– しみじみ - グッとくる話 短編10話【9】
毎日夫といると楽しい
結婚10年目の結婚記念日だった
夫とは結婚した頃よりも仲が良くて
毎日夫といると楽しいなあと思えることがありがたい
アイスをうらやましがる子供
アイスを買ってきた。安かったからな。これが主食になるんだよ。どれを買うか選んでいる横でお子さんがポカーンとした目で見ておられた。
ああ、そりゃそうだろうな。なんせ今しがたまで親御さんから「2つまでよ!」ときつく言われて必死の思いでちぇリオかもなかで悩みに悩んでいるんだ。
そこで俺がカゴにドサドサと入れていけば一声かけたくもなるだろうな。
「( ゚ Д゚)いいなぁ・・・」
「(‘∀`)そうかい、でも自分はこれが主食なんだ。」
いやな、ほら、子供の今の季節ってアイスがご飯代わりでもいいじゃん。っていう夢があるだろ。
それを実現しようとする男が今目の前にいるとしたら、そりゃ目を輝かせるよな。
「(゜∀゜)すっげぇ、いいな!いいな!僕もアイスがご飯ならいいのに・・マーマー!!!!アイスがご飯の人はいたでしょーーーー!」
「`,、(‘∀`) ‘`,、まぁ待て、そりゃちょいと違うな。正確にはアイスしか喉を通らないんだよ。」
「(゜∀゜)何かわかんないけどいいなー。僕もそんな体欲しー。」
相変わらず目を輝かしている子供。そしてその子の奥さんらしい(´・ω・`)とした表情の女性。頬骨が浮き出した俺。
何も知らない子供に羨ましがられるのは結構だ。でもな、意味を察した大人からの視線は結構きついものがある、と学習した。
そういや気づいたんだが、結構今の食生活は子供の夢なんだろうな。
主食がプリンかヨーグルト、もしくは菓子パン、アイスなど。その代わり主食ベストⅢに入るカレーやハンバーグは食えないぞw
(‘∀`)まぁ、その後栄養ドリンク50本セットを2箱買っているところをバッチ死見られたがな。
そして子供は「あのおにいちゃんだよ!」と大声をあげるな。奥さんと目が合っただろうが。奥さんも(´・ω・`)の表情がより悲しそうな目つきじゃねぇか。
_| ̄|○えーい、何とかしてまともな食事が喉を通るように頑張ってやるぞ。
今は亡き我が家の愛犬
読んでて涙出て来た
今は亡き我が家の愛犬を思い出した
俺が散歩つれてくとき
俺「散歩行くぞ~」
犬「ひゃぁぁぁっはぁぁぁぁ!!」
俺「落ち着け!紐がつけれねえ!」
鎖→紐付け替え5分
犬「ふうははははははは俺HAEEEEEE!」
俺「引っ張りすぎだぁぁぁ!」
じーちゃんがつれてくとき
爺「行くぞ~」
犬「御意!」
鎖→紐付け替え5秒
爺「んじゃ行くか」
犬「ゆっくり行きましょう、主殿」
こんな奴だったが大好きだったよ
100円
会社の休憩室の自販機前のテーブルに
「自販機に100円残ってました、心当たりのある方もっていってください」ってメモと100円置いてあった
そして終業時まで100円は残ってた。
多分募金箱にいく。
私の振袖を気にしていた母
私が19歳のとき、母が末期ガンと診断されました
もう長くはないと
入院中、もうすぐ成人式だった私に
「振袖そろそろ見に行かないと」
「お母さん一緒に行けなくてごめんね」
「△△さん(母の親友)と一緒に見に行っておいで?」
など、すごく振袖を気にしていました
私は正直こんな状況なので成人式なんてどうでもよく、行く気もありませんでした
そしてどんどん病状が悪化していくある日、病院から帰ろうとする私に母は
「○○を産んで幸せだったよ。○○、幸せになってね」
と言った。涙が止まらなかった。
それからしばらくして、親戚が「これを着て病院に行きなさい」と振袖を借りてきてくれました。
美容院で着付け、ヘアセット、メイクをしてもらって病院に行った。
その頃の母は、もうほとんどしゃべれなくて意識も朦朧としていました。
振袖を着た私を見て何度も「可愛い」って言ってくれました
病室の中で撮った家族写真を見たら、母は私の方ばかり見ていました
その夜、なんとなく嫌な予感がした
もう会えない気がした
次の日の朝、家族の見守る中お母さんは逝きました
