恥ずかしくて死ぬかと思った体験 短編10話【56】
1
周囲に誰もいない時に、何かギリギリな事態が起こると
理性と感情?の一人二役突っ込み付き独り言会話癖のある俺。
豆腐切って手の平切れば
「うああああ畜生痛え!!豆腐赤えよ!!キモっ!痛え!」
「包丁引けばそりゃ切れるな!手濡れてんだから見た目ほど血出てないぞ!」
提出日前日徹夜でレポート片付けれることになれば
「ああああもう駄目だ眠ぃ間に合うわけねー眠ぃすんませんもう駄目です
30分だけ眠らせてください吐きそうです」
「誰のせいだ馬鹿野郎今までその30分が30分で済んだためしねえだろ、ああ?」
よし15分だけやろう、コーヒー淹れてやるからそれ飲んで続けるんだ!」
とにかく喋って気を紛らわす癖らしいのだが、先週知った。
……周囲に誰もいないときだけだと思っていたが違ったらしい。
指摘された時はマジで死にたいと思った。
2
二十歳で原付免許を取り、返す刀でスクーターを即買いした。
嬉しくて舞い上がっていたせいか、友人多数に自慢してやろうと思ったのはいいが呼び出した友人を待っている間に目に入ったのが真っ赤な南天の実。
何を思ったか、暇つぶしにプチプチと実をもいでマフラーの穴へぽろぽろと入れた。
しばらくして、友人達が「免許取ったんだってー?」とスクーターを見にやってきた。
「えへへ、新車ー」と言いながら威勢良くアクセルを空ぶかししたら…
ぽぽーん すぽぽぽーん ぽぽぽぽーん
次々に飛び出してくる南天の実。
友人達は転げまわりながら爆笑し、
「すげぇ新車だな、ミサイル付いてんのかよ」と
南天ミサイルだけが強烈なインパクトを残してお披露目は終了した。
後日、その出来事を見ていないはずの友人や先輩や果ては教授にまで「南天ミサイル」の話が広まっていて、卒業するまでスクーターに乗るのが恥ずかしかった。
3
好きなクラシックは何?と聞かれたので、「トルストイの惑星です」と答えた。
だけど、相手には伝わっていないようなので、もう一回「トルストイの惑星です」と。
でも、伝わらなかったようで仕方なくそこで切り上げることになった。
後でよ~く考えてみると、”トルストイ”じゃない、”ホルスト”だ。
気づいたときにはめっちゃ恥ずかしくなった。
トルストイが曲作るわけないのに・・・
4
なんとなくピザーラのCMの「ナッポリピッザはモッチモッチ~」って歌を口ずさんでいた。
歌っているうちに真剣になって「ミ・ミ・ま・でおいしい!!(・∀・)オイシイ!!」
って自分でコーラス?までつけてたら母親が「何してんの?( ´,_ゝ`)プッ 」
私、見られていたんです。
とりあえず、振りつきで歌わなくて良かったと思って平静を保っています。
5
昨日青山のホンダビルのわきを通った。
車が展示してあるのを横目に眺めていたら、黒いふさふさのワンコが!
犬好きの私はいそいそと近寄ってみる…と
クルマ用のモップだった。
よしよし、おいでーとか言わないで、何気に近寄った
だけだったから、はたから見たら車をよく見たい人のように見えた
…と信じたい。
6
小学生の頃(まだAがキスで~Bが抱き合うで~Cってなんだ?とか言ってる頃)マンガ大好き少女だった私は、何を思ったか男と女がバスタイル巻いて肩を抱き合ってるイラストを書いた。
誰に見せるともなく一人でそれを見てムラムラしてたのだが、
ある日母がそれを発見して
「これ、なに?!」
と問い詰められた時は本当に死ぬかと思った。
とっさに「あ、あぁそれ友達が書いたんだ。あはは」
と取り繕ったけど絶対ばれてた…。
即日火をつけて処分しました。
7
十年くらい前、車用品店でアルバイトをしていた時の事。
車にとんと縁が無く、品物の知識もほとんど無かったため、誰でもある程度
無難にこなせるレジに回されていたのだが、社員が全員接客に回ってしまった
タイミングでお客様が来た。
「タイヤを替えたいんだけど」と言うお客様に「これで自分も品物を売って売上
に貢献するんだ!」と妙な使命感を抱いて超ハリキリボイスで「お任せ下さい!」
と安直に接客を開始。
一応うろ覚えながらタイヤサイズを確認、次はタイヤを選んでもらって…と、自分
だけはテキパキしてるつもりでカタログを取りだし…
「こちらの ミッチェリン などはいかがでしょうか!」とフロア中に響く大声で…
Michelin=ミシュランなのかよ。知らなかったよ。
フロアのあちこちで「ぶっ」と吹き出す声と口元を押さえて肩をふるわせる人々。
お客様はミッチェリンではなく横浜タイヤをお買い上げになりました。
8
初めて好きな子をドライブデートに誘えた
自宅まで迎えに行ったところ、その子の母親が玄関先に居たんで挨拶した
「もしかしてA子の彼氏?」とか聞かれたけどA子が「もう、母さんったらぁ」とか、そんな会話をしていざ出発しようと
お母さんに向かって「それじゃA子さんお借りします」と言うつもりだったんだが
「A子さんいただきます」と言ってしまった
お母さんに「どうぞどうぞ」と言われながら出発した
9
中学のとき、体育館にみんな集まって先生が前で喋ってるときに、恐い先生だったからみんな真面目に聞いてて静かだった。
そんなときにくしゃみでそうになって、我慢しようとしたら中途半端になって、へっ!!って声だけがでた。
もちろんみんな俺の方を向いてきたけど、知らないふりして下向いてた。
10
今日バイト初日だった。
意味もなく緊張した。キョドってた。
オバチャンに「化粧室はどこですか?」と聞かれて
トイレそのものが欲しいのかと勘違い。
「あの化粧室って便器とか便座とかそういうのですか?」と明後日の質問。
返ってきた答えが「違うんです。トイレに行きたいんです…。」
お客さんに無駄に恥ずかしい思いをさせてしまった。
ごめんなさいオバチャン。落ち着け自分。
あーもー穴があったら入りたい。っていうか自分で掘って埋まりたい。首まで。
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