短くて読みやすい怖い話【4】全10話 – 洒落怖 ショートショート

短くて読みやすい怖い話【4】全10話 - 洒落怖 ショートショート 短編

 

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短くて読みやすい怖い話【4】

 

 

□ 1 □

 

プロ占い師で、バイトでお祓いみたいなこともやってる友人から聞いた話。

「工作マシンの下を、たまに影みたいなものがスッと動く。軽い足音を聞いたという家族もいるから見てほしい」
という客の依頼で、ある小さな町工場を訪ねたら、確かに工場の中に5歳ぐらいの男の子がいた。
100年ほど前に亡くなったその家の先祖で、
彼には轟音を立てて動くマシンが大きなオモチャのように思えるらしく、
マシンが動き出すと嬉しくてウロチョロしてしまうのだそうだ。
座敷ワラシの類で実害はないのだが、その男の子は叱られると思ったのか、
「ボクのどーゆーところが怖いデスカ」と泣きそうな顔で聞いてきたので、思わず吹いたと言っていた。

その家は、工場の中にジュースやお菓子を備えるようになって、
以後、何事もなく過ごしているそうだ。

 

□ 2 □

 

広島県のお好み村の客から聞いたはなし。

彼は仕事が上手くいかなくて些細なミスが続いて落ち込んでいた。そんなある日残業で遅くなってしまった。

もう明日にして今日は切り上げようか、それとももう少し頑張ろうか、それとも会社を辞めようか頭をよぎった瞬間、
頭の中にハッキリと鮮明に「いっそ死んだら楽じゃない?」と女の声が響いた。

 

□ 3 □

 

中学時代に友人Mから聞いた話
夜中にMは目を覚ました、そして、テレビをつけると
番組は放送されておらず、画面は砂嵐
Mは、何気にその砂嵐をボーっと眺めていた
すると、その砂嵐の画面が何かの丸いものに変化していき
髪の長い、眼のぱっちりとした女性の顔になった
Mは驚いた
そして画面は再び砂嵐へと変った

□ 4 □

 

ついさっき思い出した話、ネタだと思って聞いてくれ。
昔、22年位前、八高線の寄居駅から八王子まで行く途中だったんだけど、
なんか折原駅過ぎてから2時間位電車が止まらないんだよ。
やっと変な駅に止まったんだけど…遠い所まで連れていかれたくないので降りてみた…

そしたら狗歯馬駅って看板にある、全然聞いた事無い。
いぬしまって書くみたいで、前の駅は折原駅で普通なんだが、
次の駅は厄身駅って書いてあった、どう読むかは知らない。

なんか全体的に緑色で空は紫色だし周りは山ばっかで薄暗くて怖い…何だろう?と思って
回り見たけど改札出口が無いんだよ!フェンスに囲まれてるだけ…
本能的にココは寒いと思って電車に戻った、ドア閉まりかけてたけど無理矢理乗った、
運転手に嫌な顔されたけどね、あと、本当に怖いのはこれからだった、厄身駅ってのを過ぎたんだけど、
その次の駅からは電車は一度も止まらなかった、止まらなかったんだけど駅の名前がな…

「なんでおりるれか」
その次の駅は「なんで」次の次は「まどからおりろ」次は「おりろ」次も「おりろ」次も「おりろ」
って書いてあった。
なんかもう怖くなって目を瞑ってた…そんでナンと3時間後に小川町駅に着いた!
もう八高線には乗らないと決めた。

 

□ 5 □

 

外国のお話。
ある男が2人、車で海岸沿いの道を走っていた。
初夏の肌寒い日だったので海に入っている人こそ少なかったものの、
それでも家族連れやアベックなど老若男女で浜辺はそれなりの賑わいを見せていた。

どうといったことのない平凡な風景。しかし運転席の男はその光景にかすかな違和感を覚えてもいた。
やがて海岸が見えなくなった頃、助手席の男が口を開いた。
「気付いたか?」
先ほどまでの陽気な口調とは異なり、その面もちはいくぶんこわばっている。