お母さん会いたいです
いっぱいありがとうって言いたい
まだまだいっしょにいたかった
足を踏んでしまった
数年前、田舎者の私が上京したてだったころの話。
電車の中で若い金髪ニーチャンの足を踏んづけてしまった。
すぐに謝ったけど、向こうは激昂して許してくれなかった。
何か漫画によくあるような展開で、
(それで謝ってるつもりか!誠意見せろや!!みたいな感じだったと思う。
他にも数人金髪仲間がいて、ニヤニヤしながら眺めてた)
気の弱い私はもう土下座寸前までいったと思う。
誰か助けてー((((゜д゜;))))とgkbrしていると、向こうから般若の形相で歩いてくる女性がいる。
助けてくれるのか!?と思ったら、彼女は金髪をドンと押しのけ私に向かって一言、
「この 泥 棒 猫 !!」
金髪達と私、ポカーン。
その後金髪が口を挟む間もなく、
「あんたこの前私の彼氏とラブホから出てきてた女よね!!?」
「しらばっくれてんじゃないわよ!!」
と、罵詈雑言。すごい声大きい。
あのすいません、私今彼氏いません…
と口を挟む余裕もなく、マシンガンのような非難。
間違いなく金髪より怖い。正直涙目。
金髪達はもうニヤニヤ顔じゃなくて「女こえぇ」と言う目で見ていた。
多分他の乗客も怖くて注意できない状況だった。
そうしている間に駅が近づいてきた。
すると突然彼女の態度が一変。
「あああああああああごめんなさい、良く見たら全然違う人でした!!
見間違えました!!本当に申し訳ありません!!」
と平身低頭。土下座されるかと思った。もう何が起こっているのかわからない。
ドアが開き、「お詫びにお茶でも!!!」と彼女に車外へ連れ出される私。
ホームに下りて電車のドアが閉まった瞬間、本当に土下座された。
慌てて起こすと、顔真っ赤にしてて震えてた。
話を聞いてみると、女性が絡まれてる、助けなきゃ!
→でもまともな注意なんて怖くて出来ない
という経緯を経て、あの行動に出たらしい。
勿論お互い赤の他人。
その後本当にお詫びに喫茶店に行ってお互いの連絡先を交換し合った。
一人で都会に来て心細かった私にとって最高に嬉しかった出来事。
今も親友です。
また仕事でミスした
仕事ででっかいミスをやった。
半年前にやったようなことをまたやった。
入社二年目、「向いてない」という言葉がふと頭を過ぎった。
帰り際、上司に「この仕事、適性というか、向き不向きってやはりあるんでしょうかねえ」とぽそりと言ってみた。
延々30分と返事をくれた。
「いつかピンとくる、コツを掴む日がくる。それがまだなのに適性がどうのこうの語るなど十年早い」と諭された。
普段鬼のような上司に、「分かる日が、できるようになる日がくる」と言われた。
いい年こいて、泣いてしまった。
明日も頑張る。
誰も忘れないで欲しい
私の恋人は3年前事故で死んだ。
彼は仕事で大阪に行っていた。大阪に行く前、私に1通のメールを・・・。
「2週間くらい出張で大阪に行くね。1人にしてごめん。でもお土産たくさん買ってくるからね。
その間、俺がいないからって浮気するなよー。」
それが最後のメールだった。
そのメールはいまだ私の受信ボックスにある。
彼の事を誰も知らない日が来ないように私は頑張ってその日まで生きる。
彼がこの世にいた事を。
彼が生きてた事を。
誰も忘れないでほしぃ。
だから私は彼がいないこの世界で胸を張っていきる。
彼が死んでもうすぐ4年になる。
この世の中もずいぶん変わったなぁ。
まるで、彼がこの世の中に最初からいなかったかのように・・・・。
我が家の楽しみ
母子家庭だった我が家はとても貧乏だった。
お金のかかるレジャーなんぞ勿論行けなかった。
そんな我が家の楽しみは、夏に行われる花火大会鑑賞。
母の手作り弁当を食べながら綺麗な花火を見てる時は至福の時間だった。
でも中学生になってからは、友達と行く事を選び、母とは全く行かなくなってしまい、母と外出する事が全くなくなってしまった。
そんな自分も無事に高校を卒業し、就職も決まり、少しは生活も楽になるなって明るい未来を想像してた。
