『ニライカナイ』|洒落怖名作まとめ【長編】

『ニライカナイ』|洒落怖名作まとめ【長編】 長編

 

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ニライカナイ

 

離島好きな人と話してて、あれ?それどこ?ってなって、もしかして不思議な島行ったんじゃねぇか?って話しをするから暇だったら聞いてちょんまげ
長いかもだから、途中規制入ったらまた明日でも続き書く
昨日仕事場の人と沖縄の話ししてたんだよ。俺もその人も離島大好きで、八丈島とか小浜島とか竹富島とかの話しで盛り上がったんだけど、俺が最後に行った島がどこかが全く分からないんさ
グーグルMAPで探したけど、やっぱり分からん

当時付き合ってた彼女と、沖縄本島、八丈島、竹富島、小浜島と、毎年一つ島づつ旅行してたんだけど、その人ととの最期の島が、謎なのよ
毎回旅行の計画は二人でしてて、旅行の前から「ここにしようか?あっちにする?ホテルは?」とかいうのも楽しみだったんだけど、その島の時は彼女が『ずいぶん色々行ったし、今回は特別な島行こう!手配は全部あたしに任せとき!』ってな感じで
「え?なになに?教えてよw」ってどんなに聞いても『楽しみにしててΣd(-`ω´-〃)』って教えてくれなかった

当日、沖縄本島まで行ってそこから石垣島へ
で、石垣島からが、いま思い出すと、確かに不思議だったのよ
昨日話した仕事場の人もここからの話しに「?」てなって、グーグルMAPで島探し
石垣島から竹富島とか小浜島へのフェリーとか連絡船が出てて
その船を待つ船待ちセンターみたいのがあるんだけど、毎年来てるのと同じくその日もそこで、船を待ってた
季節は夏。そのセンターのお土産屋で売ってるマンゴー食べながら(絶品です)

『船来たよ!』っていう彼女の声
フェリーみたいなのかなぁと思ってたら、おジイの手漕ぎ船で、おお!コレはまた素晴らしい旅情!と感じ、ウッキウキで乗船
仕事場の人(以降田中)曰く、あの乗り場に手漕ぎ船って来るのかな?との事
俺と彼女とおジイの乗船で、もう定員いっぱいかな?もう一人くらいは乗れるかな?ってサイズの船
出航
少しして彼女が左手に見える島を指差して『ほらアレ!竹富島!楽しかったねー!その向こうのアレが小浜島!』
と言ってた

この辺りで田中が「フェリーだってちょっと時間かかるのに、少しして左手に竹富島何て手漕ぎ船のスピードじゃ不可能」と
グーグルMAPで2人で確認
俺が見た竹富島は島全体が見えて、その向こうに小浜島見えたから、確かに船のノットがとんでもない
その時はそんな地理的な話し全く知らんから
「おおー!行ったねー!こりゃ良いわ!」と、もう酒も飲み出してテンション最高
それから15分くらい。もう、360度海、しかも怖いくらい青い
ってか、本当にちょっと怖かった
これ、遭難すんじゃないの?さっきから船頭さん計器も何も見てないよって

でも彼女は、何か懐かしい場所を見てる風に海を見てた
目の前を飛び魚が飛んで行くし、遠くではイルカが跳ねるし、真下に青海亀が泳いでるしで
「ああ、世界って、こんなにも美しいんだ…」って感じた
言葉では言い表せない、本当にこの世界の果てみたいな海
ようやっと島が見えて来た
『あそこ!あの三角の所がホテル!』と、彼女
その船に乗ってたのは1時間弱、30分か40分くらいだった

船から見える島の大きさは、まあ、小浜島くらいだと思う
着岸すると思われる浜の上に森があって、その中に三角の建物が見える
その周りは360度海、他は何もなかった
船頭さんとの会話は殆ど世間話しで、島の話しは全くしなかった、今思うと、確かに何でしなかったんだろう…?
田中曰く、与那国かな?との事だけど、手漕ぎで40分じゃ不可能、絶対無理
尖閣?魚釣り島?と話したけど、もうそこからはwwwwwwって感じで、お前どこ行ったんだよwwって話しになってデロデロ

島に到着
本当に、ここは何処だよ?っていう、とんでもない美しい世界
浜からは海、海、海、たまにイルカ
空は何処までも青
酔っ払ってた俺は「天国だーーー!」って海に叫んで、瞬間、あ、ヤバい、島民とかに笑われる!
と思い周りを見て、船頭さん見て、彼女を見た
そしたら彼女が『大丈夫、誰もいないから、もっと叫んだらww』
一瞬、誰もいない?ん?って思ったけど、その時は違和感を感じはしなかった

船頭さんにありがとうございましたってお礼して、三角ホテルへ
船頭さんとその時話したのは「ここはなぁんにも無い、だから全部あって、本当に良い所だよ」って言われて、ああ、確かにそうだな、良いなぁって海見ながら思った
浜の先、海岸植物の森を少し登った小高い場所に三角ホテルがある
結構大きい宿泊施設ぽくて、入り口で、支配人さんが出迎えてくれた
まだ50くらいのイケメンさん
彼女は知り合いらしくて、支配人さんは彼女に「ここに人を連れてお見えになるとは思いませんでした(笑」って話してた

