【山にまつわる怖い話】『化石に成りかけのもの』など 全5話|洒落怖名作まとめ – 山編【79】

【山にまつわる怖い話】『化石に成りかけのもの』など 全5話|【79】洒落怖名作 - 短編まとめ 山系

 

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山にまつわる怖い話【79】全5話

 

 

味覚を失った

昔山で遭難しかけた事がある

叔父と祖父の趣味が狩猟だったので
当時厨房だった漏れはよく山について行った
その時は福島の某山

山に行くって言ってもハイキングじゃないんで
当然道らしい道なんて無い
そんな地元山師しか通らないような道を歩いているうちに
漏れはどっかでチャリ鍵を落としてしまったらしい事に気付いた

祖父はかなり迷信深い人で
日頃から山での注意事項を散々聞かされていたんだが
その中に「山で無くし物をした時は探しちゃいけない」
というのがあったんだけど
厨房としてはチャリ鍵がないと非常に困るわけで…
幸いまだ早朝で日も高かったので
漏れは「自動車に忘れもんをした」と嘘を吐き
かわいがっていた猟犬を一頭連れて来た道を戻り始めた

まぁ正直獣道に等しい山道でチャリ鍵を探すなんて正気じゃない
小一時間程山を降りたが当然鍵はなかった

猟犬を頼りに山道を祖父たちの元へと戻って行くと
妙な事に漏れは気がついた
山は昼夜問わず音に満ちてるもんだ
鳥の声や得体の知れない虫の鳴き声
それらが一切聞こえない

ナ ン カ ヤ バ イ

見ると猟犬は尻尾を股に挟み酷く怯えていた

得体の知れない恐怖で漏れはいっぱいいっぱい
まだ昼前だっていうのに冗談ジャナイ!
漏れは一刻も早く祖父達と合流したくて足を速めた

ザザ…ザ…ざぁ…ざざざざざざざざざざざざざざざざざ
ざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざざ

何かが漏れの後を追いかけてくる音がする!
薄情にも漏れを抜きさり走り抜ける猟犬
とてもじゃないが走れるような道じゃないのに
藪を揺らす音はすごい勢いで近づいてくる!

ざざざざざざザザザザザザザッザ…

音が止んだ…ナンカ猟犬が戻ってきた
俺は走る!走る!少しでも距離を離したい!
だが漏れは確かに聞いた
何かが止まったときに聞いてしまった

「… オ イ テ イ ケ …」

どこをどう走ったかもわかんない地図も磁石も無い
これが山でどれだけ絶望を感じさせるかわかるかな
もう気持ちも肉体も恐怖も限界だったワケワカンナイ
犬は小便もらしてたし、漏れは泣きながら必死に逃げた
周りは緑につぐ緑

振り向けば 「ソレ」 がいそうで 漏れは止まれなかった

いつのまにか鳥の声が、祖父や叔父が撃ったであろう銃声が戻った
本当に劇的に普段連れてきてもらう漏れの知っている山に戻った
時計を見るともう昼過ぎ…あぁもう駄目だな…と観念したよ
どうあがいても明るいうちに合流なんてできない
第一、ここはドコナンダ?

落ち着く為にヤニを吸う漏れ
早朝に家を出たので食事もまともにとっていない
空腹を満たそうにも食料は全部叔父のリュックだ

それでもとぼとぼと歩くしかない
幸いにも10分ほど歩いたところでロープの張られた山道にでた
これで下山できると道を下る漏れは道祖神?を見つけた

それには何故か生魚(生きてた)が供えられており
漏れは手ごろな枝で串刺しにして、もっていたジャンプを火種にして
犬と半分ずつ魚を焼いて食べた…今ならアリエナイけどね
物凄く美味い魚だったよ…うまかったんだよな

ほどなく林道に出た漏れは、山菜取りにきてた地元民に送られ
叔父の車まで戻った
祖父も叔父もめちゃくちゃ怒って、泣いて安堵して…
猟犬もうれしそうに尻尾を揺らしてた

獲物や荷物を積み込み、犬を車に乗せようとすると
一匹見当たらない…漏れといた犬がいない…

「ぎゃいーん!」

犬の声がした
猟銃を片手に声の方に走る祖父と叔父!
少しして戻った祖父は犬を連れていなかった

「死んどった」

簡単に埋葬してきたそうだ
漏れは何も言えなかった 車中やけに皆無口

それ以来、祖父が漏れを山に連れて行ってくれることは無かった
漏れも行きたいとも思わない

そんな祖父も先日亡くなり
祖父をしのびつつ交わす酒の席
昔話に花が咲き、山の話から漏れの遭難事件まで話はおよんだ
叔父は言った

「あの時の犬はかわいそうな死に方だった」
「舌を噛み千切られるなんてマトモな死に方じゃない」
「S(漏れ)ちゃん…あの時なんかあったんじゃないの?」

…漏れはあの時、あの山で何を置いてきてしまったんだろう?
山のルールを破ったからなんだろうか

実は今の漏れには味覚という感覚が ない

 

