『母の借金』本当にやった復讐 – 修羅場【長編】

『母の借金』本当にやった復讐 - 修羅場【長編】- 実際に行動した体験談

 

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母の借金

 

事の発端は、母親の借金。
パチンコやってたんだ。

消費者金融から多額の借金こしらえてて、それまでも何度か借金作った事があったが、そのたびに父は叱る事なく「しょうがないなぁ」という感じでお金を渡して返済していた。

ある時、あまりにも多額だったため、定年退職直前の父親が中途で退職し、その退職金全額使ってまで一括返済した。

その時点で自分が高校生・妹が中学生だったんだけど、父は生活費や学費を稼がにゃならんかったから違う職種に再就職して遠くへ単身赴任。

単身赴任中にもババァはパチンコ行ってたんだけどね。

ババァも近所の飲食店にパート行ってたんだが、そこは同級生が数人バイトに入ってて、

「今日はパチンコ勝ったから○○君達にジュースをおごってあげたのw」

とか聞かされて凄く恥ずかしかった記憶がある。

その頃の自分は、進路について考えていた。

自分は絵を描くのが好きだからそういった関係の仕事につきたかった。

ただ、家がそんな状況だから奨学金を利用して進学しようと副担任の先生に相談していた。

しかし、ババァからの返事はこうだった。

「ウチは、お金をかけずに学校に行ってもらうよりも、働いて家にお金を入れてもらいたい」と。

誰のせいだよクソババァ。

結局、進学は諦めて就職する事に。

頑張って勉強したので就職希望クラスでは、自分で言うのもアレだが成績はトップだった。

そして地元では有名な企業に就職が内定した。

社会人になり、自分で働いてお金を稼ぐ事になった。

高校時代はバイトも経験していたけど、やっぱ正社員って額も責任も違うよね。

ある日の休日、地元の美術館でやっていた大好きな画家の展示会に行く事にした。

もう朝から胸を高鳴らせて「画集とか買うんだw」ってワクワクしてて、いざ銀行に行ってお金を引き出そうとしたら…残高が3ケタしかないの。

「あれ?先日が給料日でまだ10万以上あるはずなのに…何で?」

と思ったが、犯人はババァしかいなかった。

給料振込の通帳をババァが作ってくれたんだが、「落とすといけないから通帳は預かっておくね」って言われたから預けてた。(自分はキャッシュカードだけ持ってた)

ババァが作ったんだから、暗証番号も知っていた。(自分の誕生日)

帰宅してババァに問い詰めたら、認めた挙句に「返せばいいんでしょ!」と逆ギレ。

自分の親ながら正直呆れた。(まだまだ呆れる事が出てくるが)

通帳はババァに内緒で作り直し、会社に振り込み先変更を依頼した。

しかし、一般的には通帳の隠し場所として「自宅」が一番安全な場所なんだが、ウチにとっては「自宅」が一番危険な場所になってしまった。

なので、通帳や印鑑は今でも通勤かばんに入れて持ち歩くクセがついてしまった。

他にも、作った事のないクレジットカードの未払い督促の電話が職場にかかってきた。

クレカは郵送時は書留なので、誰かが受け取っているはず…と地元の郵便局に行って受け取りのサインを確認したら、筆跡がババァだった。

あのババァ、人の名前で買ってにクレカ作ってキャッシングしてたんだ。
帰宅して問い詰めたら、「返せば(ry」と逆ギレ。

更には自分の漫画本、CD、ゲームソフトを買ってに売ってた。ガラガラになっていく本棚。

ジョジョ3部は良い値だったろうな…。

ちなみに、こういったお金関係の被害は自分にだけだった。

妹も同居していたが、高校中退・バイト生活=お金と社会的信用がない…という事で、社会人であり一定の収入がある自分に矛先が向いたのか、はたまた自分よりも妹を可愛がっていたので手を出したくなかったか、今は定かではない。

(孫である姉の子供からも「おばあちゃんって、いつも妹ちゃんばかり可愛がるね」と言われてた)

ただ、自分の心の中には「自分は親の金づるとして生まれてきたのか?金づるにならないと可愛がってもらえないのか?」と悩んでいた事もあった。

そんなババァの借金は再度膨らんでいった。

流石に返済できるお金もなかったので、自己破産する事になった。

そして父と離婚する道へと進んでいった。

これがまた順番が悪かった。

離婚→自己破産ならばブラックリストに載るのはババアだけだが、自己破産→離婚の順番だったので一緒の籍に入っている父・自分・妹もブラックリスト入りになってしまった。

お陰でしばらくはローンが通らなかった。

今はクレカ作れるから大丈夫とは思うけど・・・。

しかも父親は、「名字が変わると『離婚した』って分かって世間体が悪い」とか言って、名字を元に戻さなかったんだ。(父親の行動は、後にもひびいてくる)

