『困ったパートのおばさん』など全5話 – スカッとする話 短編 – 傑作選【因果応報・復讐・武勇伝】

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

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スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

しっかりした爽やかお兄さん

去年から出向で来てる新しい配車係。

見た目は高校生で通じる20代半ば。
これがまたしっかりした爽やかお兄さん。

トラックの運ちゃんなんてみんな大なり小なり似たようなもので、うちも例外なく強面で荒っぽく気も短めな人ばかり。根は良い人達なんだけど。

係のお兄さんはいつもニコニコ、敬語で丁寧、柔らかい物腰で誰が接しても好印象。

この業界でそんな対応をされ、運ちゃん達は戸惑いつつも、次第に満更でもない様子で
日に日に笑顔が増えていった。

扱いにくいおっさん連中で、出荷時間が前倒しになっても「予定の時間とちゃうやろが」とか言って出ようとしなかったり、急な集荷ややむをえない残業も嫌がり(まぁ当然だが)、まあ青襟特有の無骨な職場だった。

しかし彼が来るようになってからは、それまで「おう」とか「なんや」とかが主な単語だったのに、挨拶もするしお礼も言う、問題行動も起こさなくなる、欠勤や遅刻が劇的に減る等々…。

昨今の時代劇ブームの影響か、一部が「若」と呼びだしたらあっという間に広がって、お兄さんもお兄さんで「各々方、出陣です。本日もご安全に」とか言っちゃう。

人は鑑って言葉を実体験したよ。
職場の雰囲気や風紀は目に見えて改善するし、彼の電話対応は他の事務所にも影響を与え、窓口対応の改善に一役買っている様子。

あの若さであの人柄と言うかカリスマは天性のものを感じる。

 

 

困ったパートのおばさん

バイト先の回転寿司屋に困ったパートのおばさんがいた。

その人はホールで度々ミスをするのだが、その度に「自分は悪くない!」と言い悪いのは周りと言い張りホールの仲は悪かった。

しかし このおばさんの困ったところは他人のミスは絶対に許さず、軽いミスをする度怒鳴り込んできて説教してストレス発散する。

強いて言えば「他人のミスが大好き」な人。

最悪なのは ストレスが溜まるとテイクアウトで客から受けた注文と別の注文をキッチンに渡して

「?が入っていない!お客様がアレルギーだったらどうするの!」

と客を盾にして怒鳴りストレス発散。

「いや、注文表どおりですよ」と反抗すると「私は間違ってない!」と癇癪。

キッチンで作業する人は度々大声を挙げるおばさんに辟易としていた。

そんなある日、新人がやらかした。

提供した味噌汁が温いとクレームを受けおばさんから説教。

「温め直します!」と新人は味噌汁を下の皿と器ごとレンジでチン。

配膳はそのおばさんだった、客に出す瞬間に「熱っ!」と大声で叫び、味噌汁を地面にひっくり返した(下皿もレンジに入れたため激熱)

客に掛からなかったのは幸いだったが鬼の形相で新人目掛けて突進してくるおばさん。

俺はやばいと思い新人を洗い場に隠して「?はどこ!」と興奮するおばさんに「あいつなら帰りましたよ」とやり過ごそうとしたが、矛先が俺に向けられ罵詈雑言を浴びる俺。

庇ったばかりに超涙目www

しかしキッチンのパートさんが俺を庇ってくれた。

けど今度はそのパートに噛み付き、怒鳴りあいの喧嘩になってしまった。

これを見ていた店長がついにキレておばさんを首にした。

「なんでクビなのよ!」

と食って掛かるおばさんに店長が

「あんたがいない方がいい店になるから」

と言った時心がスーッとした。

 

ドラマを録画しといて

「ドラマの○○を録画しといて?!」

1回か2回なら別に良いけど、頻繁になってきてウザい。

しかも、こういうお願いメールしかしてこないA。

いい加減腹が立ったので、とあるドラマの最終回の代わりにわざわざ渡鬼を録画して渡した。

Aの周囲はドラマの話で盛り上がるような人が多いらしく、最終回を見られなかったAは会話に参加できなかったみたい。

怒りのメールが来たけど、懲りずにその後も録画依頼メールが来た。
その度に渡鬼を渡した。

数回渡したら

「もしかして私のこと嫌い?」との確認メール。

私「うん。大っ嫌い(笑顔の絵文字)」

DQNですが、それ以来メールが無くなりスッキリしました。

 

