【山にまつわる怖い話】『のっぺらぼう』など 全5話|洒落怖名作まとめ – 山編【47】

【山にまつわる怖い話】『のっぺらぼう』など 全5話|【47】洒落怖名作 - 短編まとめ 山系

 

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山にまつわる怖い話【47】全5話

 

 

大きい人

オレが小学4~5年のころだと思う、
季節は初夏だったかな?友達と学校のベランダで山のほうを見ながら「あの辺りまで行ったらクワガタたくさん居るかな」みたいな話で盛り上がっていたら一人が「あっ、大きい人がおる」とかなり驚きながら指をさしているので
オレ達も「どこどこ?」と言いながら友人に教えてもらいその辺りを見ていると確かに人だがかなり大きい人型がゆっくり動いてるのを見た。
かなり大きいと言っても周りの木々よりは低いが標準の大人と比べたらかなりの高さ。

ただ結構距離があるので服装や表情などは望遠鏡でもなければ解らない。しばらく見てたがチャイムで昼休みが終わり席についてもその話で盛り上がった。山に探検に行こうとなり親に今日の見たことを言い探検に行くと言うと爺さんが真剣に「山と海には入ったりしたらダメな場所がある。絶対に行くな!」と怒られました。

当時は小学だしリアルに「日本昔話」なんかをTVで見てた世代なので妙に納得し探検は断念しました。今なら爺さんに入っては行けない場所などの話を聞くのだが、その爺さんも今ではもう居なくなり寂しい限りです。
なんだか怖くない話を長々と書きましてどうもゴメンなさいね。

 

ユウダチ

俺の母方の実家も山の中。
半端じゃなく山だった。
今では婆さまが亡くなって、爺さまはお袋の姉の家に移っちゃったし、もう行く事もないと思うけど。

夏休み、親子連れだって田舎に遊びに行った時、ちょっと怖い体験をした事が何度かある。
真夏の炎天下、虫取り網を片手に、近くの林に虫を取りに行くため、あぜ道を歩いていた。
ふと、田んぼを見ると、なんかモヤモヤとした陽炎の中に、白い物体が漂っている。
何だろう?と、ぼんやり見つめていると、全身の力が抜けて、頭がぼんやりして来た。
一度、熱射病になった事があるけど、あの時とは全然感覚が違ってた。
頭から血の気が失せていく感じ。

その時、軽トラで通りがかった、近所のオッサンが、俺の異変に気づいてくれたのか走り寄ってきて、
俺を抱き上げると、田んぼの中に立たされた。
しばらくすると、頭のぼんやりが消えていき、目の前にかかっていた白いモヤのような物が晴れていくのを感じた。
見ると、さっきまで白い物が漂っていた場所には何もなくなっていた。
「あぶねぇ、ユウダチは見ちゃならねぇ」
と、頭をゴツンとやられた。

その後、軽トラで家まで送ってもらい、その事を婆さまに話すと、婆さまはオハギを作り始めた。
3つ作ったオハギの1つは俺に、1つは近所のオッサンに、最後の1つは田んぼに放り込んだ。
で、最後に頭をゴツンとやられた。
農作業から帰って来た爺さまにも、その事を話すと、頭をゴツンとやられた。
あの白い物体は謎だけど、1日になぜ俺が3回も頭をゴツンとやられないといけないのか、その方が謎だった。

舞茸

大菩薩嶺(峠)山行のお話です。

我々4名は裂石登山口から2時間ほど歩いた見晴らしの良い場所を選んで小休止をとりました。
湯を沸かしお茶を淹れていると、シクシクというような女性の泣き声のようなものが藪の中から聞こえてきます。
嫌な感じがしたのですが、放って行くわけにはいきませんので、藪の中を探すことにしました。
声が聞こえる範囲ですから4人で手分けすれば5分とかかりません。
数分の後、リーダーの合図で捜索を打ち切り出発することにしたのですが、Bが戻ってこないのです。
先ほど藪に入ってから10分と経っていませんから、どこかで雉でも撃っているんだろうということになり、もう少し待つことにしましたが30分経っても戻りません。
さすがに心配になって辺りを探したのですが、全然見つからないのです。
2時間以上経過し、さすが焦り始めたころリーダーがBを見つけました。
驚くことに彼は80cm以上ある舞茸(きのこ)を背負って登山道を下りてきたのです。
Bは一通り皆に謝った後、奇妙なことを語り始めました。

