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【山にまつわる怖い話】『山の神にふられた』など 全5話|洒落怖名作まとめ – 山編【39】

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【山にまつわる怖い話】『山の神にふられた』など 全5話|【39】洒落怖名作 - 短編まとめ 山系
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山にまつわる怖い話【39】全5話

 

 

爺様に聞いた話

畑仕事を終えた夕暮れ時、はやく帰ろうと
普段は日中しか通らない獣道みたいなところを
歩いていると、道脇に妙なものがいたそうだ。
それは下手くそな人型の粘土細工のような姿をしており
何をするでもなくボンヤリと立っていたそうだ。
爺様が担いでいた鍬をソイツに向かって突きつけ
「なにもんだっ!!」と一喝したところ
そいつは急に輪郭を崩し、ドサドサドサッとその場に崩れてしまった。
近づいてみると、そこにはこんもりと腐葉土の小山が出来ており
その所々から獣の骨が覗いていたそうな。

「山で死んだ獣が、腐れ堕ちた肉の代わりに
その辺のモンをかき集めて纏っていたんだろうな。」

とは爺様の談。
何故人型なのか、いったい何のために現れたかのかはわからんそうな。

爺様の話

山で草取りをしていると、背後から肩をトントンと叩かれ
「ぬし様が通りますので、ちょっと失礼。」と何者かに話しかけられた。
途端、草刈りのために屈んだ姿勢のまま、体が動かなくなったそうな。
瞬きもできないまま、しばらく待っていると爺様の背後を
何か巨大なものがその身をズルズルと引きずりながら通り過ぎていったそうだ。
恐ろしくて生きた心地もしなかったが、ズルズルという音が聞こえなくなった辺りで
再び何者かに「ご迷惑をおかけしました。」と耳元で囁かれ
その瞬間、爺様は盛大に小便を漏らして気絶したそうな。

気が付くと、時間はさほど経っておらず、日もまだ充分高かったが
夕暮れまで仕事をする気になれない爺様は、荷物を纏めて早々に家路に着いたそうだ。
途中、今まで草刈りをしていた山肌をふり返って見たが
巨大な何かが通ったような痕跡は見つけることができなかったと言う。

桜の話

爺様曰く
「山中に一本だけポツンとある桜の下で夜を明かしては行けない。
桜は弱い。たまたま山中に芽吹いたとしても長らえることはできない。
にも関わらず、周りの木々に負けず一本だけで生きる桜というのは
山の怪の持ち物、もしくは桜そのものが怪なのだ。
そんなモノの下で眠りこければ、桜に喰われ滋養にされてしまう。」

ここから自分の話。
花見の季節、友人に「穴場スポットがある。」と言われて誘われたのが
そんな桜の下でした。
山中のちょっと開けた場所に、たった一本だけ満開の花をつける桜は
美しいと同時にちょっと異様でもありました。
何事もなく酒宴を楽しみましたが、帰りには一応根元に未開封の
ワンカップを置いて「お騒がせしました。」と礼を述べてから山を下りました。
残念(?)ながら、特に不思議な体験はありませんでしたw

ついでにこんな話も。
たぶん中国の話。

旅の男が山中の大樹の下で夜を明かしていると
木陰から白磁のように美しい肌を持つ、裸の娘が現れ男を誘った。
誘われるままに体を重ねると、娘の白い肌は
まるでヒルのように男を張り付き、剥がそうとするとひどく痛む。
その上、男が幾度も精を放っても娘は満足せず
それどころかますます貪欲に求めてくる。
男は意識が無くなるまで娘と交わり続けた。
翌朝、目を覚ました男が見たものは
昨夜までは蕾も付けていなかった桜の大樹が満開の花を咲かせる光景であった。
男は精魂絞り尽くされ立ち上がることもままならなかったが
また娘が現れたら、今度こそ命まで吸い取られると思い
這いずるように山を降りたという。
麓の村まで辿り着いた男は、村人に昨夜の事を話すと
皆、怖がるどころか逆に歓喜に沸き返り、また男を褒め称えた。
事情のわからない男に、村の長が説明する。
「おまえが出会った娘は山の神だ。神は男の精気を糧に花をつけ
その礼のように山河を豊かにしてくれるのだ。
だが今年は戦で元気な男衆を取られてしまって困っていたのだ。」
男は厚く持て成され、後に村の娘と所帯を持ったが
神に絞り尽くされてしまったのか、遂に子種には恵まれなかったという。

