『断れない大人しい子』など全10話|ちょっと笑える切ない話まとめ【哀愁】Vol.2

『断れない大人しい子』など全10話|ちょっと笑える切ない話まとめ【哀愁】Vol.2
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ちょっと笑える切ない話まとめ Vol.2

 

 

断れない大人しい子

 

バイト先に彼氏いない歴25年らしい大人しい子がいた。
局の子にお昼おごらされたり、派遣社員の子から高額なマルチ商法の商品買わされたりしてた。
皆が「アイツはお人好しだから何言っても絶対断らない」と
学生のイジメのようにバカにして嫌な事押し付けたりしていた。

もともとその子を優しくて良い女だと好感を抱いていた上に
この子なら断らないかもと思った俺は彼女を休日に食事に誘ってみた。
生まれて初めて女性からOKをもらい、嬉しくて店を色々調べて下準備し、
当日は思いきりお洒落してピカピカに洗った車で迎えに行き、
頑張って話を盛り上げてご飯を御馳走し、家まで送り届けた。
とても楽しくて何度も誘った。彼女も楽しんでくれていると思った。
段々好きになって今度告白しようと決心して食事に誘った時、
「本当はずっと嫌だった。もう誘わないで欲しい」と言われた。
彼女の顔は気の毒になる位必死だった。きっと決死の思いで言ったのだろう。

「ほら~!麻衣、ちゃんと断れるじゃないですか!今度から嫌な事頼まれたら、
今みたいにビシッと言えよ!俺、ずっと麻衣が何言っても断れないの、心配したよ!」

と、俺は泣き出しそうなのをこらえて出来るだけ明るく元気に取り繕った。
彼女はとてもホッとしたような顔をして何度も俺にお礼を言った。
俺から好かれている訳じゃない事がわかって、そんなに嬉しかったのかな。

昨日の話です。もう色恋は諦めますた。一生童貞でかまいません。

 

 

先生の愚痴

 

中学校教師やってる友人が
「金八はいいよ。週に1回しか問題が起こらないんだぜ」
と愚痴ってた。

 

 

母親「来るな!」

 

去年の今頃の話。
朝起きたら頭痛と悪寒がひどい。
体もなんかふわふわした感じがして、なんかまだ夢の中にいる感じだった。
とりあえず何か食べようと一階に降りて行った。
階段を降りた所で母親の「来るな!」という声が聞こえた。
体がふわふわしていたせいか、俺はその声を無視して台所に向かった。
客間を通り過ぎようとした時、俺の目に飛び込んできたのは大勢の親戚の姿だった・・・

後で母親から聞いた話によると、
俺は仕事で海外に行ってることになっていたらしい。いやーお盆怖いわ。

 

 

23日の夕方に振られた

 

23日の夕方に振られた。
ショックの中、24日に予約してた店にキャンセルの電話。
「いや…今キャンセルですといくらか料金いただくことになりますが…」と言われる。

24日、後輩が馬鹿やって職場が修羅場。でもその後輩が必死に頑張りなんやかんやで19時には終わる
職場に別れたって言ってなかったんで、まわりから「ほら急いで行けwww俺らは独り者達で集うからwww」と言われる
仕方なしに行きつけの焼鳥屋で独り飲んでたら昔の彼女が子連れで登場。もちろん旦那も。
あっち家族が俺なんかよりも大将と仲良し。
にぎやかになる。
なんとなく居にくくなったので店を出る。
食料を買いにスーパーに行ったら別れた女が男女5人で登場。
買うものも買えずに逃げるように店を出る。
帰宅。
食うものも特に無く、お茶漬けを食って風呂に入る。
風呂から出たら酔った後輩から「ずるいっすよ先輩www」とかにぎやかな電話が入る。
いっそ今から参加したいと言おうとしたら後ろからは「邪魔すんじゃない!さっさと切れ!」と課長の声。
言い出せずに電話を切る。
寝た。

25日昼過ぎ、キャンセル料を払いに行く。
その帰り、別れた女が男と二人で歩いてるとこに遭遇。
男は「あ…」みたいな顔。知ってるやつだった。女は気がつかない。

帰って夕方までぼーっとして、晩飯作ってたら少し涙が出た。

作り話みたいだろ?www
作り話だからwwwwwwwww
作り話だから…

 

