– しみじみ - グッとくる話 短編10話【8】
このままじゃいけない
引きこもり暦が長く、アニオタの私が、このままじゃいけないと思い
夜な夜なこっそりアニメグッズや、太って着られない服をごみ捨てに何日間に分けて行っていたら
ある日、警察が来た。
親曰く、自殺か、家出でもたくらんでいるんじゃないかと思ったらしい。
大事なアニメグッズを捨てていたので一大事だと思い父親に相談→警察。
あまりの恥ずかしさにうつむいていたら、警察官に慰められた。
今年一番の辱めを受けた。
たすけて
普段
妹「おいブスwてめーだよカスwそれでも化粧してんのかよカスw
ぶっさいくだなああwww」
私「ひどいお(´・ω・`)」
昨日
私「今どこ?」
妹「は?家だよカス」
私「何か変な人に追いかけられてる(´;ω;`)たすけて」
妹「わかった、すぐ行く!今どこ?」
口は悪すぎるがいざって時は頼りになる。姉妹とはいいもんだ
結婚してよかったなぁ
なんかよくわからんが、すげー優しい
未だに、おかずは俺が大きい方を置いてくれるし
二人でパンを分ける時も大きい方を俺にくれる
俺のビールは「いつもお仕事頑張ってくれるから」と家計費から出したり
特別な日は高いビールを嫁が自分の小遣いから買ってくれる
それなのに自分は何度言っても化粧品も小遣いから出すし(家計費からでいいと思うんだが…)
そろそろ買い換えろって言っても「誕生日に買ってもらって嬉しかったから」と
俺が付き合ってた頃に買ってやった財布を未だに使っている
そして何より、俺の宝物を生んでくれた
娘も嫁も俺の生き甲斐だーー!
ちょっと変な体育教師
ずいぶんと前の話だけど
高校の時、ちょっと変な体育教師が居た。
昼休み前の授業だと、昼休みの終わりまで授業を延長しちゃう教師。
当然、みんな昼飯なんて食えない。
あるとき、いつもの様に昼休みを潰されて、午後イチの授業でみんなグッタリしてた。
飯は食えないし、水泳の授業で延長だったから、いつもより更にグッタリ。
その時の午後イチの授業は世界史で、先生は非常勤のお爺ちゃん先生だったんだけど、
あまりにグッタリしてるみんなを見て訳を聞いて来た。
誰かが素直に話すと、お爺ちゃん先生は頷いて、
「よし解った。みんな飯を食え」
と言い、がつがつと弁当を食うみんなを見てニコニコしてた。
後でお礼を言うと、お爺ちゃん先生は戦後のシベリア抑留の経験を少しだけ話し、
空腹の辛さは良く分かる、お前ら若いのにあんな思いはさせられん、と笑っていた。
お爺ちゃん先生が何かしたのか、以来、体育教師の昼休み潰しも無くなった。
妊娠中にカバンをひったくられた
妊娠中にカバンを引ったくられた。
そしたら、いっしょにいた義妹が私が叫ぶより早く、猛ダッシュして犯人を取っ捕まえ、バシバシ殴りながら
「てめー、うちの大事な兄嫁突き飛ばして、覚悟できてんだろうな!?あぁっ!?お腹にいんのは、うちの初孫であたしの初姪だぞゴルァ!!死ね!死んで謝れ!腹切って詫びろ!」とまあ、責める責める。
義妹は警察がくるのと同時にガクガク震えて泣き出したww
返り討ちにあったりしなくて本当によかったし、普段はおっとりした義妹が、私と子のために我を忘れるほど怒ってくれたかと思うと、今でも胸が熱くなる。
お地蔵さん
山の中の人家もまばらな場所
一本の橋がかかってるんだけど
上流域、深い谷になってて底は大きな岩だらけ
水が流れてるのかも見えないぐらい
その橋のたもとにお地蔵さんが二体いるのね
それは、おばあちゃんとそのお孫さんのお地蔵さんなんだって
おばあちゃんがお孫さんを預かってて
きっとお散歩で橋の上を歩いてたんだろう
んで、何気なく川を覗いたんだろうね
小さい子ってさ、頭が重くてバランスが悪いから
体も小さいから、手すりの下から覗いたんじゃないかな
はしゃいで身を乗り出しちゃったんだろうね
その数日後、おばあちゃんも同じ所から。
耐えられなかったんだろうね
