『湖底の無念塚』|洒落怖名作まとめ【長編】

『湖底の無念塚』|洒落怖名作まとめ【長編】 長編
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湖底の無念塚

 

先に断っておきますが、以下は全部実話です。誓ってウソじゃありません。
それと、ここに転載した理由は『薄める為』です。
興味本位で読んでも良いですが、本当に友人5人が死に掛けていますし、うち一人は障害者1級になりました。

やってはいけない事をしてしまったが為に『 本 気 で 祟 ら れ 』ました。
それが原因で脳腫瘍を発症した友人が2名。
心筋肥大で心臓が大変な事になり、心筋梗塞までやってペースメーカー入れたのが1名。
てんかん症状が出るようになって仕事中に機械に挟まれ、結果会社をやめた者が1名。
リアルでキチガイ状態になって安定剤をオーバードープし、集中治療室でやばい事になったのが1名。
自分は死にはしませんでしたが、原因不明の車両故障が原因で交通事故にあい、脊柱管狭窄で慢性偏頭痛です。

東京西部の有名な拝み屋さんが揃っている某お寺に相談した所、相手がでか過ぎ(多すぎ)な為、拝んでも無理!
と、けんもほろろに断られてしまいました。ただ、とにかく事実を沢山の人に知ってもらうしかないそうです。
そうすれば、だんだんとこの霊症が拡散して薄まっていくから、少しずつ良くなるんだそうです。
ただ、自分の生き世のうちには全部無くならないだろから、3回か4回は輪廻しないと無くならないとか。

先に断っておきましたので、ここから先は自己責任でお願いします。

心の準備は良いですか?

事の始まり。ビギニングが関東の某所にあるダムに沈んだお寺って所からでした。
かつての本堂も墓地も移転が終了したんだけど、旧墓地エリアが残っていて、多数の無縁仏がありました。
その地域はかつては宿場だか飯場だかがあり、飯盛り女やら夜鷹や私娼・公娼・女郎置屋があったそうです。
そこの女達や金で買われて連れてこられた人足や、行き場の無い凶状持ちなども居たとか。
長い時間を掛けてかれこれたまり溜まった無縁物が残されていたんですね。
渇水期でも水面に出ないエリアなんですが、特別な事情で通常より6m近く水位が低くなったんだそうですよ。
ありえないほどの湖底構造物が姿を現し、そのなかに先述のお寺がありました。

で、その話を聞きつけて肝試しに行ったのは一昨年の夏です。
男4人女2人の6人パーティーでした。
夕暮れ時の頃に今は使ってない道を使って湖底へと降りました。
予想されていた泥はすっかり乾いていて、普通に歩けました。
古い地図を頼りに歩いたのですが、お寺の立派な石の門が残っていて場所はすぐに分かりました。
この辺りは水の流れが速いのか、あまり泥が残ってなくて、むしろ一面雑草が茂っていて歩きやすい位でした。

本堂裏手の墓場跡地の奥の方に大きな塚が幾つもあって、無念塚と書いてありました。
無念な死を迎えた者が、その無念をこの塚に収めて、次は良い人生を願ったのだと謂れに書いてありました。
その奥には女郎塚があって、死んだ女郎の髪が幾つも収められたんだそうです。
向かいには腐った卒塔婆が建ち並ぶ人夫塚。なんか、鉱山か何かは知りませんけど、相当死んだそうです。
直ぐ近くには無縁仏の墓石を積み上げた無縁塚がありました。
上手く言えないですけど、このエリアだけ本当に異様な空気です。

で、お寺の敷地を一回りして場所を確認して暗くなるのを待ちます。
実は既に無念塚に自分の携帯を置いてきていたんです。
門の所から一人ずつ携帯を取りに行くって肝試しを開始しました。

肝試しは何事も無く終わったのですが、最後に戻ってきた友人がとんでもない物を持ってました。
無念塚から石を拾ってきたと言って自慢げに見せびらかしましたのです。

これが全ての始まりでした。

最初の異変は意志を持ってきた奴からでした。
1ヶ月くらい経った頃から、会社のアパートの中に誰かが居ると言い出したんです。
寝ていると天井裏を誰かが歩くとか、勝手にテレビがつくとか。
それだけじゃなくて、電子レンジがいきなり火を噴いて壊れたとか。
あと、携帯電話がノイズだらけになって通話できないとか。
頻繁にピンポンダッシュされ始め、呼び鈴が鳴っても外に誰も居ないとかです。
さすがに頭に来て、アパートの廊下の一番奥で犯人が現れるの待っていたそうです。
ですが、待つこと2時間。遂に犯人は姿を現しませんでした。
いつも真夜中になっていたんで、真夜中に待ってたそうなんです。ただ、犯人は姿を現さずじまい。