 

万引きをした中学生

バイト先での話。

店で万引きをした中学生を捕まえたんだが、とりあえず親と警察に連絡をした。

店長と自分、中学生の三人で警察が来るのを待ってたら、母親が先に到着して怒鳴り込んできた。

よくあるような「うちの子の将来をどうしてくれるんだ」「訴えてやる」みたいな感じでギャーギャー喚いてた。

自分はこれがうわさに聞くモンペか、すげえなと思って見てたたんだが
母親が「子どものしたことなんだから」って言ったとき、ずっと黙ってた店長が口を開いた

「その言葉はやられたほうが許すときに使う言葉だ」

母親は驚いた表情をしているところに続けて、

「それに、子どもには責任はないのかもしれんが、でも、それは親の責任だ」

「本当に子どものことを思ってる親なら、子どもが二度とこんなことをしないようにしっかりと叱って、迷惑をかけたことを子どものかわりに懸命に謝って、子どもと一緒に償おうとするはずだ」

「あんたは自分が嫌な噂を立てられたくないから喚いてるだけで、結局自分のことしか考えてない」

こんな感じで間髪いれずに警察が来るまで話していた。
母親は何も言えなくなってたし、中学生は泣いてた。

警察が到着して、中学生と母親は連れて行かれた。

あとから店長に、すごいですねって言ったら「子どもを守るっていう意味をはきちがえてる親が多いんだよな」って笑いながらいってた

 

 

モラハラ被害

学生の時モラハラな彼氏に悩まされていた。
どう反論しても「女は感情的だから話にならない」「話し合うだけ無駄」「理屈にも何もなってない」
と押さえつけられて、どう言ったらこの人はわかってくれるんだろうと途方に暮れていた。

わたしの体重がかなり落ちたことを心配した先輩が話を聞いてくれた。
先輩は「その彼氏の言うことで唯一正しいのが、男と女は考え方に性差があるということ。
女はコミュニケーション重視の生き物だから、“相手にわかってもらわなければ”と思いつい頑張ってしまう。
だから最初からわかりあうつもりのない相手にまで無駄な努力をしてしまいがち」
と言い(※先輩も女です)、
「彼氏の言うとおり、そこから脱却しよう」と結論を出してくれた。

「ハナから分かり合おうという気がない相手に、言葉を尽くしてわかってもらおうとするな。
無駄な努力はやめろ。彼の“話し合うだけ無駄”という態度は正しい。
そもそもお前はその男が本当に好きなのか?好きという感情を排していったん理屈で考えろ

なるほど、と思い「彼氏はかわいそうな人(生い立ちが複雑だった)」
「彼には私しかいない(色々問題を起こす人で友達がいなかった)」という同情を排して考えた。

一緒にいるメリットは皆無で、デメリットの方が多かった。
恋愛感情でなく同情や庇護義務ばかりだった。
そもそもモラハラが始まったのは彼が体の関係に進みたがったからで、渋るとモラハラが始まったんだった。

スッキリしたので別れ話をした。
「彼は俺のこと好きじゃないのか。愛はないのか。餌付けしておいて犬猫のように放り出すなんて
人でなし」と責めてきた。
「さんざん理屈で話せ、論理立てて話せと言ったのはあなた。都合のいい時だけ愛だの恋だの
感情を持ち出されても」と言ったら黙った。

「死んでやる!」と言われたので「感情的で話にならない。理屈にも何もなってない。おまけに卑怯」
と言ったらまた黙った。
「感情論は聞きたくないので、まだ言い足りなければ文書でお願い」と告げて帰った。

文書は来なかった。代わりに本人がストーカーになったけど
先輩や共通の知人に
「フラれた→付きまとう→理屈はどうでも俺の言うことを聞け!という態度は
論理性からもっともかけ離れている。お前ほど感情的で衝動的な人間は滅多にいない」と指摘され
駄々っ子のように手足バタバタして泣きわめく姿をムービー撮影されて
やっとおとなしくなった。

女はモラハラ被害に遭ったら“相手にわかってもらわなければ”などと頑張ってはいけない、
といういい教訓になりました。

 

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