「なんだよw元カレとも来たのかよw」って言ったら『ここは特別だから、家族と来た事しかないよw安心しなさい』
と言われ、まぁ、嘘だな、元カレだな、でもこんな素晴らしい場所に連れて来てくれたんだ、感謝せんとな、と前向きに
で、支配人さんとホテルの事とか宿泊のルールとか話して、その内容が、田中に話してたら確かに不自然だったと気付いた
俺等が着岸した浜は「トコの浜」というんだけど、基本、海で遊ぶならトコの浜だけにしてくれ
島の反対側には「ニシの浜」があるけど、そこは昼間は立ち入り禁止です、夜は夜空が素晴らしいので、是非行って見て下さい、との事

旅行サイトとか探しても、確かに無いのよ「トコの浜」
遠くにイルカ見えるような素晴らしい浜なのに、確かに不自然
酔っ払い俺は「昼間行きたいですよ!ダメ?今から!」と悪ノリ
そうしたら、支配人さんはニコニコしてて、彼女から怒られた
『離島はね、その島その島で風習があるの。あなたはちゃんと人の話しを聞くから連れて来たの。ダメです』
俺「はい」

ホテルの部屋に案内されて、まあーーーー、部屋から見える景色の素晴らしい事
窓からだからアレだけど、190度ビューみたいな部屋
で、ニシの浜見えるしw
俺等が乗って来たみたいな手漕ぎ船で、結構人が着岸してる
「人いるじゃん!行っても分からんだろアレ。行こうよ!」
『ダーメーなーの!ダメなのはダメ!夜行こうね(*´∀`)』
この時も、まぁまぁ、こんな素晴らしい島に連れて来て頂いたのだから、言う通りにしよう、と、違和感は感じなかった

ホテルから出て島の探検だ!ウヒャー!とテンション最高潮!
本当に何も無い
山、海、だけ。それが良い。
コンビニもスーパーもない。その時は不思議に感じなかったけど、JAもないし、なにより、郵便局がない
でもまた不思議。これはその時も不思議だと思ったんだけど、一件だけ飲み屋がある
ホテルから15分くらいの所に小料理屋みたいな飲み屋があった
「今夜はここで朝まで酒だ!」
『はいはい(^.^)』

本当に、美しいとしか言い表せない所だった
ちょっとした山があって、そこからの景色はこの世界のモノではないのではないか?と感じる景色
眼下、右には青を越える青みたいな海、跳ねるイルカ、豆粒みたいな青海亀
左には、細長い浜?浜の道?みたいなのでこの島と繋がっている島がもう一つある
満潮になったら道が無くなってしまいそうな感じ
「あそこ!行けるんじゃないの!?」
『あそこはねー、次、次来た時、一緒に行こう
(^.^)』
「今で良いじゃん?行こうよ?」
『今は嫌ーー(^.^)』

とにかく、言葉では表現出来ないくらい美しい世界だったんだ
で、夜、飲み屋に行った
貸し切り状態で、料理も美味しいし言う事無しだったんだけど、ここで流石にオカシイと思い始めた俺
昼間ホテルから見えたニシの浜に、沢山人が着岸してたのに、何で貸し切り何だろう?
と言うか、人がいない
初日の興奮で島を探検しまくったけど、誰ともすれ違う事すらない
彼女『本当にラッキーだよ!楽しもう!』だけ

その島に4泊したが、誰とも会わなかったんだよ
でも、朝部屋から見えるニシの浜には、毎日沢山人が着岸してた
その時は、まぁ、ニシの浜は金持ちのVIPだけの場所で、庶民は昼間は近づくな、って事なのかなって思ってたけど、夜空は毎日天の河の見える浜で、なんでVIP来ないんだろ?って思った
でも、でも、だ、こんな素晴らしい島に来たって事が嬉しくて、疑問なんて持つ暇なんて無い
で、最後の日、ホテル出る時、支配人さんから
「後々の事は(彼女の名前)様から聞いて下さい。いつかまたいらっしゃる時は、もっとこの島を好きになってもらえると思います」みたいな事を言われた

帰りも、来た時と同じ船頭さんの小船
「彼女ちゃんから後々の事は聞いてって言うさっきの話し、何?」
『うん、この島の場所は絶対誰にも言わないで』
「言うも何も、石垣からこの船でいきなり来たんだから来れないよw」
『だよねwだから、こーゆー方法にしたw』

『あと、この島の話しも誰にもしないでね。するんだったら、あたしが死んでからにしてw』
「何だそれw」
ここまでがその島での話し
彼女は島から帰って来て、一か月くらいではねられて死んだ
それから丁度、一年になる
丁度一年で田中とこういう話しになって、何か運命?みたいなのを感じて、オカルトは全く興味無かったんだが、南の島の伝説?みたいのを調べたら、ニライカナイって島が出て来て、俺があの日行ったのは、ニライカナイだったんじゃないか?って思ってる

□ □ □

ニライカナイの他にも、宇宙人に追いかけられた話しとか、市街地でキリンを見た話しとか、おばあちゃんの家の隣の家の座敷童の話しとか、移動する丸い虹の話しとかあるのですが、スレ違いじゃなければ沢山話しあります
オカルト板面白いですね!

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