ママ友ネットワーク
母がやってくれた復讐。
小学校の頃は仲良かったのに、中学校に入った途端Aからイジメられるようになった。
その頃は不良っぽいのがカッコイイ時代。
Aが中学デビューするのに、地味な私とお友達じゃ、かっこ付かなかったんだと思う。
「あんたら仲良かったじゃん」
「それが余計にムカツクんだよ!ギャハハ」ってかんじ。
私が体育で走ると、「パ◯ツ見えてる~」(見えてないのに)
「ドスンドスン」(太ってないけど、耐えられない恥ずかしさ)
睨んだとか、そんなことで体育館の裏に連れていかれて、
不良グループに囲まれたり、女番長みたいな先輩にビンタされた。
でも家では楽しい学校生活送ってる演技をしていた。
みじめだって知られたくなかったから。
できるだけ遠くの高校に行きたくて、必死に勉強して校区で一番遠くの高校に入った。
なのになぜかまたAと一緒。
Aは不良をやめて、可愛い女の子に変身して、バスケ部の先輩と付き合いはじめた。
男の子達もAをチヤホヤ。
だけどチクリになるからって言わず。
同じ中学出身の子も数人いたけど、皆口つぐんでた。
ある日、急に天気が悪くなり嵐になった。
部活中止で帰ることになったけど、電車が事故でとまって、駅から出られなくなった。
公衆電話も長蛇の列。
困ってたら、ロータリーにうちの車が入ってきた。
「電車とまってるっていうから、迎えに来たのよ!」と母。
駅にいた皆が「いいな~」って目でこっち見てた。
小学生の頃よくうちに遊びに来ていたAがそれ見て、
「おばさん、Aです」ってわざとらしく挨拶に来た。
そしたら母がAをじ~っと見て、
「同じ学校だったの?ふ~ん。
あなたもう学校で煙草吸ったり、バイク夜中に乗りまわしたりしてないでしょうね?
高校生なんだし、周りの迷惑ってものをちゃんと考えなさいね」とバッサリ。
固まるAをスルーして、同じ中学出身の子を、
「お母さんから頼まれたから、乗って行きなさい」って車に乗せてた。
中学と違い、高校は進学校だったから、不良はNG。
Aはひそひそされだして、彼氏先輩から「不良は嫌い」とふられて、
面白く思ってなかったイケてる女子グループに、中絶の噂流されて中退。
東京に行ったらしいが、その後はわからない。
母はママ友ネットワークでイジメのこと知ってたらしい。
ふとその話になって聞いたら、
「毎日上靴持って帰ってたら、アレって思うでしょ。
あんたが隠してたから、知らんぷりしてただけ。
一線越えたら怒鳴りこむつもりで、証拠も押さえてた」と。
なんで助けてくれなかったんだって聞くと、
「あんたが勉強頑張りだしたから、こりゃいけると思って見守ってた。
私の娘だから、あのぐらいでは死なない自信あったし」と。
一瞬人間不審になりそうだった。
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