自らをエスタブリッシュメントである「中華文明の担い手」とする民族的錯誤、更に「生贄」であることに気付かずに反日感情を煽られて自殺的行為に走る朝鮮人呪術師は多い。
しかし、根本的理由は朝鮮民族の潜在的な生存本能に負うところが大きいらしい。
強力な民族や国家に囲まれた弱小の朝鮮民族が、民族として生き残ってこれたのは、「恨」の精神によって頑なに異民族との同化を拒んできたからだった。
しかし、最も関係の深い隣国である日本は、外来の技術・技芸、文化・宗教、そして人間までもその内部に取り込み、強力に同化してしまう恐るべき特性を持っていた。
日本に渡った同胞は短期間で日本と言うブラックホールに飲み込まれ、日本人と化してしまった。
古来、日本に渡った者は「エリート」が多かった。
だが、そういった者ほど日本への同化、日本人化は早かった。
故郷を離れ、異国で世代を重ねながらも「朝鮮民族」である事にこだわりを見せるのは、むしろ低い身分の出身者が多いようだ。
日本人の目からは誇張に見える事も少なくないが、日韓併合は朝鮮民族にとって民族存亡の危機だったのだ。
シンさんは言った。
例え、世代が5世・6世と進み、制度的に不利な身分に置かれようとも、朝鮮民族の日本への帰化は一定以上には増えないだろうと。
朝鮮民族には他民族に併呑され同化されることへの本能的な恐怖がある。
そして、同化力の強い日本と言う国家・社会において朝鮮民族としてのアイデンティティの拠り所となるものは「国籍」位しかないのだと・・・
この特異な性質を持った日本と言う国を滅ぼす事、日本と言う国家の起源とも言える皇室を打倒することは、朝鮮民族の民族的命題とも言えるのだ。
もっとも、最近は日本皇室の「権威」を自らに引き寄せようとする動きもあるようだが・・・
ともかく、狂気とも言える「鉄壷の呪法」を行った呪術師は、自らの命を掛けるほどに強烈な覚悟を持って皇室・・・日本と言う国を呪った。
しかし、呪いの対象は、ある意味無限に近い、全世界を敵に回してもなお平然と存続してしまうほどの霊力を持った存在だった。
鉄壷は際限なく「生贄」の命を吸い取る、少なくとも日本国内にいる朝鮮民族にとって非常に危険な呪物となった。
いや、呪術師がこのような陰湿でおぞましい呪法を組み立てたのは、むしろ、それが目的だったのかもしれない。
日本への同化を嬉々として受け容れようとした、反民族的な「親日朝鮮人」を根絶やしにする為の呪法と考えた方が筋が通る。
実際、鉄壷を持ち込んだ呪術師の行く先々で多くの人々が命を落とし、謎の病に倒れた。
どのような経緯で確保されたかは謎だが、鉄壷は回収され、多くの朝鮮民族の命を守る為に日本人の手によって「***神社」に安置される事になった。
封印は功を奏し、半世紀以上の時間が経過した。
当時の関係者はいなくなり、呪いの鉄壷の存在を知る者は居ないはずだった・・・
しかし、***神社は暴かれ、鉄壷は持ち出された。
俺達は、再封印できるか***神社の確認と、柳の元にあるであろう鉄壷を確認しなければならなかった。
俺は木島と共に***神社へと向かった。
***神社は雪深い山奥にあった。
車で行けるところまで行き、後は地図とGPSを頼りに徒歩で進んだ。
6時間以上掛かっただろうか?
俺達は岩だらけの川原に出た。
川に沿って上流に向かうと対岸に黒い鳥居が見えた。
川幅は15m程だが、流れはかなり速い。
だが、窃盗団は川を渡っているはずだ。
上流に向かって10分ほど進むと、岩伝いに歩いて渡れそうな場所があった。
俺達は対岸に渡り、鳥居の前まで戻った。
鳥居は高さ2m程の小さな物だった。
鳥居には太い鎖で出来た輪が内側いっぱいに広げて吊るされていた。
鳥居から奥に10mほど進むと焼け落ちた祠があった。
火を放たれてそれ程時間は経っていないのだろう。
焼け跡の生々しさがまだった。
祠の裏は奥行き5m程の人工のものらしい岩の洞穴があり、最奥部には鉄壷が収められていたのだろうか、直径40cm、深さ60cm程の縦穴が掘られていた。
洞穴の中にも火が放たれたのだろう、黒い煤や油の臭いが微かに感じられた。
俺は木島に「どうですか?使えそうですか?」と声を掛けた。
暫く木島は目を瞑ったまま黙っていたが、やがて口を開いた。
「ダメだな、道が付いてしまっている。ここはもう使えない。他の手を考えないとな・・・」
日本各地には俗に「パワースポット」と呼ばれる地脈の集結点や、大地の「気」の湧出点がある。
それとは逆に、地脈から切り離され、大地からの「気」が極端に希薄なポイントもある。
仮に「ゼロスポット」と呼ぼう。
このゼロスポットは呪物や不浄な存在を地脈・気脈から断ち切って封印するのに適した場所なのだと言う。
ゼロスポットはパワースポットよりも数が少なく貴重なものらしい。
発見されたゼロスポットは祈祷師や神社などが把握し、監視しているということだ。
この神社も、ある祈祷師のグループが見つけて管理していたポイントの提供を受けて建立されたものだと言う。
朝鮮人の「命」を生贄として吸い取る鉄壷は日本人の神官によって封じられた。
今回、木島が呼び寄せられ、マサさんやキムさんではなく、俺が***神社に赴いたのも「道」が付くのを怖れたからだ。
生贄である朝鮮人が足を踏み入れれば、壷に「命」を吸い取られ、吸い取られる筋道が外界への「道」となる。
窃盗団の韓国人が足を踏み入れた事で、このスポットは聖域ではなくなってしまったのだ。
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