 

クジの一等

 

ガキの頃、仲間と駄菓子屋に入り浸っていた。
10円の飴やお菓子、甘納豆を頬張りながら
銀玉鉄砲とビー玉を調達して空き地で遊ぶのが定番だった。
その店の人気商品にクジ付きのお菓子が何種類もあって
1等の景品はどれも非売品で、子供の目からはどれも宝物のように見えて
なけなしの小遣いをそのクジにつぎ込んでは「またはずれた~」なんて笑っていた。
1月のある日、俺たちはお年玉で少しだけ金持ちになった気分で
いつもの様にその駄菓子屋であそんでいた。
仲間の一人がなにか真剣な顔してクジを睨んでいる事に気づいた俺は
「どうしたの?」と聞いてみると
ソイツは意を決した様に言った「俺はやるよ」

顔を上げたソイツは駄菓子屋のオバちゃんにむかって静かに
そしてやや緊張した顔で「オバちゃん、このクジの一等は間違いなくアレだよね?」
指差したその方向には大きなジョーズの模型があつた。
「オバちゃんこのクジ一回引くよ」と言って引いたらハズレだった。
「もう一回」またハズレ。
「もう一回」またハズレ。
このへんではガキをナメてたオバちゃんも50回目を超える頃にはイラつきだした。
俺にはそいつが英雄に見えてきた。
とうとう最後の一本、当然ハズレだった。
問い詰めた俺らに余裕の表情で「あら、メーカーさんに文句言わなくちゃね」
なんて白を切ったもんだから、俺らの英雄は更に本気を見せて
「んじゃ次はこっちのクジやる」と言って次々と引き始めた。
「オバちゃん用事があるから今日はお店閉めていいかい」
「だめ、先生とお母さんに言うよ、インチキだって」なんてやりとりしてる間に
7種類のクジ全部引いてしまった。結果は全部一等なし。
睨みつける英雄にオバちゃんはバツが悪そうに、一等景品の中から一つ差し出した。
「いらない」そう言って英雄は満足気に言って帰っていった。

翌日顔を腫らして現れた英雄は、笑いながら「無駄遣い父ちゃんにばれたへへ」
それからも変わらずその駄菓子屋でクジを引き、駄菓子頬張りながら
オバちゃんとも今まで通りに接した。まるで何も無かったように。
一度聞いてみたことがある。「どうして、オバちゃん責めなかったんだ?」
英雄は言った。「気がすんだからいいんだよ」
俺 「今は一等入ってるかな?」
英雄 「入ってるわけ無いじゃん」
俺 「じゃあなんで今もクジ引くの?」
英雄 「一等のクジなんかどうでもイイじゃん、それよりみんなとダベれる場所はここしかないからさ」
そう言って笑う英雄は僕よりも遥かに大人に見えた。
(コイツ絶対大物になる)そう思った遠い昔の思い出でした。

英雄は今チンピラやってる。

 

 

アドレス教えて~

 

登録件数の少なさもさることながら、
バイト先のよくシフトが重なる女の子にアドレス聞いたら、
「私ケータイもってないから」って携帯いじりながら答えられた俺ほど惨めな奴はいない

 

 

美容室でベリーショートにしてもらった

 

美容室でベリーショートにしてもらった。
ハゲのカットは熟達した腕前を要するらしく
店長と思慮される中年の男性美容師さんが腕をふるってくれた。
俺が全スカハゲの悩みを打ち明けて、
短髪にする危険性についておずおずと質問すると
春風のような爽やかさで「大丈夫ですよ」と余裕たっぷりに言うから
安心しきって頭を任せたんだが、
カットの進行に伴い美容師さんの顔が険しさを増していく。
首を捻りながらハサミを入れたり、櫛で特定部位を執拗に撫で付けたりして
悪戦苦闘する姿を見ているのは本当に辛くて、
俺は俯いて唇を噛み締めるばかりだったよ。
歯切れの悪い「お疲れ様でした」という終了の挨拶に応えて顔を上げると、
正面の鏡には薄気味悪いヒヨコが映っていた。
美容師さんは失敗作の壺を検分する陶芸家のような
惨とした表情で俺の後頭部を見つめていたよ。
もういっそのこと地面に叩きつけて粉々にしてもらいたかった。