「海岸にいた連中、みんな海の方を見ていなかった。
立っている者も座っている者も、全員海に背を向けていたんだ

 

□ 6 □

 

小学校に上がる前だと思う。
ある朝に目を覚ますと、隣で寝ている兄以外、家に人の気配がなかった。
家中を見て回るが誰もいない。
不安になって兄を起こそうと声をかけ、肩をゆするが目を覚まさない。
どんなに激しく揺り動かしても、ぐにゃり、ぐにゃり、とするばかりで死んでいるかのようだ。

私は怖くなって家の外に出た。雨が降っていて薄暗かった。
家の周りを泣きながら歩き回ったが、家の外にもまったく人の気配はなかった。
泣きながらまた家に帰り、ぐずぐずしていると、ふいに両親が現れた。

「どこにいってたの」と聞いても答えてくれず、
「お父さんはここにいるよ」「お母さんはここにいるよ」と答えるばかりである。
訳が分からなかったが、とにかく両親は戻ってきて私は安心した。
そこに兄が現れた。兄の顔を見た私は息を飲んだ。
そこにいた兄は兄ではなかった。
背格好は似ている。しかし、昨日までの兄、さっきまで隣で寝ていた兄と顔が全然違う。
目つきがきつい。鼻が細く高い。ほほがこけている。髪がぺたんとしている。

あの不思議な朝のようなことは、あれが最初で最後だった。
しかし兄自体は、それからもずっと兄とは思えない男の子のままだった。

 

□ 7 □

 

熊本県の大津市で聞いたはなし。

夕方過ぎに日課のジョギングをしていると、何時も通るホテルの裏で悲鳴の様な女の声がハッキリ聞こえた。
立ち止まって辺り見回したが助けを求める様な女の姿は見当たらなかった。

しばらくするとホテルの裏口から長身の男が出てきてこちらを見ると、うつむきながら駅の方に歩いて行った。

その晩、自分のアパートの部屋にもどりシャワーを浴び終わると携帯電話に非通知で着信があった。
留守番電話が録音されているようなので再生してみると、低い男の声で
「お前、俺を見ただろ。」とだけあった。

次の日、隣の部屋の住人が殺されていた。

□ 8 □

 

昔、同級生から怖い話を聞いた
その話は聞くと三日後におそわれるというやつだった
三日後の夜に、プールで泳いでる夢をみた
そのプールで俺は競泳水際姿の髪の毛の長い女に両足をつかまれ、
プールの底に引きずりこまれた
リアルな夢だった

 

□ 9 □

 

中学の時、お兄ちゃんが不良でいつもケンカばっかしてた。
その日もお兄ちゃんはケンカして帰ってきて荒れていた。
そしてそのまま原チャリで出かけたが、荒れていたお兄ちゃんが半泣きで帰ってきた。
話を聞くと、あるマンションの横を通ったときに、
直立してまっすぐ前を向いたままの女が、ずっと横に並列してついてきたそうだ。
どんなにスピードを上げても、「お前来んなよ!」って振り払っても、
ずっと前を見たまま直立で。

 

□ 10 □

 

神奈川県で聞いたはなし。

昭和の初期、ある大工一家の5歳になる子供が大工道具に興味を持ったので、父親が小さなノコギリの使い方を教えてみた。
いつも父親のすがたを見ていたせいか、直ぐに使い方を覚えて、その日のうちに木片を切ることが出来るようになった。

もちろん目の届く範囲でしか触らせ無かったが、少し目を離した隙にイモリやらカエルやらを切り刻んでいた。
まだ子供なので良し悪しが付かないのは仕方ないので、まだ刃物は早かったかとノコギリを取り上げ、工具箱に閉まって鍵をかけて触れないようにした。

その翌日、その子供は野良猫の前脚を持って遊んでいた。側には何処からか持ち出した鉄板を切るハサミと切り刻まれた猫の死体が側にあった。

流石に、父親はこの子には刃物は危なすぎると言う事で、大事になる前に大工道具は全て鍵付きの道具箱にしまい、包丁は錠前の付いた棚に閉まって管理することにした。

次の日、その子供が首を切り落とされて殺されていた。

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