爺様の話。

山仕事中に大雨に降られ
カッパを羽織って作業を続けた爺様。
フードに当たる猛烈な雨音しか聞こえない中
黙々と下生えを刈っていると、ふと音が消えた。
不信に思って顔を上げると、相変わらず雨粒は
勢いよく顔に当たるのに音が一切聞こえない。
「こりゃあ耳がイカレたか?」
と呟いたら、その自分の声はハッキリ聞こえたそうな。
試しに持っていた鎌の刃を指で弾くと
キンッと小さな金属音が確かに聞こえる。
それなのに雨音だけがまったく耳に響かない。
奇妙に静まりかえった山の中で、爺様は心細くなり
震えながら「勘弁してくれ。」と小さく呟くと
それに答えたのか、唐突にバチバチッ!とフードを叩く雨音が戻ったという。
「狐狸の類にからかわれたんだろうな。」
と当時を思いだして語る爺様であった。

爺様の話。

キノコ取りのために山深く分け入った時
山の奥から人とは思えない、それこそ
巨人のような大鼾が聞こえてきて
すっかり肝を潰して逃げ帰ったそうな。

結局、手ぶらで帰宅したのだが
キノコを期待してた婆様に烈火の如く怒られたそうな。
「あの鼾よりも婆ちゃんのほうが怖かった。」
という爺様のコメントをオチとして
とっぴんぱらりのぷー

川の色

高野山での体験談を思い出した。

おれが高野山に住んでいた時、こんな噂話を聞いた。
曰く

「昔、坊主専用の廓が山のどこかにあった」
「その廓は終戦後取り潰されて廃墟になったが、今でも形を保っている」
「そこはとんでもなくヤバイところで、何が出るかは知らないが、行ったら正気では帰って来れない」

と、ものすごく好奇心をそそる内容。
当時寮生だった漏れは、ある夏の休日に寮の後輩を無理矢理引き連れて、噂の廃墟へと向かったのさ。
と言っても廃墟の場所は正確にわからないから、ちょっとしたピクニック気分で山の中に入っていったんだ。
それが甘かった。
高野山の山の中って、同じような木が同じように生えているばかりで、一度迷ったらなかなか現在位置がわからなくなるんだよね。
面白がって細い獣道ばかり選んでた俺らは、それこそ一瞬にして迷った。
帰り道どころか、今どの山を歩いているのかもわからない。
歩けば歩くほど、より奥に迷い込んでいく感じだった。

いよいよ日も翳りはじめてきた頃、誰かが「迷ったら尾根に出ろ」と言い出した。
多分どこかでの聞きかじりだったのだろうけど、一面槇の木に囲まれているよりは、回りが見渡せる方がましだ。
とにかく上に向かって上り始めた漏れたち。
どのくらい上ったのか、尾根らしきところに出ると、やっと回りを見渡す事が出来た。
遠くに大きな町と、反対側の近くに小さな町。
あれは奈良で、反対側は九度山か?と推理しても、現在地は不明。
その時はもう、みんなつかれきった上空腹で、喉も渇いている。
とにかく尾根沿いに歩くしかないと、遠くに見える町のほうに歩き出した時、後輩の一人が
「水!水がありますよ○○さん!」
と叫んだ。
立ち止まり耳を澄ますと、確かに水の流れる音がする。
水のにおいも漂っている、近くに沢があるのか。
とにかく乾いていた漏れたちは、水の音に向かってダッシュした。

