感動する話・泣ける話まとめ 短編5話【83】
自分の事は後回し
最近の話
俺 「近頃母親が『彼女作れ』だの『結婚しろ』だの『お見合いするか』だのウザイわ。」
友人「それはまぁ、母親なりに心配してるんじゃないか?」
俺 「心配しすぎだしwww第一相手いねーわwwwあーあ、どっかにいねーのかな。」
その後、友人と好みの女性について話し合うが割愛。
しばらくたち、友人が呟いた。
友人「なあ。もし、お前が一人じゃ便所もいけなくて、食事も出来なくて、寝たきりで、放ってといたら死ぬような身体でさ」
俺 「なにそれwww俺重症過ぎwww」
友人「真面目に聞けよ。…まぁそんな死にかけの身体だったとする。
そんなお前に一目惚れした女がいた。その女は、お前の世話と言う世話を、自分の事を後回しにしてするんだ。
食事も、トイレも、何もかも。お前から何の見返りが無くても、来る日も来る日もずっとさ。
その甲斐あって、お前は20年くらいで回復するんだ。
そしたら、その女は、お前にもっと若くて良い女を連れて来て、『幸せになれ』といってお前から離れる。
もし、こんな女がいたらどう思う?」
俺 「何そのお人好しにも程がある女。そんな聖女みたいなの、いるわけねぇwww」
友人「いや、いるじゃん。」
俺 「ハァ?何処にだよ?」
友人は、少し溜めて、こう話す。
友人「お前の母親だよ。」
友人のこの喩えの意味が、しばらく経って分かった時、俺は泣いた。
私は母の連れ子
小学校3年生の冬休み
正月に叔父(父の弟)が遊びに来た
父と叔父は朝から酒を飲んで語り合っていた
どちらも酔うと声が大きくなる
母と弟は買い出しに
私は手伝いでお汁粉に入れる白玉を量産
リビングとキッチンが繋がってる間取りで酔っぱらいの会話が筒抜け
うるさいと思いながら作業してたら父が泣きながら口走り始めた
「○○(私)は俺の娘じゃないけど俺の娘だ!」
「俺みたいな良い男と結婚する時に話す!」
とか
叔父は適当に相槌を打ってた
どうも私は母の連れ子で私が1歳くらいの時に結婚したらしい
あの酔っぱらい親父…と思いつつ、まあ、良いかと深く考えずに白玉作成
そのうち、叔父が私がキッチンにいることに気づいたw
灰皿に水を入れに来たフリをして分かりやすく私の様子を伺う
「何してるの?」
「白玉!」
楽しそうに白玉を丸める私を見て白玉に夢中で聞いていないと判断したようだ
安心して酔っぱらいの所へ戻ったw
時は流れて中学
血が繋がってないのを意識する訳でも無く、普通に過ごしてた
ある授業で血液型云々の話
母と父からじゃ生まれない血液型w
面白いと思う程度で気にしなかった
で、無事、成人して社会人に
何が修羅場って私に結婚どころか浮いた話が1つも無いことだと思う
互いにカミングアウトのタイミングを完全に逸してるw
ついでに弟の修羅場と思われるのも
弟が中学の時、私に対して少し挙動不審に
最初は思春期かと思ったが違うらしい
「学校で血液型のやつやった?」
「え!?」(めっちゃ声が裏返ってたw)
「あれ、面白いよね!」
「…う、うん」
何か言いたそうにしてたけどスルーしてやったw
暫くしたら開き直ったのか挙動不審は治ってた
…書いて気づいたけど弟が一番の被害者かもしれない
ごめん、弟よ
出産時のエピソード5つ
【出産エピソード.1】
陣痛中の暴言をよく覚えてない人も結構いるみたいだけど、私は旦那相手にどう当り散らしたか克明に覚えてる。
具体的にはこう叫びまくった。
「美味しいシャーベットの名前を言ってよ!どんどん言ってよ!思いつかないならそのiPhoneで検索すればいいでしょ!
