ほっこりする話『ぱぱおにんじょびおめでと』など短編5話【5】 – 優しい話・体験談まとめ

ほっこりする話『ぱぱおにんじょびおめでと』など短編5話【5】 - 優しい話・体験談まとめ ほっこりする話

 

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ほっこりする話 短編5話【5】

 

 

近所に住んでいるご夫婦の話

その夫婦には子供が無く、そのせいか私は子供のころから可愛がってもらっていました。
おじさんは無口な土建屋の事務員、
おばさんは自宅で商売をしていて雑貨から野菜などなんでもあるミニスーパーみたいな店で、朝から晩まで年中無休で働いている人でした。
当然晩ご飯なども、おじさんが7時ころ帰ってきても食べられるのは9時過ぎというのはしょっちゅうの事でした。
洗濯ものもたまる、掃除も毎日できない、休日も一緒に過ごせない・・・
おばさんは結婚して以来、そのことを心の中で申し訳ないと感じていたそうです。

今年の秋、おばさんは長年の疲れからか体調を崩して一週間の入院をすることになりました。
コンビニがあるから大丈夫だとおじさんは言っていましたが、
毎日持っていくお弁当や食事の支度さえできなくて迷惑ばかりかけて申し訳ないと落ち込んでいたようでした。
おばさんが入院した4日後、おじさんの会社にラジオ番組の取材がきました。
取材というかローカル番組のコーナーの1つで「会社対抗クイズ」みたいなものです。
私は前日に知っていたので翌日ラジオを持ってお見舞いに行きました。
休憩室のような場所で持っていったラジオを二人で聞きました。

そのクイズ自体におじさんは登場しませんでしたが、話の流れで
「自分の奥さんは○点だ」というようになっていきました。
それぞれが「結婚後+20キロだから50点」とか
「料理がヘタで40点」とか悪く言って笑いを取る、みたいな雰囲気になっていました。
わたしは「あ、やばいかな・・」と思いはじめ、おばさんも何か気まずい顔をしていました。
ついにアナウンサーがおじさんの作業服のネームを呼びました。
「○○さんの奥さんに点数をつけるなら何点ですか」
おばさんが小さな声で「20点・・・」とつぶやいた瞬間

「98点!・・・だな。あれでなきゃワシの嫁は無理だ」
おばさんを見ると両手に顔をうずめて泣いていました。
今年一番感動した出来事です。

 

 

最高の友達

これは私が小学6年の話。
私は親の事情で中学の入学式前に引っ越すことが決まった。
その知らせを聞いたのは、小学校最後の3学期だった。私は泣いた。
私はここで知り合ったみんなと別れるのが本当に嫌だった。
そして学校の日。
私には仲の良い友達が3人いた。
その子達とはいつもバカやって、私を含め4人で先生達をいつも困らせていた。
私はこの話のことを言うか迷った。
でも、いつもどおりの日常を壊したくないと思ったから言わなかった。
そしてある日、私は友達が私に対する態度が少しおかしいと思った。
だから、私は
『知らないうちに嫌な事言ったかな?』
と思い、少しずつ友達も私もさけるように。
私は男友達とつるむようになった。
まあそれなりに話すのは楽しかったけど、前よりは楽しくなかった。
それから必要なこと以外は話さなくなった。

そんなことになって、私は早く中学になってみんなと離れたいと思うようになった。
そして1日1日が楽しくなくなってきてて、泣きそうになった時があった。
でもそれでも毎日学校には行った。
自分に、卒業したらみんなに会わなくてすむ。と、いつもそう言い聞かせていた。
そしてあっという間に卒業式。
私はなんだかんだで、みんなと離れることを言ってないまま卒業式を終えた。
それから謝恩会へ。
私はみんなと笑い合えるのはこれで最後だと思っていたら、急にさみしくなった。
そして私は友達3人を集め、みんなと一緒に中学の入学式を迎えられないことを言った。

それから
「今までありがとう。そして今までごめん。」
涙を流しながら言った。
そしたら、私が想像していなかった光景が目の前にあった。
なんと、3人が肩をならべて泣き叫んでいた。
「なんで行くの?」
「なんで?」
と、言って。
私以上に涙を流して声を出していた。
私は正直戸惑った。私が想像していたのは
「そうなんだ。頑張ってね」
と、私のことをどうでもいいように言うと思ったから。
そこで私は最低な人だと思い、過呼吸になりそうなくらい泣き叫んだ。
周りのことを気にせず、ずっと涙が枯れるまで1言もしゃべらず4人で泣き続けた。
そして、落ち着いてから友達と話し合った。
全部、私の勘違いからはじまったすれ違いだった。

