スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話
チンピラ2人組
学生時代、ガードマンとして交通整理していたときの話。
都内の工務店に専属ってわけじゃないけど、必ず呼ばれて現場に着いて行ってました。
その日は大晦日なのに、緊急を要する仕事が入り現場へ。
周りは年越しムードなんだけど、23時を回っても重機はごう音を鳴らして未だ工事終わらず。。。
そこへ現れたのはいかにもなチンピラ2人組。
マンションから勢い良く飛び出すと、ガードマンの俺に向かって苦情とはいえない恐喝レベルの怒声。
「ウルセーんだよ、ボケが!今すぐ機械止めろやゴルァ!」と。
今にも俺や他の作業員に殴り掛かかりそうな雰囲気。
そこへ登場したのが工務店のボス、現場監督。
大抵現場監督だと、写真を撮るだけのやわな奴が多いんだけど、その人は見た目45・6歳、紫の作業着に脱色したパンチパーマで体格もよいいかにもって感じの人なんです。
これは喧嘩になりそうだなと内心ビクビクしていると
「おぅ、兄ちゃん達よ、俺らもあんたらみてーにコタツ入ってみかん食いながら紅白見てーんだよ、もうちょいで終わるから我慢してくれよ。」
と、切々に語りかける。
さっきまで威勢の良かったチンピラも貫禄負けしたのか、
「おぉ、すまなかったな。」とかっこつけさせてもらい退散、、。
この人になら掘られてもいいと思える出来事でした。
誰に断って商売しとんじゃ
私の職場のAさんの話です。
Aさんが学生の時、家の近くにできたばかりのファーストフードのお店でアルバイトをすることになった。
そして働きはじめて3日目の夜。
閉店間際に、明らかに893らしきおっさんたちがやってきて
「誰に断って商売しとんじゃゴルァ!!」
と因縁をつけてきた。
店内の掃除をしていたAさんは、ビビりながら店長を呼ぶと
店長は「気づかなくてすみませんでした、今日のところはこれで勘弁していただけませんでしょうか」
と言ってスマイル(¥0)を浮かべ、レジの下から分厚い紙の封筒を差し出した。
893は封筒を受け取り、中身も見ずに
「ここの店長はわかっとる奴だな。まあ、これからもがんばりや」
と満足そうに帰っていった。
あとでAさんが「いいんですか、あんな大金」と店長に聞くと
店長はスマイル(\0)のまま
「バーカ、金なんか渡してないよ。あれは今月の終わりまで使える30円割引券の束だよ。たくさん余ってたからちょうどよかったよ」
と答えたそうだ。
「今月末までって、あと2日しかないじゃん!」
と、Aさんは中身を知った893が仕返しにこないかとドキドキしたが次の日にその893のパシリらしき人が買いに来ただけで(もちろん割引券を使用)何事もなく、現在もそのお店はとても繁盛してるそうだ。
私ってバカだから?
職場でパートのオバサンが仕事できない、物覚え悪い、ルーズ、全てがダメダメで、なのに全く気にしてなくて口癖は
「ほら、私ってバカだから?」
「私っていつもこうなの?やんなっちゃう?」
とヘラヘラしてた。
みんなもイライラしてたんだけど、新人の学生バイトの女の子がある日
「私ってバカだから?(ヘラヘラ」
「ほんとですね」
と言い切って、周囲も一瞬固まる。
オバちゃん引きつりながらも立ち直り
「ごめんなさいねえええ、私って頭悪いからねええ」
「そうみたいですねー」
もう周囲キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!!ー状態でワクテカ
その場は一旦引いたように見えたオバちゃん、5分くらいたってから突然
「あんたねえ、年上にその態度はなに?」
と説教モードに。
「だって○○さん、自分がバカで頭悪くてどうしようもないって、何度も何度も言ってますし、こんなに何度も言うんだから、いい加減同意してあげないと悪いかな?と思って」
「○○さんはバカなんですか?それとも違うんですか?肯定してあげて怒るなら違うんですよね?違うならしつこく何度も言わないでくださいね」
オバちゃん涙目。
惚れた
DQNの子沢山家族
一晩に50cm積っても当たり前の地域に住んでます。
一昨年まで住んでいたアパートは、全部で8部屋。
道路側から奥に向かって1→8号室になってる。
駐車場も同じように道路側から1→8号室に割り振られてる。
うちはその1号室に住んでいた。
8号室のDQNの子沢山家族で、爆音ボロワゴン車に乗ってた。
奥まで駐車するのが面倒らしく日頃から路駐していた。
一度出入りに邪魔で場所移動のお願いをして以来、目の敵にされた。
そうこうしている間に、雪の時期になった。
夜から明け方の間に除雪車が出動しても路上駐車を避けて通るから、アパートの所だけ全く除雪されなかった。
DQN車は自分が出られる程度に除雪するけど、その雪はうちの出入りに支障のあるような場所に山積みにされた。
一度アパートのドアが開かなかったこともあったよw
ある猛吹雪の夜のこと。
DQN車はいつもの路駐ポイントに止まってる。
そこへ除雪車がやってくる音がした。
そうだ!と閃き、慌てて外に飛び出して除雪車を呼び止めた。
そして運転していたおっちゃんにあるお願いをした。
おっちゃんはニヤリと笑い、快く引き受けてくれた。
翌朝。変な叫び声で目が覚めた。
窓からチラリと覗くと道路の片隅に異様に大きな雪山が出来てた。
合間からDQN車のアンテナが少し見えてた。
あれ掘り起こすの1時間じゃ足りないだろうね。
そう。犯人は私。
前夜除雪車のおっちゃんに「アパートの前も除雪して欲しい。山になってもいいから」とお願いをしたの。
まさかあそこまで見事に埋めてくれるとは思わなかったけどww
その後もDQNは懲りずに路駐をしたけど、その度に埋められてた。
何回か埋められてさすがに懲りたのか、路駐しなくなった。
後日談…
ある夜、除雪車の音がしたので外に出てみた。
あの時のおっちゃんだった。
感謝の言葉とお礼(現金)を手渡そうとしたがおっちゃんは拒否した。
気持ちだから!と無理やり握らせた。
それ以来、除雪のついでにうちの玄関前+駐車場だけ除雪してくれる。
僕は君が大好きだよ
学生の頃、大学内でも有名なDQNと同じ授業で、いつもうるさくされていた
この男、授業終了30分前に来て、持っているのはコーラのペットボトル1本
それを持って一番前の席に座り、後ろを向いてしゃかしゃか振り、噴き出させて喜んでいた
いい加減、無視するにも腹が立つし、先生が何も言わないので誰かが文句を言おうとした時、おもむろに先生、一言
「僕は君が大好きだよ」
その言葉に全員「!?」となった
DQNが「え?先生、コレっすか?」と言うと
「そう思ってもいいよ。君は可愛いな。やることが幼稚園児と一緒だ。僕の子が小さかった時を思い出させてくれる。本当に可愛い」
その言葉にDQNは教室から逃げた
それを見て先生
「可愛いなぁ。意気がってお子様だ。なんのかんのと言っても、授業にちゃんと来るんだから」
確かに30分とは言え、授業には来ている
やっていることはともかくとして
先生はこうも言っていた
「淋しがり屋なんだよ。構わなくても見守ってあげよう」
それ以来、その授業に出ている人たちは彼を生暖かく見守ることにした
コメント