『母が作った高野豆腐』など短編5話【50】 – 感動する話・泣ける話まとめ

『母が作った高野豆腐』など短編5話【50】 - 感動する話・泣ける話まとめ 感動

 

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感動する話・泣ける話まとめ 短編5話【50】

 

 

自分が生まれてきたことへの恨み

私は右手に障害があります。

兄弟が二人いますが、彼らは生まれたときから幼児期の写真がたくさんあるのに私の写真はありませんでした。
両親に理由を聞くと、「カメラが壊れていて撮れなかったの。」と言っていました。

物心ついたときから私は自分の障害について認識をはじめ、他人への劣等感、最終的には自分が生まれてきたことへの恨み、そして両親への恨みへとつながっていきました。

小学校の頃は両親に
「右手は20歳くらいまでには治るかな??」
などと聞いていたりしたのですが、上のようなこともあり、
「何で俺は右手が使えないの?何で俺を生んだの?」
と不躾な、両親からしてみると非常にやりきれない文句をいっていたことを覚えています。

今、私は大学の卒業を控え、両親の私を育ててきた苦悩を多少なりとも知ることができます。

障害をもって生まれてきた私に衝撃を受けて生後しばらく自暴自棄になってしまった母親とそれを立ち直らせるために母親を殴った父親の悲しみ、写真が少ないのもしばらく私に愛情を注ぐことができなかったから、そのような背景があるからなんです。

でも、私の記憶にある両親は私にたくさんの愛情を注いでくれました。
幼い頃、寝るときいつも父に右手を握ってもらって寝てたことは忘れません。
「おまえの手が早く治るように。」この父の願いは叶わない事は今ではわかります。
一生付き合っていかなければならない障害ですが、私がこの世に生を受けてきたこと、両親が頑張って育ててきてくれたこと、絶対恩返しします。

来春から就職。
本当に頑張って働いて絶対に親孝行します。
パパ、おかあちゃん、長生きしてください。

 

 

1万人に1人

母は元々体が弱く月1回定期検診を受けていた。
そこで私が出来たことも発覚したらしい。

母の体が弱いせいか私は本来赤ちゃんがいなくてはいけないところにいなくて危ない状態だったらしい。
当時の医療では1万人に1人しか助からないと言われ母子共に命の危険があり、もし生まれたとしても障害が残るかもしれないと言われた。
でも父が一生懸命お医者さんに頼み母も3ヶ月前から入院して体が弱いのに頑張って私を産んでくれた。
だから私は無事に生まれることが出来た。

当時幼稚園だった姉も寂しいのを我慢して祖母の家で私が生まれるのを楽しみにしてくれた。
私は3人から溢れでそうなくらい愛情を貰って生まれることができた。

今は凄く幸せだ!
お父さん、お母さん、お姉ちゃん…ありがとう
神様…
ありがとう私は皆から貰ったこの命を大切にします。

 

母が作った高野豆腐

当時、仕事を辞めたばかりで一人でフラフラしてた頃。
両親が遊びに来て、色々買ってくれた上に家で作ってきた高野豆腐を、冷蔵庫に置いて行ってくれた。

その次の日、母は入院。
あっという間に亡くなった。
葬儀を終え自宅に戻ると、冷蔵庫にはまだ母が作った高野豆腐があった。
大泣きしながら食った。

あれ以来、高野豆腐は食べられない。

 

 

母のおにぎり

おととしの、秋の話しです。
私が小学校5年の時に家をでて、居場所のわからなかった母に、祖母の葬式の時、23年振りで、顔をあわせました。
その時、母の家に遊びに行く約束をしました。

その日は、私が料理を作りました。
ハンバーグと肉じゃがと、簡単なサラダです。
2人で食事をして、お酒を飲んで、はじめはあたりさわりのない話しをしてましたが、だんだん、「何故いなくなったのか?」という話しになりました。
母はたんたんと話します。
私も、母がつらくならないように、途中、冗談を入れながら、聞きました。

帰る時、「今日はおかあちゃん、なんもできひんかってごめんな。」と、
言ったので、私は「ほな、残ったごはんで、おにぎり作って」と言いました。
母は、「そんなんで、ええんか」と笑いながら作ってくれました。

帰り、駅からタクシーに乗りました。
今日のことを思い出しているうちに、不覚にも涙がててきました。
運転手さんがびっくりして、「気分悪いんか?」と聞かはりました。

私は、「いえ、なんか、嬉しくって、泣けてきちゃったんです」と、
泣き笑いしながら、運転手さんに、今日の事を短く話しました。
すると、運転手さんも一緒に泣き出してしまいました。
「よかったな、よかったな」と鼻水まですすってました。

家に持って帰ってきたおにぎりは、冷凍庫にいれて、元気のない日に、1コづつ、大事に大事に、食べました。

 

 

お母さんの「おはよう」

俺ニートだからいつも昼過ぎまで寝てるんだけど、たまに朝早く目が覚めることがあってさ
ぼーっとしてたら母さんが部屋に入ってきて「おはよう」って言ってたのね

「おはよう」って返事したら、俺が起きてる事に気付いてなかったみたいで母さん驚いてた

そんな事が何回かあって、母さんは俺が寝てるのを知ってて、毎朝返事のない「おはよう」を言ってくれてる事に気付いた
たいした事じゃないんだけど、なんか凄い嬉しかった

真面目に生きようと思った

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