 

 

モテないヤツの特徴 のになのに編

 

「個性的」なのに「自分がない」
「神経質」なのに「ミスが多い」
「目立たない」のに「悪目立ちする」
「自分に自信がない」のに「プライドが高い」
「他人にやたら気を遣う」のに「空気が読めない」
「自分を良く見せようとしない」のに「自意識過剰」
「マジメだけが取り得」なのに「それほどマジメじゃない」
「褒めて伸びるタイプ」なのに「褒められても伸びない」
「趣味に生きるタイプ」なのに「誇れるような趣味がない」
「独りでいる方が気楽」なのに「ハブられるのはイヤ」
「他人を笑わせることは苦手」なのに「よく他人から笑われる」
「美人・イケメンが好き」なのに「美人・イケメンが苦手」
「平和主義者」なのに「トラブルメーカー」
「他人の気持ちに鈍感」なのに「他人の悪意に敏感」
「考え込むことが多い」のに「考えることが苦手」
「ミスを深く反省する」のに「同じミスを繰り返す」
「忘れっぽい」のに「イヤな思い出は忘れられない」
「疑り深い」のに「騙されやすい」
「フケている」のに「ガキっぽい」
「外見至上主義に否定的」なのに「面食い」
「妥協してばかり」なのに「恋愛・結婚は妥協したくない」
「リア充になりたい」のに「リア充が嫌い」
「波乱万丈な半生だった」のに「逆境に弱い」
「人生に絶望している」のに「今すぐには死にたくない」

 

 

もう秋だな・・・

 

もう秋だな。
風がだんだん冷たくなり、また空気が澄んで空が高くなる。
向日葵の残骸、いつの間にか聞こえなくなったセミの合唱。
懐かしいキンモクセイの香りが鼻を掠める。
すっかりクーラーの要らなくなった電車を降りて家路を急げば、
まだ冬は遠いというのに、なぜか夜風が身にしみる。残業続きで疲れた体。
明るい家々の窓からは時折笑い声が聞こえ、残業から帰った夫に出したのであろう
シチューの良い匂いがする。
変に凝ったものではなく、オーソドックスな、野菜たっぷりの鶏肉のシチュー。
羨ましい。
俺は、さっきローソンで買った唐揚弁当のラップを破り、食うだけ。
独りで。
こんな毎日が続く。この秋を乗り切っても、次にやってくるのは冬。
恋人に、配偶者に、親に、子供に、愛する人のために贈り物を選ぶ人々を尻目に、
俺は自分の欲望を満たすためだけの買い物をする。
「俺は自分の金は自分で全部使えるんだ、それが嬉しいんだ」
意識の外で自分に言い聞かせる。
愛する人のために身を削るのは、利己的に生きるよりずっと幸せなのだということに
気づかないふりをする。
愛情を惜しみなく周りに与えれば、空いた部分は幸せで満たされる。
愛情を自分だけに向けて疑い深く生きていれば、大切に抱えているその愛情が価値の無いものへと変質していく。
一年中それが続く。
俺は幸せにはなれないと気付いた。

 

 

クラスメート

 

「おい、俺に言いがかりをつけた罰だ。ここでズボン脱げよ」
「ええっ、勘弁してくれよ。みんな…女子だって見てるし…」
「いいから脱げよ。脱げないのなら俺が手伝ってやるよ、おらおら――」
俺は奴の足に縋りついた。奴は俺の髪を思いっきり引っ張った。
「馬鹿野郎!抵抗すんじゃねぇよ!…あらあら一緒にパンツまで脱げちゃいましたよー。
おい、みんな見ろよ、こいつの格好。みっともねぇなー」
クラスの奴らは遠巻きにして笑っていた。俺もズボンを手に持ったまま笑った…。

「…が首を吊っているのを発見されました。残されていた遺書にはクラスメートからの無視や恐喝、自殺した日に大勢の前でズボンを脱がされたことなどが綴られていました。担任の教師によると自殺した生徒はクラス委員を務めており、明るく真面目な生徒だと…」

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