人が死なない泣ける話 – 感動エピソード【5】全5話

人が死なない泣ける話 - 感動エピソード【5】 泣ける話

 

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人が死なない泣ける話 – 感動エピソード【5】

 

 

養護施設

私たちは、元々親がおらず養護施設で育ちました。
3つ上の兄は中学を出るとすぐに鳶の住み込みで見習いになって
その給料はすべて貯金してました。
そのお金で私は私立の高校、そしてさほど一流でもありませんが
大学へも行けました。
小さな会社ですが就職も決まり、兄への感謝を込めて
温泉へ連れて行きました。
ビールで上機嫌の兄に、「あんちゃんありがとう、
あんちゃんも遊びたかっただろう?」と言うと
「お前憶えてねえんか?『あんちゃん、俺、しあわせになりてえ』って
小6のとき言ったろ?それで決めたんだ、なーんも辛くなかったど
お前を『しあわせ』にしてやるのが俺の夢だったかんな」
自分ではそんなこと言ったなんて憶えてません。
思春期には、金髪で人相も悪く、クチャクチャと
音をたてて食事する兄を恥ずかしく思い、
そんな兄に学校へ行かせてもらうことへの
憤りすら感じてました。
その晩は23歳と26歳の兄弟が布団で抱き合って眠りました。
8年前のことですが、ネタじゃないんですよ
本当の話です。

 

半分こ

長女(当時4歳)が幼稚園の行事の参加記念品だかで箱に入ったクレヨンのセットをもらってきた。
ところが、こともあろうにその日の夕方、見事に全部折っちゃった。
当然うちの嫁は激怒、しかられて長女も大泣き。それで、
「お前、なんであんなことしたんだよ?」
と聞いてみたら、
「○○ちゃん(次女、当時2歳)と ヒック
クレヨン半分こするって ヒック
約束したんだもん ヒック」
思わず長女を抱きしめた。
翌日、どこから持ってきたのか透明な容器に半分に折られたクレヨンが
きちんと全色分しまってあるのを見て、ちょっと目の潤いが多くなってしまいました。

 

俺の養父に

今日よ
俺の養父におとんって言ってやったんだよwwwwww
そしたら養父がいきなり泣き出しやがったのwwwwww
そしたらどうよ?
俺もなんか突然泣き出しやがんのwwwwwwwwwww
真冬の縁側で男二人が会話もなく鼻水だらだら流しながら泣いてんのwwwwwwww

 

俺が大きくなったら

我家は母子家庭。
もちろん裕福ではないけど、つつましく暮らせば
生活に困るような事もないような家庭のつもりだったのですが。
ある日、元々指輪など装飾品にそれほど興味のなかった私が珍しく
超々安物の指輪を気に入って購入した夜。
私「ねえ、これかわいいでしょ~?」(本当に気に入ってたから)
小4の息子「買ったの?」
私「うん、どう?」
息子「高かった?」
私「まっさかーー、500円だったかな」
その後、何故か息子は下を向いて黙ってしまい
どうしたのかと思ってたら
「俺が大きくなったら、すっごい高い指輪買ってあげるから」
って涙ふきふき言われてしまいました。
買えないから買わないのももちろんあるけど、我慢するほど
そういうのが欲しい私ではなかったのに
息子は、きっと勘違いしちゃったんだろうなって。
でもそんな気持ちが嬉しくて、私も泣き笑いしちゃった。
これから先、何があってもこの子がいてくれたら
乗り越えていける、って改めて思わせてくれた夜でした。

 

本物の職人

前に花火職人の爺さんが、世界各地で花火を打ち上げた時のエピソードを書いていた本を読んだことがある。
多分何十年も昔の話だと思うけど。

ヨーロッパのある国(ドイツだったか…?)では花火の打ち上げが大盛況に終わってホテルに帰ったそうだ。
しかし、すすだらけで火薬の臭いもひどい東洋人の薄汚れた男が現れたもんで、
他の宿泊客がみんな顔をしかめてたんだけど、ホテルの人がこの人がさっきの花火を
打ち上げた人だと説明したら、見事に一変、あれは素晴らしかったと真っ黒だったにも
拘らず取り囲まれて握手責めにあったそうだ。

アメリカでは花火がよく見える橋でみんな車を止めてしまうので大渋滞。同じ日に、
野球の試合もあったそうだけど、選手も客も花火に目を奪われてしまって試合に
ならなくて、とうとう試合を中断、選手も観客も敵味方関係なく花火を見て歓声を
あげていたそうだ。

アフリカに行った時は、さぞかし大騒ぎするだろうと思っていたけど、予想に反して
会場のスタジアムは静まり返ったまま。筆者はガッカリしたそうだが、後に風の噂で、
始めて見たあんまり花火がすごすぎて観客がみんな腰が抜かすほど度肝を
抜かれていたのだということが判明。ほっとしたとか。

きっとそれから年月をかけて日本の花火は世界に知れ渡って、メジャーになっていったんだろうな。
ディズニーは日常を忘れさせる、ディズニーならではの幻想的な夜のイベントをと、
世界中に素材を探し回ったあげく、日本の花火に行き着いたそうな。今でも
城のバックに派手に花火が打ちあがってるもんなあ…

 

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