『スポーツ教室』本当にやった復讐 – 修羅場【長編】

『スポーツ教室』本当にやった復讐 - 修羅場【長編】- 実際に行動した体験談

 

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スポーツ教室

 

自分というより妹の修羅場だけど投下

妹はスポーツで飯を食ってる

一般の知名度は皆無だが地元の人は皆知っていて、商店街で応援のポスターが貼られたりしている

定期的に地元の少年団を招いてスポーツ教室を開催しており、私は学生時代までやっていたので手伝いに駆り出されている

人手が足りないので小学生限定、商店街からは無償でスポーツドリンクやお菓子を用意してもらい、最後に

妹「○○商店さんのご協力です!」

おばちゃん「みんなウチで買い物してってねー(笑)」

子供たち「ありがとうございました!」

と和気藹々で終わるのが恒例、ここまで前提

この教室に空気の読めない母親Aが来るようになった

娘のA子は普通にいい子なんだが、Aは我が子かわいさに周りが見えてない

A子に優先的に指導するよう文句言ったり、サインは練習後って通達してるのに指導中に色紙突き出してきたり、練習終わるや否やドリンクやお菓子をダッシュで取りに行ったりする

(人数分用意してあるので意味ない)

子供の応援も他の親はせいぜい「頑張れー!」ぐらいなんだが、Aは大声で「ほら、そこで○○して!もっと足を使わないと!」とか、ひどい時には反則に近いことまでやれと言い出す

妹はそういう小手先の技術は小学生に教えることじゃない、怪我しないように基本だけやる方針なのですごく迷惑してた

おまけにAはやたら妹に話しかけてきて、年収やら旦那の職業(普通のリーマン)、取材の有無とか下世話なことを聞いてくる

妹は適当に流してたが周りはヒソヒソ、A子は恥ずかしそうにしててかわいそうだった

そんな状態だったから、A子が中学生になった年はA子には申し訳ないけどほっとした

これで面倒から解放されると思った…が、現場に行くとすみっこにA子の姿が

嫌な予感がしつつ話しかけると

「あの、中学生なんですけど参加ってできますか?」

「ごめんね、参加できるのは小学生までなのよ」

「じゃあ端っこで見学させてもらえませんか?」

迷ったけど子供を追い返すのもかわいそうだし許可した

子供たちを指導しつつチラチラ見てたけどすみっこで一人妹の動き真似してただけだった

妹は気の毒だし参加せてあげないかと言ったが、他の親御さんに示しがつかないと却下してたら…Aがやってきた

A子となにやら話した後、腕を引っ張りながら憤怒の表情でこちらにくるA

妹は口下手だし角が立つので私が対応

A「うちの子を差別するのか!」

私「申し訳ありませんが参加は小学生までなんです」
A「中学生になったから一人でも大丈夫と思って行かせたのに、これはいじめだ」

私「(初めてのお使いじゃねーっつーの)決まりで中学生は参加できないことになってるんですよ」

A「それならあんたたち(私と少年団コーチを指して)も参加できないわよね」

私「私たちは指導者ですから」

A「(してやったりの表情で)じゃあ私も経験者だし指導者として雇え、うちの子も参加させろ」

私「結構です、お引き取りください」

A「だいたいあんたたちの指導はヌルいのよ、あれじゃ勝てないでしょ」

私「体のできてない子供にケガに繋がるようなプレーは教えられません」

A「(鼻で笑いながら)レベルが低くて話にならない、いいから私にやらせなさい」

正直自分が思ってたより遥かにアレな人だったのでもう内心ビクビクしてた

これは強制退場しかないかと思い始めたところで、Aの陰でオロオロしてたA子が

「もういいよ、迷惑だしお母さん帰ろう?」

と袖を引っ張ると

「あんたがちゃんとやらないからでしょうが!」

とA子をビンタ

「なんで中学生って馬鹿正直に言ったの!黙ってればわかんないのに!」

どうやらAは自分がいなければ誰の子かわからず参加できると思っていたらしい

いや、無理だから。

あなた悪い意味で目立つしあなたのせいでA子も注目集めてたから。

ここで離れたとこにいた妹が走ってきて

「子供に手を上げるのはやめてください!」

と言うと

A「あんたが悪いのよ!あざといまねして恥ずかしいと思わないの!?」

なんのことかわからず私たちポカーン

Aの主張によれば

スポーツ選手はモテモテでテレビにも出られるから芸能人に会える

→どんな相手でもより取り見取りなのに一般人と結婚

→純朴アピールuzeeeeeeee!