田んぼの神様

Aの田舎にそいつとB、Cで遊びに行った時の話
Aの親父とかと酒を呑んでて、AとCが寝ちゃったから
Bと夜風にあたりに田んぼのあたりをぶらぶら散歩にでた、

散歩している間月がキレイで蛙の鳴き声がずっとしてたんだけど
いざ戻るか、って時にそれまでうるさいぐらいに鳴いていた
蛙が一斉に鳴き止んだんだと、その直後に、
遠くの方で蛙が水に飛び込む音が聞こえた、その後も
また飛びこむ音が何回もして、なんとなく音が近づいてくる、
で、いよいよ近づいて来たって時にそれを見た

姿は見えないんだけど音の主が田んぼの中をビシャビシャ
水音を立ててこっちに走ってくるんだって、よくわからないから
二人とも固まってたんだけど、そいつは田んぼをつっきって
あぜ道の上をスタスタ走ってこっちに向かってくる

さすがにコエーからどちらとはいわず逃げるか?って空気になったとき
あぜ道をこっちに走ってきて、もうそこまで来てる奴が
バシッてデカイ音をたてて消えたんだって

家に帰って呑み続けてたAの爺さんと親父といっしょに
呑み直して何とはなしに聞いてみると爺さん曰く
最近はだいぶ減ったけど田んぼの神様なんだって
帰り際にそこを通った時に見たらあぜ道の草が
何箇所か結んであったんだと、コケたのか?
(足ひっかけて転ばすイタズラのトラップあるでしょ)
…爺婆が転んだらどーすんだよと思ったらしい
かれこれ20年ぐらい前の話とか、それにしても…

ベタなイタズラにひっかかる神様萌え(・∀・)

 




 

化石に成りかけのもの

子供頃、小さな山の麓にある町に住んでいた。
山へはよく遊びに行った。
級友がある日化石が出るところを見つけた!と言うので、
理科に詳しい小学校の先生と、クラスの皆で出かけた。
結果化石ではなかった。何百年前かの植物が、粘土層に含まれているだけだった。
それでも硬く固まった粘土の塊を割ると、中に葉っぱが入っている。
面白くて、いくつかリュックに入れて持ち帰った。
その夜だった。
夜中に便所に行く為、リュックを置いていた玄関の前を通ると、
何かが居た。リュックの側、暗い玄関のたたきに
人ほどの黒い影がゆらゆら立っていた。
急いで電気をつけたが何もいない。
薄気味悪くて、親を起こす事も思いつかず、部屋に跳んで戻り布団を被って寝た。
(化石に成りかけのものを、持って帰ってきちゃったからだ。)
何故かそう思った。そう思ったが、山に返しに行かずに
リュックごと、こっそり燃えるごみに出してしまった。
あれから20年程経つが、あれ以来怪異にはあっていない。

 

虫の生首

さっき、別の板見てて思い出した数年前の話。
私、雑木林の生態系を研究してて、夏になると頻繁に夜中の山に入って動植物を観察します。

何百回も山に入ってると、時々異常に静かな何の音もしない日があったり、逆に物凄く賑やか(羽音、生き物の足音、木の揺れる音など)がある。
どっちも人知の及ばない何かを感じてすごく不気味。

二年ほど前、クワガタにスポットを当てて観察してたのよ。
林に入ればどこにでもいるわけではなく、何本かの木だけに群がっている。
その内の一本を観察してたら、すぐ近くで何かが落ちる音がした。
ライトで照らしてみたら、コクワガタの生首が。しかもまだ動いているので、切られて間がない。
まぁ、トカゲか何かに食われたかと思って特に気にせず、100mほど離れた別の木へ移動。
すると、また何かが落ちる音がして、足元を照らしてみたらまだ動いているカミキリムシの生首が。

何か、次はお前だぞ的なメッセージを感じて、気持ち悪くなって引き上げてきた。山の神様からの何かしらのメッセージかなぁ。

 

山神様の祠

私の不思議体験は、土地柄もあると思います。
昔からある伝承・言い伝えに、
「賊が襲って来た時、山神様を祭った小さな祠に
100人以上の人が隠れ全員助かった。」
ちなみに祠は、子供でも5人入ればいい方という大きさです。
今でも現存していますが、心霊写真が撮れるので撮影禁止になっています。
見咎められると地元の方に殴り飛ばされることもあるので絶対にやめてください。
「漁師たちが船で漁に出た晩、激しい嵐が起こり、
3日後船の残骸が浜に流れ着いた。
陸の人たちの誰もがもう帰ってこないと諦めて
弔い(葬式)の準備をしていたら、漁師たちがなんと、
山の方から帰ってきた。
漁師たちは嵐にあい船がひっくり返り、
もう駄目だと思った直後何故か山の中にいたという。
きっと山神様が助けてくれたのだろう」という話。
他にも似たような話がいくつかありました。
この土地は異界と繋がりやすいのかもしれません。

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