初任給で何をプレゼントするか迷ったけど、浴衣と財布を買った。
その心は、一緒に花火を見に行きたかったのと、母にお小遣いをあげて自分のためのお金を持って欲しかったから。
だけど、今年の5月、心臓の血管にヒビが入り入院してしまった。
入院中は「花火大会が始まるまでには退院するからね」って言ってたのに。
入院して10日程たった頃、血管が破裂し、あっけなく逝ってしまった。
看護婦から「花火大会に行くのを本当に楽しみにされてたんですよ」って言われた。
そして、「いつも財布を握って眠ってたんですよ」って言われた。財布の中身を見ると、汚い薄汚れた「肩たたき券」「お掃除券」「お買い物券」が入っていた。
俺はそれを見た途端、涙腺が壊れたって位泣いた。誰の肩を叩けばいいんですか?誰のために掃除すればいいんですか?誰の代わりに買い物行けばいいんですか…
鍵っ子で、全くと言っていいほどおもちゃもなくて「寂しい思いをさせてゴメンね」って母からよく言われたけど、寂しいなんて一度も思いませんでした。
だけど、母ちゃんがいない今はとても寂しいです。女手ひとつで育ててくれてさぞかし大変だったでしょう。
一度もありがとうの言葉を言えなかったのが心残りです。
4月から一人暮らし
ちょっとした事で母とケンカした。
3月に高校を卒業し、晴れて4月から専門学生となる私は、
一人暮らしになる不安からかここ最近ずっとピリピリしていた。
「そんなんで本当に一人暮らしなんて出来るの?あんたいっつも寝てばっかで‥ゴミ出す曜日は確認した?朝は起きられるの?火事だけには気をつけてよね?」
事あるごとに聞かされる母の言葉にうんざりして、
ついに今日
「あぁー!もぉーうるさいなあ!!自分で決めたことなんだから大丈夫だって!!わざわざ不安を煽るような事は言わないでよ!!すこしは私の気持ちも考えて!最初っから上手くいくわけないでしょお!?自分の娘ならちょっとくらい応援してくれたっていいじゃん!!!」
と自分でもビックリするぐらい大声で母に怒鳴ってしまった。
はっとして
「やばい!怒られる」と思ったが母は何も言わず、悲しいような怒っているようなどこか複雑な顔をしてそのまま車に乗って行ってしまった。
いつもと違う母の様子に少し戸惑ったが、特に止めもせず、イライラしながらもテレビや携帯を見て一人で適当に時間を潰した。
まさか事故にでもあったのか‥?冗談じゃない。それだったら病院から電話があるはず‥
なんて考えていたら外で母の車のエンジンの音が聞こえた。
「ただいまー。」
いつも通りの母の声にほっとした反面、なんでこんな帰りが遅いのか問いただそうとした瞬間、
目の前にやたらと大きな薬局の袋が置かれた。
「何これ?」と母に聞くと、
重たそうなその袋を見ながら
「あんたの薬。一人暮らしするとき薬がなかったら大変でしょう。とりあえず一通りあったもの買ってきたから。あんたはすぐ体調崩すからねぇ。」
頭痛薬、咳止め、湿布や包帯、口内炎の薬、のど飴など袋の中にはありとあらゆる種類の薬が入っていた。
「こんなにたくさん‥」驚いてもうそれしか言えなかった。こんな時間まで私のために母は‥
「一人暮らしかぁー。見送ってやらなきゃいけないのにねぇ。お母さん心配でね、すごく寂しいのよ。
風邪引いた時とか本当はお母さんがそばにいてあげたいんだけどねぇ。」
もうそれ聞いて涙が溢れて溢れて、自分の不甲斐なさと母への申し訳なさで顔あげられなかった。薬だって決して安いもんじゃないのに。
自分の娘を応援しない母親なんて居るはずないのに、なんで気づいてあげられなかったんだろう。もっと応援しろだなんて‥
一番私のことを思ってくれて支えてくれたのは他でもなくお母さんなんだよね。
分からず屋でゴメン。いつもいつもいつもいつもありがとう。
その後、遅めの晩御飯を母と一緒に食べました。
残り少ない母の味をもっと大切にして行こうと思います。
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