墓場まで持っていく話 短編10話【10】まとめ

墓場まで持っていく話 短編10話【10】まとめ

 

 

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墓場まで持っていく話 短編10話【10】

 

1

しばらくぶりに来たら和やかスレになってるぞ。
よっしゃ、正統派墓場話をしよう。
先日、親の遺産相続の話し合いがあったんだよ。
ちなみにオレは3人兄弟の長男だ。(3人とも成人している)
法律上は3人平等分割だが、やはり其々言い分があるんだよな。
少しでも自分の取り分を増やしたいのは分かる。
だがな、次男、お前はヤクザと事故って250万脅されて親に出してもらったな。
そのほかに車の買い替えに100万だっけ?
末弟、お前はずっと自宅通勤で飯も風呂も親掛かりで
それでいて一銭も生活費を入れないでたよな。
高齢の親が野良仕事をしていても草取り1つ手伝わない。
何かって言うと「俺は仕事で忙しい」で、指1本動かさん。

お前らは知らないだろうが、親はいつもオレに全部愚痴ってたよ。
揉めたくなかったから、この事は俺の胸にしまっておくが。

 

2

香港在住の男友達がいる。彼とは別につきあってたわけじゃないけど、
高校時代から仲良くて、お互いを大切に思ってる人。
恋人にならなかったのが不思議と言えば不思議だけど、それもまたよしと思ってはいる。
しかし、先月彼はかなり年下の中国人女性と結婚した。
歴代の彼女のことは全然気にならなかったけど、結婚されたのはかなりショックだった。
で、実は密かに彼の奥さんがsarsであぼんしちゃわないかなと考えることがある。
一方、彼が悲しむのは絶対見たくないし、ほんとにそうなるのはイヤなのも本心。
だからそう思った途端にあわてて後悔するけど、何度も何度もそう考えてしまう。
明らかに嫉妬している自分が醜くてほんとに鬱。こんなこと絶対に言えない。

 

3

去年の夏、お互い結婚の約束までして親族にまで紹介してた相手に振られた。
未だに引きずってるところもある。
去年の秋、姉が娘を産んだ。両家にとって初孫にあたるので
双方の祖父母の可愛がりようは並大抵でない。
もちろん私も可愛いと思うのだけど…。

どうしてねーちゃんばっかり私の望んでた幸せつかんでいくんだよって思う。
自分のこと好きだって言ってくれた人と一緒に居たいっていう
私の希望はどうしてそんなに叶わないんだろうって思う。
私が望んだことはそんなに大それたことだったのかと悲しくなる。

結局適齢期に結婚して、20代で第一子を産んだ姉に対する嫉妬が
拭い去れないんだわ。
姉のことは大好きだし、姪っ子は物凄く可愛いので
こんなことを考えてしまう自分が大嫌いだ。

 

4

小学校1年生の頃、つい出来心で近所の家の郵便受けに入っていた手紙を
勝手に取り出してびりびりに破いて捨てたことがある。
2軒の家に2~3回ぐらい繰り返してやった。
よほどストレスがたまっていたのだろうか、
何の恨みもないその家の人に対して「いい気味だ」とさえ思った。
結局次にやろうとした時、たまたま通行人に目撃されそうになってやめた。
ばれてたらどうしよう、とすごいドキドキしたのを覚えている。
それ以来二度とやってない。
今でもその家の前を通ることがあると、苦い記憶がよみがえってくる。
何であんなことをやってしまったんだろう、
大事な手紙を破ってしまったのではないかと申し訳ない気持ちになる。
子供の頃とはいえ犯罪行為を犯してしまった、このことは誰にも言えない・・。

 

5

バイト先での出来事。
酔っぱらったお客様がフロントに居た店長(普段から仏頂面)を見ながら私に
「あの人(店長)さー、怒ってない?俺のこと」
としきりにおっしゃった。
「そんなことないですよ、大丈夫ですよ~」と言ったが聞いてない様子で、
「でも俺ちゃんと謝ってくるから大丈夫よん♪心配しないで♪」と本当にフロントに謝りに行ってしまった。
後で店長に「酔っぱらってて何言ってるか分からなかったんだけどあの人何言ってたの?」と言われ
「店長が怒ってるんじゃないかって…」と言ったら微妙にショックを受けていた。

…ホントは「俺のこと怒ってるんじゃない?」の後に
「○○ちゃん(私)もいびられてるでしょ」がついてて
お客様が謝っていらっしゃった後に「もうこれで○○ちゃんも大丈夫だね♪」と仰ったなんて
店長には絶対言えません。墓場に持っていきます。

 

