『俺は従兄弟が嫌い』スカッとする話【長編- 名作まとめ】

【長編- 名作】スカッとする話

 

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【長編- 名作】スカッとする話

 

俺は従兄弟が嫌い

俺は従兄弟が嫌い。
理由は性格が悪く、酷い目にあわされてきたから。
お互いの母親が双子の姉妹なので子供の頃はよく似てた。
従兄弟はそれを利用して悪戯や犯罪の濡れ衣を俺に着せてきた。

並んだら大きい方が従兄弟だとわかるが、単独で遠目だと分かりづらく、
酷い時は万引きや女の子への悪さを俺がやったことにされてた。

同じ学年だが1年近く誕生日が遅くて従兄弟より力が弱かった俺は、直接暴力をふるわれることもあった。
両親は俺を信じてかばってくれたが、伯父伯母は従兄弟がそんなことをするはずがない!と。
子供を信じるのは当たり前かもしれんが、伯母は知ってて従兄弟をかばっていた。

なにせ従兄弟のアリバイ(伯母と話をしていた)の、伯母の話し相手は俺だったんだから。

中学で私立に行くことに決めた俺は、従兄弟と別の学校に行けることが嬉しかった。
しかし、伯母がそれを聞きつけて従兄弟に伝え、何故か従兄弟も同じ学校に行くことに。
ムカついたがさすがに中学生ともなると見た目もちょっと似てる程度になり、
体格に差もなくなって直接的被害はほとんど無くなった。
しかし陰で俺の悪口や過去の悪行(従兄弟がやってたわけだが)を広めるなど足をひっぱってくれた。

高校は行き先にフェイクを入れておいたおかげで別に。
従兄弟の行く高校とは別の町になったので幸せな3年間だった。
念のため大学に行く時も「地元に進学(嘘)」→「本当は隣県(嘘)」と嘘情報を二重に流しておいたら、
見事隣県に進学しやがった。俺は別の県へ。

ある年の夏、友人連れて帰省すると実家で従兄弟が待ち構えていた。
両親には口止めしといたし喋ってないそうだがどこから聞きつけたんだろう…。

彼女が急用で来れなくなってよかった、と思ってたら一緒に遊びに来てた友人A(美人)にちょっかいをかけはじめた。友人B(普通の女性)や友人C(男)にはろくに声もかけない。

俺もBもCも顔を見合わせ、まあいいかと目配せした。
Aは美人なのは間違いないが、元々男性。ちょっと壇蜜に似てる。
そしてなかなかヤバい奴で、痴漢してきた男を骨折させて警察に厳重注意されたこともある。
念のためAには従兄弟がどういう奴か教えておいたら、じゃあ適当にあしらっておくわ~と。

そして夜、夏祭りにみんなで出かけると案の定ついてくる従兄弟。
何度か注意したがAにまとわりつき、いつの間にかAともどもはぐれてしまった。
Aに連絡したらちょっと遊んでくるとメッセージが。
一応探したが見つからず、BもCも放っとけと言うので祭りを楽しむことに。
(AはもともとBとCの友人。全員彼女を介して知り合った。)

それからAだけが戻ってきた時、ニヤニヤしながらこっそりスマホを見せられた。
そこには従兄弟が下半身剥きだしで倒れている写真…。
何があったかは教えてくれなかったが、その日以降、そしてそれ以来帰省しても従兄弟の顔を見ることはなく、
一度だけ祖父の葬式の際に会った時には俺とは常に一定距離を保ちつつ挙動不審のまま逃げていった。

伯母からはあの夏以来従兄弟が家に寄りつかない、便りも無いと愚痴られた。
葬式以来、俺も伯母も従兄弟の顔を見ることはなく、伯母は一度だけ電話連絡を受けたきり、
何をしてるかもどこに住んでいるかも知らないそうだ。
一人息子と連絡が取れない伯父は可哀想だが、きっと俺のせいじゃないし、
俺に濡れ衣着せる片棒かついだ伯母には同情する気にもならない。

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