【山にまつわる怖い話】『山中異界』『藁人形』など 全5話|洒落怖名作まとめ – 山編【31】

【山にまつわる怖い話】『山中異界』『藁人形』など 全5話|【31】洒落怖名作 - 短編まとめ 山系

 

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山にまつわる怖い話【31】全5話

 

 

消えた老夫婦

数年前、バイクで峠を走ってっていて登山道の入り口を見つけた。
バイクを登山道の入り口に停めハイキング気分で登山道を登った。
1時間ぐらい登っていくと倒木が多く、しまいには土砂崩れで道が途切れていた。

しかたがなく、下山していると、老夫婦に出会った。
「この先通れませんよ。」
と教えてあげると、老夫婦は
「はい。いっしょにどうですか?」
と答えた。
(はあ?いや俺は下山してるんだが)と思いつつ
「いやあけっこうです。」
と答えた。

老夫婦とすれちがって30秒ほど歩いただろうか、
(通れる道があるのか?俺が道を間違えたのか?)
と思い振り返ってみたが老夫婦の姿は見えなかった。
俺はジョギングペースでまた道を登り始めた。
すぐに老夫婦に追いつくだろうと思い分かれ道に注意しながら
登ったが結局、老夫婦は見つからず分かれ道もないまま
土砂崩れの場所についてしまった。
(????)
俺はキツネに化かされた気分でまた下山しはじめた。

下山しているうちに気分が悪くなってきた。胃がムカムカする。
だんだん頭もずしんと重く痛くなってきた。胃のムカツキだけ
でも消そうと口の中に手を突っ込みゲーゲー吐いてみたが
ムカツキは治まらなかった。フラフラしながら登山道の入り口
に辿り着いた。登るときには気づかなかったが入山届を入れる
ポストと低い山だが険しく数ヶ月前も遭難者が出て死んだので
必ず入山届をいれるように。との旨が書いてある看板があった。
俺は急に怖くなって急いでバイクに乗って峠を走りだした。

麓の村まで降りて来て少し休もうと思いちょうどヨロズ屋
があったので缶コーヒーを買い店の前のベンチで一服
していると通りすがりのお婆さんが話し掛けてきた。

「そこ、左行くとお寺さんあっからよ。おがんでもらえ。」
まあ金かっかけどな。しおとかいいっていいけどやっぱり
お寺さんのがなあ。しおもってっか?ここでもうってけどなあ。」

と訳の解らんことを言って去っていった。気分が悪いうえ
変な婆さんに話し掛けられorzになっていると、
(しお?塩?エッ?寺...?霊?霊がついてるのか?)
俺はお婆さんの言ってる意味がやっと解り、ヨロズ屋で塩と
日本酒を買い塩と酒を頭、両肩、バイクにドバドバかけた。
塩と酒が効いたのか帰る途中に気分の悪いのは治まった。
検問やってなくてよかったよ。ホント。

 

峠道

『死体遺棄』が多いS県山中の峠道に纏わる話。『出る』と言う噂は良く聞いていた。肝試しではなく、友人を送るために夜中に車でそこを走っていた。確かに『死体遺棄』が多そうな所。山々に囲まれ月明かりしかない。他車も10分に1台すれ違う程度。

助手席の友人と『まぢ雰囲気恐いな。景色見るのも恐いわ。』とか言いながら走ってた。峠道なんで、もちろんカーブが多い。要所要所にカーブミラーが設置されている。真っ暗闇なのでカーブミラーで対向車がいるか否かを判断できる。

言ってみればカーブミラーに他車のヘッドライトが反射されなければ、斜線を多少はみ出して、楽な運転が出来るわけだ。
30分ぐらい走っていただろうか、、。前方に急カーブがあり、カーブミラーがある。ん?何かカーブミラーが変だ。形に違和感を覚えた。少しずつ俺の車がそのミラーに近づいたときに『それ』はいた。