5分ほど薮を踏み越えていくと、いきなり周囲の景色が開けて、驚くくらい大きな川が流れていた。
大きな川と言っても、幅は5~6mくらいだったのだけれども。
とにかく水があったことで、みんな激しく喜んだ。
まず靴を脱いで足を浸すもの、コンビニのビニールに水を汲もうとするものなどいたけれど、漏れはまず水が飲みたかったから、水を両手ですくって、そこで固まった。
「おい待ておまいら!この水飲むな!」
不信そうな後輩たちの視線をあびながら、漏れは川底を指差した。
その川は、岩盤の上をずっと水が流れていたのだけれども、水底の岩の色が普通じゃなかった。
真っ赤。
これ以上ないくらい赤。
上流まで、ずっと鮮やかな赤。

あまりに鮮やかな赤い川を見ながら、みんなが同時にある事を思い出していた。
昔々、丹紗とか丹とか呼ばれて、万能薬とされてた鉱物があったと授業で聴いた。
お大師さんも、高野山から京都にその薬を持ち込んでいたらしい。
でも、実際は人体にとって、毒物でしかなかったと言う。
で、恐らく、水に混じって流れてたのは、岩盤を赤く染めていたのは、その、丹紗、万能薬、要するに、硫化水銀。
硫化水銀の赤色。

毒も気持ち悪いけど、それ以上に、なにか触れてはいけないものに触れたようで、全員がそこで固まってしまった。
川底の岩盤は、上流に向かって、より赤みを増しているようだった。
面白い論文が書ける、という誘惑は確かにあった。
でも、誰も川をさかのぼろうとは言わなかった。

登山の常識としては最悪だと聞いたけど、俺たちはそのまま沢を下る事に決めた。
二時間ほど歩いて、偶然にも小さな集落に出て、俺たちは親切な農家のおじさんの軽トラで、最寄り駅まで送ってもらう事が出来た。

で、その後高野山に帰った漏れたちは、また普段通りの日常に戻ったわけだ。
しばらくしてから農家のおじさんにお礼に行ったら、既にそこは廃村になっていたり、また赤い川はもう見つからなかったりとかしたけど、それはそれでいい体験だったと思う。

 

山の神にふられた

ふに落ちない話。

叔母さんの家には2人の子供がいた。
長女は、おてんば。次女は、おとなしめ。
私は、おてんばな長女(従姉)と気が合っていて、
夏休みなどは、叔母さんの家に長期滞在していたので
ふたりとも真っ黒になって裏山で遊んでいた。
おとなしい従妹のほうは、3回に1回ぐらいだけ一緒についてきていた。

あるとき叔母さんが子供部屋にはいると、私と従姉が大人しく
家の中で遊んでいた。
「今日は、山の方に行かないの?」
と、叔母さんが聞くと
「うん、今日は家でいいや」
と、いつに無く消極的な私と従姉。
その夏はずっと叔母さんの家にいるあいだ、
私と従姉は家で遊ぶか、公園で遊ぶか、近所の川で遊ぶかしていて
なぜか裏山では遊ばなかったそうだ。
不思議に思った叔母さんが
「何で、山で遊ばないの?」と聞くと、
私と従姉の返事がこれだったそう。

「えー、だって」「もう、いけないよね」
「ふられちゃったもんね」「しょうがないよ」
一緒に遊んでいた男の子とけんかでもしたのかと思ったそうだ。
でも、そんな事はない。
従姉と私は、いつも女の子同士だけで楽しく遊んでいた記憶しかない。
(…実は、上記の会話もこのまえ叔母さんの家に行ったときに、昔話として
初めて聞いた事だった)

まあ、当人たちは特に意識する事も無く、それっきり私と従姉は
裏山の奥にはいり込んで遊ぶ事は二度となかった。
うちの親や伯母さんは「中学生になったんだからすこしは落ち着いたのかな~」
などと思っていたそうだけど…。

一番大人しかった従妹は、私たち3人の中では真っ先に結婚して
お婿さんが○○家に養子になり、今は二人で山や、お寺の管理をしている。
その後、私と従姉も結婚したが、ずっと山とは縁のないところに住んでいる。

