『3人の男』『消えた運転手』など4話収録

『3人の男』『消えた運転手』など4話収録 ゾットする話

消えた運転手

中学校の頃に、塾の講師の人から聞いた話をふと思い出した。

その講師が大学の友人達と旅行に行ったときの話。

特に何か目的のある旅行ではなく、適当にドライブして千葉のとある町で宿をとったそうだ。

その晩は酒盛りとなり、ご多分に漏れず、心霊スポットに行って肝試しをしようということになった。

旅館から車で5分ほど走ったところに、その森はあったらしい。

入り口までは車で入れたのだけど、奥までは入れない。

仕方ないので車を降りて、全員徒歩で森の奥へ歩くことになった。

森の奥まで歩いたが、特にそれらしい現象は起こらなかった。

奥には小さな池があり、それらしい雰囲気を出していたけど、やっぱり何も無かったそうだ。

拍子抜けした一行。

酔いも醒めてきて旅館へ戻ることにして、一路車へ戻る。

車に乗り込む一行。

エンジンをかけて、車を発進させようとするが動かない。

運転手の男に動きがない。

足元をじっと見つめたまま固まってしまっている。

後部座席にいた講師が不信に思い、運転手の足元を見た。

運転手の足に、血だらけの軍人のような人がしがみついていた。

悲鳴をあげ車から逃げ出す。

そして旅館までひたすら走り続ける中、講師は走り去る車の音を聞いた

運転手のことが気にかかるが、やはり怖くて確かめることができない。

悩んだ末に地元警察に事情を話し、捜査の協力を求めることができた。

車が走り去った現場には、タイヤの後は無かった。

森の奥へは車で入ることはできず、かといって戻った様子も無い。

一旦そこで捜査は打ち切られたそうだ。

結局そのまま運転していた人は見つからず、尋ね人の写真が交番に、しばらく貼られていたそうな。

半年ほどしたある日、警察から運転手の男が見つかったと連絡を受け、現地へ行った講師。

結論から言うと、やはり運転手の男は死んでいたそうだ。

車と共に見つかったのだけど、その車は森の奥の池の中から見つかったらしい。

周囲は森。

車でなぎ倒した形跡も無いのに、車ごとどうやってその池までたどり着いたかは不明らしい。

 

人体模型

奈良の某中学校ですが、校舎の改築の際理科室の掃除をしたところ、古い人体標本模型が出てきました。

それを担当のクラスの男子が遊び半分にばらばらにしたり、プロレスの技をかけたりして壊してしまいました。

その破片は先生方が、こういうものは決して粗末にしてはいけないと回収して箱にしまって新しい理科準備室にしまいました。

掃除は水曜日に会ったのですが、その次の週からそのクラスの男子が休み時間やクラブのときに怪我をするようになりました。

最初の2~3人は軽い怪我だったのですが、ついには骨折・入院するものも現れ、クラスの雰囲気はきわめて悪くなりました。

女子が呪われていると騒ぎ始め、結局クラスの生徒全員で人体模型にお詫びをすることになりました。

理科準備室の模型の箱を空けてみると

中のばらばらになった人体模型の左腕と右足は、なぜかきれいに引っ付いていました。

骨折した2人はそれぞれ左腕と右足でした。

結局、その人体模型は今でもその中学にあります。

普段はきちんとしまってありますが、毎年新学期に、理科の先生方全員で、学生の安全をその人形に祈っています。

私がその中学の事務職員をしていたときの話です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました