山にまつわる怖い話【56】全5話
百鬼夜行
爺ちゃんと小さい時山ん中歩いていたら百鬼夜行を見たことがある。
谷向かいの山に光る長い煙が流れていて、中で近くの木より高い
でかい人、が行列でふらふら点滅してる感じ。
怖いとは全く思わなかったし、それが見間違いだろうが自然現象だろうが
妖怪とかのたぐいは「在る」んだってのをその時の気持ちで知った。
マシラ様
犬と熊で思い出した
だいぶ前になるが、飼い犬と散歩にでかけた。
いつもの散歩コースの山道で、林道から少し山の奥まったほうに行くような感じ。
その山の道に入ろうとしたら、犬がピタッと止まった。歩いている姿勢のまま、剥製みたいに。
?何やってんだコイツ??と思いつつ、引っ張って先に行こうとするが、頑として動かない。
おかしいな。なんかあったのか?とか考えてたら、いきなり後ろを振り向いて唸り出すし。ていうか、周りを見回しながら。
熊でも出たか?と恐くなって、犬の硬直が解けたのを確認してダッシュで帰った。
「じーちゃん!ばーちゃん!っく、熊が出たかもっ!ジロ(犬の名前)が教えてくれたんだよ!」
家につくなり、犬と一緒に居間に飛び込んで事の顛末を祖父母に話す。そしたら祖父がいった。
「ばかたれ。ジロが熊なんかに怯えるか。むしろ飛び掛かってくわい。でも、いまの話がホントなら、ジロに感謝せい。熊なんかよりよっぽど怖いわ。マシラ様かもな。姿見なくて良かったな。」
今思うと、マシラって猿の呼び名だけど、山神かなんかだったんだろうか。
もしそうで、姿を見てたらどうなってたんだろう。
シャンカ(山人)
小学生の夏休みに、友達数人と、とある山にキャンプに行きました。着いて早速テントを張ると、そこから40分ほど歩いた所にある小川まで降りて行き、その川辺で遊びまわりました。日が暮れる前にテントに戻る予定だったのですが、街明かりのない山中のこと、日が沈むにつれ強まる星々のきらめきに感激し、寝そべったまま時を忘れて夜空を眺めてしまいました。
おしゃべりも尽きて皆がテントに戻る気になったときには既に夜中でした。行きは揚々と来た山道も夜ともなれば月明りの他照らすものもなく、心持ち不安で皆で固まって歩いていました。
そのとき、脇の森の奥から突然、「ガラガラッ」と引き戸を開ける音が聞こえました。静まり返った中での音だったので誰の耳にもはっきりと聞こえたのです。しかし辺りには家などありません。
皆緊張して立ち止まりました。すると、その音のした方角から今度は「ザッ・・ザッ・・」とぞうりの音が聞こえてきます。音はまっすぐこちらに向かって来ます。しかし音のする方は深い森があるのみで人影は見えません。
「ザッ・・ザッ・・」足音はなおも近づいてきます。足音は私達の目の前まで近づき、そのまま私達を通り抜けるようにして後方へと消えて行きました。
私達は悲鳴をぐっと飲み込むようにして、駆け足でテントへ戻ると、大急ぎで火をおこし、一晩中明かりを絶やさぬよう交代で見張りをしてその夜をやり過ごしました。しかし、寒くもないのに身体が震えて、結局ほとんど眠れませんでした。
大人になってから、バイクツーリングの際にその山のふもとにある村に立ち寄る機会がありました。
食通の友達と牡丹鍋を食べに行ったのです。店の女将はもうかなりの年のおばあさんで、子供の時分からその村に住んでいたそうです。
女将によると、例の山には、今から60年ほど前までシャンカ(山人)と呼ばれる狩を生業にする人々が住んでいて、昔はその店も彼らからイノシシを仕入れていたそうです。
私達が聞いたのは、かつてその山で生きた人々の足音の残滓だったのかもしれません。
汗かき鉄砲
明治以前は鉄砲に使う鉛の弾を猟師自身が溶かして作っていたという
夜なべ仕事に炭火で鉛を溶かし、底の丸い鉄鍋で弾を丸める作業を続けていると、不思議なことに家の年老いた猫がコクリ、コクリと首を振る。
猟師はさして気にもとめず、夜が更けるまで次の猟に使う弾を作り続けた
翌日 山にうっすらと雪が積もり始めたその日は、師走とはいえまれに見る不猟の一日で、黄昏時が迫ろうというのに山鳥の一羽も姿を見せない。
さすがの猟師もとうとう諦め山を下りることにした
日は暮れ、雪明かりでようやく道が見える時分に猟師は山の出口にさしかかった
と、その時、林の中に二つの光りが見えた
すぐに獣の目と知れたがその輝きが尋常ではない。猟師はすぐに鉄砲を構え、頭とおぼしき位置を撃ち抜くが、一瞬瞳が隠れると同時に弾は金属音をたててはじき返された
事態の飲み込めぬ猟師は弾を込め、続けざまに撃つが皆同じように弾かれる。
とうとう前日に作った弾を全て撃ち尽くしてしまうと、それが分かるのか瞳がゆっくりと近づいてきた
猟師達は昔からの習いで、いざという時の為たった一発だけ余分の隠し弾を常に持っている。猟師は隠し弾を鉄砲に込めると、これが最後と覚悟を決めて引き金を引いた。
最後の弾は見事に当たり、すさまじい悲鳴と共に影が倒れ込んだ
勇んで猟師が駆け寄ると、なんとそこには年老いた飼い猫が額を撃ち抜かれて死んでいた。横には玉を作る鉄鍋が落ちており、これをかぶって鉄砲を防いだものと知れた。
前の日、この猫がしきりと頷いていたのは玉の数を数えていたのであろう
畜生は長ずると化けて人に害を及ぼす
この猟師の村ではそれ以降、畜生の見ている前で玉を作ることはなくなった
上空から
突然の投下ですまないのだが
昨日、飛行機で海外から日本に帰ってきたんだ
フライトマップを見たらちょうど新潟の上辺りを飛んでた頃かな
雪山のところに黒い影(?)みたいなのが輪になって、ちょうど盆踊りみたいにぐるぐる動いてたんだ
飛行機の中だから写真が撮れなかったのは残念
大きさ的に間違いなく人ではないと思うんだが、こういうのってよく居るのかな?
ブロッケン現象や熊ではないと思う
影という言い方が悪かったかな
黒い点というか、スライムとかアメーバみたいなぐにゃぐにゃな形をしてたから
7~8個くらい?がのそのそ動きまわってる感じ
言葉が下手ですまない…
飛行機云々の人です
目に関する何かしらの現象、何かの見間違いがやはり一番有力なんですかね…
あと、熊を始めとする動物や岩だったりするなら相当な大きさです
人はチリみたいな大きさの高度で、アレは多分、車1.5台分くらいありましたからね
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