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【山にまつわる怖い話】『しねない、しねない』など 全5話|洒落怖名作まとめ – 山編【25】

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【山にまつわる怖い話】『しねない、しねない』など 全5話|【25】洒落怖名作 - 短編まとめ 山系
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山にまつわる怖い話【25】全5話

 

 

森の中の登山者

中高年登山にはまって、地元の山の会のメンバー5人と登山に行った母の話です。登山といってもその日は高原ハイキングのような感じだったらしい。

メンバーの中に、写真をやってるおじさんがいて、おしゃべりしながら歩く母たちとはちょっと離れて、一人で写真を撮りながら歩いていたそうな。

道の両脇に野原が広がり、その周りを森が囲むかんじになっている場所で、おじさんはまた道をそれだした。花も結構咲いている場所で、「綺麗な高山植物でも見つけたかしら」と見ていたのだがなにか様子がおかしい?

森の方にむかって礼をしたり手を上げたり。そうこうするうちに、さらにおじさんは道をそれて森のほうに歩いていきそうになったので、母たちは声をあげておじさんを呼んだ。その声に気が付いたおじさんはルートに戻ってきて母たちと合流。おじさんの言うには、「森の中を行く登山者と会って、話をしていた」そうだ。しかしそんな人の姿は母たち5人には見えなかったらしい。

おじさんの言うには、撮影ポイントを探して野原を歩いていたら、森の中を行く登山者と目が合った(?)ので会釈をした。で、

「写真ですか、立派なカメラおもちですね」
「最近はいいデジカメもありますけど自分はまだまだ銀塩派で…」とか
そんな世間話をしたらしい。で、おじさんたちよりはあきらかに山になれてる感じのその人に景色のいい場所あったか聞いたら、

「わたしが上がってきたほうは絶景ですが、危ないから行くなら気をつけて」
といわれて、それで登山者とは分かれたそうな。で、そんなにいい景色ならちょっと見てみるか、とその後に続くように森の中に行こうとした時点で母たちに呼び止められたそうな。

おじさんの記憶では、キャップを目深にかぶり、黄色いゴアテックスを着て、わりと重装備だったそうな。多少距離があったとはいえ、黄色いゴアテックス着てたら母たちの誰一人その姿が見えなかったというのはありえなーい…らしい。

後から考えるに、季節的にそんな厚着は変じゃないかとか、おじさんの話から考えるとその登山者はかなり危険な、登山ルートにもなってない急勾配をやってきたことになるとか、おかしいことは色々あるらしい。

どうってことない話ですが、生まれてこの方霊がどうとか一切話したことのない母のいうことなので、ちょっとびびって投下してしまいました。

 

山いっぱいのエビネ

小学4年生の時、親戚の伯父さんに山に連れて行ってもらった。
ちょっとしたはげ山っていう感じで、大きな木は全然生えていなくて20センチぐらいの高さの草や木が生えていた。

伯父さんは「ないしょだぞ」と言って、スーパーのビニール袋から植物の株を出して、その山道から少し入ったところに、その株をシャベルで埋めた。
そして、そのままハイキングして山から下りた。

それから4年後ぐらいに伯父さんは病気で入院。
一度だけ、お見舞いに行った。
ベッドに半身だけ身体を起こした伯父さんが言った言葉。

「最近、よく夢を見る。あの時のエビネが山いっぱいに広がって生えているんだ。
あの時から少しずつ増えてきて、今は山じゅうが、花盛りできれいだよ」
伯母さんも母も父もいないところで私にそう言って、目を閉じた。
「○○ちゃんにも、見せてあげたいぐらいだよ」

それから2ヶ月ぐらいして、伯父さんは亡くなった。
死因は、脳腫瘍。
あれから、エビネという植物の事を写真や実物で見て、それが山いっぱいに咲いている様子を時々想像してしまう。

なんでもない事だけど、自分の中ではなんとなく怖い思い出。

この話が思い出すたびに怖かった訳…。
これは、自分だけの勝手な思い込みかもしれません。
変なことを言っていたらごめんなさい。

ただ、伯父さんがあの山の話をした時に
「あんな事(知らない山にエビネを勝手に植えたこと)をしたから、
病気になっちゃったのかも」と思ったので。

すごくリアルな感じで、エビネの株が伯父さんの頭の中で根を張ってどんどん拡がっていくイメージが頭の中に飛び込んできたのです。
伯父さんの頭が、あのはげ山のようなごましお頭だったからかも知れません。
脳腫瘍だということは、お葬式が済んでから聞いたことなのに。