…もしかして、私たちおてんば組はあの山の神様にふられたってこと?
山の神様も、やはり女らしい子が好みだったということだろうか…。

それと、我が母親も山の神様にふられたクチらしいです。
大きな木の上から紐のついたざるをたらして、親におやつをねだったという
超おてんば女だったそう。

母は、○○家の長女という事で、名前まで後継ぎにふさわしく…と、
山寺のお坊さんにわざわざ名付けしてもらったのに、
なぜかおとなしめな妹の方(叔母さん)がお婿さんを迎えて
いつの間にか跡取になっていたらしいです。

母親本人は「気楽で良いわ~」と、さばさばしていますが。

 

お墓掃除

友達の友に聞いたお話

その友達の実家は山の中腹辺りに有る。
しかも近くに古い御墓も有り夏の夜はかなり雰囲気が有る。
ある夏の夕方、友達(A)はダイエットのため家の近くの山道を走って(歩いて)いた。
件の御墓の前を通り過ぎた時、御墓の近くから声がした。
御墓の周りを見回しても誰も居ない。
気のせいだと想い視線を御墓から背けたら、耳元で
「御墓掃除して下さい…」
と少女の声で囁かれた。
怖くなり、転がるように家に帰り布団に潜り込んで震えていた。
だが、先程の声が余りにも哀れに覚えて次の日花と線香と掃除道具を持ち、御墓に行った。
掃除が終わり、花と線香を添え終えて、手を合わせていたら
「ありがとう。」
と、前より少し明るい少女の声でお礼を言われた。
顔を挙げると目の前の地面に、野苺と一輪の花が有るだけだった。

 

般若の面

なんとなく思い出した話がある。
小学校5年生頃、エアーガンでサバイバルするのが仲間内で流行っていました。
障害物・身を潜める場所が多い場所を考えると結局はそこら辺の山に決定する。
毎回同じ場所ではおもしろくないので、近くのいろいろな山・森林でやるのだけど
その日行った森林には一軒の崩れかけた廃墟があった。

林の中にポツンとある建物は異様な雰囲気を漂わせていて近づきがたかったけれど
これは最高の戦場じゃないか!ということで、まずは廃墟の中を下見しました。

その中の一人がエアーガンで電球を狙い撃ちしだして、サバイバルではなくて
廃墟の破壊活動になってしまったのです。
破壊しつつ奥へ奥へと入っていくと「なんだこれ!!」という叫び声が響きました。
なんだろうと皆が集まって見に行くと、風呂場の湯船の中にガラスで出来た箱に入った
般若の面があったのです。

当然みんな気持ち悪がったけど、悪魔退治だ!ってことで般若を破壊する事に。
そのガラス箱を抱えて廃墟の裏手にあった土管のような物の中に投げ入れました。
やはりそれだけではガラスが割れただけで般若の面は無傷だったので、大きめの石を
般若の上に投下。
割れたような音がしたので覗くと無残にバラバラになった般若。

割れた般若を見た一人が、
「あーあ、のーろわーれるーーー」
「逃げろーーーっ!!」
と言い出して、みんなダッシュ
その後、公園で適当に話をして解散しました。

それから1週間くらい経って、般若の面がなんとなく気になり出したので
サバイバルしてたメンバーの内、3人で怖がりつつも見に行く事に…。

「元に戻ってたらどうする!?」
「鬼ババァの家だったら、壊したせいで追いかけてくるかも!!」

そんな事を話しながら廃墟に到着。
恐る恐る問題の土管を覗いて見ると…

どういうわけか般若の面が無くなってたんです!!
一緒に粉々になったはずのガラス破片すら無かった。
でも、大きい石はその中に落ちていたので全く理解不能でした…
当然、3人とも無言ダッシュで帰宅。

その後何日間は怖い事が起こるんじゃないかと不安で仕方なかったけど特に何もなく
日がたつにつれその事を忘れていきました。

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