私は友達3人から嫌われているとずっと思ってた。けど、それは全然違った。
友達3人は、私に内緒で私の誕生日プレゼントを買いに行くために計画をしていたけど、最初に私が避けていたから、友達達が
「私達のこと嫌いになったのかな?」
と思ったらしく、プレゼントだけを私にあげて友達も避けていたらしい。
そこで私は思った。本当にバカだと。
私のためにしてくれていたのに、私から避けていたなんて。
そして私はいつの間にか、こんな素敵な友達を持っていたなんて。
そしてまた涙が溢れた。
それからこう思った。
「本当にありがとう。」
これが私の小学校最後の大切な思い出。
そして今、またこの3人に助けてもらった。
私は本当に最高の友達を持てたことを誇りに思う。

 

ぱぱおにんじょびおめでと

昨日残業して2時頃帰ったら、リビングに行き倒れ状態の嫁と娘が。
嫁の手にはクラッカー、娘の手には「ぱぱおにんじょびおめでと」のカードが。
部屋はお誕生日パーティの飾りが、
冷蔵庫には食べかけの俺の大好物のラザニアとケーキ(どちらも普段は太るからと、めったに食卓には上がらない)とシャンパンまで・・・

残業だから先に寝てろって言っといたのに。
泣きながら布団かぶせたら
嫁が起きて、「ごめん、1時までがんばったんだけど・・・」
その声で、娘も起きて寝ぼけ眼で「パパあけましておめでとう」
また泣いた。
今これ書きながら思い出し泣きした。

 

 

自分に自信を持て

うちの女房が後ろ向き過ぎるのが気に障る。
俺が友達と飲みに行く時、一緒に来るか?と誘うと
「私がいない方が気兼ねしないで楽しめるでしょ」
友達を家に呼んだときも料理だけ出してすぐ引っ込んでしまう。
後から
「料理下手でごめんね」
とか、
「奥さんに訛りがあると恥ずかしいでしょ」
とか言いやがる。
どうしてお前はもっと自信を持たないんだ。
俺はお前の奥ゆかしい所も確かに好きだけど、もっと自分に自信を持って欲しいんだよ。

お前の料理はすごく美味いし、子供にはいい母親だし、優しいし、俺には過ぎた女房だと思ってる。
確かに岡山の訛りは少しだけあるけど、そんなもん気にする方がおかしいじゃないか。
慎ましやかだけど美しく輝く宝石にちなんで名付けたご両親の願いどおりの人間に育ってるじゃないか。
…って一回言ってやりたいのに言えない自分も気に障る。

 

 

カミさんはコロンビア人の嫁

俺のカミさんはコロンビア人、いわゆるワルい不良外国人と言われているタイプの外国人です
(以前はいかがわしい仕事をしてたけど(笑)今は食品加工のバイトをしてちゃんと税金を払ってるから元ワルですね)
彼女はまともな教育を受けて育った人ではない、貧しかったからたぶん小学校しか行けなかったはずです
今まで俺から彼女に天皇陛下や皇室の事を話した事はなかった
そんな彼女でさえ韓国大統領の今回の発言をスペイン語の新聞を読んで知った時に
普段は大人しい日本人が見せたのと同じ反応をしたから驚いた

彼女は俺に、エンペラドール(陛下)さんは日本人の心と同じでしょう?
彼は権力者ではない、日本人はエンペラドールの心を愛してるの
エンペラドールは日本の男の良い心、エンペラドーラ(美智子さん)は日本の女の良い心と同じ
彼は神様じゃない、ジーザスやブッダと同じ心の綺麗な人、
あなたわかる? それを悪い言葉で侮辱されたらエンペラドールがかわいそう
エンペラドールを侮辱するのは日本人の心を侮辱されたと同じだからみんなが怒るの
でも怒ってるだけじゃない、本当はみんな凄く心が悲しい
綺麗な心を汚れた人間にノーと言われたから凄く心が痛いの、あなたわかる?
と言ったまま急いで着替えて外出した

帰ってきた時、どこで見つけたのか両陛下のまったり笑っている写真と立派なアンティーク風の額縁を持って帰ってきた
(かっこいい額縁は写真屋さんが両陛下の写真を飾るならこれがいい、持っていきなさいとプレゼントしてくれたそうです)
それから凄いスピードで家の隅々まで掃除をした(南米女性はなぜか掃除好きだから家の中はわりと綺麗ですが)
そして最後に壁に飾った両陛下の写真を撫でながら話しかけたり歌をうたってなぐさめていました
驚いたのは、普段はプライドの塊のような強いコロンビア女性がその時は涙を流していた事です

何かとても大切な事を普段はデタラメなカミさんに教えてもらいました

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