墓場まで持っていく話 短編10話【1】まとめ

墓場まで持っていく話 短編10話【1】まとめ

 

 

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墓場まで持っていく話 短編10話【1】

 

1

エステの痩身代に
高級乗用車が一台買えるぐらいの現金を
使った事は絶対誰にも言えません。
一回数千円と言っていましたが、
実は一回2万円位かかっていました。
全然痩せなかったので情けなくて輪をかけて言えません。

 

2

こどもの名前。
気がつけば昔の彼から一字とってた。
画数、響きなどから決めたので狙ったわけではないのだが。
まあありふれた字なのでばれることはないだろうけど
よけいなことは旦那にもこどもにも言いません。

 

3

あれは小学2年生のとき
子どもがよく使うおもちゃのお手紙セットあるじゃない?
あれを買ってきたから誰かに出したくなったんだ
カタカナというものがまだ新鮮だった頃だったからそれで書いた
なにげなく「アス オマエヲコロス」と書いた
今でも鮮明なのが「を」をちゃんと「ヲ」と書けたことに自分で感心していたこと
適当に近所のポストに放り込んだけど、忘れてた
なんにちかたった夕食の席で母が
「○○さんちのポストに 殺してやる って脅迫状が入ってたんだって
怖くなって実家に帰っているそうよ。
実家も警察に来てもらって守ってもらっているんだって」と言った
私の全身は凍りつき、しばらく動けませんでした
大それた事をしてしまったという生まれてはじめての感覚でした
手紙の件は誰に話すこともなく また 結局ばれませんでした
ここではじめて話しました
ごめんねー あの家のひとたち
なんであんな言葉を書いたか自分でもわかんない

 

4

超有名な、ヅラメーカーの育毛コース(約100万円)を契約し、通っていたものの
効果なし。おまけに、増毛も契約しろと技術者連中にしつこく迫られるようになり、
それが嫌で通わなくなり結局、金をドブに捨てる結果になった。
ドケチな両親にパラサイトシングルの身分で、氏んでも言えぬ。
ただ、その一件の反動で、節約をする癖がついた。

・・・・金は貯まれど毛は生えず。鬱

 

5

ダンナのバイクのタンクに
1センチくらいのひっかき傷を作ってしまった
バイクの色が黒だったので
油性ペンでキュキュッと・・・(w

あれから半年経ちますが、まだ気づいていない様子
このまま墓場まで持っていきます
だって、バレたらタンク弁償させられるよ

 

6

旦那と結婚する前、旦那の車を無断で乗って
バンパーを思いっきりこすったよ。
もちろん怪しまれたけど、誰かが当て逃げしたんだよ~と嘘こいた。
旦那は一日かけて自分で修理していた。ゴメンナサイ・・・

 

7

小さい頃の話。

いつもの球場の外野席で、親父と野球を見に行くはずだった。
ところが、親父は仕事があると言い、連れて行ってくれないことになった。

しょんぼりしている俺を見た母ちゃんが、俺を連れて行ってくれた。
はしゃぐ俺。

球場に着いた。お! なぜか、親父がいるじゃないか。

が、しかし、隣には別の女性が。
(ここから、しばらく俺の記憶はとぎれる)

その夜、両親は、夫婦喧嘩していた。
今思えば、あれは夢だったのだろうか、現実だったのだろうか。

もう20年も経っているから聞いてみたいけれど、聞けないや。
墓場まで持っていきます。

 

8

反抗期に、父親から暴力を受けた。
背中に腕をねじ上げられたんだけど。
仕事で児童福祉を長年やってきた人だっただけに、
信じられなかった。ただ、そのときは酔っていたようだった。
今は温厚でいいおじーちゃんだけど、酔ったときだけは、
むすめは近づけさせないようにしている。
周囲から評価の高い人だから、これは私が墓場まで持ってゆこうと思っています。

 

9

高校の時、好きな先生に渡せなかった手紙を
図書室の一番奥の棚の、ぶ厚ーい(滅多に手に取って開く人なんていない様な)
本に挟んで元の位置に戻し、そのまま卒業してきてしまいました。

卒業して8年・・・あれから手紙はどうなったのかと気になっています。
ハッキリしないまま墓に入るのって複雑だ。(藁

 

10

小1の時、13歳離れた姉と姉の婚約者の下宿に遊びに行った。
そこには婚約者の友人達(全部男だった)もたくさん。
結構おしゃま(ワラ)だった私はチヤホヤされて
男の人達の膝に乗りはしゃいでいた。
何時の間に眠ってしまった私を横に姉含む大人達は
飲み会を始めてたらしい。
ふと目覚めるとその中の一人の男性がしくしく涙を流し泣いてる。
そして他の皆はその男性に対して咎めるような口調で何か言っている。
とても重苦しく深刻な雰囲気だった。
ボーっとしてる私の耳に入ってきたのは泣いてる男性の
「だって○○ちゃんが..○○ちゃんが..うっうっ..」と繰り返す声。
「○○ちゃんのせいじゃないだろうっ!」と怒る婚約者の声。
○○ちゃんってのは私の名前だ。
姉も婚約者も沈痛な面持ち..。
帰りの車、姉と婚約者はただの一言も会話をしなかった。
今でもあれがなんだったのか怖くて聞けない。
○○ちゃんってのは私のことだったのか??
なんであの男の人はあんなに辛そうに泣いてたんだ。

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墓場まで持っていく話
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