6

大学の時バイト先で好きになった子がいて二人でよく遊んでた。
でこれはイケと思って告ったら同じバイトの別の奴と付き合うことになったからアウトと。
要するにどっちにするか天秤かけて俺じゃないほうを選んだと。
むかつくやら情けないやらその後一切接触しなかった。
で大学卒業、就職して4年だから当時から6年以上たった頃、
俺には結婚の話が出ていた半同棲してる彼女いた。
ある日2人でコンビニから帰ってくるとその子がマンション近くの電柱に立ってるんですよ。
夜9時頃。驚いたし正直ちょっと怖かった・・・。
とりあえず彼女先にマンション帰らせて、話してみると
”色々あったけど俺のことが好きでいつまでも忘れられない”と。
お前はアフォかバカかと。何年前の話してるんだと。
無茶苦茶泣いてるんですよ、その子。
何年も前のことで訳わかんねーなーと思いつつ、
当時無茶苦茶傷ついたけどこの子に振られて俺ヨカッターと思ったのは
墓場に持っていく話です。

 

7

私たちの子供は所謂医療ミスで亡くなった。
亡くなった時の担当医はかつての職場の後輩だった。
子供の死は当然悲しかったけれど、そこで私はあろうことか後輩を庇うことしか頭になかった。
死んだ者はどうあがこうと生き返らない。
それよりも、優秀な後輩医師の経歴に傷をつけたくないと思った。
夫は医学とは全く別の分野の人間。医師であった妻の言うことを疑うはずもなかった。

後輩は内緒で今もかわらず忙しい合間をぬって子供の墓参りにきてくれている。
なによりあんな異常事態に冷静(決して正しい判断だとは言えないでしょうけど)でいられた
自分が恐ろしい。
こんな話、誰にも言えるわけはなく、でもどこかで吐き出したいと思い書きました。
心の闇スレと迷いましたが、これは本当に一生いえない話なのでこちらにしました。
今でこそメディアでさんざん糾弾されていることですが、もう何年も昔の話です。

 

8

小学生の頃母の日のプレゼントを買いに地下鉄乗って花屋に行った
カーネーション買ったんだが所詮小学生のお小遣いなんで
なんとも寂しい花束だった がっかりして地下鉄に乗って
帰ろうと券売機の前へ・・・ ん? 券売機の横に隙間がある?
おろ? 良く見ると百円玉や千円札がたーーくさん ????
なんで? どして? あー みんなここに間違えて入れちゃったんだ
それで取れなくなっちゃったんだ と信じて疑わなかった
うひゃひゃ 儲けた 全部で4~5千円になり それを持って
花屋さんにリバース そして豪勢な花束を持って駅に戻ると
駅員さんがたーーーくさん券売機に群がってる なんだろ?
と覗いてみるとさっきの神の隙間を必死に塞いでる!!
駅員さんの会話を盗み聞きすると 「こんなトコに隙間開いてるなんてナ~」
へ?「まずいな~ さっき子供がココからお金ほじくってたらしいんだ」
俺じゃーーん それ俺じゃーーん
「ご免なさい それ僕です カーネーション買っちゃってもう無いです」
駅員さん達は「お母さん思いに免じて俺達が差額を出しといてあげるから」
と許して下さいました
オカンにも「どーしたのーーー アンタのお小遣いで買えるワケないじゃない」
でバレて結局駅員さん達にお金返しに行きました

しかーーーしホントは隣の券売機からも3千円くらいほじくって
駄菓子屋さんで豪遊したのは内緒の話だ

 

9

小3の冬近所のゴミ捨て場(不法投棄)で1人あそんでいた私は廃棄物のなかに
雛人形set箱入雛壇付きを見つけそれを組み立てて飾ってみました(なぜか頭は
付けませんでした)その異様な姿に私は「燃やしてみよう!」と思い廃棄物の中に
あったペンキ(黄色)をかけてライターで火を点けてみました。
その燃えてゆく様にウットリしていると廃棄物に燃え移り大火事になってしました
「消さなきゃ~」と思い色々試みましたが消えません。その場に居るのはいろんな
意味で危険と感じた私はダッシュで逃げてしまいました。消防車30台位と野次馬数十人の
中にまぎれ消火活動を眺めていました。その敷地は今はダ○ナムになってオリマス………
今までこの話を誰にも言うことができませんでした。なぜなら私は今、消防士ですから

教訓:雛人形の頭はちゃんと取り付けましょう!

 

10

今の会社に提出した履歴書の内容や、普段同僚や上司と話すこと、
社会人になってから出会った友人などに語るプライベートのことは、
8割方即興で演出したエピソードで構成されている。

「表」
地元のプチ進学校の落ちこぼれ、フリーターと正社員の狭間のような状態で
全国を飛び回る元物流業界のエージェント。
大学進学のため配置転換を希望し、学生と社会人との2足の草鞋生活を送り、
卒業後流れで正式採用されるが病気で思うように働けなくなり退職。
半年の療養後あまり体力の要らない現在の職場(ハードウェア関係)へ。

「真」
高校をダブリ→中退、1浪して名前さえ書ければ入れる5流大をギリギリで卒業。
当然まともな職に就けず最初に入った会社は3ヶ月もしないうちにバックれ→解雇。
体力無い上に病気持ちなので座ったままで仕事できる今の職場に口八丁で入社。

業界知識は学生時代のバイト経験やネットで調べたが所詮は付け焼刃、バレた時が辞め時かな。

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墓場まで持っていく話
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