『被害届を取り下げて泣き寝入り』など全5話 – スカッとする話 短編 – 傑作選【因果応報・復讐・武勇伝】

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

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スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

勤めていたIT企業がブラックだった

ギリギリアウトかもしれないけど、そこはフェイクってことにしておいて下さい。

以前勤めていたIT企業がブラックホールも真っ青になるくらいブラックだった。
労働時間も然る事ながら上司からのパワハラが酷く、特に私への当たりがかなりキツかった。

それでも頑張っていたけど、恩師に相談した際
「それはパワハラってレベルじゃない、単なるいじめだよ」
と言われたことで退職することを決意。

退職の意思を伝えるも1ヶ月半なぁなぁにされ、催促したら突然
「こういう日程で今月末までってことでいい?」
と2週間後を退職日とされた。

上司達は同僚が引き摺られ辞めするのを懸念したようで、同僚に
「私さんがワガママで突然辞めると言い出した。原因は同僚とのいざこざ」
と説明したらしい。同僚からその話を聞き、爆弾を仕込むことにした。

当時、管轄外のグラビアサイトの画像選別・加工までしており、流れとしては
私が画像選別→上司の検閲→クリアした画像を加工(はみ出た陰毛や乳輪等を消したり水着着せたり)→上司の検閲→公開
となっていた。

そこで私は画像を選別した後、アウト画像(全裸や乳首露出)を別フォルダに保管し、
問題ない分だけ上司の検閲へ送り出した。
許可を得た画像の中にアウト画像も混ぜ、上司が出張へ行っている間に画像加工開始。

お風呂の撮影では泡を使い、ベッドの撮影ではぬいぐるみやスタンドで乳首や局部を隠した。
(携帯サイトは水着を着ていればOK、服や水着以外のもので隠すのはNG、下着っぽい水着もNG)

一見分からない分だけ混ぜたままにし、流石に厳しい分(技術力不足)はまた別に分けて
上司の検閲に出した。
出張中、上司の検閲はかなり緩くなるからすんなり検閲突破。
戻ってきた画像に厳しい画像を混ぜてうp係に回した。

その画像達が公開される前に私は無事退職。
顛末を見守るために携帯サイトをチェックしていたら、案の定アウト画像も公開された。
数週間後、私が手掛けた画像の3/4がサイト上から消えた。

私はギリギリアウトだけど、アウト通告するレベルではない画像を選び、加工していた。
完全アウト画像もギリギリアウト画像になるよう加工していたから、お客様には大変お喜びをいただいていた。
一方、女性上司2人からは「どエロ」だの「変態」だの暴言を浴びせられていた。

完全アウト画像と一緒にギリギリアウトはもちろん、前任者がやったギリギリセーフ画像もサイトから消え
つまらない画像しかサイト上には残らなかった。ざまぁ。

 

 

鈍臭い鈍臭い

高校生の頃の話。

出身校の運動部系はテニス以外は弱小だった。
そんな弱小運動部でも文化部に対するカーストの様な物はあり、
文化部の俺を「鈍臭い」「(体育の授業中)下手くそ!」等と煽ってくる奴がクラスにいた。

一度や二度なら気にならなかったのだが、毎度の如く煽ってくると流石にイライラする。
後もうちょっと悪口のバリエーション増やせ。

ある日、何だったかの集会で体育館へ集合する事になったのだが、
昼休みギリギリまでフラフラしていたそいつは廊下をダッシュでこちらへ向かってきた。

それを見ていた俺は、
「普段鈍臭い鈍臭い言ってる奴の事だから、さぞ反応が良いんだろう」と思い、
つい片足を奴の進路上に差し出してしまった。
奴は潰れた蛙の様に「ビタン!」という音を立てて這いつくばった。

 

被害届を取り下げて泣き寝入り

数年前、ある犯罪の被害者になった。
弁護士と相談した結果、軽い罪にしか問えない被害届は取り下げて
罪状を絞って告訴することにした。

それを惚けかかった祖母が近所の人にしゃべってしまい、その息子A(元同級生)が
「被害届を取り下げて泣き寝入りwやっぱり女はバカw」
とSNSに晒し挙げた。

しかも私の実名入り、犯罪の内容はデマ交じりのいい加減なものに置き換えられ
「自業自得w防犯意識皆無w」
「なんで取り下げるかねチキンw弱い奴は踏みつけにされるだけw」
と盛大に草を生やされた。

上記のように、被害届はあくまで「一部」を取り下げただけなのに
えらい言われようだった。

その日から電話はかかってくるわ、道で会う人に「どうしたの?」「大丈夫?」と言われまくった。
中にはAに同調して説教してくる奴も何人かいた。
こっちは訊かれても「弁護士に一任してるから」としか言えない。

仕方なく逃げ回っていたらAがエスカレートし、
「黙って逃げるということは相当後ろ暗いはずw」
「実は狂言だったんじゃねw」
「かまってちゃん女の自作自演キタコレ」
などとSNSで書きまくってくれた為、騒ぎがまったく沈静化しなかった。

悪質として弁護士に相談の上、民事で告訴することにし、その旨まずA親に通達した。
「弁護士から連絡が来た」というだけでA親は動転してしまい、大パニック。
Aは「この程度でw」と鼻で笑っていたが
長期間に渡っていること、はっきり実名を出していること等で悪質だと弁護士に説明され
母親に泣かれ、蒼白になっていった。

