『東日本大震災でのお話』など短編5話【84】 – 感動する話・泣ける話まとめ

『東日本大震災でのお話』など短編5話【84】 - 感動する話・泣ける話まとめ 感動

 

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感動する話・泣ける話まとめ 短編5話【84】

 

 

就職したい

火曜日に正社員の面接行ったのね。
もうこれで20数社目。
今まで全部駄目だった。
それで、その日は車でしか行けないところだったんで、母親が仕事を休んで付き添ってくれた。
社内の駐車場に母を待たせて面接してもらった。

出てきたのは社長と人事課長。
社長が絵に書いたような悪人顔でさ。
鼻くそほじりながら履歴書見て
「職歴なし?あんたもう30だろ?」
「バイトなら経験あるっていったって職歴なしは職歴なしだろう?」
「うちでそんなの雇うわけないだろ?もう帰ってくれ。用はないだろ。終わり終わり」

車に戻ると母は面接には触れず、
「また寒くなるんだって、今ラジオで言ってた」
「ごはん食べて帰ろうか」って。

無言のままうどん屋に入ってカツ丼食べた。
そしたら母親が「受かるといいねー」って言うからさ、俺答えに困っちゃってさ。
で、いろんな言い訳考えた末に正直に「いや、駄目だったんだ、今日も」といった。

母親、「また次も送っていくよ、カツ丼、あんまりおいしくなかったね」だってさ。
今頃になって泣けてきたよ。
情けねーな。
就職したい。

 

 

来ると思ってとっておいたよ

中学の頃、近くにファミマとミニストップがあったんだが、俺はファミマ派でいつも通っていた。

ホットチキンとポテトが好きでしょっちゅう買ってたから、顔も覚えられてよく話しかけられたが、俺は悪い気はしなかった。「髪切ったの?」
「受験どうだった?」
「あそこ受かったんだー、がんばったねー」
とか他愛もない会話ばかりだけどその会話が心地よかった。

しかし、俺が高2の時にファミマがつぶれることになった…。

最後の日俺は閉店間際にファミマに行った。
いつものファミマなのに商品はほとんど売り切れ、客もいなく寂しげな空間に変わっていた。
一通りまわったが、欲しい商品がなかったので何を買うか迷っていると、レジの店員に
「来ると思ってとっておいたよ」
とホットチキンとポテト、コーラを出された。
「今までたくさん買ってくれてありがとね。これサービスだからさ」
と渡された。
「前から売り上げが厳しくなっててね…。思いきって閉めることにしたんだよ。ごめんね」
と言われ、店がなくなることを改めて実感する。
急に寂しくなって、
「いえいえ、俺にとって忘れられないコンビニだったし、もうここに来れないと思うと寂しいですね」
と言うと、
「ありがとね。○○くんが最後のお客さんになってくれてよかったよ」
と言われてジーンときた。
「今までありがとうございました」
と言って店を出た。

家に帰り、ホットチキンとポテトを食べる。
その味が悲しかった。

 

大川小学校の女の子から自衛隊へのお手紙

じえぃたいさんへ。
げん気ですか。
つなみのせいで、大川小
学校のわたしの、おとも
だちがみんな、しんでしまい
ました。でも、じえいたいさんが
がんばってくれているので、
わたしもがんばります。
日本をたすけてください。
いつもおうえんしています。
じえいたいさんありがとう。

うみより

井上旅団長は言う。

「手紙を見た時は、もう体中の血が逆流するほどの思いでした。
『よし、どんなことがあっても全員を捜し出すぞ!』という思いが漲ってきましたよ。
うみちゃんは、どんな思いでこの手紙1 件を書いてくれたんだろうと思うと……」

少女が自衛隊に寄せた『日本をたすけてください』という切実な祈りに全員が奮い立った。

中には、手紙1 件のコピーを手帳に挟んで災害派遣活動に励む隊員もいた。

同県利府町の加瀬沼公園に宿営地を設営した北海道の第1高射特科群のある中隊指揮所にも、この手紙のコピーがボードに貼り付けられた。

東日本大震災から49日目にあたる4月28日、飯野川第二小学校の体育館で、大川小学校の犠牲者の合同慰霊祭が営まれた。

祭壇には74の可愛らしい児童の顔写真が並んだ。
その中には、いまだ行方不明の6人の児童の写真もあった。

その間も、第14旅団の隊員たちは、うみちゃんの手紙1 件を胸に、行方不明の児童を捜し続けていたのである

 

 

こだわらない性格の旦那

半年ほど前から、旦那が相続した地方都市郊外の築150年の広いお屋敷に住んでます。

最近、天井裏にネコが住み着きまして、ガリガリ、ドドド、にゃあなどと上から音がします。

「かわいそうだから追い出さないであげてよ」
「いや、俺もネコは好きだが天井裏は困る。って、どこからそんなとこに」
という会話をしていると、1週間ほど前、天井裏からミイミイと子ネコの声がw「子供産んだじゃないか。どーすんだよ」
「ごめん、こうなるとは・・・」
「連休になったら天井裏にもぐってみる。そんなとこでう○こでもされたらたまらん」

ところが、今日のこと。
天井裏ではなく、壁の中から子ネコの声が。

「旦那、大変だ。子ネコが壁の隙間に落ちた」
「なにをぉ?」

子ネコは助けを求めて必死で鳴いています。
すると、ガサリゴソリと壁の中を降りてくる音。
「あ、親ネコが助けに来た」
ゴソゴソゴソ!ふぎゃぎゃあああー。

「旦那、大変だ。親ネコが壁の中にはさまった」
「だぁああ、どいつもこいつも」
「どうしよう」
「ノミとハンマーとノコギリもってこい。家ぶち壊して助け出す」
「えええええええ」

というわけで、我が家の夫婦部屋の壁には、大きな穴が4箇所開きました。
2箇所でよかったのですが、鳴き声で場所の見当つけて穴開けたら全然違ったりして、何度も開けなおしたのです。
大工さんは連休明けまで来てくれないので、当分、穴あき屋敷の生活です。

壁からつかみ出される際に興奮した親ネコに噛まれ引っ掻かれて大流血した旦那は病院送りになりました。
保護された親子ネコはテラスのダンボールで寝てます。

病院から帰ってきた旦那に
「ごめん、浅はかだったわ」と謝ると
「ネコは助かったし、家壊すのは面白かったからいい」と笑ってました。

こだわらない性格の旦那が好きです。

 

 

東日本大震災でのお話

ディズニーランドでは、ショップのお菓子なども配給された。
ちょっと派手目な女子高生たちが必要以上にたくさんもらってて
「何だ?」って一瞬思ったけど、
その後その子たちが、
避難所の子供たちにお菓子を配っていたところ見て感動。
子供連れは動けない状況だったから、本当にありがたい心配りだった

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