B:藪に入ってすぐ声の主(20代女性)を見つけて声を掛けたんだよ。
5分ほどの場所で連れが怪我をしているということなので助けに行たんだ。
途中直径15cmほどの細い木が道を塞いでいた。
邪魔だとは感じなかったけど、女に請われるままその木をどけると彼女はある方向を指差して
「ありがとうございましたこちらへお帰りください」と言ったんだ。
怪我をした連れは何処か?と訊ねても「もう大丈夫ですから」って、少し頭にきて問い詰めたら、
彼女はさっき指差した方角へどんどん歩いて行くんだよ。
何しろ足が速くて追いつけないんだけど、10mくらい離れるとこっちを向いて待っているんだ。
結構歩いたあとに彼女は振り返って「本当にお世話になりました、お礼にこれをお持ちください」
といってこの舞茸を指差して消えちゃったんだ。
そして登山道へ戻って気が付いたら2時間も経っていたんだ。
それにしても、あいつなんだったんだろう???

木をどけた行為にどんな意味があるのかは私たちにはわかりません。
予定していた山行をあきらめて私たちは帰途につきました。

今のように舞茸が人工栽培できない時代でしたので、20kg近い天然舞茸はとても貴重品でした。
無駄になってしまった4人分の旅費以上の金額で売れたことを最後に付け加えておきます。

 

グランドピアノ

昔、冬の雪山登山をしていた時の話。
その年は例年よりも風雪が酷く、その日も例によって猛吹雪だった。
仲間とはぐれないように気をつけながら途中の簡易ロッジを目指していた時、
ふと斜め右上に目をやると、信じられないものが飛び込んできた。

それは、切り立った崖の上に置かれたグランドピアノと、
それを髪を振り乱して乱暴に弾く女の姿だった。

一瞬足が止まった。俺は仲間にそれを知らせようとしたが、
みんな歩くのに精一杯で、実際はそんな状況ではなかった。
気になってしょうがなかったが、歩き続けるより他無いので、
また足を動かした。

何回か振り返ってみたが、やっぱり女はそこに居て、
グランドピアノを狂ったように弾いていた。
一番おかしかったのは、そいつの周りに雪が当たっていないこと。
そこだけ風が避けるように吹いていた。
なんだあれは……?もやもやした気持ちのまま、足を進めた。

ようやく簡易ロッジに辿り着いて暖を取っているとき、
俺は直前に見たことを仲間に話した。信じてもらえないと思ったが、
なんと同じ光景を他の人たちも見ていたみたいだった。
俺がさらに詮索しようとすると、先輩の一人が、
「もういいだろ、ああいうのも居たりするんだ」とだけ言ったので、
それ以上は何も聞けなくなってしまった。

下山する時にはさっきのやつを見ることは無かったし、
その後も何度か登山をしたが、
変なものを見たのは後にも先にもあれ一回だけだった。

もう15年ぐらい前の話。

 

のっぺらぼう

のっぺらぼうの幽霊を見ました
今から十五年前立山室堂のT句小屋に泊まった時夜風呂に入っていた時です
更衣室で着替え 中に入ったら三十代くらいの人がこちらに背中を向けて湯船に入っていました
はじめは別に気にとめることなく私も体を洗っていましたが
いつまでたってもその男の人は湯船に浸かったままで私も入ろうと思い
湯に触れたとたんびっくりしました
熱湯と思えるほどにあっかったのです
心配して「あまり長湯だとのぼせますよ」といったところ
その男の人は振り向き
次の瞬間全身が凍りそうになりました
何と顔がのっぺらぼうだったのです
この話は立山で近辺の山小屋ではいくらでもあるらしく
昔はたくさんの遭難者が発生し
死体も今と違って袋に折りたたまれ
入り口に1ヵ月近く放置されたり
それを別の登山者が知らずにベンチだと思い座って
小屋の主人に注意されギゃーっとびっくりしたことなど
ざらだったそうです

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