『霊感主婦ダンナの実家の話』霊感主婦シリーズ|洒落怖名作まとめ

『霊感主婦ダンナの実家の話』霊感主婦シリーズ|洒落怖名作まとめ 短編

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霊感主婦ダンナの実家の話

 

新年早々、霊感主婦さんは妙なことに巻き込まれてるらしいです。
出だしは、霊感主婦の義妹とその夫との会話から始まったらしいのですが。

霊感主婦ダンナの父親はS県出身。そこの実家の話。
今年、法事があってそこに数年ぶりに行った霊感主婦。正直、行く前から体調を
くずしたりして行きたくなかったらしいが結局行くことになった。
S県の実家は既に住人はいない。夫祖父母は二人とも、霊感主婦さんが妊娠中に亡くなり
お葬式にも出られなかったらしい。
で、義妹夫さんははじめてそこへ行ったのだ。(親類への結婚の挨拶代わり)

そして先日、年末に忘年会と称して義両親、霊感主婦夫婦、義妹夫婦、そして霊感主婦子で
料理屋で集まった時のこと。
霊感主婦の夫と義両親が到着前に義妹夫婦と霊感主婦さんは着いてしまい、雑談をしていた
時にふと、義妹夫が「あの静岡の家、あのままにしておいたらいかんと違う?」と言い出した。
霊感主婦は驚いたそう。自分も常々、夫にそれを言っていたからだ。

□ □ □

で、彼がいうのは、去年の法事に行ったとき、あまりにも全てがそのままで、
「お祖父さんとお祖母さんがそこに座っていそうで怖い」と感じたそうだ。(会ったことなどない)
というより、「あの家であの二人はまだ生活をしている」と感じたという。
同じ事を、霊感主婦も感じてたらしいのだが、そうしたら義妹も、
「うん、私も気持ち悪かった。せめて、家の中からでも処分をはじめるべきと思う」と。
で、義母到着後、その話をしたら「私も怖くて、あの家にはもう寝泊まりできない」と言う。

義理祖父さんは、脳溢血で倒れ、意識不明のまま数ヶ月で亡くなった。
同じ年に、義理祖母さんは交通事故で入院し、こちらも意識不明のまま数ヶ月で亡くなってる。
どちらも「突然意識がなくなって」死んでいる上、お祖母さんはお祖父さんが先に亡くなったのも
知らない。
霊感主婦の夫婦どちらの実家も、「葬式に妊婦は出席してはいけない」という事で、主婦さんは
どっちも出席できなかったという。(妊娠四ヶ月で義祖父、8ヶ月で義祖母が亡くなった)

「絶対あの家にはまだ二人ともいる!」となって、その後義理父が来たのでまあ忘年会だし、
その話は後にしようとなった。

□ □ □

ところがその日は主婦さんが途中で体調が悪くなり、家にかえってしまったそうで、
結局話せなかったそう。

そして、その話を聞いてなかった筈の主婦夫さんがその晩、夢を見たという。
そのS県の家で眠っていると、畳の裏から何かがつんつん自分を刺してくると。
そして見ると、そこには蟻の巣があり、「こんなところまで虫が・・・」と思って、
となりの畳と取り替え、蟻の巣の穴をくずすと亀が出てくる夢だったそう。
その部屋が、田舎の仏間だったそうで。
「なんで話聞いてないあなたがそんな夢を見てるの?」と思いつつ思ったのが、
「もしかして、祖父母ともに死んだことに気付いてないんじゃあ・・・」との事。
あくまで主婦さんの直感らしいですが。

元旦にその話を夫が両親にした。笑い飛ばされるかと思ったら、夫の父(その祖父母の息子)が、
「実は、寺からも電話がかかってきて、じいさんとばあさんが成仏してないから家をよく
見てみろと年末頃言われた」との話。
「そのあたりは兄弟でよく話し合いなよ!」と主婦夫は父親に言ったそうだが・・・。

□ □ □

今度は霊感主婦さんが夢を見た。
あの家の中から出られなくなって、必死で出る場所を探している夢。
それが元旦だったらしい。

「もう年始からさんざんだよ。だってもう7年だよ!なのに、まだ人がいる気配は消えないし、
置いてあるものはそのままだし、電話も電気も水道もそのままなの! 絶対そのうち電話が
かかってくるよ!!」とメールで来てた。

結局、霊感主婦夫婦が今週中にS県に行って、棚の上のものや洋服などは処分するように
袋に詰めて、ゴミを出せる状態にしてくると言っている。
坊さんも来てくれると言ったそうだが、長男(義父の兄)が「ちょっと待った」をかけているらしい。
長男の沽券に関わるから次男の息子夫婦は出しゃばるなと言いたいみたいで。
「こっちはあの家から発する念をどうにかしたいんだけなんだけど」と言っているが、この長男には
坊さんがいくら言っても効果がないみたいで。
てか「本当は長男夫婦がやれ!」と言いたいそうだ。
自分は嫁だからシラネーヨ、もう勝手にしろ、ついでに夢に出るなら自分の子たちの夢に出ろ!と
怒りまくっていた。
家を片付けに行くかはまだ思案中という。(それで義父や義伯父がもめても面倒との事)

□ □ □

霊感主婦実家も、また今回出てきた義妹夫の父実家も、けっこう色々あった家らしいです。
(どっちも古い豪農。ただ、霊感主婦は都内、義妹夫の父は出雲大社の県の豪農、でも
どちらも実は落ち武者が先祖というベタな共通点がw)

関わりたくないがスタンスでも義実家絡みだと無碍にも出来ない、だがでしゃばりも出来ない。
人間が二人で生きていく結婚とは、なんと面倒なことか。
でも縁を作ってしまったからには仕方ないなーと言っている。

ちなみに、この家の隣家から義実家に電話がかかったこと複数。
「物音がした。」「電話が鳴る(まあこれは当然か)」「明かりが付いている」等。
近くの長男宅に言ってもらちがあかないので次男である義実家に電話が来るそうだ。
「そのうち幽霊屋敷ってあだ名が付くね」と言ったら、とっくについてるとか。

とりあえず霊感主婦さんは、ここの寺の坊主に連絡を取ると言っていた。
東名を使うのが相変わらず嫌なのでw新幹線で三が日過ぎに話を聞きに行くと言っていた。
続きは彼女の帰宅後のメールを待って投下します。(別にいらないかもしれないけど)

□ □ □

後日談

結局、霊感主婦さんは行かないそうです。今回の件で、義親の兄弟のもめ事が起きたそうで。
遺産相続などの問題も絡むので、手出し無用に願いたいと伯父さんなどから連絡が来たそう。
一応その旨をお坊さんに連絡したら、「それでもう○年もたっていて、お孫さんが気にしているのに
本人達がそれでは・・・」と大変気にしてらしたとか。
何と、位牌も正式に作ってないそうです。
それを、長男は「坊主丸儲けだな!」と言ってきたりとか、もうむちゃくちゃだとか。
「まあ、霊にも関わりたくないけどこんな相続争いにも関わりたくないわ」と放置を決めたそうです。

成仏できないとどうなるかとかは宗教観によって左右されると思いますが、霊感主婦さんは
「アレになるなあ」とぽつりと言った。「アレって何?」と聞いたところ、「んー、まあ悪霊みたいなもん」
といって、アレに対する言葉を濁してた。

もひとつ。最近、近所の心霊スポット(という噂のただの廃屋)について、侵入者を防ぐための自治会で
しょっちゅう会議が開かれるようになり、うんざりしているそうです。
益々肝試し連中嫌いになっている彼女です。

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