『毎日泣きながら帰ってくる君』など短編5話【29】 – 感動する話・泣ける話まとめ

『毎日泣きながら帰ってくる君』など短編5話【29】 - 感動する話・泣ける話まとめ 感動

 

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感動する話・泣ける話まとめ 短編5話【29】

 

 

お前は血のつながりがない

結婚したい子が出来た、とオヤジに言ったら数日後「大事な話がある」と言われ家族会議になった。
今までにない、真剣な顔で

父「実は、俺と…俺と、お前は血のつながりがないんだ」
俺「…うん、知っ…」
父「でもな! でも! 父さんは、いつだってお前を本当のムスコと思ってきた!」
俺「いや、うん。だから、知っ…」
父「お前は、俺のムスコだぁぁぁぁ!」
父、涙目。
母、号泣。
俺、呆然。

父「うん、わかるよ、いきなりこんな事言われたら… 混乱するよな… 黙ってて悪かった。うん。父さんが悪かっ…」
俺「知ってるよね?俺」
父「うん、そうだよな……… あ?」
俺「いや、だから俺。それ知ってるよ」
父「え?」
俺「え?」
嘘みたいだけど、本当の会話。リアルで 「え?」を言い合うとは思ってもみなかったw
オヤジは、母親と結婚する前うちの隣に住んでた。
3才くらいの時、母親に

「たーちゃん(オヤジ)が、パパになったらあっくん(俺)はどう?」
と聞かれたのを覚えてる。
俺は、確か「すごく嬉しい」みたいな事を言ったはず。
それを母親に言ったら、
「だって… あっくん小さかったし。絶対覚えてないと思って…」
と泣かれた。
オヤジは、そっか。知ってたか。
知ってて一緒にいてくれたのか。と泣いた。

危うく俺も泣きそうになったw

 

 

毎日泣きながら帰ってくる君

結婚式の終盤、サプライズで新婦へお父さんからのお手紙が披露!
その手紙には、こんなエピソードが。
「小学生の頃、いじめに合っていて毎日泣きながら帰ってくる君。学校に行きたくないと、駄々をこねられ、厳しく叱ってしまったこともありました。
けれど、君の寝顔を眺めながらこの子だけは、何があっても守り抜かなくては。どんなことがあっても、この子の味方でいようと、頬を撫でて語りかけていました。」
と語った瞬間、ご新婦は顔を覆って涙されました。
その後の新婦からの手紙に、こんなエピソードがありました。
「私がいじめに合っていた頃、学校に行きたくないと言うと、お父さんに厳しく怒られたこともありました。
でも、泣きながらお布団に入ってしばらく経つと、お父さんはそっとやってきて、私のほっぺたを何度も撫でてくれましたね。とても安心して私は、明日も頑張ろうと思えました。
お父さんは、私が寝ていると思っていたと思うけど…本当は毎晩、起きていたんですよ。」

 

お嫁に出してくれてありがとう

先日、友達の女の子の結婚式に招待された時の話。
本人から聞いたのか、共通の友人から聞いたのかあやふやだけど、その子は物心つく前にお母さんが亡くなっていて、父親に育てられたみたいな話は耳にした事があった。
式後に聞いた話だけど、何かの映画か小説かであった、余命を知った母親がまだ小さい子供のためにビデオメッセージを残すみたいな事を、その子の母親もやってたそうだ。

と言っても何百本もって訳じゃなく、絵本を読み聞かせるビデオや、小学校卒業ぐらいまでの毎年の誕生日メッセージぐらいだったらしい。
その中にひとつ、「娘が結婚したら一緒に見て」と父親が渡されていたビデオがあったそうだ。
思い出して辛いのか、友人の父親はあまりビデオを見たがらず、祝福してくれる皆とならって事で、結婚式でそのビデオが流れる事になった。
2人もそのビデオを見るのは初めてだったそうだ。
そんな説明を少し司会者がしてたものの、旧友との話に花が咲き、お酒も入って軽く聞き流してた所でビデオが流れ始めた。
自分と変わらないぐらいの年の綺麗な女性が映り、「○○ちゃんおめでとー!」ってクラッカーをパーン!と鳴らす。

「○○ちゃんは何歳で結婚したんだろう?きっとママに似た素敵な女性になってるんだろうねー。」と、アットホームなホームビデオって感じで、ほのぼのVTRが流れる。
時折冗談を交えて、しんみりする雰囲気じゃなく、新婦も招待された人達も笑顔で見てた。
5分くらいメッセージが続き、ビデオの中の女性は言葉を探すようになり、そろそろ終わりかなと思った頃、「後・・・」と少し間が空いて、
「最後に、○○君(新婦の父親)、○○ちゃんを立派にお嫁に出してくれてありがとう。」
娘に宛てたメッセージとはまた違う、凄い優しい笑顔になって、メッセージは続く。
「○○君の事を愛してます。」
「きっと、お腹が出ちゃってる○○君を、もしかすると頭が寂しくなってるかもしれない○○君を、今でも愛してます。」
「いつかおじいちゃんになる○○君も、ずっと愛してます。」
少し俯いた後、照れくさそうな顔をして画面に手を伸ばす女性が映り、ビデオは終わった。
ほのぼの雰囲気だったのが一変、式場は静まり返って、みんなプルプルし始める。
そんな中、堪えきれなくなったんだろう、突然新婦の父がテーブルに突っ伏し、口を手で塞いで嗚咽を漏らしだす。
新婦も涙で顔をくしゃくしゃにして駆け寄り、突っ伏した父親を抱きしめて大号泣。
つられてほとんど全員と言っていいぐらいの女性客が泣き始め、男性客も涙こらえるのに必死。
妙な雰囲気に子供が大声で泣き出し、まるで葬式のクライマックスみたいなカオスな状況にw
そんな状況をまずいと思ったのか、司会者が「本当に素敵なメッセージでしたー。引き続きお食事をお楽しみくださーい。」と〆にかかる。
暫くお通夜状態だったものの、徐々に平穏を取り戻し、ようやく元の結婚式らしい雰囲気に戻った所で新婦父の挨拶に。