早く!早く!シャーベットオオオオオ」
【出産エピソード.2】
私の姉が、出産中に余りの激痛さに耐えかねて
「いたぁ――いぃい!なんで、こんなとこから出て来んのよ―!!」と泣き叫んだら
助産婦さんに
「入れたとこから出て来るに決まってるでしょ!!」
との名回答を頂いたそうでございます。
【出産エピソード.3】
一ヶ月前に出産しました。
分娩室に入ってから、何故か「格闘ゲームの体力ゲージ」の幻覚が見えてて、陣痛が来る度にそのゲージが減っていく。
子宮口8センチなった時は、ゲージの残りが少なくなって赤く点滅していたので助産婦さんに
「ゲージの残りが少ないんです。もういきみたいんです!!」
と訴えました。
助産婦さんは「じゃあ、内診するから!」とあわてて内診してくれて、そのおかげで、10センチになって、体力ゲージギリギリで出産しました。
あの時はなんとも思ってなかったけど、あのはっきりした幻覚は一体なんだったんだろう。
助産婦さんも、わけわかんなかっただろうな・・・。
せっかくだから産んだ瞬間に
「YOU WIN!」
とか出てくれたらよかったのに。
【出産エピソード.4】
陣痛中は大人しかったのに、出産直後に助産師さんに
『お母さん!ほら、赤ちゃんですよ!はじめまして~よろしくねって!!』と赤を見せられ、
『はぁ、はじめまして。わからないことがあれば聞いてください』と事務的に言ってしまった。
クールな担当医がブフォ!!と噴き出したの見て我にかえった
【出産エピソード.5】
出産した時の話。
出てきた赤ちゃんを見て開口一番言った言葉は
「人間が入っとった…」
で、その後すぐ抱っこをしたら感動して
「あなたが入ってたのね…頑張ったねえ」
と言ってたつもりだったが、旦那が言うには
「お前か!お前が入っとったんか!」
と、癇癪だかツッコミだか分かんない事を叫んでたらしい
あんたを抱っこした記憶が無いよ
お母さんが亡くなって一週間ちょっとになりました。
まだ現実を受け入れる事が出来ないでいます。
お母さんが亡くなる5日前に私に言った言葉。
「あんたを抱っこした記憶が無いよ。だから今、抱っこさせてよ」
だけど私は照れくさくて話題を変えてしまった。
抱っこさせてあげれば良かった…。
いつもは閑古鳥が鳴いている銭湯
俺が小学生の頃、近所に百年近く続く小さな銭湯があった。
まあ老舗とはいえ時代の流れか、客入りはそれほど良くなかった。
俺の爺さんはたいそうお気に入りで、その銭湯に通うのが楽しみの一つだった。
何の前触れもなくポックリと死んだが、その前日も通っていたくらいだ。
ある週末の夜、親父に銭湯に連れて行ってもらった。
服を脱いで勢いよく浴室の扉を引くと、驚いた。
いつもは閑古鳥が鳴いているこの銭湯が、どういうわけか満員だった。
浴槽は芋洗いだし、洗い場も一つも席が空いていない。
後からきた親父も驚いていた。
「これじゃあ入れないなあ、ちょっと待つか」
といい、親父は自分にはビール、俺にはアイスを買ってくれて、脱衣室で待つことにした。
風呂前にアイスを買ってくれるなんて、いつもとは順番が逆で、俺はなんだかおもしろかった。
しばらく待ったが、出てくる客は誰もいなかった。
親父に様子を見てくるよう言われ、再度扉を開けると、また驚いた。
さっきまであれだけ混雑していた風呂場だったのに、客は2~3人しかいなかった。
さっきは確かにぎゅうぎゅうだった、それに出てきた客はいなかったぞ?
親父も驚いていたが、あまり細かいことを気にしない人で、何事もなかったかのように、ひとしきり風呂を楽しんだ。
銭湯から帰るとき、番台のそばの貼り紙に気がついた。
なんと今月で店を閉めるという内容だった。
しかも今月というとあと1週間しかないではないか。
はたと気がついた。
子供ながらにも、先ほどの不可解な混雑の理由がわかった気がした。
閉店を惜しんだ遠い昔からの「常連」が、大挙して押し寄せてきたのではないか。
親父も同じことを考えていたようで、
「爺さんもきっと来ていたんだろうなあ、○○(俺の名前)も一緒なんだし、挨拶くらいしてくれても良かったよな」
とつぶやき、それ以後は黙ったままで俺と手をつないで帰路へついた。
銭湯には閉店の日も親父と行ったが、その日も相変わらず空いていた。
銭湯が混んでいるのを見たのはあれが最初で最後のことだった。
コメント