カーブミラーの輪郭が遠目には異様にデカく見えていたのだが、、通過するとき目を疑った。カーブミラーに白髪で異様に長髪の老人が動物の『ナマケモノ』の様にぶらさがっているではないか!
ビビリ過ぎて声も出なかった。

湖のほとりで

自転車仲間に聞いた話。

夕暮れ時。林道をMTBで爆走し、小さな湖のほとりで休憩していた。
日没に赤く染まった湖面を眺めていると、妙なものが目に入った。
水際に、黒い蓮の葉のようなものが浮いている。
(黒い蓮の葉なんてあるのか?サイズもアマゾンの大蓮なみに大きいし…)
そんなことを考えながら水を飲んでいた。
と――― 蓮の中央がゆっくりと盛り上がる。最初は耳。次に鼻。口…
長い黒髪の女が水面から姿を現した。
肝を潰して自転車に飛び乗った。全速力で来た道を下る。

麓の駐車場に着いた。一息つく間もなくキャリアに自転車を積み込む。
ふと、下ってきた道の入口に目をやった。全身が凍りつく。
さっきの女がこっちを見ていた。こんな時間で追いつけるハズがないのに…
青白い顔に、そこだけが紅い唇を少し開け、ゆっくりと近づいてくる。
車に乗り込み、猛然とスタートさせた。
国道に出るまで、バックミラーは一度も見なかった。
自宅にたどり着いても震えが止まらなかった。
自転車を玄関から放り込んで鍵を掛ける。
そのまま、友人の家に転がり込んだ。

翌日の昼、友人と一緒に自宅に戻った。
鍵を開けて中の様子を伺ったが、妙な気配は無い。
玄関に放り出しておいた自転車を仕舞おうとしゃがみ込んだ。
前輪のスポークとサスペンションに、長い黒髪が絡みついていた。

 

山中異界

去年の夏の終わりの事です。
一人車で明け方の朝日を浴びて林道を走っていたとき、ちょっと不思議なことがありました。

車から降りて、小用を足していると
急に霧というか、もやが出てきました。

静かです。さっきまでセミやたくさんの蜻蛉が居たのに、何も居ません。
燦々とした朝日も、どこかに消えてしまい、見えません。

こーん。

…遠くでガードレールを叩く音がしました。
霧はだんだん深くなってきます。

こーん…。

遠ざかり、近づくガードレールの振動。だんだんと近くなってきている。
耳が痛いほどの静寂の中で、それだけが、近づいてくる。ゆっくり。
もやのせいで遠くは見えません。

ガードレールに寄りかかっているのが怖くなりました。車に戻り、魔物よけに一服して
ゆっくりと発進。

一分も走らないうちに、また突然晴れました。セミがうるさいくらいです。
腕がひりひりするほどの日差し。

山中異界。ふとしたところにあるです。

 

藁人形

琵琶湖の湖北は夕日がきれいで写真に凝っている漏れは大好きなスポット。
その湖岸に近い山本山は500足らずの山で、
その頂上から夕日に照らされる竹生島の島影と対岸の湖西の山影が、
プロの写真家が多く撮っているということで、10月に
漏れも晴天の日の黄昏時に登った。
何枚か写真をとってていい写真がとれて頂上から下山するとき、
懐中電灯が木に何かうちつけてあるのを発見。
それは藁人形で、「 角川 ● 死ね 」と書いてあった。
●には 新撰組のキャッチフレーズの 一文字だった。
赤い字で書いてあって、それは匂いを嗅ぐと血で書いていたのがわかった。
とたんにいいようのない寒気を感じた。
野鳥センターの自販機で缶コーヒーを飲んで、少し余裕のできた漏れは、
実在の人物かと気になった。
何気なく電話帳の湖北町のところをみたら、同じ姓名の人が掲載されてた。
その人は今でも元気なのだろうか。
呪われて悪くなったりしてないのだろうか。

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