かわいい孫を殺してしまった重責
どんな思いで孫のお葬式に出たんだろう
その数日間どんな思いで過ごしてたんだろう
深い谷の底からおばあちゃんを連れて帰ってきた家族は
どんな思いだったんだろうって
ふたりで仲良く遊べてたらいいなって
あの橋のたもとで皆を守ってくれてたらいいなって思う
野心家だった父
父は医者をしている。中くらいの病院の勤務医で、
昔から「俺は必ず院長になってみせる」と言う野心家だった。
仕事人間で家族のことは二の次だった。
その後我が家は母と私に病気が見つかって、色々大変だった。
私は就職とか結婚が難しいかんじ。
その父に院長にならないかという話が来た。
ところが、父はその話を断ってしまった。
ビックリしてなぜかと聞くと、
「院長になると今以上に激務になる、給料も減る。
今の俺はもっと家族と過ごしたい、お前は俺の給料減ったら困るだろ?」
と言われた。
すっごい感謝してるけど、
こんな病気になってゴメンと思った。
今まで生きてきて衝撃的だった出来事
ありがちだけど、自分が養子だった事。
高校生の時に戸籍を見た事で知って、何で隠してたのか、俺を騙してたのかと
帰宅したばかりの親父に食って掛かった(さすがに母には言えなかった)ら
「ちょっと迷子になったってだけで騒ぐな。ちゃんと探してやったろうが」だと。
両親的には俺は、「生まれてくるとき、出てくる腹を間違えた阿呆」という事になっているらしい。
自分としては凄く衝撃的な事実だったのに
余りにもあんまりな返答を返された俺は、唖然としているうちに「で、お前宿題終わってんのか」の一言で自室に追い払われた。
後に、俺は不妊に悩んでいた両親が
ふらりと訪れた施設で、ハイハイダッシュで駆け寄ってきた赤ん坊だったと聞いたw
母も父も、俺を抱き上げた途端「あ、これうちの子だ」「こんなところにいた」と感じたらしい。
ちなみに俺が引き取られた後、不妊に悩んでいたはずの両親の間には
男二人女一人、見事にぽろぽろと子供が産まれ、俺は4人兄弟の長男に当たる事になる。血縁ないけど。
だけど弟二人は、俺が養子だと聞いても、血液型確認したくらいで
妹は「それ戸籍が間違ってるよ。だってお兄ちゃんとお父さん、寝相も寝返りうつタイミングもぴったり一緒だもん」だそうだ。
そんな親子証明はいらないwww
多分、俺がいたという施設に問い合わせれば
実親の事も少しは判るかもしれないけれど
全く興味が沸かない自分が、きっと腹を痛めて産んでくれたのであろう人に
申し訳ないかなとは思っている。
日本の四季
今の時期なら花見で桜が綺麗だと感じれるし
夏は蝉の声を聞いてスイカにかぶりつく
秋は蟋蟀の鳴き声聞いてしんみりできる
冬はコタツに入って家族とミカンを食べる
何より、納豆と味噌汁を美味く感じれる
最高の贅沢だよな、あー日本人でよかった
自殺直後に社長さんが飲みに来た
昔、好きだった近所の本屋がつぶれて
社長さんが事務所で焼身自殺したなあ…。
万引き多かったらしい。
当時、社長さんが常連にしてた飲み屋勤務だった姉が
自殺直後に社長さんが飲みに来たって言ってた
別に焼身死体のゾンビが飲みに来たわけではないwので
恐いというよりせつない話かなあ。
直後って言っても、自殺は日付の変わる前で
姉が2~3時くらいに店長から鍵を預かって、一人で閉店準備してたら
件の社長が来店してきて、久しぶりーとかお互い挨拶して、
入れてたボトル一杯だけ静かに飲んで帰ってったそうな。
翌日出勤して、「昨日、閉店間際に久々にあの社長が来た」って報告したら
店長が( ゚д゚)てなって、「あの社長、昨日ね…」って教えてくれて、姉も( ゚д゚)
そのあとは、最後に飲みたかったんだねーと皆でしんみり状態になったそうな。
なんかもう、いいひとだったそうで。
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