ということらしい

妹はせいぜい地方紙の隅っこに載るぐらいで芸能人なんて会ったことない

だいたいあなたは妹がテレビに出てるの見たことあるのか

このあたりで遠巻きに見てた保護者たちもさすがにアウトだと判断したらしく

「子供が怖がってるからやめなさい」

「妹ちゃんに迷惑かけんな!」

とAを責め始める

Aはなおもファビョってたけど、

「埒が開かないからA旦那に来てもらおう」

と誰かが言ったあたりで

「なによ!大げさに騒いで馬鹿じゃないの!」

と帰って行った

みんな非常識だと怒ってたけど子供の前だしとりあえず最後までやって、いつもの流れで終わった

Aのことは警察行っても相手にされないだろう、とりあえずA旦那には報告して、まだやめないようならまた考えるってことになった

そしたらその晩A旦那がAを連れてすっとんできて謝罪

私はその場に居合わせなかったんだけど、二人とも顔面蒼白だったらしい

Aはよそから来たので知らなかったんだけど、実は妹旦那の祖父(90)は地元で長年校医を務めて現在は引退した開業医

保護者もみんなお世話になっており、今でも老人ホームに往診に行く人格者

現在は長男(先生)&孫(妹旦那の兄、若先生)が後を継いでおり、祖父は大(おお)先生と呼ばれ慕われている

田舎なせいもあり、病院に来る患者さんも

「大先生は元気にしてらっしゃいますか」
と畑でとれた野菜やら梅干しやら持ってくる人が多い

商店街が協力してくれるのも「大先生とこのお嫁さんだから」ってのが大きい

今回のことでA旦那だけでなく旦那両親にまで話が行ったらしく

「大先生の顔に泥を塗ったんか!」と激怒

A旦那は平身低頭、Aはここまで大事になるとは思ってなかったらしく

旦那両親からの「大先生に恥かかせたなんて広まったらここで暮らしていけんよ」との言葉に怯えあがってた

大先生にも謝らせてくれということなんで後日改めて場を設けて

大先生、私、私旦那、妹、妹旦那の前で謝罪することになった

大先生宅で奥様に座敷(でいいのかな)に通されてみんな正座、A旦那が口を開こうとすると大先生が

「田中(仮)君か、大きくなったなあ」

「覚えておられるんですか!?」

「うん、君は小さいころ卵アレルギーだったねえ。その後どうだい?」

「おかげさまですっかり良くなって、今は食べても大丈夫です」

「そうかそうか、ご両親も心配されてたからね。娘さんにアレルギーは?」

「いえ、特に何も。あせもができやすいぐらいです」

「それはよかった。今は便利なアレルギー対応食があるけど、無いに越したことはないからね」

「は、はい」

と話してるうちにすっかり空気が変わってしまった

気を取り直してA夫妻が「このたびはまことに…」

大先生「謝らなきゃいけないのは私にじゃないよ。(妹)さんと(私)さんにでしょ」

A夫妻、妹と私に「失礼なことを申し上げて、皆さんにもご迷惑をおかけして…」

と言われ、私たちもわかってもらえればいいと受け入れる

ここで大先生、Aの目を真っ直ぐ見て

「人の親というのは業の深いものでね、自分のことなら抑えがきいても我が子のこととなるとそうはいかなくなる」

「ごく常識的な人が他人を押しのけて『先生、うちの子を診てください』ということも山ほどあったよ」

「我が子が1番なのはだれでも同じだけど、恥じらいまでなくしたらいかんよ」

A、泣きながら謝罪。大先生、笑いながら

「まあ子供は黙ってても大きくなるから、足を踏み外しそうになったら首根っこ捕まえて引っ張り上げてやるぐらいでいいよ」

結局Aはお店や少年団のほうにも謝りに行ったらしく、周りも当事者の妹と大先生が許したんならいいやってことで丸く収まった

妹旦那は「親父や兄貴が爺ちゃんにはかなわんって言ってたわけが分かったわ」

って妹に言ってたらしい

うちの旦那は全くの部外者なので、座敷に飾ってあった書を見て

「達筆だな。なんて読むのかはわからんけど」

と言ってましたとさ 終わり

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