ほのぼの 和む話『柴犬と父親の複雑な関係 』など 短編10話【7】 – 心がほっこりする体験談まとめ

ほのぼの 和む話『柴犬と父親の複雑な関係 』など 短編10話【7】 - 心がほっこりする体験談まとめ 心が温まる話

 

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– ほのぼの - 和む話  短編10話【7】

 

 

離婚しようと思ったけど

朝、旦那とくだらないことで大喧嘩して、
もう離婚してやろうと思って実家に帰ろうと最低限の荷物まとめた後に、

「もう疲れました」

と書き置き(一度書いてみたかった)しようとしたら

「もう疲れますた」

と書いてしまいますた。

あまりの自分のアホらしさに怒りの熱も一瞬で冷めてしまい、
その日の晩御飯は旦那の好きな肉じゃがにしました。

 

 

部屋の中で寒気が襲ってきた瞬間

本当にあった話。

私は大学進学のため、鹿児島から京都へ住まいを移した。
マンションの駐車場横には墓地があったが、特に気にはしなかった。

1年後の夏。
学生生活にも慣れ、夏休みを利用して鹿児島に帰省することにした。
自分の部屋を出るときに違和感を感じたことを覚えている。
が、時間のこともあり、さっさと部屋を後にした。

ふたつきではあったが実家では幸せなひと時をすごせた。
が、そのあと訪れる恐怖を誰が予測できただろう。

夕方にマンションに着き、墓地がオレンジ色に染まっている。

部屋前につく。
鍵をあけ部屋へ入る。
その瞬間、身も凍える冷たい空気が私の周りを漂った。
雰囲気が違う。なんなんだ!
耳をすますと微かだが

ゴォォ

と音が聞こえる。
恐る恐る部屋の中に入ると、そこには・・・

つけっぱなしのクーラーが全力で頑張っていた。
本気で泣いた。

 

 

役場で勤めている人を落とす方法

うちの父は、役場の窓口に勤めてた母に一目ぼれ。
しょっちゅう役場に通い、意味もなく、母の窓口で住民票を取り続けたらしい。

3ヶ月目くらいで、ようやく声をかけ、
4ヶ月目くらいで、ようやくちょこっと世間話をする仲になり、
半年目くらいで、ようやく食事に誘い、
1年目でようやく告白したそうだ。

本棚から、100枚近い父の住民票入ったファイルがあるのを見つけて

「これ何?」

と聞いたら、母が教えてくれました。
父は真っ赤になって

「べっ、別に大事にとっといたわけじゃないぞ!こんなもん、捨ててやる!」

と騒いでましたが…
その夜、そのファイルをこっそりとタンスの中に隠す父の姿が。

 

夕方の公園

憧れてた人と初めてデートした日、夕方近くなって辺りが暗くなった頃に彼に

「ちょっと…」

と道路脇の公園に引っ張られて行った。
すごい真剣な表情で私の胸元を見ているので、
「ひょっとして!」と期待していたら、彼はいきなり私の胸に手を伸ばしてきた。

キスからじゃないの?胸?胸ってどうよ?順番違うんじゃ?と混乱した私は

「待って、順番違う!」

と慌てて叫んでしまった。

次の瞬間、私の胸元からすごい大きな音で

「ジジャジャジャ!ジャジャ!」

とセミが飛んでいった。
Tシャツにずっととまってたらしかった。
びっくりして少しちびった。

「リアルなブローチだと思ってたけど、動いた気がしたから取ろうと思って」

と言う彼の言葉はほとんど耳に入らなかった。
落ち込みながら駅までの道を一緒に歩いていたら、後頭部に衝撃が走った。
悲鳴を上げて後ろを見ても何もいなくてびびってたら、彼が足元に落ちている
青光りするカナブンを拾い上げた。

「虫に好かれてるんだねー」

と言われ、さらに恥ずかしかった。

 

 