離婚後、ババァは出て行ったんだが、それでも普通にウチに出入りしていた。

父親に合鍵を返してもらうようお願いしたが、「それは可愛そう…」とか何とか。

今考えたら、「共依存」って言うんだろうな。こういう関係って。

で、自分もババァを追い返そうと試みたんだが…やっぱ『母親』だから、情がわいてきて、昔のように接してた。

父親の事言えないよな、っていつも思ってた。

しばらくしたら、また借金の督促の電話がかかるようになってきた。

ただ、今までと違うのは…ドスの聞いた声、つまり「闇金」からの督促だった。

ババァは携帯電話を持っていたけど、たまにババァが自宅の電話線を勝手に抜いていて「何やってんだ?」と思ってたら、闇金にウチの自宅電話の番号を教えてたんだわ。

だから、携帯に繋がらなかったからウチに電話がかかってきた訳。

そんな状況が自分でも「ヤバい」と思い、ババァが家で風呂入っている間にかばんの中から合鍵を抜き取った。

見つかると五月蠅いからそのまま車で遠出した。

数日後ババァに遭ったら「アンタ、鍵盗ったでしょ?返しな!」と殴られた。

「はぁ?落としたんじゃないの?」としらばっくれたが、これは良い判断だったと後に判明。

数年後、ババァがパタッと家に寄り付かなくなった時、ババァの勤め先から電話が入った。

「ババァさんいませんか?社長の宝石を持って行って連絡がつかないんですが…」と。

ババァとうとう窃盗しやがった。

しかも時を同じくして闇金からの催促も始まったorz

そして兄弟間で「ババァ見つけたら気をつけるように」と包囲網を敷いていたら、自宅から「ババァが家に来た」と連絡あり、急いで帰宅する。

久々に見たババァは小さくなってボロボロだった。

正直「可哀想」と思ったが、自分がされた事を思い返したら、同情も消えてしまった。薄情でゴメンナサイ。

とにかくババァは家にも入れず戸締りもしっかりして無視していた。
外の小屋にいるのかガタガタッと物音がする。

合鍵は以前取り返していたので勝手に入ってくる事はないと思ったが、心配なので自分は見張りの為キムチラーメン食べて寝ずの番をしていた。(翌日は有休貰った)

兄弟間では「ババァは家に入れない、もし不審な動きをしたら警察を呼ぶ」という動きで統一してたが、午前3時ごろに物音が激しくなって怖くなり110番してババァ警察へ連行。

その時父親から「警察を呼ぶなんて恥ずかしい事するな!」って怒られた。

ちなみに一緒に住んでいた妹は彼氏の家へ避難。

私も彼氏はいたのだが、ババァの事は伝えていなかった。

とても心細くて、妹みたいに誰かに頼りたかった。

でも父から怒られ、彼にも言えず、一人だった。

その後、ババァの職場から「また働いてもらう事になった」と電話が入って一件落着(?)。

それ以降音沙汰もなく自分としては平穏に暮らしていた。

それから数年後、最大の修羅場が訪れる。

例のごとく闇金からの督促電話から始まった。

まず自宅に電話が入る。

しかしここからが今までと違った。

自分を始め兄妹の携帯電話や職場にも電話がかかってきた。

どうやら今度は保証人として子供(私たち)の携帯・勤務先の電話番号を書いて提出したらしい。

真っ先に思ったのは、「あのババァ、子供売りやがった…」。

所詮ウチらは金づるだった。

それからババァの職場から電話。

「ババァさんが社長の宝石を持って(ry」

また窃盗やりやがった。

以前と違い、ナンバーディスプレイ入れてたんで闇金は無視するように家族間で動きを伝達したところ、父親から

「畑から戻ったらババァが家にいた!引き出しから実印盗んでどっか行ってしまった!」
と電話が入った。

実印はヤバい!マジでヤバい!と思い、父親に急いで職場に来てもらい、自分の持っている印鑑を実印変更するよう役場に走ってもらった。(自分は仕事中だった)

役場に行ったら、驚愕の事実を教えてくれた。

どうやらババァが一度役場に印鑑証明をとりに来ていたそうだ。

ただ、印鑑証明は実印持ってる本人にしか渡せないとかで郵送するよう依頼していたそうなんだが、その足で盗みに入ったんだから、ババァ待ち切れなかったんだろうね…。

実印は変更完了して、今後のためを考えて父と二人で警察にも相談に行った。

警察に詳細を説明した時に父が

「いや~自分が人が良いから、頼られたらすぐお金を貸しちゃうんですよ」

とか言ったら、警察官から

「お父さんがそんなだから、お母さんが借金重ねちゃったんじゃないんですか?」

「こういう時はビシッと怒るべきです!」

と指摘されてショボンとしていた。

それと、無料の法律相談があったんで弁護士さんに相談にも行った。

弁護士さんは

「漫画などを勝手に売るのは窃盗になります。ただ…離婚しても、母親はあなたの母親なんです」

と言われて、かなりショックを受けた。

この時点で、私の中では「お母さん」って呼べなくなってたから。

更にひどかったのは、闇金からの電話だった。

警察に相談後に自宅の電話番号は変えたんだが、繋がらなくなった途端矛先は自分と兄の携帯&勤務先へ。

(妹と姉の勤務先は知らなかったから携帯だけかかってきたんだろうが、無視していたらしい)