あと、もうひとつは伯父さんが発病してから伯母さんが某宗教にはまってしまったこと。あの、輸血や手術をタブーにしている…
それで、手術をしないままにおじさんは亡くなってしまったので。
(伯父さんのお見舞いの時、私と伯父さんが二人きりになったのはその事で伯母さんと父と母が話し合っていたらしい)
今も、伯母さんはその宗教を信じています。

株を植えた時は私も伯父さんと一緒に山に行っていたし、伯父さんが「○○ちゃんにも、見せてあげたいぐらいだよ」と、私に言ったこともなんだかちょっと…。
後付けの考えだといえばそれまでなんだけれど、なんだか自分は将来頭の病気で死ぬんじゃないかと変なことを思ってしまうもので。

せっかく「良い話」として見てくださった方にはすみませんでした。
そうですね、これはきっといい思い出として覚えておくべきなんでしょう。
伯父さんは、本当にいい人だったから。

母(伯母さんの妹)に聞いてみたのですが、
伯父さんが自宅から途中(ふもと)までは自動車で連れて行ったので、どの山かわからないらしい。
たぶん、箱根あたりだと思うのですが…。
がけ崩れのあとに植林でもした所だったのかな。

伯母さんとは、その某宗教の件以来ずっと疎遠になっていて、そういう事も聞きづらくって…。
(何しろ、祖母と祖父のお位牌も全て伯母さんの手で処分されたりしたので)
「そういうもやもやした点さえなければ、ちゃんと確かめてすっきり出来るのに」
と思います(涙)
お酒でもなんでも、おわびにお供えできるだろうし。

「ひょっとするとこれは、私の脳内怪談なのかもしれない」と思って、あえて506では客観的な事実だけ書いてみました。
それで、怖くないというレスがあったのでちょっと、ほっとしているんです。

相当へたれなのと、今まで霊体験がないもので…。

雪原の穴

友人と2人で車でスキー旅行に行った帰り、
真夜中3時過ぎ、東北の某村を近道して
通り抜けようと車を走らせていました。
土地勘が無い上に街灯の無い真っ暗な道で2人共かなり不安でした。
両脇の畑は残雪で真っ白でした。

不意に脇から松明を持った老人が何か叫びながら
私たちの車に向かってくるのが見えました。
老人の表情が尋常で無いのが怖かったのですが、
何を言ってるのか聴く事にして車を止めて窓を開けました。
方言で聞き取りにくかったのですが、
怒った口調で先に行くなと言ってるようでした。

しかし今から来た道を戻る気になれなかったので、
どうしてこの先に行けないのか聞き返しました。
ですが老人はこの先に行くなの一点張り。
こちらも意地になって窓を閉めて車を発進させました。
するとまたその先で松明を持った別の老人が雪原から現れました。
同じ事を言われるのがイヤだった私たちは車を止めずに行き過ぎました。
ところが今度はいきなり道が無くなっています。
急ブレーキで止めた車のヘッドライトの光線は何も照らし返すことなく、
ホントに漆黒の闇です。
何事かと思い2人で車を降り立って見た光景は信じられないものでした。
凄まじくデカイ穴が雪原に開いているのです。

その穴はクレーターの様な形で、穴自体には残雪がありませんから、
昨日今日に出来たような感じです。
底には鳥居が立てられて、鳥居の廻りで松明を持った数人が
何か儀式らしい動作をしています。
2人共、同時にコレはマズイと感じて
大急ぎで車に乗り込み、もと来た道を戻りました。
道の途中で十数人の老人がこちらを睨み付けている横を通り抜ける時には
ホントに冷や汗が噴き出しました。

山を1つ越えて街灯の灯った町中に入った瞬間に
友人も自分もやっと口が開きました。
後日あの穴は何だったのか確認しようと昼間同じ村に出かけたのですが、
穴は無く道も全く途切れていませんでした。
ただゴルフ場を作る工事の告知の看板だけがそこに有りました。

 

しねない、しねない

親戚のおじさんがすごい金持ちで、山手の金持ちの家ばかりがある場所に、別荘を持っていた。
夏休みになると、そこに泊まっていとこと遊ぶのが、毎年の行事になっていた。

ある夏、いとこが、夜に展望台にカブトムシを取りに行こうと言い出した。

別荘から20分くらい登った所に展望台があるのだが、車では入れず、地元民だけしか存在を知らない、寂れた所だった。
こに行くと、仕掛けもなしに、街灯に集まったカブトムシが取れるらしい。