新婦の父は明るいガテン系って感じで、あまり人前で泣くようなキャラじゃないんだろう、失態を見せてしまったと思ったのか、妙にテンション高いスピーチを始める。
最後は「私も○○(新婦母)を愛してまーす!」と新日の棚橋パフォーマンス(知らない人ごめんなさい)で若干会場を引かせたものの、照れ隠しに無理してテンション高く振る舞ってるのを皆分かってて、何とも言えない良い雰囲気で式は終わった。
ずっと鳴り止まない拍手と、新婦より幸せそうな新婦父が印象的だった。
色々あってちょっと疲れたけど、この結婚式は一生忘れないと思う。

 

 

ママが帰ってくる日曜日

私が4歳の時、父と母は離婚した。
祖父母と同居していたため父が私を引き取った。
母は出て行く日に私を実家に連れて行った。
家具や荷物がいっぱい置いてあって叔母の結婚の時と同じだったので
「わぁ、嫁入り道具みたいだねー」
と嬉しそうに言ったのを覚えている。
家に戻ると母はドアの所で
「おばあちゃんちに又行かなきゃいけないの」
そう言った。
「いつ帰ってくるの?」
と聞くと困った顔をして少し黙り
「日曜日かな?」
と答えた。
疑いもせずに私は笑顔で手を振って送り出した。
日曜日がいつかも知らなかった。
それから私は祖母に日曜日がいつかを聞いては、玄関で待つ日々が続いた。
何回か繰り返したある日、母以外の家族全員が揃う夕食の時間に私は聞いてみた。
「あのね、ママが帰ってくる日曜日っていつだか知ってる?」
食卓が凍り付いた。それまでの笑顔が全く消えてみなが押し黙って目を伏せた。
「私、うっかり聞くのを忘れちゃったのよー」
と笑いかけたが、誰1人笑ってはくれなかった。

それ以来、私はママの話しは絶対にしないようにして・・もう30年が経つ。
結婚式にも呼ぼうとはしなかった。
今では1歳の娘と5歳の息子がいる。
先日、5歳の息子が
「ねぇ、妹と僕を産んだのはお母さんだよね?」
と聞いてきた。
「パパを産んだのはばぁばだよね? ママを産んだのは誰?」
「おばあちゃんよ、でもどこにいるかわかんないから会えないのよ」
「僕会いたいなぁ」
「どうして?」
そこまでは平気な受け答えだった
「ママを産んでくれてありがとうって言わなきゃ!」

(うん、会いたいねぇ)と言うはずだったのに涙が止らなくなってしまった。
ずっとずっと封印してきた言葉。
育てられないなら産まなきゃいいのにって思ったこともあった。
ありがとう息子。私はやっと素直になれそうだ。

 

 

年金をコツコツ貯めてた

俺ん家は俺と母親、それとおはあちゃんの三人で暮らしてる。
親父は離婚していない。
パチンコとかやって借金をつくる駄目な親父だった。
母子家庭ってやっぱ経済的に苦しくて、母さんは毎日働いてる。
おばあちゃんは汚い服ばっかり着てる。
俺は行きたい大学があるけど、金がかかるからそこだけ受けて駄目だったら就職しようと思ってた。
それで、俺大学落ちちゃったんだ。
「すぐに就職先を見つけなきゃいけないな」
って考えてたら、俺の部屋におばあちゃんがやってきた。

「〇〇、大学落ちちゃったんだってね」
と、おばあちゃん。
「うん、でもいいよ。俺、就職するからさ」
ってちょっぴり強がって俺は笑ってみせた。
そしたらおばあちゃん、いつから使ってるか分かんないような汚い手提げ袋から、札束を出してきたんだ。
「え…何このお金…」
って俺が絶句してたら、
「〇〇、行きたい大学があるんじゃろ?だったら行きんさい。お金のことなら心配せんでええ。まずこれで予備校行きんさい。年寄りは金持ちやで。それに、ちょうどばあちゃんな、何かに使おうて思ってたんじゃ」
と、そう言ってシワシワの手で札束を俺に握らせた、最後、俺の部屋から出るとき「頑張りんさい」って言って出てった。
それから俺、母さんにおばあちゃんのこと聞いたら、
「おばあちゃんね、あんたが産まれてからずっと年金コツコツ貯めてたみたいだよ。私も知らんかった」って。
マジ泣いたよ。
なんで金あんのに汚い服ばっか着てる意味とか、さっき俺の部屋で喋ったこととか思い出して、本当に泣いた。
もう、本当に頑張るから。
今は肩を揉むことぐらいしかできんけど、絶対に大学に合格するから。
勉強がんばります

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