でも、呼び鈴はなりました。
真夜中2時にピンポーン!と。

なんだ機械の故障かよ!と苦笑いして玄関外のスイッチのケーブルを引っこ抜いたんだそうです。
それで、その晩は寝たそうですが、次の夜に事件は起きました。
ケーブルを抜いてならないはずの呼び鈴が鳴ったんです。
さすがにビックリして飛び起きたそうですが、今度は呼び鈴がピンポンピンポンと鳴り続けたとか。
スピーカー部をハンマーで壊して静かにさせたそうですが、さすがに気味が悪くなったとか。
まだまだ暑い夜の頃だったはずです。ふとトイレに行きたくなって中にこもっていたら。

トントン

と、トイレのドアをノックされたんだとか。
この時点でかなり鈍い友人も気味悪いのを通り越したそうです。
パニック状態になり、適当な服を着てアパートを飛び出し、慌てて自分の家へとやってきました。
当時自分は会社の独身寮に居たのですが、真っ青になって飛び込んできた友人が忘れられません。

ところが、友人が来て30分後に管理室からえらい剣幕でお叱りの電話が掛かってきました。
夜中の2時過ぎですよ。管理人も良く起きてたものです。
しかし、お叱りの用件は、友達が遊びに来たのは多めに見るが複数の女連れは感心しない!とのこと。
ちょっと待て、来てるのは男一人だ!と説明しても、監視カメラに派手な格好の遊び女が3人写ってる!との事。
仕方なく管理人さんに部屋へ来てくれとお願いして来てもらったのですが、部屋の中には男二人です。

おかしい!おかしい!どっかに隠してる!と信じてもらえませんでした。
部屋の中のありとあらゆるところを調べられ、クローゼットの中から組み付けのベットの裏まで検査です。
最後は不精不精に管理人室へと引き上げたんですが、翌朝に監視カメラの画像見たら、確かに女が写ってます。

さすがにヤバイと観念したのか、翌日急遽仕事を休んで、例のダムの所へ石を帰しにいきました。
ところが、ダムの水は既にかなりの所まで戻ってきていて、お寺に戻す所の騒ぎじゃ有りません。
二人して青くなって、どうした物かとそのお寺の移転先になった新しいお寺の住職に相談しに行きました。
そしたら、新しいお寺の供養塚に収めるから、肝試しに行った友人6人を全部揃えて供養に来るようにとの指示でした。

次の終末の休みに全員揃ってお寺で供養をしたのですが、お経を上げてる間に木魚がいきなり割れたんですよ。
ポクポクポクと音がしていたのですが、その直後にバキッ!と凄い音がして割れました。
どう考えてもそんな音が出るほど強く叩いてません。

さらには、供養中にいきなり女友達が二人とも泣き始めちゃって、別に悲しくないのに涙が止まらない!と。
だんだんそれが酷くなって、最後はしゃくって泣く程になってしまい、ご住職がお経本で背中を叩いてました。
あと、石を持ってきた男が頭抱えて呻きだして、挙句に白目を剥いて泡を拭きながらぶっ倒れました。
さすがに救急車呼ぶか?って話になったんですが、ご住職の読経が続きました。

で、なんとか供養を終えて、その後でご住職のお説教タイムに突入。
まぁ、酷く叱られまして、それも本気でこっぴどく叱られまして。
特に影響出てなかった奴などは結構不貞腐れ始める始末。

帰り道の車の中じゃ、そうとう悪態ついてブーブーと文句を言ってました。
でも、これがいけなかったんでしょうな。
ネットのノリで口汚く糞坊主だのなんだのと言ってた奴が次におかしくなりました。

供養から1週間位した頃でしょうか。夜、久しぶりに居酒屋で飲んでいるとき、妙に怒りっぽいと感じたんです。
まぁ、仕事も忙しいだろうし、それに政権交代直後で色々あった頃です。ストレスがあったんだろうと思ってました。
ところが、その翌日にいきなり職場で倒れたんだそうです。
酸欠症状で病院へ担ぎ込まれてアレコレ検査を受けたら、心臓がパンパンに膨らんでいて破裂寸前!
慢性高血圧からくる心筋肥大で心臓が筋肉の塊になっていて、結果的に欠陥の数が少なくて心筋梗塞に。
心臓の半分が機能不全に陥っていて、医者が言うには今現状で心臓が動いてるのが不思議なんだそうです。
とりあえず入院して様子を見たのですが、当初1ヶ月程度の予定で入院したんですけど丸3ヶ月の入院でした。
すっかり秋を通り越し、もう既に寒い頃になっていた時期でした。

カテーテルで手術して心臓の機能を改善するように仕向けたんですが、全然良くならなくて、薬も効かなくて。
強めの降圧剤とか欠陥拡張剤とかバンバン投与しても全然効果が無かったそうです。
そのまま年を越して、結局は心機能が碌に改善しないままパンク。
腎臓の神経(?)を切る手術とかも選択肢にあったとかと聞いてます。

で、あれこれやりすぎて今度はまともに動かなくなってしまったとかで、今度はペースメーカー入れました。
今も週に2回は病院へ行ってますね。彼が一番酷い症状です。

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