夜の山を歩くことに内心びびってはいたが、カブトムシ欲しさに提案に乗ることにした。

こっそり別荘を抜け出し、懐中電灯を片手に緩やかな歩道をしばらく行くと、展望台の階段が見えてきた。

階段を登り出すと、先に歩いていたいとこが急に立ち止まった。
「なんだよ~。」ぶつかって不満の声を上げた俺に、いとこは青い顔で指差した。「あれ…。」

指差した先には、青い花柄のワンピースを着た女の人がうずくまっていた。

声が小さくて聞こえにくいが「…ない、…ない。」とつぶやいている。
大事な物でもなくして困ってるのかと思い、声をかけようとすると、いとこが、「おいっ、止めろ、こいっ!」 と言って俺の手をつかみ、ずんずん歩き出した。
「なんだよ!痛いよ!」俺は叫んだが、いとこは構わず歩いていく。強く握られた手は爪が食い込んで痛むし、訳がわからないまま、俺たちは自分たちの部屋に帰り着いていた。

部屋の電気をすべてつけると、いとこはへたり込んだ。

「最初はちゃんと聞こえなかったんだよ。」急にいとこは口を開いた。唇がわなわなと震えている。
「何?」その異常さに俺も鳥肌が立ってきた。

「あの女の人さ、しねない、しねないってつぶやいてたんだよ…あんな所なのに裸足で…。」

俺も体が震えてきた。でもびびってるのが格好悪くて、「でも、でも、あそこに自殺しにきた人だったら止めなきゃダメだったんじゃ…。」
と冷静な意見を言おうとした。

するといとこは俺を睨みつけ、「じゃあ、お前1人で話しかけに言ってこい!」と叫んだ。

そんなことできる訳もなく、俺たちは部屋の電気を付けたまま、布団に入ったが、ほとんど眠れなかった。

それから数日間、自殺のニュースが流れるのではと、どきどきして過ごしたが、そんな話は聞くことはなかった。

 

化け物蚊

九州のとある地方に残る民話。

昔々、ある所に山に囲まれた小さな村があった。村人たちは長らく平和に暮らしてきたが、いつの頃からか村に通じる山道に、牛の大きさほどもある蚊がたくさん湧くようになった。

蚊どもは動物も人も見境なく襲い、血を吸い尽くして殺したため、村は外との行き来ができなくなってたいそう苦しんでいた。村人たちの生活も日に日に苦しくなり、昔から村を守ってきた地蔵様へのお供えもとどこおるようになった。

そのような中で、信心深い老夫婦だけが乏しい衣食から欠かさず地蔵様へお供えをしていた。

ある夜、一人の僧が山道を越えて村へやってきた。久方ぶりの旅人であったが、村人たちは危険な山道を怪我ひとつなく抜けてきた僧をいぶかしみ、また苦しい暮らしの中何も持たない僧侶をもてなすのも気が進まぬというわけで、誰も僧に宿を貸そうとしない。

信心深い老夫婦だけが僧を歓迎し宿を貸すと申し出たので、みなこれ幸いと押し付けるように僧を老夫婦の家へ預けることにした。老夫婦は僧に貧しいながらも心づくしのもてなしをした。

次の朝、村を発つとき、僧は「もし昨晩宿がいただけなければ、この村は通り過ぎて行くつもりでしたが、おかげで一晩ゆっくり休めました。お前さまがたの信心に免じてひとつ功徳を授けましょう。しかし今後もゆめゆめ信心を怠ることなきように。」と老夫婦に言い残し煙のように去っていった。

しばらくして、化け物蚊は姿を消した。村は再び活気を取り戻した。ただ、あの地蔵がいつの間にやら祠から消えていた。人々はだれも気に留めなかったが、老夫婦だけはそのことに胸を痛め、消えた地蔵を探して回った。

あるとき、老夫婦は山道の藪の中で、化け物蚊が大量に死んでいるのを見つけた。恐る恐る蚊の死骸を見てみると、どれも血を吸う針が折れている。そして折り重なる蚊の死骸の中に、消えた地蔵が転がっていた。

村人たちは、「あの僧は地蔵の化身だったのだ。蚊どもは人の姿をして現れた地蔵の血を吸おうとして針を折って死んだに違いない。」と噂しあった。みな地蔵に感謝し、再び祠に戻すと、以前のように毎日お供えを欠かさぬようになった。

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