した。
一人でやっても証拠が無いからっつって、Aと同じくバスケ部だった俺が
どうしても一緒に行ってくれと言われ、ついて行くことになった。

 

この音楽室には普通の教室と同じくドアが2つある。黒板側と後ろ側。
後ろ側のドアのところは木琴と鉄琴が置いてあって足の踏み場があまり無いんで、
授業で出入りする時も生徒は黒板側しか使わない。
後ろ側のドアは常時鍵がかかっている。

放課後、音楽の先生が黒板側のドアは必ず鍵をかけてチェックするが後ろ側しない。
コーラス部の人に頼んで後ろのドアの鍵を開けといてもらえば、
先生のチェックを逃れて後ろ側のドアを開け、木琴とかもちょっとずらせば中に入れる。

そんなわけである日、練習終わったあと中に進入。
初夏の頃だったので6時でもまだ結構明かるかった。
俺ははっき言って怖かったので他の部員も誘いたかったが、
Aはそれをやると反対する奴が居そうでヤダというから結局2人っきり。
引き出しからトライアングルを取り出し、Aが鳴らす。

チーン。   チーン。   チーン。

おそるおそる肖像画を片っ端から確認する。
どうやら変化は何もない。
三打目のトライアングルの残響も止み、黒板のところの時計の秒針しかきこえない。

俺はこの雰囲気だけでなんか怖い。
音楽室の空気が一気にずっしり重くなったような気がした。

Aは全然怖がってない。「何も起こらないのかなー」と顔に笑みを浮かべ、
さらにトライアングルを鳴らす。

チーン。四打目。   チーン。5打目。

俺はびびりつつAの様子をずっと見てた。

 

チーン。6打目。

6打目は唐突にAがトライアングルを手で握って音を止めた。

「出よう」

Aがトライアングルを席に置き、俺の袖を引っ張りドアのところに引っ張って行く。
その顔に笑みは無い。

「どうした?」「いいから」

俺はそこそこ強い力で俺を音楽室から廊下につれ出された。
こいつは一体何を見たんだろうか?

音楽室からは出たのでもういいかと思って
「えっ、何、何、なんか出・・・」「ちょ、(ヒーッ)」
Aは俺の『出た』という単語を止めたかったのだとわかった。
が、取り乱していて呼吸が整わず、(ヒーッ)と息で音を立てただけだった。

怯えている。まじでAが怯えている。
様子が尋常じゃないので、俺はだいじょうぶだいじょうぶ、
どうってことねーってとか励ましつつ、一緒に学校を出た。
そのままAには何も説明させず、とにかく公園まで行った。
ベンチに座り、Aが落ち着くのを待つ。
ここからは学校は見えない。

音楽室にトライアングルを放り出して来てしまった。

 

Aはしばらく顔面蒼白で、俺もどうしたらいいのかわかんなかったけど、
犬の散歩のおっさんが一人通り過ぎたのをちらっとAが見たので、これをきっかけに聞いてみた。

「俺、何も気付かなかった。どの絵が動いたの? ベートーベン?」
「・・・ビタワン」 「え?」 「だから、ビタワン」

黒板側の窓際には、何やら書類の入った袋がいくつかあり、
そのうちの一つが何故かペットフードのビタワンの一番大きなサイズのビニール袋だった。
それにプリントされた犬の絵が目を真っ赤にし、Aを凝視していたらしい。

これを聞いて、家に帰ってから疑わしくなった。
Aは俺を怖がらして、その様子を笑いにするために演技してんじゃねーかと思った。
次の日学校に行ったら、俺がびびっていた様子を言いふらしてネタにするパターンか? と。

しかし次の日、どうもAは誰にもこの話をしていなかった。
同行した俺のほうが女子から昨日どうなったのと訊かれる。
やがてトライアングルを放置したことから侵入がばれた。
と言っても俺が一緒だったことはバレず、
職員室にAだけ呼ばれて怒られた。

その際、音楽室で見たことを全てAが話した上で、
Aの頼みで先生はビタワンの袋をやめて別の袋にした。

あれはもしかするとマジだったのかも知れない。今俺は、ビタワンのデザインがちょっと怖い。

 

コック

ふと思い出した話しを一つ。
文才はないので、温かい目で見てください。なんならスルーお願いします。

小学生の頃、とある家にあるコックの置物があったんです。
当時の低学年の間でとても話題になっていました。

話題の詳しい内容は、
「火曜日と木曜日にそのコックさんと目が合うと、腕を千切られて死んじゃうんだって。」…
そんな内容でした。

 

当たり前の事だが、これは、花子さんみたいな低学年が作った怪談話なわけで、
本当なわけが無いと、そう思いますよね。
そんなある日、ある話でクラスが盛り上がった。
クラスメイトの一人が、「昨日、コックと目があったんだ、でもほら、俺なんともないぜ」
そう、言い出したんです。

 

…小さい子って、誰かが言い出したら、自分も自分もってなりますよね。
次の日からどんどん噂が増えてきて、
「私コックさんと目があっちゃった!そして、私を追っかけてきた!」とか、
話がどんどん大げさになっていったんですよ。

 

それから、半年くらい後になって、その噂はほぼ、消えかけていました。
ですが…最初に噂を言いだしたクラスメイトが、長期休みの時、
不慮の事故にあって亡くなったんです。その死にかたがあまりにも噂と同じだったそうで…。
両腕が事故の衝撃とかで千切れていたそうです。…
ただの噂からこんなことになるとはね。本当に洒落にならないです。

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