とにかくひっきりなしに電話が入る。

職場にも「○○さん(私)のお母さんの知り合いですが、お母さんと連絡取りたいので代わって下さい」

とか色々言って代わろうとする。

職場の人が気を使って
「電話をとらなくていいよ」

と言ってくれたり

「○○さんはここにはいません」

と返事してくれていて、本当に助けてもらった。

自分も携帯番号を変えたかったが、繋がらなくなる事で職場や兄に矛先が行く事を考えたらすぐに変えられなかった。

一度だけ職場で闇金からの電話を受けたが、

「お前の母親の借金はお前が返せ!」

「売○でもして金用意しろ!」

とか、受話器から聞こえる大声&書く事も出来ないほどの酷い内容に涙が止まらなかった。

よくTVでやってる「闇金の実態」とかで取り立ての電話のテープを流してるでしょ?正にアレ。

催促の電話でジサツしたって話をニュースで見た事あったけど、本当にジサツしたくなるよ。

家の電話番号を変更するのは、父は反対していた。

「変更すると、近所に説明するのが大変」
という理由だった。

しかし今はそんな事を言っていられない。とにかく家を守らないといけない…と説得。

電話帳にも掲載させず、104でも教えないようにした。

近所の人は離婚した事を知らないから、ババァがお金を借りにきたら簡単に貸すかもしれないと思って、自分が近所の人に「ババァ見かけたらお金を貸さないで!」と言ってまわった。父?何もしなかったよ。

携帯の着信履歴に溜まる闇金からの電話、闇金対応しているスタッフが断っている場面を見てるだけしかない状況、落ち着けるのは寝てる時だけで、朝起きて帰宅するまで闇金がまとわりつき、心身ともに限界がきていた。

闇金からの電話がなくなった自宅に帰宅して、父から「電話はどうだったか?」と聞かれた事に対して、

「今日もたくさんかかってきて、職場の人にいっぱい迷惑かけてしまった!ここ(家)はいいよね、電話がなくて!」

とあたってしまった事もあった。

妹は、彼氏の家に避難していた。

この時には私も彼氏に状況を説明していたが、特に声もかけてはくれなかった。

まぁ普通の感覚だったら、面倒事には関わりたくないよね。

ただ、悪い事ばかりではなく職場の上司から

「あなたが楽になるなら話を聞かせて」
って飲みにつれて行ってもらった事もあった。

上司は飲み代だけでなく運転代行代も払ってくれた。

ヒラスの刺身が美味しかった。(ちなみに今は転職しています)

その後、一か月ほどして電話は収まり自分の携帯番号も変更した。

何度も死んで逃げようと思ったが、我ながらよく頑張ったと自分で自分を褒めた。

「自分に御褒美を」と指輪とか買っちゃったりしてニヤニヤしてたら、玄関からチャイムが聞こえた。

出て見ると、ババァの昔のパート仲間だった。

「ババァさんいますか?前に『お金を借りたいが保証人になってほしい』と言われて保証人になった。ババァさんは絶対返すと思って保証人になったのに一度も返済されてなくて、ウチに督促がきた。ウチもお金がないのに家の物が差し押さえられてしまう。お金を返済してほしい」って言われた。

実は、上記騒動後一カ月の間でウチにあるババァの荷物を処分してたら、確かに借用書の控えがあった。

でも、ババァを見かけなくなった辺りから考えたら…返済なんてしようとも思ってなかったんだろうな。

ババァを信頼していた人を騙して、お金だけ手に入れて後はドロンかよ。

でも、ウチももうババァとは関係ないので本当に申し訳ないけどお引き取りしてもらった。

そして「あのババァ、他人まで巻き込みやがって…」と再度凹む自分。

それから、ババァ宛ての郵便物を転送するようにして、全く届かなくなった事を確認してやっと平穏の日々を取り戻す事ができた。

この修羅場のお陰でパチンコやる人が受け入れられなくなっていたが、今は「小遣い範囲内で楽しんでいるならいいのでは?」と思えるようになってきた。(単にやっている人が身近に増えたので悪く言えなくなっているのもある)

あと、いくら親しい人でもお金の貸し借りや保証人には絶対ならないと誓った。

それと、この件以降白髪が増えたw

トラウマとしては、見知らぬ電話番号から着信があったら、心臓のドキドキが早くなって挙動不審になる事かな?(多分闇金とか督促の電話の影響と思う)

あと、「実家暮らしです」と言ったら「じゃあお母さんにやってもらってるのね?」とか「給料は全部使えるね」ってほぼ言われる。

「父と二人暮らしなので全部自分でやってます。給料も生活費に消えます」

って返すと気まずくなるから「はいはい」で終わらせてるけど。

自分の長い修羅場に付き合ってくれてありがとう。

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