留守番電話サービスセンター

戦前生まれの父。
一人暮らしの私にたまに電話をくれる。

久しぶりに留守番電話サービスセンターに接続したら3件メッセージがあった。
全部父から。

1件目

「えー…お父さんですよ(*´∀`)ドキドキ」

特に話すこともなかったのか名乗ったきりしばらく沈黙。

「ええと…これでよし。母さん、終わった。これどうするんだ?」

「シャープを押すのよ!」←遠くから小さく母の声

「しゃぁぷ?どれ?これ?(ピッ)これ?(ポッ)これ?(パッ)」

手当り次第にいろいろと乱打

「(ピポ)母さんっ!(パポ)しゃぁぷって!?数字で言って!わかん……」

ピィイイィイーーー!!!
メ ッ セ ー ジ は 以 上 で す 。

思わず保存しといた。

2件目。
やっぱり

「ゴッホン(咳払い)えーお父さんです(*´∀`)」

名乗っただけで他には何もなし。しばらく噛み締めるように沈黙。

「母さーん!しゃぁぷ だよなー?」

「そうよー」←遠くから小さく母の声

「え、と。たてたてよこよこ…これだ!しゃぁぷ、と!よし!」

メッセージは以上です。

たてたてよこよこ て #←これか。
同じく保存。

最後の3件目はまともにメッセージが入っていた。

「えー、お父さんです(*´∀`)しゃぁぷ!どうでした?入ってたかな?」

と言ってやっぱり暫し沈黙した後、今度は母に声をかけず自力で

「たてたてよこよこ…しゃぁあぷ!!」(←必殺技を繰り出すような感じで)

三部作が完結。
これも保存しといた。

 

 

困ったときは読んでね

以前、実家に帰ったら居間にPCがドンと置かれており、
父が

「これからゆっくり勉強するんだ」

と嬉しそうに話していた。
そこで俺は、

「困った時は読んでね」

という名前のテキストファイルに
エロ画像を背景に設定した時の対処法を書いて、デスクトップに置いておいたんだ。

……一週間後、俺のアパートへ

「助かった」

の手紙とカステラが送られて来ましたとさ。

めでたしめでたし。

 

 

押してだめなら・・・

昔小学生の弟にことわざ教えてて「押してだめなら」のあとが続かない弟を見かねておかんが言い放った。

「押してだめならぶっとばせでしょう!何でわからないの!」

おかげで私達兄弟はたくましく育ちました。

 

リラックス

中2の頃の話。

部活で演劇部に入ってたことがあったのだが、
3月ごろの大会に向けて一生懸命練習していた時のこと、
その大会の直前になってくるとみんなピリピリしだして
ほんとにもう一瞬即発って感じの空気が漂っていた。
そんなある日、俺は先輩からダメ出しを何回も受けていた。
そのせいで自分の心の中が緊張しすぎて、

「何が言いたいんですか」

と言うセリフを間違ってこう言ってしまった。

「何がいいたいんでしゅか」

その瞬間、部室の緊張の糸が一気に緩んだ。
自分の顔が真っ赤になっていくのと、周りの笑い声のみがただ聞こえていた。

しかしその発言のおかげでみんなリラックスしたらしく、本番の公演では大成功を収めた。

 

 

萌えな父

父と2人でバラエティ番組を見ていたとき、東南アジア系の美女が踊っているシーンがあった。

2人してこの外人さんは綺麗だねぇ美人だねぇと褒め称えた後、父がほとんど聞こえないかのような声でぽそっと

「でもわしにとっては母さんのほうが美人だけどな」

と言った。
聞こえてないつもりで言ったらしい。

こっちが(゚Д゚)な顔で父のほうを見つめていると聞かれたことに気付いたらしく
(ノ∀`)と照れながらになってそそくさと逃げてしまった。

こんな父はそろそろ還暦です。

 

 

柴犬と父親の複雑な関係

柴犬を飼っていて家族でその話題になると

「でもあいつ馬鹿だ、言うこときかん」

「可愛い可愛いっていうけど所詮犬!」

などと突っ張っているのだが
時折ふっと

「あいつ(柴)が死んだら俺は泣くかもしれん…」

と言いなんだかんだいって柴と一番遊んでいる
だが、ちょっかいをかけまくるので柴はあまり父になつかない。

ちょっかいというのは、柴がお座りしてる横でシャドウボクシングしたり
とんぼが目を回すんだからお前も回るだろとか言って目の前で指をぐるぐるさせたり
あとケツを持ち上げようとしたり前足持って二足歩行!とかやったりしている。
柴はその間「なんなんすかもう…ほっといてくださいよ」って感じの哀愁を漂わせている
自分が柴のところへ行くと柴がごろんとして「撫でて撫でて」と来るので
父は

「なぜ俺にはしない(´・ω・`)」

としょんぼりしたあと

「全くこいつは!可愛くない奴だ!ちっともなつかん!」

と家の中へ入る。
でもまたそのすぐ後で

「あいつ(柴)がお座りしたから犬用おやつあげちゃった…(´∀`)」

などといっている。
柴と父親の複雑な関係。

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