その後「記事は消したから訴状を取り下げてくれ」と両親とともに土下座しに来たが
「取り下げるのはバカのすることらしいので」
と言ったら声を上げて泣いてた。

Aは罰金刑になりました。
少額だけど、こっちとしてはAに全面的に非があると公に認めさせられれば
それでよかったので満足いく結果でした。

 

 

底辺の家庭環境

家庭環境が底辺で小学校時代苛められていた。
市営団地は貧乏人の住むとこなんでしょwwwとかよく言われた。

親も毒親で、私が本を読んだり勉強してても
「勉強なんて役に立たないし生意気になるだけ」と私を見下していた。
兄妹は当たり前のように高卒で就職し、
出来婚してマイルドヤンキーを地で行っていた。

貧乏だから大学も行けず(同級生にこれも馬鹿にされた)、
高卒で就職したが、DQNばっかでまたいびられる日々。

全てから逃げたくなって、とある2chのオフ会に参加したら、
高学歴ばかりで、驚くと同時に劣等感にさいなまれたが、
それでも生まれて始めて話題が合う人と出会えて幸せだった。
親はそんな私を見て「そんな集まりに行ったら自分がみじめになるだけ」と嫌がっていた。

その後色々あって、オフ会メンバーの中の一人と結婚した。
夫は教育関係の仕事で、私が学歴コンプを持っているのを理解していたので
「今からでも遅くない、お前は大学に行くべきだ」と勧めてくれた。

夫の職場では、「嫁を今更大学に行かせるなんて無駄」と反対されたそうだが、
私はそこそこの評判がある大学に合格し、普通の学生と同じ生活を送った。

就職は現役生のように正社員とまでは行かなかったが、
名前だけ出すとスゴイと言われる、
大卒しか就けない職場で働けるようになり、自信が付いた。

今では散々私を見下していた親兄妹や、元同級生たちの方が
生活も苦しく離婚したりしてて、「何でお前だけいい目に遭うんだ」
と、たまに里帰りした時に言われる。

「私はあんたらみたいな惨めな人生送りたくないから
必死に這い上がったんだよ。ギャンブルや男に逃げたりしなかったよ」
と言ったら黙ったけどな。

 

 

自称「読み巧者」

大学の創作文芸サークルに所属している。
創作は基本的に年一回、学祭で発行する同人誌用に書くだけで
あとの期間は週1冊皆で同じ本を読み、皆で書評を言い合うのが慣例だ。

そのサークルにAという奴が入ってきた。
Aは自称「読み巧者」で、自分じゃ毒舌の切れがいいと思っている典型的なタイプ。
週1回のお題として出された本を必ずくそみそに貶す。
しかもろくに読んでいない。

「2ページ読んでやめた。時間の無駄」
「冒頭からして意味不明。クズ本」
「あらすじで読む気をなくした」
「女作者というだけでゴミ決定」
「読む価値なし」
「読むべき本に漂っているオーラがない」
「タイトルとペンネームが糞。中身も推してしかるべし」
つねにこんな感じ。
口癖は「知識が増えない本は紙と時間の無駄」。

うちのサークルは創作を兼ねており、読むのも書くのも小説が中心だ。
小説は知識を増やすための実用的なものではなく、娯楽であり文化であり
むしろ実用性・現実性を要しないものだというのがサークルの総意。

部長がそれをAに話し
「知識のみを求めるならうちのサークルと合わないのではないか」
と提言したがAは辞めなかった。

ちなみにAが「お題」として出してくるお薦め本はミステリばかりだった。
ミステリは薀蓄が多く、知識が増えるのでいいんだそうだ。

ある時Bが、Aの好きなミステリ作家の最新刊をお題にした。
翌週の書評会で、皆が感想を言い合っているとAが切れた。
興奮してなにを言っているかよくわからなかったが、要約すると
「ネタバレするな」
ということらしかった。

しかしその場にいる皆は、お題の本を読みきっているのが前提で集まっている。
Aの抗議はまとはずれだ。
「まだ読んでないなら帰れ」と言うが、Aは帰らず最後までブツブツ言っていた。

次の時も同じく人気ミステリ作家の最新刊にした。
やはりAは「ネタバレするな氏ね」と大騒ぎした。

それでわかったこと。
Aは読むのが遅かった。1冊読むのに最低でも三ヶ月かかるらしい。
週1冊は彼のペースではとても無理だった。

そしてミステリのようなはっきりした解決のある話でないと
理解できない(曖昧な心理描写が苦手で意味が読みとれない)ため
エンタメ以外の文学作品も無理だった。

なので書評がいつも「読んでない。読むだけ無駄」という貶しだった。
しかし自称「読み巧者」としてはペースが合わせられないとは言えなかった。
サークル脱退もプライドに関わるためできなかった。

そんなサークル活動でなにが楽しいんだ?と疑問だったが
「サークルに入ってないとぼっちだと思われる」とAは言い張った。

その後も書評会はAの言う「ネタバレ」ばかりが連続したため
Aはサークルに来なくなった。
卒業まで籍はあったが、当然創作もしなかった。

2年もすると「創作文芸サークル」でなくすっかり「ミス研」になってしまったが
Aは来なくなったし、部員も増えたのでよしとする。

 

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